コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ジロ・デ・イタリア 2017 第16ステージ

今日はチーマコッピです。全ステージで、一番標高が高い山を登る日。
最初に、スカルポーニがジロで最後に勝ったときの峠である、1級山岳のモルティローロ峠を登り、次にチーマコッピのステルヴィオ峠を登り、最後にもう一回1級
山岳ウンブライルパスを登って、くだったらゴール、というステージです。
「ああ、ジロっぽい」って感じ。

モルティローロ峠は、スカルポーニが、2010年にジロで最後となるステージ優勝をしたときに登った山だそうです。
今日、モルティローロ峠は、スカルポーニへの追悼の山岳です。


大きな逃げ集団ができていて、25人前後の人数がいました。
そのうち、一番人数を送り込んだのがスカイ。ランダ、エナオ、キリエンカ、ダイグナンの4人。
他は、ディメンションデータ、モビスター、キャノンデール、ディメンションデータが各チーム3人。
アスタナとUAEが2人で、あとは、一人ずつです。
総合順位だと、モビスターのアマドールが一番です。あと、ロットNLユンボのクライスバイクも逃げにはいってます。
ほかの各チームのエースは、メイン集団に残っています。


スカルポーニの山もあるモルティローロ峠では、アスタナのルイスレオン・サンチェスがずっと先頭をひいていました。
すぐ後ろにつけているのは、今日繰り下がりで山岳賞ジャージを着ている、ディメンションデータのオスカル・フライレ。
でも、フライレをはじめて、ほかの選手は誰も山頂をサンチェスと争うことなく、1位通過はサンチェスがとりました。
フライレが、山頂を過ぎたとき、サンチェスの背中をそっとたたきました。
画面でみてるだけでも、アスタナの、とくにサンチェスが毎日毎日「スカルポーニのためにも」って毎日頑張ってるの、感じるんだもんな。
毎日一緒に走っている選手が、何も思わないわけ、ないよね。


そのままみんなで下っていき、今度はチーマ・コッピ、ステルヴィオ峠に向かいます。


残り90kmを過ぎるころには、徐々に逃げ集団もメイン集団も崩れていきます。
やっぱりステルヴィオ峠はきつい。

残り86kmすぎたころには、先頭集団は8人になりました。
スカイのランダとダイグナン、モビスターのアマドール、ゴルカ・イサギレ、ロットNLユンボのクライスバイク、ディメンションデータのアントン、CCCのヒルト、そしてアスタナのルイスレオン・サンチェス
ずっとダイグナンが先頭を引き、二番目にサンチェスがいます。

ほかの先頭にいた選手は、みんなどんどん脱落していってしまったのですが、ただモビスターのアナコナだけ、追走集団から全力で先頭を追っています。
一人きり。

どんどん雪深くなる山ををのぼっていく選手たち。膝下くらいの積雪です。腰くらいまで積もっている箇所もあります。
……選手はわかるけど、どうしてお客さんも半数ぐらいがハーフパンツなの。


残り80km。
さあ、先頭集団はあと2kmで頂上です。
でも残り1kmを過ぎても、まだまだダイグナンがひきつづけています。
そのとき、アントンが、スカイの選手に話しかけました。
そして、アントンがランダをひいて、二人でのぼっていきます。
追いかけるサンチェス。

途中でアントンの後ろから飛び出し、ミケル・ランダはすいすいと登って、チーマ・コッピをとりました。
2位通過はアントン。3位は、ルイスレオン・サンチェスでした。
あ。全員スペイン人だ。スペイン、山にも寒さにも強いな。


そして下っていきますが、ここでアタックをかけて猛烈な勢いで降りだしたのが、モビスターのアマドール!!
……狙いがわからん。
まだ70kmあるのに、一人でここからどうするんだろう?

と、そこに追いついてきたのが、一旦抜かされていた(たぶん)スカイのランダ。
アマドールとランダが、二人で協調しはじめます。


やがて、これを追う追走集団の姿が見えます。
先頭をひくのは、一旦先頭集団から脱落していたクライスバイク!
一緒にいるのが、後ろからがんばって追いついてきたアナコナと、アントン、デイグナン、ヒルト。
あれ?サンチェスどこ?


一方メイン集団。
下に入ると同時に、クイックステップのユンゲルスがアタック!
積極的に前にでますが、大きな差にはならず。
結局総合有力な選手は、前で逃げいているアマドールとクライスバイク以外、みんなひとかたまりのままでした。


残り50km。
アマドールとランダの二人に、追走の5人が合流しました。
これで、先頭は7名。

残り41kmくらいで、ダイグナンがさがり、先頭集団は6人になります。
メイン集団は、オリカとカチューシャがひいているのかな?
結構差がつまってきて、先頭とのタイム差が2分くらいに縮まっています。



と、残り33km地点で、クライスバイクが単独アタック!!
誰も追わない!
あ、ランダがちょっと追いたい。追いたそう。
追いついた!
そこに、さっきまでアマドールと一緒にいたCCCのヒルトが追いついてきました!
これで、先頭は3人。
アマドールは追いません。


残り32km。
ここで、デュムランがトラブル。

スピードを上げているなか、突然立ち止まる。
お腹でも壊したのか、急遽トイレタイム。

これで、デュムランは集団からかなり遅れてしまいます。
メイン集団は、バーレーンが引いているのですが、スピードちょっと遅めにしている雰囲気があるのですが、でも、もうデュムランにはいまアシストがいないので、ちょっと差が開いてしまいそうな気配があります。

そうこうしているうちに、逃げもメイン集団もデュムランも、みんな登り口へ。
本日最後の山岳、ウンブライルパスに向かいます。


残り30km。
先頭3名。
先頭から50秒遅れて、アントン。
そこから45秒遅れて、メイン集団。ここで、アマドールが吸収されました。
さらに1分30秒遅れて、デュムランが単独で追っています。


残り28kmのところで、一人でこらえていたアントンが吸収されました!
先頭3人とメイン集団とのタイム差は、1分33秒。
メイン集団はバーレーンのベリゾッティがひいています。
まだデュムランは戻れません。
デュムランとメイン集団とのタイム差は、1分15秒。



残り25kmでランダがアタック!!
ヒルトが、間をあけて追う。
クライスバイクはちょっと遅れている?


一方、メイン集団ではバーレーンのニバリがアタック!
カウンターでモビスターのキンタナもアタック!
アーゼードゥーゼルのポッツォヴィーヴォ、カチューシャのザカリンもいきます。
ユンゲルスが遅れた!
キャノンデールのフォルモロは付いてきた!
エフデジのピノーもちらっと見える!

一旦スピードを戻して様子を見てから、再度ニバリがアタック!
キンタナがすかさずカウンターアタック
ついてきたのはポッツォヴィーヴォとザカリン!
このアタックで、4人になります。

ピノー、フォルモロ、オリカのアダム・イェーツ、トレックのモレマも遅れました。


そして、どんどんまた、雪深くなっていきます。


残り23km。
先頭で、ランダが独走中。
14秒遅れて、ヒルト。
さらに13秒後ろにクライスバイク。
そこから約40秒遅れて、4人の追走集団。キンタナ、ニバリ、ポッツォーヴィーヴォ、ザカリン。
さらに後方、約15秒遅れて、5人の第二追走集団。ピノー、モレマ、アダム・イェーツ、フォルモロ、ユンゲルス。
デュムランは、この第二追走集団から、1分15秒くらい遅れています。


クライスバイクのところまで、追走集団が追いついてきました。
クライスバイクは遅れていきます。
先頭と、この追走集団との差が1分を切りました。

ランダ、頂上まで、あと2km。

追走集団、じわじわ差をちじめていき、CCCのヒルトを吸収!
ランダとのタイム差は50秒を切りました!


残り20km。
追走集団も頂上まで残り1kmにさしかかったあたりで、またニバリがしかけた!アタック!
キンタナだけがおいついてきます。
タイム差どんどん縮まりますが、チーマ・コッピはランダがとった!!

10秒遅れて、キンタナが先導で山頂をクリアします。
続いてニバリ。
ザカリンも追いついてきました!

先頭のペースがあがってきたので、デュムランとのタイム差は、約2分30秒。
ちなみに、15ステージ終了後の時点で、デュムランと2位のキンタナとのタイム差は、2分41秒。
かなりギリギリになってきました。

さあ、ものすごい下り!そして、その下りを猛烈な勢いでくだっていくのはやっぱりニバリ!!
ニバリがじわじわと、キンタナなたちを引き離していきます。


残り12km。
全力でおいかけてたニバリが、ランダに追いつきました!!
そして!
水たまりを!
とびこえた!!

……え。今のなに。
濡れて滑るのがいやだったみたいですが、でも、ほかの選手は飛び越えたりしてないよ。


ニバリが先頭を走りはじめます。
後ろにつくランダ。

遅れて、キンタナが追っています。
その後ろには、ポッツォヴィーヴォ。
カチューシャのザカリンが、そのまた後ろです。


残り5km!
ここで!現地映像が!途切れた!!(笑)


「ゴールは見せて!」って思ってたら、残り1km切ったあとくらいから、映像が戻ってきました!

ランダとニバリのデッドヒート!!
でも牽制したら、すぐ後ろからキンタナがせまっています!

残り150m!
最後のカーブで、ニバリがインをとった!
横並びでスプリント!
ゴール!でも二人ともガッツポーズしない!
でも、ランダが、悔しげにハンドルを叩いた……!?

バーレーンメリダのヴィンセント・ニバリ!ステージ優勝!
わーわー!!今年のジロ初のイタリア人ステージ優勝!!

すごい!本当に、3週目の男だ!

キンタナが12秒遅れてゴール!3位です。
続いて4位、ポッツォヴィーヴォが24秒差!5位ザカリンが34秒差!
そこからちょっとタイム差があって、6位フォルモロが1分26秒差。
7位〜10位が同タイム差で1分35秒。モレマ、ユンゲルス、イェーツ、ピノー。

デュムランはステージ13位で、2分18秒遅れでゴールしました。
……あれだけ遅れてて、ステージ13位ってすごい気がするのですが。


まあそんな感じで!!
今日、総合タイム差が大きく動きました!

マリア・ローザはデュムランのままですが、2位のキンタナとのタイム差は、31秒。
そして、3位にニバリが入ります!デュムランとのタイム差は、1分12秒差。
4位がピノー、2分38秒で、5位がザッカリンで2分40秒。
デュムランだけが大幅に遅れたレース展開だったので、全体的にタイム差が詰まった感じになりました!!

デュムランは、マリア・ローザの表彰のときに、シャンパンファイトせず、表彰台を退場しました。
……あれ、いいの?シャンパンだって、ジロのスポンサーってことだよね。

そして、山岳賞は、ランダに!でも、表情は冴えません。ステージ優勝逃した悔しさがこぼれている。
ちなみに、サンチェスが16ポイント差で山岳賞2位につけました。
ヤングライダーはユンゲルスがキープとなったので、ここは変わらず!

あ。ポイント賞は、ガビリアがゴールしていればそのままなので、たぶんそのままです。



いやー、今日はとってもとっても面白かったー!!特に、下りがものすっごくて!!

ちょうど、チーマ・コッピの下りのときは、トラブルで、実況・解説が聞こえず、レース映像は見られても、音は現地音声しか聞こえませんでした。
だから、めちゃくちゃエンジンの音が聞こえるの!
応援している、お客さんの声と、エンジンと、風の音だけなの。
超ハラハラしました。迫力がすっごくて!
結果的に、すごく速さを感じられたから、トラブルもまたよしっ!って思いました。

これもまた、毎日毎日長時間長距離を生放送する、サイクルロードレースならではの持ち味みたいなもんだ!

Amazon.co.jpアソシエイト