コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2020 第14ステージ

今日は、ちょっと山が多めのステージで、スプリンターが最後まで残れるのかどうか、高低表みていてもよくわからない感じステージでした。
レース序盤にできた逃げも、一人へり、二人減り、一人で残っていたキュングも、残り80kmで吸収されました。

集団は、レースはじまって最初の方はデュクーニンク・クイックステップが集団をコントロールしていましたが、途中からボーラが集団を牽引してスピードを上げていくことで、
現在マイヨ・ヴェールを着用しているサム・ベネットが耐えられず、遅れていくことになります。

遅れながらも頑張っていたベネットがいる第二集団ですが、
残り77km付近でベネットがあきらめ、スピードを落としました。
仲間に声をかけているサム・ベネット
ちょっと切ない。

そのまま延々とタイム差は開き続け、
残り45km時点でメイン集団とベネットとの集団のタイム差は、9分20秒くらいになってました。
集団は、基本的にずっとボーラがコントロールしています。


一気にレースが動いたのは、残り20kmを切ってからくらいだったでしょうか。
だんだん位置どりが激しくなって、
残り12kmの4級山岳の登り口で、一気に道が狭くなって、さあここからだぜ!!って感じの雰囲気になりました。

そんな中、残り11kmくらいで、サンウェブのベノートが単独アタック!
うまく差が開き、残り10km時点で、ベノートと集団の差は11秒差。
残り7.5kmでボーラのケムナが集団から前に出て追いつき、ベノートは吸収。
今度はケムナが単独先頭になります。

残り6km。
今度はロット・スーダルの選手が一人飛び出しました。
デヘント……?

残り5.3km。
ここで、集団からものすごい勢いで飛び出す選手!アラフィリップだ!!
イネオスの選手が一人、すぐに反応します。
アラフィリ、なんという勢い!!一気にデヘントを手をぬいて、ケムナに迫っていきます。

残り5km。
アラフィリが先頭のケムナに追いつきます。
追いついた勢いそのままに、アラフィリップがアタック!!!
でもケムナもデヘントも離されまいとついていきます。
そこに、サンウェブのヒルシと、エフデジの選手が一人追いついた!!

先頭5人。ちょっと離れて、集団が追っています。
集団の先頭のボーラは……サガン……?

残り4.1km。
集団が先頭の5人に追いついた、と思った一瞬のスキに、ヒルシがアタック!!
若干あきかけた差を、サガンが自ら詰めていきます!

残り3.6km。
集団を引き連れたサガンヒルシに追いつきます。
一瞬、集団の緊張感が緩んだような気配。

残り3km。
サガンが先頭に出されてしまっています。
後ろを振り返りながらサガンが様子を見たその瞬間、サンウェブのセーアン・クラーウアナスンが一気にアタックをかけました!

サガンは追わない!っていうか、ここで力を使うと最後にスプリントできないから、追えない!
サガンの後ろにいるのは、サンウェブのヒルシ。チームメイトのここぞというタイミングのアタックを、追うわけがない!
他に集団の前の方にいる選手は、各チームのエース級とサンウェブの選手ばかり!
すぐには誰も追わず、一気に差が開きます!!

残り1.5km。
クラーウアナスン単独先頭!!タイム差12秒!!!
後ろの集団は、先頭がミッチェルトンですが2番手から4番手くらいまでがサンウェブの選手!
追いつくようなスピードにさせるわけがありません!!


残り1km切って、クラーウアナスンは徐々に勝利を確信!
最後は余裕をもって、ガッツポーズでフィニッシュ!!
見事なチームワークで、サンウェブのセーアン・クラーウアナスンがステージ勝利!!
すんばらしい!!!!


15秒後に、集団がフィニッシュします。
集団の先頭をスプリントで制し、ステージ2位になったのは、ミッチェルトン・スコットのルカ・メズゲッツ。
3位がコフィディスのシモーネ・コンソンニ、4位がペーター・サガンでした。


総合は4賞ジャージ含め、昨日書いた内容と全然かわってないので割愛!
今日大幅におくれたけれど、まだポイント賞の1位は、サム・ベネットのままでした。
ベネットとサガンのポイント差、大きいです。

敢闘賞は、本日結構な時間を一人で逃げていた、グルパマ・エフデジのシュテファン・キュングでした。
今ツール、2回目の敢闘賞!!目立ってます!!


今日はとにかく、ベノート以降の攻防がすごかった!!
一瞬で状況が変わる、目まぐるしいアタックの数々!
そして、その中でチームとしてどんどんアタックを重ね、見事チャンスを掴んだサンウェブ!!
今のところ、今期のレースで一番好きなレースかもしれないです。
そのくらい楽しかった!!

今年はボーラが、サガンにチャンスがあるステージの日に、チームとしてレース序盤から作戦を展開することが増えてますね。
スプリンターのための戦い方って、残り20kmくらいからのトレインくらいしか思い浮かばなかったのだけれど、
サガンみたいにしっかり登れるスプリンターの場合は、こうやってライバルをあらかじめ振り落とすっていう作戦が効果的なのですね。
そうそう。作戦といえば、今年はまだ、前待ち作戦をやってるチームないですよね?
ちょっと前まで、山のステージのたびにどのチームもやっていたのに。
うーん。まだ前待ちに適したステージが来ていないのか。それとも作戦の流行が終わったのか。
まだまだ、サイクルロードレースは奥が深いです。

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