コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2020 第5ステージ

今日は穏やか平坦ステージ!
山岳も4級が二つしかありません。

逃げても山岳ポイントを1位通過しても、合計2ポイントしかとれないし、
逃げもすぐに決まって、最後以外は、穏やかなレースになるんだろうって思ってました。


そしたら。

逃げができないという、非常事態が発生。


…………なぜ?????


2015年のツールから見始めて、6年目になりますが、
こんなステージは見たことがありません。

逃げがなかなかできないステージ自体は、ブエルタとかで見たことがあります。
そのときは、逃げたらステージ優勝できる可能性が高い感じのコースとかで、1時間近くアタックアタックどんどんどん!、みたいな激しいレース。平均時速が50km近いレースとかになってたように記憶しています。

でも今日は、そんな感じじゃないです。

とってもとってもゆっくりです。
最初レース映像見た時、「……え、ストライキ?」って思ってしまいました。


レースはずっとずっとそのまま進みます。
まだまだ、逃げはできません。
中間スプリントのときだけは、スプリンターたちがポイントをとりにいって、ここで首位をとったサム・ベネットがスプリントポイントでサガンを逆転しました。

すわ、ここからレース仕切り直しか!?
と、飛び出した逃げ職人のトーマス・デヘント!!

それを追う選手が!誰も、いない…………?
デヘントも「え?他いないの?」みたいな感じで後ろを振り返ってます。

結局デヘントはすぐに集団に帰りました。
まだまだ逃げはできません。


そのまま。

ずっっっっっっっっと。
集団のままでゆ〜っくりとすすんでいきます。
まだまだ逃げはできません。

やがてやってくる4級山岳!

が、まったく活性化しない集団。

逆にこれは誰がとるのこの1ポイントって思ったら、
山頂200m手前くらいのところで、ブノワ・􏰆コヌフロワが様子をみながらそっと飛び出して、1ポイント山岳ポイントをとって、そのまま自然と集団に戻っていきました。


そこからまた集団のまま進んで行きます。
まだまだ、逃げはできません。


残り30kmくらいから、ちょっとだけスピードとか緊張感があがった気がしなくもないけど、別にアタックかかるわけではないので、気のせいといえば気のせいかもしれない。
とにかく、逃げはできません。


結局集団のまま進んで、
次の4級山岳もコヌフロワが同じようにとっていきました。


そしてまた、集団。
結局逃げはできません。


残り10kmになったとたん、イネオスがざざっと前にでて、スピードを上げ始めました。

おお、ようやく動いた。
このタイミングでの総合勢の集団アタックは、横風?

と思ったけど、斜めのエシュロンは形成されてないから、ただスピードをあげて引き離しにかかっただけなのでしょうか。

残り8km。
スピードがあがったことで、集団はイネオスを先頭とした一列棒状になりましたが、イネオスはスピードをあげるのをやめてしまいました。
って思った直後の残り7kmで、集団が真ん中でいきなり切れました。やっぱり横風あったの!?
すかさずイネオスとユンボががっとスピードをあげて、遅れた選手との差を広げます。トレックのモレマとかが遅れてしまいました。


残り3.5km。
一応先頭は、イネオスですが、
道が広いからか、いろんなところでトレインができています。

残り3km。
いきなり道が狭くなって、くねくねしはじめました。
イネオスは、もし何かあっても救済される残り3km区間に入ったため、先頭付近からはいなくなりました。


残り2km。
CCCの選手がアタック!
でもすぐやめます。
ん?イネオスは先頭の方から完全にいなくなったけど、前方にユンボが一人だけ残ってる……?

残り1.5km。
サンウェブがトレイン組んで先頭です。
ここからどんどんどんどん道が狭くなります。
めっちゃせまくあんったところで、残り1k。
そこから大きなカーブ。

まだ先頭はサンウェブです。
ミッチェルトンがあがってきてます。

残り700m。
サンウェブがひく!
サンウェブトレインの後ろには、さっき見つけた、一人残ってたユンボのファンアールト、続くミッチェルトンは、メスゲッツかな?その後ろにサガン

残り200m。
ちょうどカーブを曲り終えた瞬間にサンウェブのアシスト選手が役目を終え、ケース・ボルがめっちゃいい感じで発射されました!!
その右手側から、下がっていくサンウェブのアシスト選手を外側から大きく迂回するかのように、カーブのアウト側からものユンボ・ヴィスマのファンアールトが、ものすごい勢いでスプリントしています!
二人の後ろからサム・ベネットサガン、メスゲッツが来てますが、追いつけない!
ボルとファンアールトの一騎討ち!!!

そして、
勝ったのは、ユンボ・ヴィスマのワウト・ファンアールト!!!

おおおお!
ファンアールトめっちゃ強いのは知っていたけれど、
今ツールのチームは、総合のためのチームって感じが強いから、ステージを狙う走りをさせてもらえるとは思わなかった!!
ワウトおめでとう!
信じて送り出したユンボチームもすてき!

2位は、サンウェブのケース・ボル。アシストが完璧な仕事をしてくれただけに、これは悔しいだろうなあ……。
3位はドゥクーニンク・クイックステップサム・ベネットでした。
ベネットは、中間スプリントの時点で、スプリントポイントでサガンを抜いていたので、これでグリーンジャージゲットです!


総合順位は特に変わらず……と思いきや。
ここで事件発生。
アラフィリップにペナルティで、タイムのマイナスがついて、総合1位から転落することになりました。
どうやら、フィニッシュまで残り20kmを切り、もう補給が禁止されている区間に入ったにもかかわらず、そこで道路脇に立っているチームスタッフから補給のボトルを受け取ってしまったようです。
これにより、タイムが20秒マイナスされることになったようです。

そんなわけで、暫定総合1位は、繰り上がりでミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツになりました。
総合2位は、3秒差で、ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチ
総合3位は、アダムから7秒差で、UAEエミレーツのダデイ・ポガチャルです。
アラフィリップは、総合16位まで落ちました。

ポイント賞は、今日サガンを逆転した、ドゥクーニンク・クイックステップサム・ベネット
山岳賞は、今日そっと2ポイントだけ加算した、アージェードゥゼール・ラ・モンディアルのブノア・コフヌロワ。
新人賞は、ポガチャル。
敢闘賞は、バーレーンマクラーレンのワウト・プールスでした。
なぜ?って思いましたが、肋骨を骨折しながらもちゃんと走ったということで、がんばったで賞とのことです。
たしかに。それはがんばった。


そんなこんなで。
結局最後まで逃げができなかったっていう見たことないステージだったし、
なんもおきないなーっと思ったら、ポイント賞ジャージがサガンからベネットに移るし、ファンアールトがスプリントに参加することが許されてそのまま勝っちゃうし、そんでもってペナルティによって総合1位が変わるしで、
なんか、不思議な日でした。


常識に囚われてはいけない。
でも、ルールは守らないといけない。

そんな日。

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