コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2021 第2ステージ

第2ステージ。あれ、まだスプリントステージじゃない。
本日は、4級山岳4つ終わったあとに3級山岳2つ登るステージです。


本日の逃げは6人です。
昨日も逃げていたコフィディスのペレスや、現在山岳賞ジャージをきているボーラのイーデ・スヘリンフ。あとはトレックのエドワード・トゥーンス、クベカのサイモン・クラーク、チームトタルエネルジーズのカポ、サンティのコッホが逃げていました。


最初の4級山岳が近づいてきたときに「ふんぬっ!!」って感じでアタックかけたペレスがとりました。
次の4級山岳は、じっとペレスの後ろに張り付いたスへリンクが、ロングめのスプリントでペレスを押さえてトップ通過しました。
牽制しまくって、ばっちばっちしている山岳ジャージ争いです。


残り75kmくらいで、逃げと集団とのタイム差は1分10秒前後くらい。
メイン集団は、なんか、先頭が埋まってます。
凸型してなくて、道幅いっぱいにトレインが並ぶかんじ。
スピード出してるわけじゃないけど、みんな前にいたいって感じです。


残り70kmくらいで、逃げグループでトゥーンスが飛び出しました。
スへリンクがペレスの後ろから離れないので、んじゃいっちゃうよ!って感じで、置いて行ってしまった感じ。
それでもスへリンクが離れないので、ペレスは今日はもういいやって感じになっています。


残り68km
メイン集団がスピードをあげています…、。
カポがトゥーンスにおいついて、先頭は2人になりました。
残り55kmでタイム差約2分くらい。


残り22km
先頭2人とメイン集団とのタイム差は約35秒。
道路に、みっちりつまってる感じの集団です。
そして時速約60km。

ををう。みっちりとした猛スピードプロトン

先頭は、トゥーンスがアタックして、単独先頭になりました。
カポは吸収されます。


残り18km
トゥーンスが4級山岳を一位通過して、集団に吸収されました!
このあと、同じ3級山岳を2回登ります。
この山は、山岳ポイントと同時に、ボーナスタイムがついて、総合タイムが1位は8秒マイナスされます。マイナスがされます。


残り16.9km
マチュー・ファンデルプールがあたっく!!
このあとにある、ボーナスタイムをとりにいきます!!
がんがんいっちゃう系のアタック。

残り16km。
山頂まで600mくらいで、タイム差10秒くらいです。


そして山頂!1位通過はマチュー!マイナス8秒。
アタックかけてほぼ追いついた総合勢から、2位通過ポガチャル!マイナス5秒。
3位通過ログリッチ、マイナス2秒。

そのまま一瞬ポガチャルが飛び出しますが、結局集団に戻ります。


残り8km。
集団は、イネオスが牽引しています。
一列棒状。時速60kmくらい出てます。


残り6km。
イネオス が牽引しているのですが、アルペシンが自分のトレインを前に出そうとしています。
殺気立つ、までいかないけど、全力で隙を窺っているような雰囲気です。

残り3.7km
先頭はバーレーンのモホリッチ。
でもすぐにまたイネオスが主導権を取り戻します。
アスタナやエフデジも上がってきています。


残り2.3km
イネオスがガンガン引こうぜってしています。先頭のクィアトさんの引きが素晴らしい。
一列棒状のまま、3級山岳の登りに入っていきます。


残り1.7km。
イネオス のトレインが右端。
コース中央から、アルペシンの選手が先頭。ぴったりついてフォルモロ。
この二人が一旦集団を引き離すのですが、二人とも残り1.5kmくらいで引くのをやめます。


残り1.3km。
集団先頭はいまだにイネオス ですが、あれ、隊列に、ゲラントトーマスがいない……?

と、そこでイネオスと反対から、キンタナが一気にかけあがります!!
それを中央から追いかけるマチュー!!!またきた!!
さらにそこに後ろから追いついてくるポガチャル!!
続く後続!!

残り900m
また先頭が団子状になりかけたところで、バーレーンのコロブレッリが、コース左側から飛び出します!
中央より右寄りにいたマチューがそれに気づき、大きな動きでチェックに入ります。そしてポガチャル、ログリッチがそれに続く!

その直後、マチューが一旦後ろを振り返り、そのままアタック!
コロブレッリが反応しますが、追いつけない!!

一瞬で、みるみる差が開いていきます。
追走は若干お見合いぎみ!!


どんどん進むマチュー!!
後ろは若干牽制の気配がありながらも、それぞれ全力でマチューを追いかけていきます。


残り300m。
マチュー!圧倒的!!そしてまったく振り向かない!!!


そのまま勢いを殺すことなくフィニッシュに向かい、フィニッシュ直前で右手で何度も天を指しながら、フィニッシュ!!!
ステージ優勝、アルペシン・フェニックスのマチュー・ファンデルプール!!!

なんという強さ……。同じ上りを2周して、2周ともぶっちぎって登っている!わかっていても止められない強さ!!

追走は、6秒差で2位がポガチャル、3位ログリッチ、4位ケルデルマン。
アラフィリップはマチューから8秒差で5位フィニッシュでした。頑張ってたモレマはアラフィリップと同タイムで6位。
他有力な総合計の選手が続々と8秒差でフィニッシュしますが、ゲラント・トーマスここにいない!23秒差の28位でした。


そんなわけで、4賞!
暫定総合1位、今日だけでマイナス18秒をボーナスポイントで稼いだマチュー・ファンデンプール!!
暫定2位が、ドゥクーニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップで8秒差。
暫定3位が、UAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャルで13秒差。ログリッチは、ポガチャルと1秒差で4位です。
ポイント賞は、ジュリアン・アラフィリップ。
山岳賞、これもマチュー・ファンデンプール。
今日だけで3級を2回とったもんね!本日序盤、逃げグループあんなにばっちばっちしてたけど、最後に全部持っていったね!!
新人賞は、UAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャル。
敢闘賞は、一人で最後まで逃げていた、トレック・セガフレードエドワード・トゥーンス。


昨日、アラフィリップに負けて、勝利に喜ぶアラフィリップのすぐそばで項垂れていたマチュー。
その姿に、がんばれ、きっとあなたが活躍できるステージもあるから……!って思っていたら、その翌日に早くもこんなにも素晴らしい走りを見せてくれました。

ステージ優勝後のインタビューで、フィニッシュラインを通過する時誰のことを考えたかと問われ、祖父のことと答えたマチュー。感極まって泣き出してしまいました。
マチューの祖父は、ツールで総合2位3回、総合3位5回というすごい活躍をしながらも、決して一度もマイヨ・ジョーヌを着ることのなかった、レイモン・プリドール。

そのあとも、ずっと泣き続けるマチューを見て、ツールのマイヨ・ジョーヌってこんなに大きい意味を持つんだって思うと同時に、感情を押さえられないマチューを見ていると、すごい選手であると同時に一人の若者なんだなって思えてきて、なんだか、とても好きな、応援したいと思う選手だなと思いました。

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