コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

最後に感謝の気持ちで終われる出会いは幸せだろうと思う。

本日、リュブリャナ・グスト・サンティックに所属している、雨澤毅明選手が、引退を発表されました。

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今日から推します!と、このブログで宣言したことはなかったのですが、
2018年のTOJ最終日のあとから、私は明確に雨澤選手を応援していました。

きっかけは、
めちゃくちゃささやかなことでした。

2018年のTOJの京都ステージで雨澤選手が、ステージ優勝されたのですが、
この年のTOJの最終日の夜に行われた、メリダのパーティーに行ったとき、
そこで雨澤選手に、京都ステージ感動しましたとか、なんかそんな、ファンならみんな言うであろうことを私が話しかけたときに、
すごくちゃんと話を聞いてくれて、ありがとうございますって言ってくれて、なんとなく、とても好印象を持って。
そのあとのグッズの抽選会で、雨澤選手が私の番号を引き当ててくれたとき、
そのグッズにサインをもらいながら、
うん、この人を一番に応援しよう、と思ったのです。


なんじゃそりゃとか言わないで!!
私も書いててちょっと思ってるんだから!!


もちろん、それまでの走りとかが心に残ってて、これが最後の一押しだっただけだと思うのですが、
なんというか、「あ、素敵な選手だ」って思った日にグッズを当ててくれたことで、
これは、縁だなって思ったのです。


それから、
たまに雨澤選手が出るレースに、手作りの応援グッズを作ってもっていくようになりました。
レースを観戦するときは、まず雨澤選手がどこにいるかを探すようになりました。
その走りに、一喜一憂するようになりました。

私は基本的には、みんながんばれって思って応援しているので、それは雨澤選手が出ていても出ていなくてもかわらないのですが、
どっちかっていうと、反射的な反応で、プロトンきたらとりあえず目が雨澤選手を探してるんです。
レース序盤でだれがどこにいるかわからないときは、
よっぽど目立つ選手じゃないと、まず雨澤選手を認識してからでないと他の選手認識を脳がはじめないので、
誰が逃げてるとかの把握が遅れたりもしていました。

なるほどー。
これが、一番に応援する感覚なんだなーって思ってました。

一番に応援している選手がいた方がいいか、いない方が観戦が楽しいか。
まあだいたいこういう議論だと、いた方がいい、っていう方が多いのではないかと思いますが、私は別にそうは思いません。

まったくの別物だったから。
どっちがいいとか比べられない、全く違う観戦の楽しみ方だと感じたからです。

だから、雨澤選手は、私に、新しいレース観戦の楽しみ方を教えてくれた選手でした。



さて。
私はどちらかというと悲観的な方です。
パリ〜ルーベ当日の昼間に、「こんなに大好きなレースが、今日終わったらあと一年ないんだ」
って悲しくなってしまうくらい、先の先を考えて落ち込むタイプです。
石橋を叩く前に「どうせ落ちるんだ!!」って泣きじゃくって、「いいからいけよ!」って周りの人に蹴っ飛ばされるタイプです。


ですので、雨澤選手を応援しようと決めたあの日から、
ずっとこの日がくることを、覚悟して応援していたように思います。


一番応援していた選手が引退する、という今のこの感覚が新しすぎて、まだ感情に名前がつけられないようです。

悲しいとか、寂しいとか、落ち込むとか、ないわけじゃないと思うけど、ちょっと違います。

心の中にある、今まで窓も扉も開けっ放にしていて、夜には照明をつけていた、ずっと明るい部屋を、
窓をしめて、カーテンを引いて、照明の電気コードを抜いて。
最後に静かに、パタンと、扉を閉めたようなそんな状態の心持ち。


えっと。


何を言っているのかわからないと思います!
私も何を書いてるのかよくわからなくなってきました!!!


いつもならこの辺で、何を言いたいかというとってまとめにはいるのですが、別にまとめたいような事柄もとくにないようです。


じゃあなぜ書いたのか。

うーん。
一番応援していた選手だったよって、自分で中に明確に、残したかったのかしらね。


好きな走りを、もう見られないのは悲しいね。
この観戦の楽しみかたをもうできないのは寂しいね。
だけど、この新しい楽しみ方をくれたことは、とても嬉しいことだったから、最後の気持ちは、これになるのだろう。


応援させていただいて、ありがとうございました。




おわり。

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