コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2021 第5ステージ

本日はタイムトライアル!通称TT ! ITT!
コロロンの好きな言葉、いんでぃびでゅあるたいむとらいある!
27.2kmの、個人TTです。


ステージレースの、初日ではないTTなので、総合順位が低い選手から順番に走ります。

世界選手権とかだと、ランキング上位ほど後ろを走るから、正直勝つ選手を知りたいなら最後だけ見ればいいんだけど、
ステージレースだと、総合順位がいいかどうかとTTが早いかどうかどうかはまた違うので、
ステージレースの場合はまじめに見ようとおもったら、スタートリスト首っ引きでみることになります。

でも今年のツールはマチェイ・ボドナルが出てないから、気持ち的には気楽に見ます。
(私が一番応援している選手は、ポーランド出身、ボーラ・ハンスグローエ所属のマチェイ・ボドナルです。初めてこのブログ読んでくれた方、いつかボドナルさんの名前をどっかのレースでみたら、「へえー、この人か」って思ってください。笑)


個人的には、ツールのTTっていうと、昨年の大逆転ステージが頭をよぎるので、一番の第注目はポガチャルとログリッチ、そしてワウト・ファンアールトなのですが。

さて。

序盤で、とってもいいタイムを出したのは、UAEのミッケル・ビョーグ。
彼のタイムがとてもよくて、ずーっとホットシートに座り続けます。
今日、最初の方にスタートした選手が走っている間は晴れていたのですが、中盤を走る選手の頃から雨が降って、一時路面状況が悪化していて、実力はもちろんですが天候も若干ビョーグに味方していました。


路面がよくなってきたころ、ドゥクーニンクのカッタネオがフィニッシュでビョーグのタイムを5秒上回って暫定1位になりました。

しかし、カッタネオのフィニッシュから数分で、フィニッシュにやってきたエフデジのシュテファン・キュング!
カッタネオのタイムを36秒上回るものすっごいタイムをたたき出し、暫定1位タイムを更新します!

その後、次々に現れる有力選手、ドゥクーニンクのアスグリーン、ユンボのヨナス・ヴィンゲゴー、が、中間計測ではキュングのタイムを上回るのですが、フィニッシュではキュングのタイムを上回ることはできません。
……ものすっごくどうでもいいですが、今年出ている選手の中で、ヴィンゲゴーって名前が一番好きかもしれません。声に出して楽しい選手の名前ナンバーワン。次点はとにまる。

一昨日の落車の影響だったログリッチは、キュングのタイムから、プラス25秒でした。
なかなかいいけど、うーん。怪我がない状態でのログリッチTTを見たかった。


ここまでで、暫定1位がキュング。2位が8秒差のヴィンゲゴーです。

最後の方に走り出す、総合順位上の方の選手でTTが気になるのは、
昨年のTTでも大逆転が記憶に新しい、UAEのタデイ・ポガチャル。
本日優勝候補ナンバーワン呼び声が高い、ワウト・ファンアールト。
マイヨ・ジョールを取り戻せるか?のドゥクーニンクのアラフィリップ。
そんでもって、……そういや、TT成績どうだったっけか?って感じの現在現在暫定1位のマチュー・ファンデルプール。


この中で、最初に走ったのは、現在総合6位の、タデイ・ポガチャル。

第一計測の暫定1位は、アスグリーンのタイムだったのですが、なんとポガチャルのタイムを10秒上回りました!キュングのタイムからだと11秒上回ってる!

ををう。やっぱりポガチャル、TTめちゃくちゃはやい。わかってたけど、速い。


続いてファンアールトの第一計測タイム!!ポガチャルのタイムに、プラス7秒!
ここまでは、アスグリーンやキュングよりも速いです。
アラフィリップの第一計測は、プラス23秒くらい。ステージ優勝や本日のマイヨジョーヌ争いに関わるには厳しいタイムですね。

そんでもってポガチャルが第二計測にきました!
タイムは、第二計測1位のキュングのタイムより、17秒早い!!
おおお。

と、最終走者であるマチューの第一計測タイムが出ました。
ポガチャルのタイムプラス7秒!コンマ差で、ファンアールトよりも早い!第一計測だけなら2位!
マチューもすごいぞ!!


続いてファンアールトの第二計測。
ポガチャルからプラス21秒。キュングよりも4秒遅い、第二計測暫定暫定3位。

そんでもって、最終走者マチューの第二計測。
ポガチャルのタイムにプラス22秒。ファンアールトよりもちょっと遅い。ちょっとだけ。


さて、ここまでトップタイム更新しまくっているポガチャル。ちらっとよそ見する余裕もあるポガチャル。
本当に速いです。
速い人は、TTの最中自転車がほんとにアスファルトにたいして垂直のままものすごいスピードで進むって感じがあるのですが、ポガチャル、なんか、縦にきれい。
正直かつてのカンチェラーラとかに比べると、がっしりって感じじゃないからか、あんまり速そうに見えないんだけど、でもなんか、縦に細長く安定しているのです。

さあ、ポガチャルがフィニッシュ地点にやってきました!!
優勝タイムまでは、余裕!!
でも総合順位のため、全力でもがきます!

ポガチャルがフィニッシュ!マイナス19秒タイム更新!暫定1位!!

ポガチャルがフィニッシュした瞬間、ホットシートに座っていてキュングが、「ふっ……」と「くっ……」の中間くらいの表情をしていました。
わかってたけどくやしい、みたいな雰囲気。
うう、キュングも、ようやくグランツールで勝利できそうっておもってだんだろうな。私もポガチャル走るまで思ってたよ。


さあ、ファンアールトがフィニッシュ地点にやってきます。
ポガチャルのタイムプラス30秒!ヴィンゲゴーに続く、暫定4位です。



そして。
本日の最終走者、マチューがフィニッシュにきました!おおお、すっごい気迫!!
ステージはもう難しいけど、マイヨ・ジョーヌをキープできるかどうかは、まだわからない!!
全力でもがき切ってフィニッシュ!タイムは、ポガチャルとは31秒差!!


どっちーだ!!?と思いながら、まずはステージ結果!!
ステージ優勝、UAEチームエミレーツ、タデイ・ポガチャル!!
わかってたはずなんだけど、やっぱり速くてびっくりする!

ステージ2位は、エフデジのステファン・キュング。
ステージ3位は、ユンボ・ヴィスマのヨナス・ヴィンゲゴーでした。


そんでもって、最終的にステージ優勝より気になっていた、総合!!

暫定総合1位、マチュー・ファンデルプール!!(アスペシン・フェニックス)
キープした!!!すごい!!TT強いのかもわかんなかったのに、キープ!!

2位タデイ・ポガチャル  8秒差!
3位がワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)マチューから30秒差。
4位がジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)48秒差。
5位が……ごめん、ぜんっっぜん注目してなかった、アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ)1分21秒差。
ルツェンコ、昨日は総合11位だったのですが、今日ステージ10位で、ジャンプアップしました。

一気にタイム差がぐっと動きましたね。というか、広がりましたね。

他の賞は、基本的に変わらず。
ポイント賞、マーク・キャベンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ
山岳賞、イーデ・スへリンク(ボーラ・ハンスグローエ)
新人賞は、タデイ・ポガチャルでした。


今日は、ポガチャルのわかってるけど速いって感じと、マチューの最後の「うおりあぁぁぁあ!!」って感じの走りが印象に残ったTTでした。
TT楽しいな。落ち着いてみられるのが、いいとこだな。

ツール・ド・フランス 2021 第4ステージ

今日は何もない日です。
4級山岳すらない日です。
ただただまっすぐな日です。

そんなまっすぐな道で、アクチュアルスタートが切られると同時に。
選手たちは止まりました。

昨日の危険なステージ設定に対する抗議的な、ストライキ的なものです。
選手たちからの意思表示。


どうやら、昨日スタート前に、万が一落車したりトラブってもトラブらずにフィニッシュした選手と同タイム扱いにしてくれるフィニッシュ前の区間を、通常の3kmではなく5kmにしてもらいたいと、選手側からお願いがあったそうなのですね。
選手たちは、このコースレイアウトだと、フィニッシュ近くなると落車の危険性があるのがわかっていたようなので、救済区間を伸ばすことで、前に位置どろうとするチームを減らせるのでそういうお願いをしたそうなのですが、
レース主催者のASOはこれをOKしたそうなのですが、審判側(UCI)が拒否した、と。
で、実際に、選手たちの危惧どおり、残り4km付近で大きな落車が発生しました。

そういう話の流れがあっての、本日の抗議行動となったそうです。

この行動により、しばらくレースがストップしました。
その後、何がきっかけかわかりませんが、とにかく普通にレースはスタートします。


それでも最初はゆっくりしか走ってなかったようなのですが、138kmで徐々に逃げができる雰囲気になり、2人の逃げグループができます。

一人は、ロット・スーダルの、ブレント・ファンムール。
もう一人は、コフィディスのピエールリュック・ペリション。


この2人とメイン集団、という構図で、レースは進んでいきます。


残り36km。
本日フィニッシュ以外に唯一あった勝負所の中間スプリント区間
逃げの2人の中では、ファンムールが1位を取りました。

そして、今日がっちがちに本気のメイン集団では、なんとドゥクーニンクのカヴェンディッシュがトップ通過!!その次がリードアウト役のモルコフで、その次がブアニでした。
ちなみに、昨日までスプリントポイントは、ユアンがとっても頑張ってたのですが、もう昨日の落車で鎖骨を複数箇所骨折し、リタイアしています……。


残り22km。
逃げている2名と集団とのタイム差は、約1分。


残り15km
先頭ファンムールと、メイン集団とのタイム差、約30秒。


残り14km
ここで、ファンムールが一人飛び出し、単独先頭になりました。
メイン集団とのタイム差は、45秒くらいになっています。


残り12km
タイム差約55秒。


残り11km
タイム差1分。
……ファンムールすごい。


残り10km
先頭ファンムール。
追走のペリションが、約25秒後方。
その後ろにメイン集団。ファンムールとのタイム差は、約1分5秒。


残り8km。
ファンムールと集団とのタイム差。約1分5秒。

……ち、縮まらないのですが。

平坦だと、集団が逃げを吸収するときの基準が、大体10km1分ペースで差を詰めていくっていうのがセオリーだと思うのですが、これだと逃げ切れちゃうのでは……?
いやあ……でもツールでそれは……ありえるのだろうか。


残り6.5km。
タイム差、1分。

ここまでなんとなく緊張感に欠けていたメイン集団ですが、このあたりからデマールで勝負したいエフデジが徐々にスピードをあげて、緊迫感が上がってきました。


残り5km。
いきなり集団が本気になった!!
アスペシンやドゥクーニンクも集団の前の方にでてスピードをあげ始めました。
タイム差52秒。


残り4km。
タイム差40秒。
ねえ!!1kmで10秒つめてるよ集団!!強いよ!言わずもがなだけど!!


残り3km
タイム差33秒。

メイン集団では、トレックが先頭かな。ボーラもいい位置をキープ。
そして、イスラエル・スタートアップネイションのグライペルが単独でアルペシンのトレインに混じっていきました。

残り2km。
タイム差20秒!!
これは、ギリギリで吸収される可能性がある。

残り1.5km
タイム差15秒。
メイン集団はアラフィリップが先頭で牽いているドゥクーニンクトレインが先頭です。


残り1km
ああファンムール!!もう後ろにメイン集団見えてるよ!!


残り500m
まだ逃げている!!

残り400m
まだ。

残り300m
まだ!

残り200m
ああ!!集団先頭でスプリントをはじめたスプリンターたちが、ファンムールを抜きました!
集団先頭は、ファンムールをかわす直前に発射されたアルペシンのヤスパー・フィリプセン!!

このあとカーブ!フィリプセンの背後から、左手側にあがってきた、カヴェンディッシュ!!?
向かって左端フィリプセン、となりにカヴェンディッシュ、そのとなりからDSMのボルがほぼ横並び!
と思ったらカヴェンディッシュとボルの間からブアニが上がってきている!!
けど、そのほんの少し前で、カヴェンディッシュがわずかにフィリプセンを引き離した!!

見えた両腕ぐーのガッツポーズ!!

ドゥクーニンク・クイックステップマーク・カヴェンディッシュ、ステージ優勝!!!!
勝った!!ねえ勝った!!カヴが勝った!!ひっさびさにカヴがツールで勝った!!!!!
すごいすごいすごい!!

ここ数年なかなか結果を出せない中で、ただでさえスプリンターは絶好調で活躍できる期間が決して長い方ではないと思うのですが、
久々に戻ってきたチームクイックステップで、ベテラン、カヴェンディッシュの見事な勝利!!

フィニッシュ後、号泣しながら、順番にチームメイトにハグし続けるカヴェンディッシュ
おめでとうカヴェンディッシュ!!


そんでもって4賞!
総合暫定1位 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)
2位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 8秒差
3位 リチャル・カラパス(イネオス グレナディアーズ) 31秒差

ポイント賞 マーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クリックステップ)  おお!こっちもとった!!
山岳賞 イーデ・スへリンク(ボーラ・ハンスグローエ)
新人賞 タデイ・ポガチャル(UAEエミレーツ
敢闘賞 ブレント・ファンムール(ロット・スーダル)

カヴ勝っておめでとう、って感じあるけど、
ファンムールの逃げも本当にすごかった。本当に惜しかった!!

うん。
テクニカルな、フィニッシュ地点近くの見通の狭いカーブとかなくても、面白いよ自転車レース!!

ツール・ド・フランス 2021 第3ステージ

第3ステージ目は、平坦ステージです。
サガンユアンの出番だぞ、なステージだ!!!
と、思ってたのに……。


序盤でまず落車。ゲラント・トーマスやクライスヴァイクが巻き込まれます。

2つあった4級山岳のうち、最初の1つ目は本日の逃げにも乗っていたスへリンクが一人で飛び出して山岳ポイントを1ゲットし、他に逃げにいた選手の中にはスへリンクの山岳賞ジャージを脅かす山岳ポイントを持った選手がいなかったので、スへリンクはプロトンに戻りました。
これで、逃げは4人になります。

そのあと、逃げグループとのタイム差を一定に保ちながら、集団は進んでいたのですが、フィニッシュが近づいてくると、集団は徐々に逃げとのタイム差を詰めていきます。


残り11kmくらいで、メイン集団で落車発生。
エフデジのゴデュやマデュアス、モビスターのロペスが落車します。

残り10kmでまた集団で落車。
これはなんと総合優勝候補のログリッチが落車。
左肩・左足のジャージが大きくやぶれ、結構ダメージがありそうな落車です。
チームメイトは全員下がってログリッチを集団に戻そうとします。

フィニッシュ近いのもあって、集団は待ちません。
残り8kmくらいで、逃げと集団は8秒差くらい、そこから一分遅れてログリッチグループになります。


残り5kmでメイン集団は逃げグループを吸収。
まだログリッチは追いつかず。

残り3.5km
ここでまた集団で落車発生!!
比較的集団先頭付近にいた選手たちの落車で、10人ちょいくらいの落車です。本日のステージ優勝候補だったコカールやデマール、あとバーレーンのエース、ジャック・ヘイグも巻き込まれます。
狭い道なので落車が道を塞ぐような感じになり、集団が大きく別れます。
先頭集団はアルペシンがひいています。

残り2km
先頭、マチューがスピードをあげるあげる!!

残り1.4km。
マチューが引きすぎて一人飛び出したみたいになっている。


残り300m
マチューが引くのをやめてから一旦ごじゃっとしかけたのですが、アルペシンのフィリプセンがうまくそこからスプリンターのメルリールを引っ張り出し、フィリプセン、メルリール、その後ろにボーラのサガン、四番手がロット・スーダルのユアンが続きます。


残り150m
最後のカーブ、でもまた落車!!!
前から三番目に上がっていたユアンバランスを崩し、ほぼ隣にいたサガンと一緒に落車!!!

すぐ後ろにいたブアニはそのままスプリントしたけれど、たぶんアウトからスプリントかけようとしていたと思われるコロブレッリは実質スプリント参加できず。

カーブのタイミングでメルリールはフィリプセンから発車し、そのまま先頭でフィニッシュ!!

ステージ優勝、アルペシン・フェニックスのティム・メルリール!

2位が見事なリードアウトを披露した同じくアルペシン・フェニックスのヤスパー・フィリプセン。
3位がアルケア・サムシックのナセル・ブアニ。

ツールで、プロチームがステージトップ3って、珍しいな……。
ただ、アルペシン・フェニックスの面々の、最後のスプリントに向けてのリードアウトは見事でした。


なお、マチューやアラフィリップ、イネオスのカラパスはこの先頭グループにいて1位と同タイムでフィニッシュしました。
14秒遅れた次の集団にいたのが、ニバリ、ケルデルマン、マス、キンタナ、ラトゥール。
26秒遅れたその次の集団に、ポガチャル、モレマ、ゴデュ、ウランたちがいました。

グリッチバルベルデ、ロペスは、さらに遅れて、先頭から1分21秒遅れてフィニッシュ。


これにより、総合も若干動きます。

暫定総合1位、アルペシン・フェニックスのマチュー・ファンデルプール。
2位が8秒差で、デュクーニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ。
3位が31秒差で、イネオス・グレナディアーズのリチャル・カラパス。
なお、ポガチャルは39秒差で6位。ログリッチは1分35秒差で20位です。
ポイント賞は、ジュリアン・アラフィリップ。
山岳賞は、今日も計画的にポイントゲットしました、イーデ・スへリンク。
新人賞は、変わらずUAEのタデイ・ポガチャルです。

敢闘賞は逃げていた中から、アージェードゥゼール・シトロエンのミヒャエル・シェアーが取りました。


ジャック・ヘイグは本日でリタイアが決まりました。
最後の落車では、サガンはすぐに起き上がってましたら、ユアンは起き上がれていなかったので、どうかな……心配です。


落車、多い時は多いのが自転車レースだけど、
今年はなんか、エース級の選手が巻き込まれていることが多いからか、気になりますね……。

ツール・ド・フランス 2021 第2ステージ

第2ステージ。あれ、まだスプリントステージじゃない。
本日は、4級山岳4つ終わったあとに3級山岳2つ登るステージです。


本日の逃げは6人です。
昨日も逃げていたコフィディスのペレスや、現在山岳賞ジャージをきているボーラのイーデ・スヘリンフ。あとはトレックのエドワード・トゥーンス、クベカのサイモン・クラーク、チームトタルエネルジーズのカポ、サンティのコッホが逃げていました。


最初の4級山岳が近づいてきたときに「ふんぬっ!!」って感じでアタックかけたペレスがとりました。
次の4級山岳は、じっとペレスの後ろに張り付いたスへリンクが、ロングめのスプリントでペレスを押さえてトップ通過しました。
牽制しまくって、ばっちばっちしている山岳ジャージ争いです。


残り75kmくらいで、逃げと集団とのタイム差は1分10秒前後くらい。
メイン集団は、なんか、先頭が埋まってます。
凸型してなくて、道幅いっぱいにトレインが並ぶかんじ。
スピード出してるわけじゃないけど、みんな前にいたいって感じです。


残り70kmくらいで、逃げグループでトゥーンスが飛び出しました。
スへリンクがペレスの後ろから離れないので、んじゃいっちゃうよ!って感じで、置いて行ってしまった感じ。
それでもスへリンクが離れないので、ペレスは今日はもういいやって感じになっています。


残り68km
メイン集団がスピードをあげています…、。
カポがトゥーンスにおいついて、先頭は2人になりました。
残り55kmでタイム差約2分くらい。


残り22km
先頭2人とメイン集団とのタイム差は約35秒。
道路に、みっちりつまってる感じの集団です。
そして時速約60km。

ををう。みっちりとした猛スピードプロトン

先頭は、トゥーンスがアタックして、単独先頭になりました。
カポは吸収されます。


残り18km
トゥーンスが4級山岳を一位通過して、集団に吸収されました!
このあと、同じ3級山岳を2回登ります。
この山は、山岳ポイントと同時に、ボーナスタイムがついて、総合タイムが1位は8秒マイナスされます。マイナスがされます。


残り16.9km
マチュー・ファンデルプールがあたっく!!
このあとにある、ボーナスタイムをとりにいきます!!
がんがんいっちゃう系のアタック。

残り16km。
山頂まで600mくらいで、タイム差10秒くらいです。


そして山頂!1位通過はマチュー!マイナス8秒。
アタックかけてほぼ追いついた総合勢から、2位通過ポガチャル!マイナス5秒。
3位通過ログリッチ、マイナス2秒。

そのまま一瞬ポガチャルが飛び出しますが、結局集団に戻ります。


残り8km。
集団は、イネオスが牽引しています。
一列棒状。時速60kmくらい出てます。


残り6km。
イネオス が牽引しているのですが、アルペシンが自分のトレインを前に出そうとしています。
殺気立つ、までいかないけど、全力で隙を窺っているような雰囲気です。

残り3.7km
先頭はバーレーンのモホリッチ。
でもすぐにまたイネオスが主導権を取り戻します。
アスタナやエフデジも上がってきています。


残り2.3km
イネオスがガンガン引こうぜってしています。先頭のクィアトさんの引きが素晴らしい。
一列棒状のまま、3級山岳の登りに入っていきます。


残り1.7km。
イネオス のトレインが右端。
コース中央から、アルペシンの選手が先頭。ぴったりついてフォルモロ。
この二人が一旦集団を引き離すのですが、二人とも残り1.5kmくらいで引くのをやめます。


残り1.3km。
集団先頭はいまだにイネオス ですが、あれ、隊列に、ゲラントトーマスがいない……?

と、そこでイネオスと反対から、キンタナが一気にかけあがります!!
それを中央から追いかけるマチュー!!!またきた!!
さらにそこに後ろから追いついてくるポガチャル!!
続く後続!!

残り900m
また先頭が団子状になりかけたところで、バーレーンのコロブレッリが、コース左側から飛び出します!
中央より右寄りにいたマチューがそれに気づき、大きな動きでチェックに入ります。そしてポガチャル、ログリッチがそれに続く!

その直後、マチューが一旦後ろを振り返り、そのままアタック!
コロブレッリが反応しますが、追いつけない!!

一瞬で、みるみる差が開いていきます。
追走は若干お見合いぎみ!!


どんどん進むマチュー!!
後ろは若干牽制の気配がありながらも、それぞれ全力でマチューを追いかけていきます。


残り300m。
マチュー!圧倒的!!そしてまったく振り向かない!!!


そのまま勢いを殺すことなくフィニッシュに向かい、フィニッシュ直前で右手で何度も天を指しながら、フィニッシュ!!!
ステージ優勝、アルペシン・フェニックスのマチュー・ファンデルプール!!!

なんという強さ……。同じ上りを2周して、2周ともぶっちぎって登っている!わかっていても止められない強さ!!

追走は、6秒差で2位がポガチャル、3位ログリッチ、4位ケルデルマン。
アラフィリップはマチューから8秒差で5位フィニッシュでした。頑張ってたモレマはアラフィリップと同タイムで6位。
他有力な総合計の選手が続々と8秒差でフィニッシュしますが、ゲラント・トーマスここにいない!23秒差の28位でした。


そんなわけで、4賞!
暫定総合1位、今日だけでマイナス18秒をボーナスポイントで稼いだマチュー・ファンデンプール!!
暫定2位が、ドゥクーニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップで8秒差。
暫定3位が、UAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャルで13秒差。ログリッチは、ポガチャルと1秒差で4位です。
ポイント賞は、ジュリアン・アラフィリップ。
山岳賞、これもマチュー・ファンデンプール。
今日だけで3級を2回とったもんね!本日序盤、逃げグループあんなにばっちばっちしてたけど、最後に全部持っていったね!!
新人賞は、UAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャル。
敢闘賞は、一人で最後まで逃げていた、トレック・セガフレードエドワード・トゥーンス。


昨日、アラフィリップに負けて、勝利に喜ぶアラフィリップのすぐそばで項垂れていたマチュー。
その姿に、がんばれ、きっとあなたが活躍できるステージもあるから……!って思っていたら、その翌日に早くもこんなにも素晴らしい走りを見せてくれました。

ステージ優勝後のインタビューで、フィニッシュラインを通過する時誰のことを考えたかと問われ、祖父のことと答えたマチュー。感極まって泣き出してしまいました。
マチューの祖父は、ツールで総合2位3回、総合3位5回というすごい活躍をしながらも、決して一度もマイヨ・ジョーヌを着ることのなかった、レイモン・プリドール。

そのあとも、ずっと泣き続けるマチューを見て、ツールのマイヨ・ジョーヌってこんなに大きい意味を持つんだって思うと同時に、感情を押さえられないマチューを見ていると、すごい選手であると同時に一人の若者なんだなって思えてきて、なんだか、とても好きな、応援したいと思う選手だなと思いました。

ツール・ド・フランス 2021 第1ステージ

一週間前倒しのツールがやってきました。
たった一週間ですけど、早いって感じてしまう不思議。
去年の開始が遅かったのもあって、余計そう感じるのかもしれません。

今年は第一ステージが、タイムトライアルでも平坦ステージでもなく、細かいアップダウンのステージです。
山岳ポイントが6つ。

ある程度順位が見えてくる二週目とか三週目なら、総合関わらない逃げ切り目当ての選手が血眼になるステージな気がしますが、初日にこういうステージだと、総合優勝目指す選手を擁するチームが、どういう戦略でくるのかあんまり予想がつきません。
ステージ優勝は、パンチャー系の選手が上位に来る気がしますが、ジュリアン・アラフィリップ、マチュー・ファンデルプール、ワウト・ファンアールトは狙いに来るだろうけど、サガンはどうかなあ勝負するかなあとか思います。


沿道に、お客さんもたくさんきています。
フランスは、日本よりもワクチン接種普及してて、感染が落ち着いてきているそうです。
まるで、生垣のようだなと思いましたが、人垣って便利な言葉があることを思い出しました。

パレードがスタートし、街をぬけて、橋をとおり、アクチュアルスタートの旗が振られました。

結構な人数が飛び出します。
前方は20~30人、ほぼ一列棒状に見えます。

うまく逃ができないまんま、4級山岳がやってきて、
ここまでめちゃくちゃ頑張って逃げようとしていた、クベカ・ネクストアッシュのカンペナールツがトップ通過しました。

そのあとようやく逃げグループができて、次の山岳ポイントくるまでに、6人の逃げ集団ができました。
残り173kmで、タイム差は3分強。もうメイン集団は、楽しくおしゃべりしながら落ち着いた雰囲気です。
うむ。まだ先は長いからね。穏やかに走っていてくれ。

次の4級山岳は、アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオのダニー・ファンポッペルが、その次の3級山岳はコフィディスアントニー・ペレスが山岳ポイントをとります。

続く4級山岳は、ボーラ・ハンスグローエのイーデ・スヘリンフがとり、そのまま逃げグループにもどらず、単独先頭になります。
スヘリンフは、この一つ前の3級山岳で2位通過して1ポイントとっていたので、4級1位の1ポイント足して、これで山岳2ポイント。

その後追走は吸収。
スヘリンフは中間スプリントポイントもそのまま1位通過。
集団では、ユアンがトップで通過。その後ろにはサガンが付いて、3位通過です。


49km 4級山岳をスへリンクがとりました。


残り45km。
集団で大落車が発生。

まだそこまでピリピリしてないメイン集団の中、プロトンの右側をユンボの隊列が走っていて、先頭交代をしようとトニーマルティンが右端からあがろうとしたところで、コースに片足だして半身コース上に完全に進入しながら、選手を見ずにカメラ方向にむけて段ボールで作った横に長い看板を掲げていた見物客の、その大きな段ボールにぶつかって落車。
そのままドミノ倒しで30人くらい、道全部ふさぐような形で大きな落車がおきました。

せっかくお客さんが普通に観戦できるようになったツールで、これは……ひどい。
初日からこの落車は、しかも自分勝手なお客さんが原因の大落車は、現地観戦も好きなファンとして見てて辛いです……。


運良くそれほど巻き込まれずに、再スタートできていたドゥクーニンクの選手たちが、一瞬アタックをかけそうな雰囲気があったのですが、それはやめてました。


残り38km。
だいぶ選手が集団に戻ってきました。
ニュートラルの感じ?スピードをあげてない感じあったのですが、残り37km切ったあたりでかなりちゃんとスピードを出し始めました。ドゥクーニンクですね。

この時点で、サガンやファンアールトとはまだ30秒くらい後ろにいて、戻れていません。
チームDSMのヤシャ・ズッタリンは、リタイアしました。


残り31km
ファンアールト戻りました。サガンももう戻ったようです。

残り27kmくらいで、ここまで逃ていたイーデ・スヘリンフが集団に吸収されました。

残り10km。
ここまでスピードでててもあんまり伸びてなかったのに、だんだんこのあたりから、位置どりが激しくなってきました。


残り7.6km
ここでまた大落車!!
プロトン右側がイネオス 、左側がドゥクーニンクが先頭の隊列だったのですが、イネオス側隊列のちょっと後ろあたりに位置していた選手たちが落車しました。フルームやグライペルが巻き込まれています。

かなりスピードが出ていたので、さっきよりも影響が大きいかもしれません……。

一方、影響がなくそのまま走れていた選手の集団は、本日最後の3級山岳に入っていきます。
ドゥクーニングが先頭を引いています。

残り3km。
登りに突入。ドゥクーニンク先頭のまま一列棒状になります。
マチューが自分で前に上がっていきます。


残り2.6km
先頭がドゥクーニンクのドリス・デヴェナインス、前から二番目がアラフィリップ。続いてファンアールト、コロブレッリ、マチュー、と続きます。


残り2.3km
ここでアラフィリップがアタック!!しかし、誰もつけない。
つかない?
ファンアールトがすごく後ろを気にしています。マチューが気になっていけないのかな。
強度の問題ではなく牽制が入っている?


と思ったら、ログリッチが飛び出し、それをポガチャルが追い、ラトゥールが追う!!
ををう……総合争いのみなさま、本日ステージに絡むのですね。

ラトゥールが二人を追い抜いていきます。


残り1.8km。
アラフィリップがさらに加速!!


残り1.6km
先頭アラフィリップ。
ちょっと間があいて単独追走ラトゥール。
さらに間があいて、ログリッチとポガチャル。
そこに、さらに後ろからマチューがアタックかけておいついた。

厳しいなこの登り。


残り1km
先頭アラフィリップ、間があいてラトゥール。
そのあとは、ログリッチとポガチャルを吸収した追走集団。先頭はファンアールト。

ぜんっっっぜん後ろが追いつける気がしません。
かなりアラフィリップとその後ろのラトゥールまでに、間隔が空いています。


そのまま楽勝でぶっちぎって、
ドゥクーニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ、ステージ優勝!!!
ものの見事にぶっちぎってました。
ただ、フィニッシュ後、アラフィリップの足には、血が……。最初の大落車に巻き込まれていたのでしょうか……。

その後ろはラトゥールが吸収されていて、2位争いのスプリント。
それを制した2位がチーム バイクエクスチェンジのマイケル・マシューズ。
3位が、おおっと、ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチです。
4位、バーレーンのジャック・ヘイグ。5位がボーラ・ハンスグローエのウィルコ・ケルデルマン。
6位が、昨年総合優勝の、UAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャルです。


4勝ジャージは、本日初日ですので、
暫定総合1位のマイヨ・ジョーヌ、ポイント賞1位のマイヨ・ヴェールは、両方ともジュリアン・アラフィリップ。
山岳賞ジャージのマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュは本日合計3ポイントとったボーラ・ハンスグローエのイーデ・スヘリンフ。
新人賞マイヨ・ブランは、UAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャル。
敢闘賞は、スヘリンフでした。あっきらかに一番逃げてたからね!!!



さて。ステージ優勝が決まった今、気になるのは、落車でおくれた選手たち。とくにフルームが落車直後立ち上がることができてなかったので、心配です。やっと怪我から復帰して久しぶりのツールなのに……。


総合系の選手だと、ゲラント・トーマスとかチャベスビルバオ、ゴデュ、モレマ、ラトゥール、イギータ、ルツェンコ、ニバリ、ウラン、マスあたりは、前の方でフィニッシュできているので、1位からタイム差20秒くらいでフィニッシュできていました。

一方、遅れた選手たちでいうと、
ブッフマンとロペスが、1分49秒差。サイモン・イェーツは3分17秒差。
ウッズ8分49秒差。コスヌフロワ9分52秒差。フルームは14分37秒差。ソレルが24分38秒差でのフィニッシュです。

フルームは、もともとウッズのアシストだと本人インタビューで言ってましたが、ウッズもフルームもこのタイム差だと総合争いはチームとして難しそうです。というか、明日走れるのでしょうか…?

選手たち、骨折とかの大怪我しても、とりあえず当日は最後までフィニッシュまでは走りきる選手もいるので、とても心配です。


今現在、東京五輪サイクルロードレースは沿道観戦ありで行われる予定ですが、
ロードレースを見慣れていない観客もいることが予想されます。

もしこのブログを見ている、五輪ロードレース沿道にて観戦予定の方。
ロードレースは、時速42kmを平均速度として予想通過時間をたてるくらい、スピードのはやい競技です。そして、プロトンと言われる集団は、遠くから見て予想するより、結構道路いっぱいにふくらみます。

路側帯から出ない。むしろ踏まない。狭い路側帯のときは、道路からおりて草むらで見る、くらいの気持ちで見てください。
選手一人一人が車と同じくらいのスピードでくると思うくらいの危機感でも、そんなに間違ってないと思います。
そして、カーブの内側は、路側帯の中でも絶対にだめです。
五輪は超一流のプロ選手が多く出場するとはいえ、たまに超一流選手がカーブでバイクコントロール失敗して、崖から落ちるのが自転車レースです。
たまにって20年に一度とかじゃないです。毎年です。

あと、公道レースで柵がたてられることあるかと思いますが、マラソンとかと違って、選手はその柵ギリギリを時速40km~80kmとかで走ることがあります。
柵から身を乗り出したり、柵に服とかカバンとかをかけていて、それが選手が引っかかって柵ごと崩れる、選手大怪我、みたいなことあったりします。
柵の向こう側に、手だけ伸ばしてスマホかまえているのも危険です。自撮り棒なんてもってのほかです。引っかけ棒です。

ちょっと離れて見ても十分迫力あるので、どうぞレースを損わない観戦方法で観戦してくださいね。


……こんなこと、自転車さかんなブルターニュ地方の方ならきっと知っているだろうに……。
観客の過失による選手の怪我は、本当に見ててつらいし、やりきれないです……。



……そんでもって、よく考えたら、
こんなマニアックなブログを最後まで読む、五輪がロードレース初観戦予定の日本人は、まずいないなと思いました!
まあいいや!!

最後に感謝の気持ちで終われる出会いは幸せだろうと思う。

本日、リュブリャナ・グスト・サンティックに所属している、雨澤毅明選手が、引退を発表されました。

takeakiamezawa.blogspot.com


今日から推します!と、このブログで宣言したことはなかったのですが、
2018年のTOJ最終日のあとから、私は明確に雨澤選手を応援していました。

きっかけは、
めちゃくちゃささやかなことでした。

2018年のTOJの京都ステージで雨澤選手が、ステージ優勝されたのですが、
この年のTOJの最終日の夜に行われた、メリダのパーティーに行ったとき、
そこで雨澤選手に、京都ステージ感動しましたとか、なんかそんな、ファンならみんな言うであろうことを私が話しかけたときに、
すごくちゃんと話を聞いてくれて、ありがとうございますって言ってくれて、なんとなく、とても好印象を持って。
そのあとのグッズの抽選会で、雨澤選手が私の番号を引き当ててくれたとき、
そのグッズにサインをもらいながら、
うん、この人を一番に応援しよう、と思ったのです。


なんじゃそりゃとか言わないで!!
私も書いててちょっと思ってるんだから!!


もちろん、それまでの走りとかが心に残ってて、これが最後の一押しだっただけだと思うのですが、
なんというか、「あ、素敵な選手だ」って思った日にグッズを当ててくれたことで、
これは、縁だなって思ったのです。


それから、
たまに雨澤選手が出るレースに、手作りの応援グッズを作ってもっていくようになりました。
レースを観戦するときは、まず雨澤選手がどこにいるかを探すようになりました。
その走りに、一喜一憂するようになりました。

私は基本的には、みんながんばれって思って応援しているので、それは雨澤選手が出ていても出ていなくてもかわらないのですが、
どっちかっていうと、反射的な反応で、プロトンきたらとりあえず目が雨澤選手を探してるんです。
レース序盤でだれがどこにいるかわからないときは、
よっぽど目立つ選手じゃないと、まず雨澤選手を認識してからでないと他の選手認識を脳がはじめないので、
誰が逃げてるとかの把握が遅れたりもしていました。

なるほどー。
これが、一番に応援する感覚なんだなーって思ってました。

一番に応援している選手がいた方がいいか、いない方が観戦が楽しいか。
まあだいたいこういう議論だと、いた方がいい、っていう方が多いのではないかと思いますが、私は別にそうは思いません。

まったくの別物だったから。
どっちがいいとか比べられない、全く違う観戦の楽しみ方だと感じたからです。

だから、雨澤選手は、私に、新しいレース観戦の楽しみ方を教えてくれた選手でした。



さて。
私はどちらかというと悲観的な方です。
パリ〜ルーベ当日の昼間に、「こんなに大好きなレースが、今日終わったらあと一年ないんだ」
って悲しくなってしまうくらい、先の先を考えて落ち込むタイプです。
石橋を叩く前に「どうせ落ちるんだ!!」って泣きじゃくって、「いいからいけよ!」って周りの人に蹴っ飛ばされるタイプです。


ですので、雨澤選手を応援しようと決めたあの日から、
ずっとこの日がくることを、覚悟して応援していたように思います。


一番応援していた選手が引退する、という今のこの感覚が新しすぎて、まだ感情に名前がつけられないようです。

悲しいとか、寂しいとか、落ち込むとか、ないわけじゃないと思うけど、ちょっと違います。

心の中にある、今まで窓も扉も開けっ放にしていて、夜には照明をつけていた、ずっと明るい部屋を、
窓をしめて、カーテンを引いて、照明の電気コードを抜いて。
最後に静かに、パタンと、扉を閉めたようなそんな状態の心持ち。


えっと。


何を言っているのかわからないと思います!
私も何を書いてるのかよくわからなくなってきました!!!


いつもならこの辺で、何を言いたいかというとってまとめにはいるのですが、別にまとめたいような事柄もとくにないようです。


じゃあなぜ書いたのか。

うーん。
一番応援していた選手だったよって、自分で中に明確に、残したかったのかしらね。


好きな走りを、もう見られないのは悲しいね。
この観戦の楽しみかたをもうできないのは寂しいね。
だけど、この新しい楽しみ方をくれたことは、とても嬉しいことだったから、最後の気持ちは、これになるのだろう。


応援させていただいて、ありがとうございました。




おわり。

うそみたいだろ。シャンゼリゼまで来たんだぜ。

ツール・ド・フランス2020の最終日。第21ステージ。
最後の最後までもつれた、ポイント賞。

ですが、中間スプリントでポイントをとったサム・ベネットが、フィニッシュを待たずして、マイヨ・ヴェールを確定させます。


そんでもって最後!
トレックとデュクーニンクのアシストが光る中、
デュクーニンク・クイックステップサム・ベネットが見事なスプリントで勝ちました!!
とってもきれいなスプリント!!!
まっすぐただ一番速いスプリント!!

いやあ見事!
ポイント賞争いでは昨年までずっと圧倒的だったサガンが残っているツールで、マイヨ・ヴェールを着続けて、最後のシャンゼリゼのスプリントステージも決めました。

みてて気持ちいいスプリントでした。
その後の喜び大爆発。
微妙に自転車跳ねさせて、そのあと降りて自転車を持ち上げて、嬉しくてどうしようもない興奮が伝わってきました。


これで、今年のツールが終わりました。

……すごいな!ちゃんと終わったな!!
1回目の休息日くらいでは、私まだ最終日には1チームか2チームくらいしか残らないと思っていだぞ!

わたし、三週間前に「ツールちゃんと最終日までできるし、コロナでいなくなるチームはいないよ」って言われてたら、絶対に「嘘だっ!!!」って言い返してした自信があります。
それくらい、無事に終われるわけがないと思ってた。

でも、結果を見ると、
どのチームもコロナの影響で強制退去になることはなく、
最後まで走りきってました。


ツールが無事、21日間終わった。
これ自体が、今の状況下では、まるで夢みたいですね。



そんなこんなで、最終的な成績!

1位 マイヨ・ジョーヌ ダデイ・ポガチャル(UAEエミレーツ
2位 プリモシュ・ログリッチユンボ・ヴィズマ)
3位 リッチー・ポート(トレック・セガフレード
ポイント賞 マイヨ・ヴェール サム・ベネット(デュクーニンク・クイックステップ
山岳賞 マイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュ ダデイ・ポガチャル(UAEエミレーツ
新人賞 マイヨ・ブラン ダデイ・ポガチャル(UAEエミレーツ
総合敢闘賞 マルク・ヒルシ(サンウェブ)
チーム総合 モビスター

1日経つと、だいぶ落ち着いてきました。
昨日は、世界中に衝撃をあたえたポガチャル!!
初ツール出場で優勝だったのですね。
そして、戦後では最年少。
この年齢でマイヨ・ジョーヌをとれているってことは、
そんでもって、有力な山岳アシストがいない中でほぼ自力で勝ってるってことは、
5勝クラブ入りも、それどころか6勝以上だって、他の選手よりも可能性は高いのかなあとか思ったりします。
全レース通じて、アタックもばんばんしまくってるし、積極的な走りが印象に残っている選手でした。
とにかく、凄まじかったです。
おめでとう!!


そして、最終的に2位になってしまったログリッチ
昨日は調子がわるく、そのためあまりいい走りができなかったそうなのですが……でもステージ5位だよ。そんなに悪いタイムじゃないと思うのよ、ポガチャルがすごすぎただけで。
三週間目に調子をくずすイメージがあるって、開幕当初から言われていたけれど、結局そのイメージは払拭できず。
うーん!そのうちとれるよって安易にいえないけど、でも、来年以降も頑張ってほしいよ!


そんでもって、
何気に今回のツール、とても調子がよくって、
じわじわとタイム差を縮め、最後にタイムトライアルで逆転して3位にすべりこんだリッチー・ポート。
二年連続で落車で去ったところを見てきたから、ポートはいつも無条件にがんばれって思って見てるけど、そんでもって今年はダウンアンダーでの走りを見て例年よりも気にしていたのだけれど、
ついにポートが総合表彰台にあがれてよかった!!


あと、ポイント賞のベネットはなんというか、がんばった!!
すごかったっていうより、いや確かにポイント賞をとるってすごいんだけど、
そして他の選手だってみんな頑張ってたと思うんだけど、
でもとにかくものすごく頑張ってた!!
19ステージでライバルたちから登りで遅れそうになりながら、最後サガンとトレンティンよりも先にフィニッシュして、絶対にポイント賞ジャージ手放さないぞっていう気迫みたいなのがすごかった!


ヒルシの総合敢闘賞は納得!輝いていたもの!
どうしても、ファンタジーツールっていうゲームで、自分のチームに入れたくなるくらい(そして実際入れた)、何か、この走りに対して、なにかしたい!って思っちゃうような入りをする選手でした!


みんなとにかくおめでとう!
無事に終わってよかったです!!

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