コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2021 第1ステージ

一週間前倒しのツールがやってきました。
たった一週間ですけど、早いって感じてしまう不思議。
去年の開始が遅かったのもあって、余計そう感じるのかもしれません。

今年は第一ステージが、タイムトライアルでも平坦ステージでもなく、細かいアップダウンのステージです。
山岳ポイントが6つ。

ある程度順位が見えてくる二週目とか三週目なら、総合関わらない逃げ切り目当ての選手が血眼になるステージな気がしますが、初日にこういうステージだと、総合優勝目指す選手を擁するチームが、どういう戦略でくるのかあんまり予想がつきません。
ステージ優勝は、パンチャー系の選手が上位に来る気がしますが、ジュリアン・アラフィリップ、マチュー・ファンデルプール、ワウト・ファンアールトは狙いに来るだろうけど、サガンはどうかなあ勝負するかなあとか思います。


沿道に、お客さんもたくさんきています。
フランスは、日本よりもワクチン接種普及してて、感染が落ち着いてきているそうです。
まるで、生垣のようだなと思いましたが、人垣って便利な言葉があることを思い出しました。

パレードがスタートし、街をぬけて、橋をとおり、アクチュアルスタートの旗が振られました。

結構な人数が飛び出します。
前方は20~30人、ほぼ一列棒状に見えます。

うまく逃ができないまんま、4級山岳がやってきて、
ここまでめちゃくちゃ頑張って逃げようとしていた、クベカ・ネクストアッシュのカンペナールツがトップ通過しました。

そのあとようやく逃げグループができて、次の山岳ポイントくるまでに、6人の逃げ集団ができました。
残り173kmで、タイム差は3分強。もうメイン集団は、楽しくおしゃべりしながら落ち着いた雰囲気です。
うむ。まだ先は長いからね。穏やかに走っていてくれ。

次の4級山岳は、アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオのダニー・ファンポッペルが、その次の3級山岳はコフィディスアントニー・ペレスが山岳ポイントをとります。

続く4級山岳は、ボーラ・ハンスグローエのイーデ・スヘリンフがとり、そのまま逃げグループにもどらず、単独先頭になります。
スヘリンフは、この一つ前の3級山岳で2位通過して1ポイントとっていたので、4級1位の1ポイント足して、これで山岳2ポイント。

その後追走は吸収。
スヘリンフは中間スプリントポイントもそのまま1位通過。
集団では、ユアンがトップで通過。その後ろにはサガンが付いて、3位通過です。


49km 4級山岳をスへリンクがとりました。


残り45km。
集団で大落車が発生。

まだそこまでピリピリしてないメイン集団の中、プロトンの右側をユンボの隊列が走っていて、先頭交代をしようとトニーマルティンが右端からあがろうとしたところで、コースに片足だして半身コース上に完全に進入しながら、選手を見ずにカメラ方向にむけて段ボールで作った横に長い看板を掲げていた見物客の、その大きな段ボールにぶつかって落車。
そのままドミノ倒しで30人くらい、道全部ふさぐような形で大きな落車がおきました。

せっかくお客さんが普通に観戦できるようになったツールで、これは……ひどい。
初日からこの落車は、しかも自分勝手なお客さんが原因の大落車は、現地観戦も好きなファンとして見てて辛いです……。


運良くそれほど巻き込まれずに、再スタートできていたドゥクーニンクの選手たちが、一瞬アタックをかけそうな雰囲気があったのですが、それはやめてました。


残り38km。
だいぶ選手が集団に戻ってきました。
ニュートラルの感じ?スピードをあげてない感じあったのですが、残り37km切ったあたりでかなりちゃんとスピードを出し始めました。ドゥクーニンクですね。

この時点で、サガンやファンアールトとはまだ30秒くらい後ろにいて、戻れていません。
チームDSMのヤシャ・ズッタリンは、リタイアしました。


残り31km
ファンアールト戻りました。サガンももう戻ったようです。

残り27kmくらいで、ここまで逃ていたイーデ・スヘリンフが集団に吸収されました。

残り10km。
ここまでスピードでててもあんまり伸びてなかったのに、だんだんこのあたりから、位置どりが激しくなってきました。


残り7.6km
ここでまた大落車!!
プロトン右側がイネオス 、左側がドゥクーニンクが先頭の隊列だったのですが、イネオス側隊列のちょっと後ろあたりに位置していた選手たちが落車しました。フルームやグライペルが巻き込まれています。

かなりスピードが出ていたので、さっきよりも影響が大きいかもしれません……。

一方、影響がなくそのまま走れていた選手の集団は、本日最後の3級山岳に入っていきます。
ドゥクーニングが先頭を引いています。

残り3km。
登りに突入。ドゥクーニンク先頭のまま一列棒状になります。
マチューが自分で前に上がっていきます。


残り2.6km
先頭がドゥクーニンクのドリス・デヴェナインス、前から二番目がアラフィリップ。続いてファンアールト、コロブレッリ、マチュー、と続きます。


残り2.3km
ここでアラフィリップがアタック!!しかし、誰もつけない。
つかない?
ファンアールトがすごく後ろを気にしています。マチューが気になっていけないのかな。
強度の問題ではなく牽制が入っている?


と思ったら、ログリッチが飛び出し、それをポガチャルが追い、ラトゥールが追う!!
ををう……総合争いのみなさま、本日ステージに絡むのですね。

ラトゥールが二人を追い抜いていきます。


残り1.8km。
アラフィリップがさらに加速!!


残り1.6km
先頭アラフィリップ。
ちょっと間があいて単独追走ラトゥール。
さらに間があいて、ログリッチとポガチャル。
そこに、さらに後ろからマチューがアタックかけておいついた。

厳しいなこの登り。


残り1km
先頭アラフィリップ、間があいてラトゥール。
そのあとは、ログリッチとポガチャルを吸収した追走集団。先頭はファンアールト。

ぜんっっっぜん後ろが追いつける気がしません。
かなりアラフィリップとその後ろのラトゥールまでに、間隔が空いています。


そのまま楽勝でぶっちぎって、
ドゥクーニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ、ステージ優勝!!!
ものの見事にぶっちぎってました。
ただ、フィニッシュ後、アラフィリップの足には、血が……。最初の大落車に巻き込まれていたのでしょうか……。

その後ろはラトゥールが吸収されていて、2位争いのスプリント。
それを制した2位がチーム バイクエクスチェンジのマイケル・マシューズ。
3位が、おおっと、ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチです。
4位、バーレーンのジャック・ヘイグ。5位がボーラ・ハンスグローエのウィルコ・ケルデルマン。
6位が、昨年総合優勝の、UAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャルです。


4勝ジャージは、本日初日ですので、
暫定総合1位のマイヨ・ジョーヌ、ポイント賞1位のマイヨ・ヴェールは、両方ともジュリアン・アラフィリップ。
山岳賞ジャージのマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュは本日合計3ポイントとったボーラ・ハンスグローエのイーデ・スヘリンフ。
新人賞マイヨ・ブランは、UAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャル。
敢闘賞は、スヘリンフでした。あっきらかに一番逃げてたからね!!!



さて。ステージ優勝が決まった今、気になるのは、落車でおくれた選手たち。とくにフルームが落車直後立ち上がることができてなかったので、心配です。やっと怪我から復帰して久しぶりのツールなのに……。


総合系の選手だと、ゲラント・トーマスとかチャベスビルバオ、ゴデュ、モレマ、ラトゥール、イギータ、ルツェンコ、ニバリ、ウラン、マスあたりは、前の方でフィニッシュできているので、1位からタイム差20秒くらいでフィニッシュできていました。

一方、遅れた選手たちでいうと、
ブッフマンとロペスが、1分49秒差。サイモン・イェーツは3分17秒差。
ウッズ8分49秒差。コスヌフロワ9分52秒差。フルームは14分37秒差。ソレルが24分38秒差でのフィニッシュです。

フルームは、もともとウッズのアシストだと本人インタビューで言ってましたが、ウッズもフルームもこのタイム差だと総合争いはチームとして難しそうです。というか、明日走れるのでしょうか…?

選手たち、骨折とかの大怪我しても、とりあえず当日は最後までフィニッシュまでは走りきる選手もいるので、とても心配です。


今現在、東京五輪サイクルロードレースは沿道観戦ありで行われる予定ですが、
ロードレースを見慣れていない観客もいることが予想されます。

もしこのブログを見ている、五輪ロードレース沿道にて観戦予定の方。
ロードレースは、時速42kmを平均速度として予想通過時間をたてるくらい、スピードのはやい競技です。そして、プロトンと言われる集団は、遠くから見て予想するより、結構道路いっぱいにふくらみます。

路側帯から出ない。むしろ踏まない。狭い路側帯のときは、道路からおりて草むらで見る、くらいの気持ちで見てください。
選手一人一人が車と同じくらいのスピードでくると思うくらいの危機感でも、そんなに間違ってないと思います。
そして、カーブの内側は、路側帯の中でも絶対にだめです。
五輪は超一流のプロ選手が多く出場するとはいえ、たまに超一流選手がカーブでバイクコントロール失敗して、崖から落ちるのが自転車レースです。
たまにって20年に一度とかじゃないです。毎年です。

あと、公道レースで柵がたてられることあるかと思いますが、マラソンとかと違って、選手はその柵ギリギリを時速40km~80kmとかで走ることがあります。
柵から身を乗り出したり、柵に服とかカバンとかをかけていて、それが選手が引っかかって柵ごと崩れる、選手大怪我、みたいなことあったりします。
柵の向こう側に、手だけ伸ばしてスマホかまえているのも危険です。自撮り棒なんてもってのほかです。引っかけ棒です。

ちょっと離れて見ても十分迫力あるので、どうぞレースを損わない観戦方法で観戦してくださいね。


……こんなこと、自転車さかんなブルターニュ地方の方ならきっと知っているだろうに……。
観客の過失による選手の怪我は、本当に見ててつらいし、やりきれないです……。



……そんでもって、よく考えたら、
こんなマニアックなブログを最後まで読む、五輪がロードレース初観戦予定の日本人は、まずいないなと思いました!
まあいいや!!

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