コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2021 第4ステージ

今日は何もない日です。
4級山岳すらない日です。
ただただまっすぐな日です。

そんなまっすぐな道で、アクチュアルスタートが切られると同時に。
選手たちは止まりました。

昨日の危険なステージ設定に対する抗議的な、ストライキ的なものです。
選手たちからの意思表示。


どうやら、昨日スタート前に、万が一落車したりトラブってもトラブらずにフィニッシュした選手と同タイム扱いにしてくれるフィニッシュ前の区間を、通常の3kmではなく5kmにしてもらいたいと、選手側からお願いがあったそうなのですね。
選手たちは、このコースレイアウトだと、フィニッシュ近くなると落車の危険性があるのがわかっていたようなので、救済区間を伸ばすことで、前に位置どろうとするチームを減らせるのでそういうお願いをしたそうなのですが、
レース主催者のASOはこれをOKしたそうなのですが、審判側(UCI)が拒否した、と。
で、実際に、選手たちの危惧どおり、残り4km付近で大きな落車が発生しました。

そういう話の流れがあっての、本日の抗議行動となったそうです。

この行動により、しばらくレースがストップしました。
その後、何がきっかけかわかりませんが、とにかく普通にレースはスタートします。


それでも最初はゆっくりしか走ってなかったようなのですが、138kmで徐々に逃げができる雰囲気になり、2人の逃げグループができます。

一人は、ロット・スーダルの、ブレント・ファンムール。
もう一人は、コフィディスのピエールリュック・ペリション。


この2人とメイン集団、という構図で、レースは進んでいきます。


残り36km。
本日フィニッシュ以外に唯一あった勝負所の中間スプリント区間
逃げの2人の中では、ファンムールが1位を取りました。

そして、今日がっちがちに本気のメイン集団では、なんとドゥクーニンクのカヴェンディッシュがトップ通過!!その次がリードアウト役のモルコフで、その次がブアニでした。
ちなみに、昨日までスプリントポイントは、ユアンがとっても頑張ってたのですが、もう昨日の落車で鎖骨を複数箇所骨折し、リタイアしています……。


残り22km。
逃げている2名と集団とのタイム差は、約1分。


残り15km
先頭ファンムールと、メイン集団とのタイム差、約30秒。


残り14km
ここで、ファンムールが一人飛び出し、単独先頭になりました。
メイン集団とのタイム差は、45秒くらいになっています。


残り12km
タイム差約55秒。


残り11km
タイム差1分。
……ファンムールすごい。


残り10km
先頭ファンムール。
追走のペリションが、約25秒後方。
その後ろにメイン集団。ファンムールとのタイム差は、約1分5秒。


残り8km。
ファンムールと集団とのタイム差。約1分5秒。

……ち、縮まらないのですが。

平坦だと、集団が逃げを吸収するときの基準が、大体10km1分ペースで差を詰めていくっていうのがセオリーだと思うのですが、これだと逃げ切れちゃうのでは……?
いやあ……でもツールでそれは……ありえるのだろうか。


残り6.5km。
タイム差、1分。

ここまでなんとなく緊張感に欠けていたメイン集団ですが、このあたりからデマールで勝負したいエフデジが徐々にスピードをあげて、緊迫感が上がってきました。


残り5km。
いきなり集団が本気になった!!
アスペシンやドゥクーニンクも集団の前の方にでてスピードをあげ始めました。
タイム差52秒。


残り4km。
タイム差40秒。
ねえ!!1kmで10秒つめてるよ集団!!強いよ!言わずもがなだけど!!


残り3km
タイム差33秒。

メイン集団では、トレックが先頭かな。ボーラもいい位置をキープ。
そして、イスラエル・スタートアップネイションのグライペルが単独でアルペシンのトレインに混じっていきました。

残り2km。
タイム差20秒!!
これは、ギリギリで吸収される可能性がある。

残り1.5km
タイム差15秒。
メイン集団はアラフィリップが先頭で牽いているドゥクーニンクトレインが先頭です。


残り1km
ああファンムール!!もう後ろにメイン集団見えてるよ!!


残り500m
まだ逃げている!!

残り400m
まだ。

残り300m
まだ!

残り200m
ああ!!集団先頭でスプリントをはじめたスプリンターたちが、ファンムールを抜きました!
集団先頭は、ファンムールをかわす直前に発射されたアルペシンのヤスパー・フィリプセン!!

このあとカーブ!フィリプセンの背後から、左手側にあがってきた、カヴェンディッシュ!!?
向かって左端フィリプセン、となりにカヴェンディッシュ、そのとなりからDSMのボルがほぼ横並び!
と思ったらカヴェンディッシュとボルの間からブアニが上がってきている!!
けど、そのほんの少し前で、カヴェンディッシュがわずかにフィリプセンを引き離した!!

見えた両腕ぐーのガッツポーズ!!

ドゥクーニンク・クイックステップマーク・カヴェンディッシュ、ステージ優勝!!!!
勝った!!ねえ勝った!!カヴが勝った!!ひっさびさにカヴがツールで勝った!!!!!
すごいすごいすごい!!

ここ数年なかなか結果を出せない中で、ただでさえスプリンターは絶好調で活躍できる期間が決して長い方ではないと思うのですが、
久々に戻ってきたチームクイックステップで、ベテラン、カヴェンディッシュの見事な勝利!!

フィニッシュ後、号泣しながら、順番にチームメイトにハグし続けるカヴェンディッシュ
おめでとうカヴェンディッシュ!!


そんでもって4賞!
総合暫定1位 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)
2位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 8秒差
3位 リチャル・カラパス(イネオス グレナディアーズ) 31秒差

ポイント賞 マーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クリックステップ)  おお!こっちもとった!!
山岳賞 イーデ・スへリンク(ボーラ・ハンスグローエ)
新人賞 タデイ・ポガチャル(UAEエミレーツ
敢闘賞 ブレント・ファンムール(ロット・スーダル)

カヴ勝っておめでとう、って感じあるけど、
ファンムールの逃げも本当にすごかった。本当に惜しかった!!

うん。
テクニカルな、フィニッシュ地点近くの見通の狭いカーブとかなくても、面白いよ自転車レース!!

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