コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

そのとき私はフィニョンの名を思い起こしていた。

ツール・ド・フランス2020 第20ステージ。
今日のレース開始時点で、暫定1位のプリモシュ・ログリッチ
彼の一番最初の印象は、2016のジロのタイムトライアルです。
初日のタイムトライアルで、まず2位に入り、
第9ステージでステージ勝利をとりました。
わー、すごいタイムトライアル強い選手なんだー。
その後、グランツールで総合を狙えるような選手になってからも、
タイムトライアルがとっても強い、というイメージはそのままでした。

グリッチの57秒差で、2位につけていた、タデイ・ポガチャル。
ポガチャルの第一印象は、2018年のジャパンカップです。
その年、ポガチャルはグストに所属していて、ちょうどツール・ド・ラブニールを優勝した年。
「絶対にすごくなるから写真をとっておいた方がいい」
って教えてもらったので、アフターパーティーで写真をとってもらおうとチャンスを狙っていたのですが、一度もチームメイトたちから離れなかったので、シャイなのかな〜みたいなことを思いながら、集合写真みたいな形で写真をとってもらいました。


57秒差で迎えた、タイムトライアル。
タイムトライアルだから、もうログリッチは盤石だと思っていました。


ステージレースでのタイムトライアルは、初日でない限り、総合順位の逆順で走ります。

最終から一つ前の走者が、ポガチャル。
最終走者が、ログリッチ

そしたら、ログリッチの画面の下にだけ、マイナスの数字が出ていました。
タイム、というのはわかりました。
もしかして、今日のステージ暫定1位とのタイム差?
おお、やっぱりログリッチは速いのね。そう思ってました。
すると、その数字が、どんどん減っていくのです。
途中で気づきました。
これは、ログリッチとステージ1位の人とのタイム差ではないのではないか。
グリッチと、ポガチャルの、総合のタイム差なのではないか……。

解説の言葉をきいても、実況のアナウンスを聞いても、
まだ、え、いや、そんなわけって思ってました。
そのうち、その数字が、どんどん物凄い勢いで小さくなっていきます。
マイナス20、マイナス10、0。
そして、プラスへ……。

いや、計測ミスだろうって思いました。
GPSのエラーだろうと思っていました。

だって、ログリッチです。
タイムトライアルとっても得意な、ログリッチなんです。

そう思いながら、私の頭のなかで、フィニョンとレモンの文字が浮かんできました。

1989年。
ツール・ド・フランス最終日。タイムトライアル。
暫定1位だったフランス人選手、ローラン・フィニョン。
そのタイムを、2位のグレッグ・レモンというアメリカの選手が、タイムトライアルで1分近く上回り抜いて、最終的に8秒差で、逆転総合優勝をしたのです。
グレッグ・レモンが、このとき、はじめてタイムトライアルにDHバーを使用する、という革新を起こしての、勝利だったこと。
また、現在のようにツールの最終日で総合争いがないようなコース設定になったのは、これがきっかけだったのでは、と言われていること。
この二つから、ツールの歴史が載った本を読むと、必ず出てくるエピソードです。
歴史的映像みたいなので見た、そのレースのときの、フィニョンとレモンの映像が頭をよぎりました。

ポガチャルが、残り1kmのゲートを通過します。
この時点での、ステージ暫定1位は、トム・デュムラン。
2位が、この成績で、見事総合4位から3位に上がり、総合表彰台入りを果たした、リッチー・ポート。
3位が、ワウト・ファンアールトです。

そして、ポガチャルは、残り約500m時点で、デュムランのフィニッシュタイムとのタイム差が、マイナス2分35秒でした。

うそでしょう、って声がでました。

デュムランとファンアールトが、二人ならんで、ワイプで映ってました。
現地でモニターを見ているのでしょうか。とても険しい顔でした。

ポガチャルはペースを崩さず全力で走り切り、デュムランよりも1分21秒も速いタイムで、フィニッシュラインを通過しました。

そして、その数分後。
グリッチは、ポガチャルよりも1分56秒遅い、ステージ5位でのフィニッシュでした。

グリッチのフィニッシュを見て、
ポガチャルは、顔を覆ってスタッフと抱き合いました。
ここで、やっと実感がわいたのでしょう。

そして、茫然と座り込んだログリッチに、
チームスタッフと、ファンアールトとデュムランが寄り添って、繰り返し肩にふれ、声をかけていました。
しばらくしてようやく立ち上がると、
勝利インタビューを受けているポガチャルのところに行き、ハグを交わして、ひとこと讃えるような言葉をかけて、去っていきました。


なんか、すごい、とか、おめでとう、とか、残念、とか、そういう言葉がまったく出てきませんでした。
ポガチャル、横風で遅れてもう総合争い厳しいとか思ったよなあとか、
アルもフォルモロもリタイアして、総合系としてのアシストのメインの二人がいなくなって圧倒的に不利になっていたよなあとか、
いつも総合争いのときアシストがいなくなっているから、自分で攻撃しかけていたよなあとか、
ユンボはファンアールトのアシストはいつもすごかったよなあとか、
デュムランがアシストしてるっていうのが、めちゃくちゃ安心感あると思ったなあとか、
グリッチいつも安定して飄々と軽やかに山を走っていたよなあとか、
なんか、走馬灯を見てる感じの思考回路になってました。


今もまだ、なんか、衝撃が強すぎて、え、何を見たの?みたいな気持ちが強すぎて、
この結果に対して言葉がでてきません。

1989年にツールを見ていた人も、こんな気持ちだったのでしょうか。


最終的に、今日の結果を受けて総合と4賞はこうなりました。
総合1位 UAEエミレーツ ダデイ・ポガチャル
総合2位 ユンボ・ヴィズマ プリモシュ・ログリッチ
総合3位 トレック・セガフレード リッチー・ポート
ポイント賞 デュクーニンク・クイックステップ サム・ベネット
山岳賞 UAEエミレーツ ダデイ・ポガチャル
新人賞 UAEエミレーツ ダデイ・ポガチャル

結局ポガチャルは、山岳賞もとってしまいました。


なんか、凄すぎるとか、強すぎるとかよりも、
ドラマティックすぎるって言葉の方が合っている気がします。


これ、現実なんですよね……?
こんなこと、あるんですね……。

ただ見てるだけの私で、これだけ呆然としているんだから、
現地で見てる方はどんな気持ちなんでしょうね。

……今日、こんなに目が冴えちゃって、私眠れるのだろうか。
ちょっとツール百話でも開こうかしら。
そんな、ツール・ド・フランス2020 第20ステージでした。

イネオスデーと、ここまでで印象に残った選手。

ツール・ド・フランス2020の18ステージにて。

今年のツールで、前回の総合優勝者のベルナルのリタイアにより、今までにない戦いことをしなければならなくなった、イネオス。

アップダウンがはげしく山がいっぱいあった今日、
なんとなんと、イネオスのカラパスとクィアトコウスキーが、二人で逃げ切って勝ちました!!

カラパスは、山岳賞ジャージを、
クィアトはステージ勝利の栄誉を得ました。


同じチームの人だけで逃げ切って勝ったっていうのは、たぶん初めて見た気がします。
もう残り1kmずっとずっと、肩組んだり、チームカーに合図したりして、勝利を分かち合っていて見ていて、なんかものすごくいいもの見たなって思ったのでここに書き残しておきます。



あと、今日山岳賞目指して逃げにのって、途中までカラパスを抑えて山岳ポイントの1位通過をことごとくとっていたのに、
落車して遅れてしまったサンウェブのヒルシュが、
最後の最後まで一人で頑張って総合勢とほぼ同じ集団でフィニッシュしたのには、ちょっと感動しました。
山岳賞は逃したけれど、今日の敢闘賞がヒルシュでよかったです。
今大会の敢闘賞が誰かはまだわかりませんが、
私が今のところ今年のツールで一番どきどきをもらった選手は、あなただよ、ヒルシュ。

ちなみに2位は、ポートです。
ポガチャルやログリッチの活躍は、ツールが始まる前からは予想していたけれど、
ダウンアンダーのときみたいな、キレッキレなリッチー・ポートが、毎日ポガチャルやログリッチがステージを争うようなときに、いつもその次くらいにつけていて、
気づくとポートを応援している自分に気づきます。

今日は超級山岳超えた未舗装路で、パンクして遅れをとりましたが、ログリッチのアシストに向かうデュムランとかと合流して、集団に追いついてました。
ポートいい感じだよポート。

あ、あと、驚いたで賞はファンアールトね!!
なんでもできるもん。
私は一時期、山でも総合アシストができるスプリンターなサガンに対して、「振り向けばそこにいるサガン」と勝手に枕詞つけていましたが、
ファンアールトに対しては、「呼ばれて飛び出てファンアールト」って呼んでます。

今日もイネオス の二人に続いて、ステージ3位だったね!
笑っちゃったよ!!


現時点で、
総合1位はユンボ・ヴィズマのプリモシュ・ログリッチ
総合2位はUAEのタデイ・ポガチャル。新人賞もポガチャル。
総合3位はアスタナのミゲルアンヘル・ロペス
ポイント賞ジャージはドゥクーニンク・クイックステップサム・ベネット
山岳賞はイネオスのリチャル・カラパス。

となってます!

あと三日で今年のツールも終わってしまうのが名残惜しいですが、
大好きなタイムトライアルが待っているので、残りのレースも楽しみます!!

ツール・ド・フランス 2020 第14ステージ

今日は、ちょっと山が多めのステージで、スプリンターが最後まで残れるのかどうか、高低表みていてもよくわからない感じステージでした。
レース序盤にできた逃げも、一人へり、二人減り、一人で残っていたキュングも、残り80kmで吸収されました。

集団は、レースはじまって最初の方はデュクーニンク・クイックステップが集団をコントロールしていましたが、途中からボーラが集団を牽引してスピードを上げていくことで、
現在マイヨ・ヴェールを着用しているサム・ベネットが耐えられず、遅れていくことになります。

遅れながらも頑張っていたベネットがいる第二集団ですが、
残り77km付近でベネットがあきらめ、スピードを落としました。
仲間に声をかけているサム・ベネット
ちょっと切ない。

そのまま延々とタイム差は開き続け、
残り45km時点でメイン集団とベネットとの集団のタイム差は、9分20秒くらいになってました。
集団は、基本的にずっとボーラがコントロールしています。


一気にレースが動いたのは、残り20kmを切ってからくらいだったでしょうか。
だんだん位置どりが激しくなって、
残り12kmの4級山岳の登り口で、一気に道が狭くなって、さあここからだぜ!!って感じの雰囲気になりました。

そんな中、残り11kmくらいで、サンウェブのベノートが単独アタック!
うまく差が開き、残り10km時点で、ベノートと集団の差は11秒差。
残り7.5kmでボーラのケムナが集団から前に出て追いつき、ベノートは吸収。
今度はケムナが単独先頭になります。

残り6km。
今度はロット・スーダルの選手が一人飛び出しました。
デヘント……?

残り5.3km。
ここで、集団からものすごい勢いで飛び出す選手!アラフィリップだ!!
イネオスの選手が一人、すぐに反応します。
アラフィリ、なんという勢い!!一気にデヘントを手をぬいて、ケムナに迫っていきます。

残り5km。
アラフィリが先頭のケムナに追いつきます。
追いついた勢いそのままに、アラフィリップがアタック!!!
でもケムナもデヘントも離されまいとついていきます。
そこに、サンウェブのヒルシと、エフデジの選手が一人追いついた!!

先頭5人。ちょっと離れて、集団が追っています。
集団の先頭のボーラは……サガン……?

残り4.1km。
集団が先頭の5人に追いついた、と思った一瞬のスキに、ヒルシがアタック!!
若干あきかけた差を、サガンが自ら詰めていきます!

残り3.6km。
集団を引き連れたサガンヒルシに追いつきます。
一瞬、集団の緊張感が緩んだような気配。

残り3km。
サガンが先頭に出されてしまっています。
後ろを振り返りながらサガンが様子を見たその瞬間、サンウェブのセーアン・クラーウアナスンが一気にアタックをかけました!

サガンは追わない!っていうか、ここで力を使うと最後にスプリントできないから、追えない!
サガンの後ろにいるのは、サンウェブのヒルシ。チームメイトのここぞというタイミングのアタックを、追うわけがない!
他に集団の前の方にいる選手は、各チームのエース級とサンウェブの選手ばかり!
すぐには誰も追わず、一気に差が開きます!!

残り1.5km。
クラーウアナスン単独先頭!!タイム差12秒!!!
後ろの集団は、先頭がミッチェルトンですが2番手から4番手くらいまでがサンウェブの選手!
追いつくようなスピードにさせるわけがありません!!


残り1km切って、クラーウアナスンは徐々に勝利を確信!
最後は余裕をもって、ガッツポーズでフィニッシュ!!
見事なチームワークで、サンウェブのセーアン・クラーウアナスンがステージ勝利!!
すんばらしい!!!!


15秒後に、集団がフィニッシュします。
集団の先頭をスプリントで制し、ステージ2位になったのは、ミッチェルトン・スコットのルカ・メズゲッツ。
3位がコフィディスのシモーネ・コンソンニ、4位がペーター・サガンでした。


総合は4賞ジャージ含め、昨日書いた内容と全然かわってないので割愛!
今日大幅におくれたけれど、まだポイント賞の1位は、サム・ベネットのままでした。
ベネットとサガンのポイント差、大きいです。

敢闘賞は、本日結構な時間を一人で逃げていた、グルパマ・エフデジのシュテファン・キュングでした。
今ツール、2回目の敢闘賞!!目立ってます!!


今日はとにかく、ベノート以降の攻防がすごかった!!
一瞬で状況が変わる、目まぐるしいアタックの数々!
そして、その中でチームとしてどんどんアタックを重ね、見事チャンスを掴んだサンウェブ!!
今のところ、今期のレースで一番好きなレースかもしれないです。
そのくらい楽しかった!!

今年はボーラが、サガンにチャンスがあるステージの日に、チームとしてレース序盤から作戦を展開することが増えてますね。
スプリンターのための戦い方って、残り20kmくらいからのトレインくらいしか思い浮かばなかったのだけれど、
サガンみたいにしっかり登れるスプリンターの場合は、こうやってライバルをあらかじめ振り落とすっていう作戦が効果的なのですね。
そうそう。作戦といえば、今年はまだ、前待ち作戦をやってるチームないですよね?
ちょっと前まで、山のステージのたびにどのチームもやっていたのに。
うーん。まだ前待ちに適したステージが来ていないのか。それとも作戦の流行が終わったのか。
まだまだ、サイクルロードレースは奥が深いです。

ツール・ド・フランス 2020 第13ステージ

本日13ステージ。
ちょっときつめの山岳がいっぱいのアップダウン激しめのステージで、最後にどーんと1級の登りがあるので、総合が動く日だろうと思って見ていました。

しかし、できた逃げが、かなりしっかりとしています。
イスラエル・スタートアップネーションのダニエル・マーティンとか、デュクーニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップとか、CCCのサイモン・ゲシュケとか、アルケアのバルギルとか、モビスターのソレルとか。
人数も多く、16人の逃げです。

逃げ切り勝利を狙う逃げ、な気がします。

……うー、でもツールだよ?しかも昨日あんなにしっかり、ヒルシがとっても素敵な逃げ切り勝利を飾っていたよ?
総合争いも全然これからって感じで、落ち着く様子もないのに、そんなに連続で逃げ切りってあるのかなー。

しかし、しっかりタイム差は開いていき、9分~10分前後で落ち着きます。

メイン集団は、ずっとずっとずーーっと、ユンボ・ヴィスマのトニー・マルティンがひいていました。
今日は!マルティンが!ちゃんとアイウェアをしてるよ!!!

トニー・マルティンって、素顔で走ることが多いのですよね。
視界を遮られるものが苦手なのでしょうか。


とにもかくにも、10分近いタイム差をつけたまま、協力な逃げ集団とメイン集団という形で、レースは進んでいきます。


残り40kmくらいで、大きな動き!
逃げ集団の中からEFプロサイクリングのニールソン・ポーレスが飛び出しました!
そのまま単独先頭になります!

残り35.8km。
今度は逃げ集団の中から、ボーラ・ハンスグローエのマキシミリアン・シャフマンが飛び出して、ポーレスを追いかけます。

残り30km。
先頭は単独でポーレス。
11秒後ろに、シャフマン。
36秒後ろに、残された14人の追走集団。
メイン集団は、先頭から約10分後ろです。

追走集団では、アラフィリップが積極的に集団のスピードをあげようとしているように見えますが、この集団のはボーラの選手もEFの選手もいるので、
みんなで追いつこうぜ的な雰囲気にはなかなかなりません。


残り29kmのところで、シャフマンがポーレスに追いつきました!
これで先頭は2人になります。
追走は、うーん。人数は多いけれど、追いつきそうにないです。

残り23km
先頭はポーレスとシャフマンの2人。
40秒差で追走。
先頭から9分20秒差



残り18km。
シャフマンがじわじわとポールスを引き離し、単独先頭になりました!

残り16km
先頭はシャフマン。
34秒後ろに、ついていけなかったポーレス。
その約40秒後ろに、追走グループ。
先頭から9分27秒後ろに、メイン集団があります。


残り14km。
ポーレスが追走集団に吸収されました。
しかしその追走集団も大きくばらけて、シャフマンを追うトップの追走は3人グループに!
メンバーは、モビスターのマルク・ソレル、EFのダニエル・マルティネス、ボーラのレナード・ケムナです。

残り12km。
先頭はシャフマン。
40秒後ろに、マルティネスとケムナ。ソレルは遅れました。
そこから20秒後ろに、追走グループです。


残り9km。
メイン集団後方でバルデとギヨーム・マルタンが遅れました!
メイン集団の前方では、イネオスのカラパスがアタックして、ユンボがそれをチェックするような感じです。
この時点では、デュムランがユンボトレインの先頭でコントロールしてます。


残り7km
先頭はボーラのシャフマン。
残り20秒で、EFのマルティネスとボーラのケムナ。
ここは、ずっとマルティネスが一人でひいてます。
ケムナは、先頭のシャフマンのチームメイトなので、絶対に前にでて引くことはしません。
マルティネスがシャフマンに追いついたとしても、足をつかっていないケムナがすぐにアタックを仕掛けてステージ優勝を狙いにいくでしょう!
ボーラ、かなり有利!
その40秒後ろあたりから、さっき脱落した追走グループの選手たちがいます。
メイン集団は、先頭から約8分遅れです。

残り3km。
シャフマンと、マルティネス&ケムナグループとの差は、16秒差。


残り2km。
タイム差12秒!

残り1.6km。
斜度14%くらいのきっついところで、マルティネスとケムナが、シャフマンにおいつきました!!
というか、マルティネスがすごいな!!一人でここまで追いついたぞ。
その途端、ケムナがアタック!
マルティネスがぴったりくっつきます。シャフマンは遅れる!

残り1km。
先頭は3人団子になってますが、先頭にたっているのは、マルティネス。

残り700m。
シャフマンが遅れました!

先頭マルティネス!ぴったりうしろにはりつくケムナ。
そこから、残り640mでケムナがアタック!
すぐに反応したマルティネスがカウンターアタック
それについていくケムナ!

バッチバチ!!緊張感ばりばりで、みててドキドキします!

どーでもいいけど、残り2kmからの斜度が、基本的に10度以上だぞ!きついな!!

残り150m。
ケムナががアタック!

マルティネスがぴったり後ろにくっついてるけどなかなか、並べません!
ハンドルを左右に振るようにして、どっちから抜くか悩んでるのか?
しかし、残り50m付近から、一気にスピードをあげたマルティネスがケムナの右手側から飛び出し、そのまま抜き去ってスピードあげたままフィニッシュ!!

ステージ優勝は、EFプロサイクリングチームの、ダニエル・マルティネス!!
すごい、ボーラに前後を挟まれた状態で、一人でがんばっておいついて、状況的に圧倒敵に有利だったにもかかわらず、それでも勝った!
逆境にあきらめないって大事!マルティネスすごい!
2位は、ケムナ、3位はシャフマンでした。


一方そのころ。

メイン集団では、ポガチャルがアタックをしかけます!!
それを、ログリッチをはじめとする各チームの総合エース級の選手がチェックに入り、……って、あれ!?ベルナルがいない!!?
対応できずに遅れてしまった模様!


ポガチャルのアタックにくっつていくログリッチ
この2人からちょっと離れて、リッチー・ポートとミゲル・ランダ、ミゲルアンヘル・ロペスの3人になりました。

残り500m。
グリッチが快調に登り、それにポガチャルがついていきます。
ちょっと離れてポート。そこから遅れて、ロペスとランダ。


そして、ログリッチが最後にスピードをあげて、フィニッシュ!
ぴったりくっついてポガチャルもフィニッシュ。
2人から13秒差で、リッチー・ポートとランダが到着。
そこから3秒後ろでロペスがフィニッシュします。
ベルナルは、ロペスから22秒遅れ、ログリッチェからは、38秒遅れてのフィニッシュとなりました。


うーん。ベルナル、今のツールで厳しい坂でのアタックに、全然対処できてない気がする…。


そんでもって、総合順位!

暫定総合1位、ユンボ・ヴィスマのプロモシュ・ログリッチ
総合2位、44秒差で、UAEのダデイ・ポガチャル。
総合3位、ポガチャルから15秒遅れて、イネオスのエガン・ベルナル。
総合4位が、何気に地道に頑張ってる、EFのリゴベルト・ウラン。ベルナルから11秒遅れています。
総合5位が、ウランと2秒差で、アルケア・サムシックのナイロ・キンタナ。
総合6位が、キンタナから19秒後ろ、アスタナのミゲルアンヘル・ロペスです。

ポイント賞は変わらず、デュクーニンク・クイックステップサム・ベネット
山岳賞も変化なし。アージェードゥーゼール・ラモンディアールのブノワ・コヌフロワ。
新人賞は、総合2位のポガチャル。
敢闘賞は、ボーラ・ハンスグローエのマキシミリアン・シャフマンでした。

ポガチャルが、先日の横風での遅れを着々と取り戻しています。
ただ、ログリッチに今のところ隙がない!

あと、よく見ると、総合1位と2位がスロベニアで、3位から6位がコロンビアの選手なのですね。

それぞれの選手の国籍はもちろん知っていますが、
実際に国旗のアイコンがならぶと、そうか、ここが今サイクルロードレースが強い国なんだー、とか思ったりします。

ツール・ド・フランス 2020 第7ステージ

今日は、レースはじまってまもないころに、ステージとポイント賞を狙うサガンを擁するボーラががんがん引いて集団を分断させてその時点で本日ポイント賞ジャージを着用しているサム・ベネットを引き離します。

そのまま中間スプリントにきて、1位通過はトレンティン、2位通過がサガンでした。
そのスプリントポイントを過ぎたあたりで、デヘントが飛び出しました。

そのまま一人逃げ。
わーい。今日はデヘントさんの単独の逃げだー☆

って思ってみてたら、

残り35kmでデヘントさん吸収するのとほぼ同時に
イネオスが仕掛けて横風分断が起きてポガチャルが遅れました!!!
ダデイ〜!!!??!まじですか。

イネオスがきっちり作戦組んでたみたいで、まあ見事見事って感じ。
前に残った総合系の選手はベルナルはもちろん、ログリッチ、イェーツ、バルデ、マルタン、ウラン、キンタナ、ロペス、アラフィリップ、ブッフマン、マス、バルベルデ……。
公式レースセンター上に表示はないけど、ピノもここにいるのかな……。

後ろ取り残されたのが、ポガチャル、モレマ、ポート、ランダ、チャベス、アル、ザカリン、などなど。


誰がどこにいるのかを一生懸命確認していたら、あっという間に10kmを切りました!!
もう前がガンガンみんな引きまくってて、必死で追走していて、すごい緊迫している。

残り8kmで、先頭集団とポガチャルのグループが、1分20秒くらいの差がついてます。
サガンはちゃんと先頭に残ってます。
……そういえば私、サガンが勝負できる日に横風分断がおこったとき、サガンが後ろに取り残されてしまったレースって、パッと思い浮かばないな……むしろとり残されそうでも自力で前に行ってるイメージ。
安心と信頼のペーター・サガン

前の集団に残ってるスプリンターは、ボーラのサガン、NTTはボアッソンハーゲン。
今日はチャンスないと思ってたけど、ログリッチのために走ってるユンボのファンアールトは、前方に残ってるスプリンターが少ない中では二度目のチャンスがきたと言えなくもない。
トレックはストゥイベン、あとB &Bホテルズのコカールも残ってます。

そんなこんなで残ってるスプリンター確認してるうちに、気づいたら残り1kmを切っていた!

人数が減っていてあんまり通常よりもトレインが機能しない中で、
ボアッソンハーゲンのためのトレインを先頭に、一気にスプリント体勢に入ってきます!
ボアッソンハーゲンが発射して、おっと参加するんだって思ったアラフィリップが途中で手をあげてスプリントをやめて何だろうって思いながらも、ど真ん中からトレックのストゥイベンが来てフィニッシュ向かって右からコカールがきて左からボアッソンハーゲンも来てファンアールトも来てるぞと思ったらファンアールトが勝った。


………………。

…………………………ん?

ファンアールトが勝った!!?

いや、分断起こったことでスプリントに参加する可能性があがったと思ったけど、
ちょっとええええ!!!
ユンボ・ヴィスマのワウト・ファンアールト早くもステージ2勝目!!


なんか、すごすぎて笑えてきた。
すごいなーちょー強いなー。
スプリント参加するかしないかどっちだろうとか思っていたのに、参加したらまあ勝つんだなー。
ただただ感嘆。


ポガチャルは、先頭集団から1分21秒遅れてフィニッシュしました。
イェーツたち先頭集団はみんなタイム差ついてないので、多くの総合有力選手から、ポガチャルは1分21秒遅れたことになります。

これは……かなり厳しい気がする…………。


そんなこんなで、本日は総合にいろいろ変動が。

総合1位はミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツ。
総合2位はユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチ。3秒差。
そして総合3位に、コフィディスのギヨーム・マルタンが入りました。イェーツとは9秒差。

ポイント賞は、ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガンが取り返しました。
山岳賞は、変わらずアージェードゥゼール・ラ・モンディアルのブノワ・コヌフロワ。
そして新人賞は、イネオスのエガン・ベルナルになりました。

敢闘賞は、冒頭めちゃくちゃ集団を牽引していた、ボーラ・ハンスグローエのダニエル・オスでした。


うーん。ポガチャル期待してたから、今日は結構ショックだったなあ……。
総合争いをする上ではかなり厳しい……。

ツール・ド・フランス 2020 第6ステージ

本日の第6ステージは、最初ずっとまっすぐで、3級、1級、1級でフィニッシュというステージ。

逃げは8人。
ダニエル・オス(ボーラ・ハンスグローエ)
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(NTTプロサイクリング)
グレッグ・ファンアーヴェルマート(CCC)
ヘスス・エラダ(コフィディス
アレクセイ・ルチェンコ(アスタナ)
ニールソン・ポールス(EFプロサイクリング)
ニコラス・ロッシュ(サンウェブ)
レミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ


集団は、ミッチェルトンがコントロールしています。
残り50kmくらいで、タイム差は5分半前後をキープしてる感じです。

最初の3級山岳は、ロッシュが先頭で通過しました。

残り42km タイム差は4分半前後です。

残り40km。
タイム差は約4分10秒。

残り32km。
タイム差は約3分20秒前後。
集団牽引は、現在イネオスです。

スピードは上がってきているのですが、
サンウェブはヒルシュやベノート、イネオスのシヴァコフや、現在山岳賞のコヌフロワがすでに遅れています。

残り27.5km。
先頭は3級山頂を通過しました。
先頭通過は、再びロッシュです。

残り25km。
集団が3級山頂を通過しました。集団とのタイム差は、約2分40秒。

一方、逃げグループは次の1級の登りに入っていきます。
ここで、オスと、ボアソンハーゲンが遅れ、先頭グループは6人になりました。


残り24km。
メイン集団も1級の登りに入ってきます。
あーゼードゥゼールのラトゥールが遅れていきます。

逃げでは、ポールスとカヴァニャ、ロッシュが交互に前に出て、スピードを上げていこうとしています。
タイム差は変わらず、2分40秒。

残り22.5 km。
先頭でポールスがアタック!すかさずロッシュがついていきます。
やや時間をかけて、ルチェンコ、アーヴェルマートも追いついて、先頭は4人になり、エラダとカヴァニャが追いつけずにじわじわ離されて、遅れてしまいます。


残り21km。
1級山頂までは、残り約8kmです。
逃げの4人と、集団とのタイム差は、約3分。

ここで、コツコツがんばってきたエラダが先頭に追いついてきました。
これで、先頭は5人に。

メイン集団では、UAEのファビオ・アルが飛び出しました。
ですが、特に集団では誰かが追っていく気配はなさそうです。

残り19.5km。
先頭では、再びエラダが遅れ出し、先頭では4人に戻りました。

残り18.1km。
先頭は4人、またまたエラダが戻りかけた、途端に、ポールスが再びアタック!
今度はルツェンコがぴったりついていき、先頭は2人になります。
ロッシュとアーヴェルマートは遅れていきます。
1級山頂までは、4.5km。
なお、先頭2人と集団との差は約3分から変わらずです。
集団をひくは、ずっとイネオスのままです。

残り17.2km。
今度はルツェンコがスピードをあげて、ポールスを引き離しにかかります。


残り16.6km。
先頭は単独でルツェンコ。
ちょっと離れて、ポールスが2番手、じゃない。エラダが追いついてきて、ポールスを抜きました!
ルツェンコから、約20秒遅れてエラダ、ポールス。
2人から約2分離れて、アル。
そこから30秒ほど後ろに、イネオスがずっと牽引しているメイン集団がいます。

うーん。イネオスがどんどんスピードをあげるのかと思っていたけれど、
先頭との差が詰まらないなあ……。



残り14km。
先頭のルツェンコは、山頂まで残り1kmを切っています。
25秒後ろにエラダ。
アルはその2分15秒後ろ。
メイン集団はさらにそこから後ろで、先頭のルツェンコから3分10秒遅れています。
ちょっとずつタイム差が開いちゃっている……?

残り13km。
先頭のルツェンコが1級山岳を通過しました!
そこから逃げていきます。
続いて約25秒くらい遅れてエラダが通過しました!

残り10km。
ルツェンコは下りを爆走中。
エラダも30秒遅れて下りを爆走中。ルツェンコの方が下りは早そうです。
後ろでは、アルが山頂を通過しました。
すぐ後ろにメイン集団。アルは下りでメイン集団に吸収されてしまいました。
先頭ルツェンコとメイン集団のタイム差は、3分15秒くらい。
もっと減るかと思いましたが、結構メイン集団は人数残ってましたね。


残り8km。
メイン集団で、イネオスの前にミッチェルトン・スコットの選手が前に出て、引き始めました。

残り7.5km。
ここでポガチャルがパンク!ちょっとタイミングが悪い!
ちゃんと集団に追いつけるだろうか。

残り6.8km。
先頭はルツェンコ。もう下りが終わって、登りにはいっていきます。
30秒くらい後ろに、エラダ。そこから1分10秒くらい後ろに、逃げから遅れてまだ吸収されずにいた、アーヴェルマートとポールスの2人がいます。
メイン集団は、ルツェンコから約3分15秒後ろ。
ポガチャルは無事集団に戻りました!

残り4km。
ルツェンコはペース良く登っています。
後ろのエラダとは約45秒後ろにいます。じわじわ差がひろがっています。


残り2km。
ルツェンコがいい感じのペースです。
じわじわ後ろとの差を開いて、二番手のエラダとのタイム差は55秒まで広がりました。
1分20秒くらい遅れて、アーヴェルマートとポールス。
メイン集団は、ルツェンコから3分30秒くらい後ろです。

ルツェンコが、一番ペースが速いようだ……。

いよいよ残り1km!
快調に登っていくルツェンコ!ここまで開いているので、後ろを気にしている気配も皆無です。
エラダもペースを上げてがんばってるのですが、まだルツェンコの背中も見えません。


残り300m。
ルツェンコは、ジャージの前をしっかり閉めました。
チームカーに手を挙げて挨拶。

そして、笑顔で両手をかかげてフィニーッシュ!!

アスタナのアレクセイ・ルツェンコがステージ優勝!!
めっちゃくちゃ強かった!!おめでとう!!

55秒遅れて、ステージ2位がコフィディスのヘスス・エラダ。
何度も遅れて何度も戻ってきた不屈の精神!勝てなかったけれど、でも、印象に残るいい走りだと思いました。

続いてフィニッシュにやってきたのは、アーヴェルマートとポールス。
最後はアーヴェルマートがスピードをあげて、先頭から2分15秒遅れて3位フィニッシュ。
そこから2秒遅れて4位がポールスでした。

そして、メイン集団では、アラフィリップがアタック!
おお、1秒くらいは後ろと差をつけた気がする!
このガッツが素敵です。この積み重ねが、今のアラフィリップ。
5位がアラフィリップ、6位はさりげなくトレックのモレマで、7位からがイネオストレイン順順にって感じでした。
アラフィリップは、モレマ以下のメイン集団から1秒だけタイムをとってました。


というわけで総合!ほぼ動かなかったね!
1位のマイヨ・ジョーヌが、ミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツ。
2位が、3秒差で、ユンボ・ヴィスマのプロモシュ・ログリッチ
3位が、アダムから7秒差で、UAEエミレーツのダデイ・ポガチャル。
ポイント賞は、今日3級山岳手前にあった中間スプリントを、プロトン内では1位通過してポイントを重ねた、ドゥクーニンク・クイックステップサム・ベネット
山岳賞はも、昨日と変わらず、アージェードゥゼール・ラ・モンディアルのブノワ・コヌフロワ。
新人賞は、ダデイ・ポガチャル。
敢闘賞は、今日の大逃げのきっかけをつくったサンウェブのニコラス・ロッシュでした!

昨日がまったく逃げがなかった(もしくは、選手みんなによる大集団の大逃げbyデヘント)ですが、今日は見事な逃げ切り勝利がきまりましたね!

カザフスタン人としては、ヴィノクロフ大佐以来のツールでのステージ勝利だったそうです。
プレッシャーもあっただろうに、見事な勝利だ、すごかった!

どっちかというと、もうちょい総合が動くかと思ったけれど、
特に集団のスピードをがんがんあげるわけでもなく、むしろ逃げとのタイム差を詰めようとしなかったイネオスの動きが、結果として総合勢の順位変動を起こさない動きになっていたように思います。
まあ、ほんと、結果論ですけれど。

うーむ。イネオスの動きが不思議でした。
ガンガンスピードを上げたかったけど上げられなかったのか、他のチームに上げられるとこまるから、あげるふりしてベルナルを守ったっていう可能性はあるのか?
でも、後半の登りが、かなりきつかったそうなので、これからのために、今日は総合系の選手たちがみんな足を温存した結果、逃げ切り勝利が決まったのかもしれません。

こうやっていろいろ考えるのもまた、毎日レースが続く、グランツールならではですね。
明日も楽しみ!

ツール・ド・フランス 2020 第5ステージ

今日は穏やか平坦ステージ!
山岳も4級が二つしかありません。

逃げても山岳ポイントを1位通過しても、合計2ポイントしかとれないし、
逃げもすぐに決まって、最後以外は、穏やかなレースになるんだろうって思ってました。


そしたら。

逃げができないという、非常事態が発生。


…………なぜ?????


2015年のツールから見始めて、6年目になりますが、
こんなステージは見たことがありません。

逃げがなかなかできないステージ自体は、ブエルタとかで見たことがあります。
そのときは、逃げたらステージ優勝できる可能性が高い感じのコースとかで、1時間近くアタックアタックどんどんどん!、みたいな激しいレース。平均時速が50km近いレースとかになってたように記憶しています。

でも今日は、そんな感じじゃないです。

とってもとってもゆっくりです。
最初レース映像見た時、「……え、ストライキ?」って思ってしまいました。


レースはずっとずっとそのまま進みます。
まだまだ、逃げはできません。
中間スプリントのときだけは、スプリンターたちがポイントをとりにいって、ここで首位をとったサム・ベネットがスプリントポイントでサガンを逆転しました。

すわ、ここからレース仕切り直しか!?
と、飛び出した逃げ職人のトーマス・デヘント!!

それを追う選手が!誰も、いない…………?
デヘントも「え?他いないの?」みたいな感じで後ろを振り返ってます。

結局デヘントはすぐに集団に帰りました。
まだまだ逃げはできません。


そのまま。

ずっっっっっっっっと。
集団のままでゆ〜っくりとすすんでいきます。
まだまだ逃げはできません。

やがてやってくる4級山岳!

が、まったく活性化しない集団。

逆にこれは誰がとるのこの1ポイントって思ったら、
山頂200m手前くらいのところで、ブノワ・􏰆コヌフロワが様子をみながらそっと飛び出して、1ポイント山岳ポイントをとって、そのまま自然と集団に戻っていきました。


そこからまた集団のまま進んで行きます。
まだまだ、逃げはできません。


残り30kmくらいから、ちょっとだけスピードとか緊張感があがった気がしなくもないけど、別にアタックかかるわけではないので、気のせいといえば気のせいかもしれない。
とにかく、逃げはできません。


結局集団のまま進んで、
次の4級山岳もコヌフロワが同じようにとっていきました。


そしてまた、集団。
結局逃げはできません。


残り10kmになったとたん、イネオスがざざっと前にでて、スピードを上げ始めました。

おお、ようやく動いた。
このタイミングでの総合勢の集団アタックは、横風?

と思ったけど、斜めのエシュロンは形成されてないから、ただスピードをあげて引き離しにかかっただけなのでしょうか。

残り8km。
スピードがあがったことで、集団はイネオスを先頭とした一列棒状になりましたが、イネオスはスピードをあげるのをやめてしまいました。
って思った直後の残り7kmで、集団が真ん中でいきなり切れました。やっぱり横風あったの!?
すかさずイネオスとユンボががっとスピードをあげて、遅れた選手との差を広げます。トレックのモレマとかが遅れてしまいました。


残り3.5km。
一応先頭は、イネオスですが、
道が広いからか、いろんなところでトレインができています。

残り3km。
いきなり道が狭くなって、くねくねしはじめました。
イネオスは、もし何かあっても救済される残り3km区間に入ったため、先頭付近からはいなくなりました。


残り2km。
CCCの選手がアタック!
でもすぐやめます。
ん?イネオスは先頭の方から完全にいなくなったけど、前方にユンボが一人だけ残ってる……?

残り1.5km。
サンウェブがトレイン組んで先頭です。
ここからどんどんどんどん道が狭くなります。
めっちゃせまくあんったところで、残り1k。
そこから大きなカーブ。

まだ先頭はサンウェブです。
ミッチェルトンがあがってきてます。

残り700m。
サンウェブがひく!
サンウェブトレインの後ろには、さっき見つけた、一人残ってたユンボのファンアールト、続くミッチェルトンは、メスゲッツかな?その後ろにサガン

残り200m。
ちょうどカーブを曲り終えた瞬間にサンウェブのアシスト選手が役目を終え、ケース・ボルがめっちゃいい感じで発射されました!!
その右手側から、下がっていくサンウェブのアシスト選手を外側から大きく迂回するかのように、カーブのアウト側からものユンボ・ヴィスマのファンアールトが、ものすごい勢いでスプリントしています!
二人の後ろからサム・ベネットサガン、メスゲッツが来てますが、追いつけない!
ボルとファンアールトの一騎討ち!!!

そして、
勝ったのは、ユンボ・ヴィスマのワウト・ファンアールト!!!

おおおお!
ファンアールトめっちゃ強いのは知っていたけれど、
今ツールのチームは、総合のためのチームって感じが強いから、ステージを狙う走りをさせてもらえるとは思わなかった!!
ワウトおめでとう!
信じて送り出したユンボチームもすてき!

2位は、サンウェブのケース・ボル。アシストが完璧な仕事をしてくれただけに、これは悔しいだろうなあ……。
3位はドゥクーニンク・クイックステップサム・ベネットでした。
ベネットは、中間スプリントの時点で、スプリントポイントでサガンを抜いていたので、これでグリーンジャージゲットです!


総合順位は特に変わらず……と思いきや。
ここで事件発生。
アラフィリップにペナルティで、タイムのマイナスがついて、総合1位から転落することになりました。
どうやら、フィニッシュまで残り20kmを切り、もう補給が禁止されている区間に入ったにもかかわらず、そこで道路脇に立っているチームスタッフから補給のボトルを受け取ってしまったようです。
これにより、タイムが20秒マイナスされることになったようです。

そんなわけで、暫定総合1位は、繰り上がりでミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツになりました。
総合2位は、3秒差で、ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチ
総合3位は、アダムから7秒差で、UAEエミレーツのダデイ・ポガチャルです。
アラフィリップは、総合16位まで落ちました。

ポイント賞は、今日サガンを逆転した、ドゥクーニンク・クイックステップサム・ベネット
山岳賞は、今日そっと2ポイントだけ加算した、アージェードゥゼール・ラ・モンディアルのブノア・コフヌロワ。
新人賞は、ポガチャル。
敢闘賞は、バーレーンマクラーレンのワウト・プールスでした。
なぜ?って思いましたが、肋骨を骨折しながらもちゃんと走ったということで、がんばったで賞とのことです。
たしかに。それはがんばった。


そんなこんなで。
結局最後まで逃げができなかったっていう見たことないステージだったし、
なんもおきないなーっと思ったら、ポイント賞ジャージがサガンからベネットに移るし、ファンアールトがスプリントに参加することが許されてそのまま勝っちゃうし、そんでもってペナルティによって総合1位が変わるしで、
なんか、不思議な日でした。


常識に囚われてはいけない。
でも、ルールは守らないといけない。

そんな日。

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