コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ciclissimo(チクリッシモ)NO.53

先週購入していたチクリッシモ。

ciclissimo No.53 2017年4月号

ciclissimo No.53 2017年4月号

日本で、多分唯一のサイクルロードレース専門誌です。
今回から、タイトルが小文字になって、大幅リニューアル。
メインの記事も縦書きになって、ものすごく読みやすくなりました。


毎年、春先に出る号に、その年の選手・チーム名鑑が載っているので、この号は、ほぼ毎年あっという間に売り切れになってしまうそうです。

今回が、ちょうど、その号でした。

去年は、この選手名鑑を片手に、ジロの優勝者予想とかをやったのですよ!
cororn.hatenablog.com


グランツールで勝利するためには、優秀なアシスト選手が不可欠だから、アシスト選手の強さをなんとか数値化したくって、チクリッシモの選手名鑑に各選手のグランツールの3年分の順位が載っていたので、それを見ながら完走した回数をアシスト選手の力として、その予想に反映させていたのね。


偶然だとは思うのですが、去年これでニバリの勝利が当たったので、今年もこれやってみようと思っていて、まだ出場選手とか決まってないけど、まず選手名鑑のページから開いたのです。
そしたら、
選手名鑑の選手の成績の表示の仕方がかわっていた!!



去年は、3年分のグランツールの順位が、各選手の過去の成績として載っていたのですが、今年は各グランツールに関して、
「出場した回数/4賞受賞年/ステージ勝利数」
という掲載の仕方。

なので、ほとんどの選手が、最初の出場した回数しか埋まっておらず、反対にスター選手は4賞受賞年のところがえらく範囲が広くなっていて、なんだか掲載箇所のバランスが変な感じ。

そりゃこの情報の載せ方じゃあ、ほとんどの選手が、最初の数字しか埋まらないよ……なんでこんな情報の載せ方にしたんだろう。
って読んだ最初は思いました。


でも、
サイクルロードレースって、そういうものですよね。


総合2位、3位も十分素晴らしい成績だし、各ステージの激闘の末の2位とか、オールアウトするくらいのアシストの牽引とか、胸打たれるレースもたくさんたくさんありますが、それでも、結果として残るのは、勝者のみ。

どんなにエースのために貢献して、最後まで走りきっても、
ツールの20位も100位も、その持つ意味としては大差ない。

勝利しなければ意味がない。
総合優勝したり、4賞ジャージを手に入れないと意味がない。
ステージ勝利をしなければ、どんなに貢献していても、記録としては残らない。

それが、いいとか悪いとかじゃなくって、
そういうものとして、各選手は全力で各レースを戦っているんですよね。


だから、
このチクリッシモNO.53の、各選手の成績の載せ方は、
サイクルロードレースの結果として残るもの」により近くしたってことかなと思いました。


そう考えると、この雑誌すごいな。
今回の改定で、縦書きっていう日本語の性質にあったものに変えて、とっても読みやすくなったけど、
同時に中のマインドとしては、レース本場のものを持ってこようしてるのが伝わって来る。

こういう雑誌が存在している時代に、日本でサイクルロードレースを見られている私は、きっととっても幸せものだと思う。

パリ〜ニース 2017 最終ステージ

とうとうやってきた最終ステージ!!

残り51kmで中継開始。
中継始まってたら、いきなりトレック・セガフレードのパンタノが、後ろにコンタドールを連れて、メイン集団のスピードをがんがんあげていました!
もう振り落しにかかっています。

残り50.4km。
パンタノが離脱!!オールアウト!
え、ちょ、まだこのあと1級山岳の山頂あって、もっかい1級山岳あるんだけど!
いいの!?もうコンタドール一人にしていいの!?

そして、パンタノ離脱とほぼ同時に、コンタドールがアタック!
ついていけたのは、エナオモントーヤのみ!
現在総合2位のダニエル・マーティンは遅れます。

っていうか、この時点で、みんなアシストを連れてないんだけど!
ここまでで、何があった!?まだ50kmあるよ!!


残り50.1km。
エナオが遅れた!!?
コンタドールは単独で、前にいた逃げの選手をどんどん置いていきます。


残り48km。
先頭は逃げグループが3人。
そこからコンタドールグループまで、19秒差。さっきまで逃げてた選手をどんどん後ろに従え、コンタドールが先頭のグループが形成されています。

そこから、15秒くらい離れたところに、エナオモントーヤのグループ。
これまた、逃げから落ちてきた選手3人と登っています。

その後ろ、エナオから約35秒くらい離れたところに、ダニエル・マーティンとか他のチームのエースがいるグループです。

昨日までの順位では、現在リーダージャージのエナオと、総合3位のコンタドールのタイム差は31秒です。
今日これ、全然逆転あり得る……!!

順々に下りに入っていきます。
コンタドール、がんがん先頭で走っています。


残り46km。
コンタドールが先頭集団に追いつきました!
コンタドールがひき連れた選手に声をかけます。
アシストが誰もいないから、誰かひいてくれって感じです。
あ!チーム・サンウェブのマイケル・マシューズが答えて前に出た!!


残り44km。
コンタドールのグループと、エナオとのタイム差が31秒差。
おおお!!?

まだまだみんな下っていきます。
下りだけで、20kmくらいあるそうです。


残り42km。
先頭集団は、相変わらずマイケル・マシューズが先頭でひいてます。
もはやTTモード。
……マシューズが、チームも国籍も違う、コンタドールのためにここまでするのはなぜだろう……?

一方、エナオは、ちょっと前にスカイの選手と合流したらしく、引いてもらっています。
その後ろから、モビスターの率いるグループが合流。ここに、ダニエル・マーティンがいるようです。
一人そこにスカイの選手がいて、合流すると同時に前にあがりました。
これで、エナオのアシストは、2人。


残り40km
先頭のコンタドールグループでは、UAEの選手も引き始めました!
エナオとのタイム差は39秒です。


残り36km。
コンタドールエナオとのタイム差は、約47秒。
先頭は、UAEの選手が二人とマシューズ、時折コンタドールもひいています。

マイヨ・ジョーヌグループでは、スカイのアシスト2名が、エナオモントーヤのために引いています。


残り30km。
タイム差、約40秒。縮まってきました!
先頭では、UAEのウリッシがひいています。
追走グループは、スカイのみが引いています。


残り26km。
タイム差45秒。
あれ?また離れたぞ。


残り23km。
タイム差41秒。
先頭のコンタドール、1級山岳を登り始めます。
真後ろにつけているのは、エティックスのデラクルス。

あ、マイケル・マシューズと、UAEの二人が遅れた。
……コンタドールに協力してた選手、3人ともみんな遅れた。


残り21.5km。
追走集団、スカイのアシストが二人とも離れました。
エナオが自分でいきます!
後ろはバーレーンメリダのヨン・イサギレ。
その後ろに、アラフィリップ&ダニエル・マーティンのエティックスフロアーズコンビが続きます。


残り20km。
先頭では、コンタドールの猛烈な牽引に、どんどんみんな遅れていきます。
残っているのは、コンタドールと、エティックスのデラクルスと、モビスターのマルク・ソレルのみ。
スペイン人、3人ですね。
タイム差は、53秒。


残り19km。
追走から、リッチー・ポートがアタック!!
ヨン・イサギレがついていきました。
今度は、ダニエル・マーティンがアタック!またヨン・イサギレがいきます。
またまたリッチー・ポート!今度は、エナオモントーヤが追っていきます。

でも、ここでアタック合戦は一旦終了して、またエナオの単独引きになりました。
エナオの後ろには、カチューシャ・アルペシンのザッカリンがついています。


残り17.5km。
タイム差は、57秒。もうちょっと行くと、先頭は山頂で、そのあと2km先がスプリントポイントです。
先頭で、モビスターのソレルがアタック!!
逃げてステージ優勝を目指しにいきました!

残り16km。
追走が、どんどん活性化しています。
みんなアタックして、アタックして、牽制して、まとまって、アタックして、団子になって……。
ううむ。


残り15km。
先頭のソレルと、エナオとの差は、約1分。
ソレルとコンタドール&デラクルスとの差は、12秒。
ずっとコンタドールの後ろについていたデラクルスが、下りで引き始めました!

……え。なんで。

後ろにいる、チームメイトのダニエル・マーティンの総合順位や、ポイント賞争いをしているアラフィリップのことを考えると、ここでコンタドールに協力したら、後ろの二人が不利なのでは……?
あ!次のスプリントポイントを先に通過して、中間ポイントやボーナスタイムをちょっとでもコンタドールに渡さないようにするのかな!なるほど!


さあきたぞ!スプリントポイント!
コンタドールが2位通過!!

…………。
ど、どういうことだろう。
エティックス・フロアーズは、ダニエル・マーティンの総合表彰台や、アラフィリップの
ポイント賞ジャージでもなく、デラクルスのステージ勝利を今日の目標にしたの……?


残り12km。
先頭は未だ、単独でモビスターのソレル。
それを追う、デラクルスとコンタドール
……デラクルスが、コンタドールのアシストみたいに見えるくらい、ひいているように見えます。
ソレルとこの二人の差は、10秒。

追う、マイヨ・ジョーヌ集団。
ソレルとこの集団との差は、約1分。


残り10km。
デラクルスが、アタック!!よし!これはわかるぞ!ステージ優勝狙いなんだな!コンタドールを置いていきたいんだな!

しかし、離されかけたコンタドール、下りでスピードあげて追いついて行きます。

一方、その後ろのマイヨ・ジョーヌグループでも、エナオがアタックをかけています!
ソレルとエナオとのタイム差が、43秒。
ソレルよりもコンタドールが、数秒後ろにいるので、総合1位争いは熾烈な展開に!!


残り7km。
コンタドールとデラクルスが、先頭のソレルに追いつきました!!
先頭の3人と、エナオモントーヤとの差は、35秒!

エナオの下りの気迫がすごい……!!!
そんなエナオの前に、バーレーンの選手がでて引き始めました。
…………エナオがひいてた時の方が、はやい……。


残り5km。
先頭はコンタドール!そしてデラクルスとソレル。
まわれ!とジェスチャーをするコンタドール。でも、ステージ優勝をしたいはずの二人がまわるわけ……。
………………デラクルス。君は、なぜ先頭交代をするのだ。


残り2.8km
……コンタドールに、デラクルスとソレルが、置いて行かれそうだ。



残り1.8km。
あ。ちぎれた。
2番手にいたデラクルス。後ろにいたソレルごと、コンタドールから、ちぎれた。

コンタドールエナオとのタイム差、29秒。

慌ててソレルがデラクルスの前にでてひきます。
ついていくデラクルス。
ソレルがデラクルスに怒る。
デラクルス、怒られて前にでる。そのままアタック。
ソレル、ちぎれた。

あ!デラクルスが、コンタドールにおいつきました!
そして!!
…………コンタドールの、前を引いている。
デラクルスの目的がわからんぞ!!!?

最後は、デラクルスとコンタドールの一騎打ち……っていうか、その二人のどっちか。
デラクルスがコンタドールの前に出て、後ろのコンタドールを振り返りつつ、余裕をもってそのままゴール!

二人がゴールするとほぼ同時に、後ろに見えたメイン集団!!

エナオの集団がスプリントでゴール!
集団の先頭は、ヨン・イサギレ。
タイム差は、20秒!
集団ゴール扱いになるはずなので、
ボーナスタイムとかを加味すると、
総合優勝は、スカイのエナオモントーヤ!!!
コンタドールは、2秒差の2位になりました。


今日はもうコンタドールが逆転総合優勝をとるだろう!って思ってたので、
先頭がゴールしたときに、エナオの集団ががあそこまで追い上げてきているとは、びっくりしました。

エナオ強いですね!
多分、ツール・ド・フランスでは、このエナオはフルームのアシストに回るんですよね。
本当にスカイの強さは底が見えない。

ただ、コンタドールの魅せる走りも素晴らしかった。
去年のツールは、リタイアっていう不本意な形で終わっているので、今年は是非とも最後まで戦いぬいてほしいです。




……しっかし。
デラクルスの動向が、本当によくわからなかった。

なんであんなに、コンタドールのことを助けているように見える行動ばっかりしてたんだろう。

ステージ争いでのライバルが、コンタドールよりもソレルが強敵だと判断したのか?

山頂でソレルがアタック決めちゃったから、ソレルに追いつくためにコンタドールと協力しておいつき、ゴール手前数kmのところで、わざとコンタドールから遅れて、ソレルにひかせて疲れさせて、そこからアタックかけてコンタドールにおいついて一緒にまわってソレルを離し、コンタドールおさえてゴール。

……だとしたら、ものすごい駆け引きの能力だな。
明日、どっかで、今日の勝利者インタビュー記事を読もう。

まあでも、
こういう意図の読めない戦略に頭を悩ませるのも、
サイクルロードレースの楽しみ方ですよね!


結果的に今日デラクルスがステージ勝利したおかげで、
エティックス・フロアーズは、ダニエル・マーティンが3位入賞、ジュリアン・アラフィリップが新人賞とポイント賞を受賞、そしてチーム総合優勝も持っていきました。

チームとしては、かなりの成績!



最後まで、わけわかんなくって、楽しかったな!パリ〜ニース

パリ〜ニース 2017 第7ステージ

山の日です。
クイーンステージです。
とっても標高の高い日です。

そんなわけで、ディレクトエネルジーのコカールや、今日ポイント賞ジャージを着ていたエフデジのデマールは、リタイアしました。
ミラノ・サンレモの準備に入るんですかね。


今日も、総合争いの日です。
逃げと、それを追う集団の図。
逃げではUAEエミレーツのウリッシがながい間逃げていました。
ウリッシって、スプリントのイメージが強いのですが、こんな山でも逃げられるんだ……。

集団は、各チームのエースが入った状態で、ずっとまとまって走っていきます。



激しい攻防が始まったのは、残り11km。
しかけたのは、トレック・セガフレード
パンタノのアタックだ!!
ここで、キャノンデールのピエール・ローラン遅れます。

残り10km。
現在総合2位、ロット・ソウダルのトニー・ギャロパン、そしてなんと、アラフィリップも遅れました!!


逃げていたウリッシをかわし、
先頭にたったメイン集団。
残ったのは、先頭を引くパンタノ、その後ろにつく、スカイのエナオのアシストであるニエベ、エース系で残っているのは、スカイのエース、エナオモントーヤ、トレック・セガフレードコンタドール、BMCリッチー・ポート、アスタナのフグルサング。モビスターのゴルカ・インサウスティーはアシスト選手を2名連れてのこっています。あとは、バーレーンメリダのヨン・イサギレや、カチューシャ・アルペシンのザッカリン。
エティックスは、現在総合5位のダニエル・マーティンが残っています。


残り8km。
ここで先頭交代。
パンタノがニエベに何か話しかけて一歩下り、今度は集団をニエベが引き始めます。


残り6km。
パンタノが先頭にもどって、さらにスピードをあげます!
ニエベ、脱落!!

この時点で、先頭集団とリーダージャージ着用中のアラフィリップとは約50秒の差がついているので、タイム的にはエナオが総合1位です。


このパンタノの引きで、集団が割れました!
前に残ったのは、パンタノ、エナオモントーヤコンタドール、リッチー・ポート、フグルサングダニエル・マーティン、ヨン・イサギレの7人。

モビスターの3人やザッカリンはついていけず、遅れてしまします。


残り5km。
パンタノが仕事を終えて、集団を離脱。
もうふらっふら。あれだけ引けばね。すごかった。
集団先頭は、エナオモントーヤ

残り4.4km。
ここで、フグルサングのアタック!
ヨン・イサギレが追いかけます。
すぐにみんな追いついて、みんな様子見な気配に入ります。

4.1km。
今度はヨン・イサギレがアタックをしかけ、でもまともにアタックになる前に潰されます。
その瞬間、ポートがアタックをかけました!!
イサギレが追いかけてつぶします。

残り3.8km。
またもやリッチー・ポート!
今度はコンタドールが反応。
追いついたコンタドールが先頭に出て、がんがん引くスピードをあげます。
エナオとリッチー・ポートがさっとその後ろにつきます。

と、他がついていけてない!!
ちょっと遅れてダニエル・マーティンが追いかけて、さらにマーティンからも遅れて、フグルサングとヨン・イサギレ。


残り3.2km。
またもや、リッチー・ポートがじわじわとスピードをあげる、アタックに見えないアタックをしかけます。これが成功!
置いて行かれたコンタドールエナオが追います。

少し離されたダニエル・マーティンが、単独でその二人を追います。
フグルサングとヨン・イサギレは、もうかなり遅れてしまいます。


一方先頭リッチー・ポート。絶好調。
どんどんスピードをあげていきます。
2.5km地点でかなり差が開きました。

2番手はコンタドール
エナオがその後ろにぴったりついてます。

ダニエル・マーティンは、まだこの二人に追いつけず。
淡々と後ろ姿を追いかけてきます。



残り2.1km。
ポートと、コンタドール&エナオとのタイム差が15秒つきました!

コンタドールがメインで、ときどきエナオも先頭をひきながらおいかけていきます。コンタドールが、ちょっと苦しそう。
ダニエル・マーティンは、まだ一人で追いかけています。
マーティンは、諦めない……!


残り1.3km。
タイム差が25秒差に広がりました!!
ポート速いっ!!


残り800m。
先頭はリッチー・ポート。28秒差遅れて、コンタドールエナオモントーヤ。そこから11秒遅れて、ダニエル・マーティン

そして、エナオコンタドールが、残り500mにさしかかる手前で、コンタドールがアタック!!ついにきたー!!
ポートが上半身ぶれないのに対して、コンタドールは、上半身の勢いを足につなげるようなペダリングに見えます。
ポートが、自転車を思うままに扱ってるように見えるのに対して、コンタドールのダンシングは、自転車までが体の一部みたいで、泳いでるイルカとかを連想するのです。尻尾が自転車。
こうしてみると、同じダンシングでも、全然違う……。

このコンタドールのアタックに、エナオモントーヤ、ついていけません!
どんどん引き離すコンタドール!!

しかし、リッチー・ポートに届くほどの走りではない。
余裕を持って、BMCのリッチー・ポート、1位でゴール!

遅れてゴールしたコンタドールがステージ2位!
ポートとのタイム差、21秒。
そこから11秒遅れて、エナオがゴー……。
って、ああ!!ここで頑張ってきたマーティンがおいついた!!
ゴールライン直前で、エナオの前にダニエル・マーティンが飛び込んで、3位通過!
エナオは4位になりました。




今日までリーダージャージを守っていたアラフィリップは、リッチー・ポートから2分40秒くらい遅れてゴールになりました。


と、いうことで、総合1位は、エナオモントーヤ
2位が、30秒差で、ダニエル・マーティン
コンタドールは、マーティンと1秒差で、総合3位です。

エース同士のばちばち、面白かった!!

レース結果を見ると、リッチー・ポートが頭ひとつ調子が良さそうに見えていましたが、もし、ポートが前半のステージで遅れておらず総合争いに参加できるようなタイムで残っていたら、
今日、ポートがアタックかけて一人で先にいってしまったとき、エナオコンタドールが速い段階で協調して追いかけていたと思うので(ポートが1位でゴールしても今日の時点で総合1位になれるエナオは全力で追走してるようには見えなかった)、また違った展開になったのかなあとか思っています。


あと、一人で耐えてたダニエル・マーティンが偉かったです。
ただ黙々と一人で前を追いかけて走り続ける姿は、なんかすごく応援したくなりました。
今日総合で遅れたアラフィリップは、デマールがリタイアしたので、ポイント賞ジャージを手に入れました。


明日はいよいよ、最終日!ゴールの前に、大きな下りがあるステージです。

……エティックス、どうするんだろう。
現在総合2位のダニエル・マーティンを1位にすることを目標にするのか、それともアラフィリップのポイント賞ジャージ守る方に注力するんだろうか。


今日のダニエル・マーティンの、黙々と一人であきらめずに前の選手を追いかけていく姿がとっても好きだったので、明日も活躍するとこが見たいなあと思います。

でも下りなら、去年ツール・ド・フランス15ステージで覚醒したダウンヒルを見せたパンタノがいるし、そのパンタノに20ステージで下りで勝ったヨン・イサギレもいるんですよね。

ただ、パンタノはコンタドールの総合のために走るだろうから、その前の登りのところでアシストとしての仕事をし終えてしまう可能性もあるのかな。
それとも、パンタノほどのダウンヒル巧者なら、前を引いてもらった方が、コンタドールは走りやすいものなんだろうか……。

まあとにかく、
また明日!!

パリ〜ニース 2017 第6ステージ

今日は、待ちに待った、ヨーロッパの山岳ステージです。

ラストが周回みたいになっていて、ゴール前2km地点付近にある、勾配20パーセントを超えているような坂を、残り25kmくらいで一旦登るのですが、
まあ、もう、壁です
なんか、その坂を見て、「ああ、ヨーロッパのレースだ!」って思いましたよ、私は。


逃げを追うメイン集団は、チーム・スカイが中心になって引いていきます。
スカイのエースは、コロンビアチャンピオンでもある、エナオモントーヤ
エナオ・ゴメスやニエベが、アシストとして集団を率いています。
他にメイン集団に残った主な選手だと、
リーダージャージを着た、エティックス・フロアーズのアラフィリップ、そのチームメイトのダニエル・マーティン
トレック・セガフレードコンタドール、アスタナのフグルサング、BMCのリッチー・ポート、ロット・ソウダルのトニー・ギャロパン、モビスターのゴルカ・イサギレなどなど。ほぼ各チームの総合エースが入った感じです。でも、ロットNLのクライスバイクは、置いて行かれてしまった模様でした。


大きくレースが動いたのは、その25km地点からはじまる激しい坂をすぎ、残り20km地点で逃げを吸収し、メイン集団が先頭集団になってからでした。

残り19km。
オリカ・スコットのサイモン・イェーツが、山頂手前でアタック!
このアタックが決まり、15秒くらいの差がつきます。

残り18km。
アスタナのフグルサングがアタック!
しかし、これは吸収されます。

残り14km。
サイモンとメイン集団とに、25秒の差がついています。

残り10km。
27秒差。
スカイのニエベしか、集団を牽引していません。
なので、速度的には、サイモンVSニエベの根性勝負みたいになっています。


残り6km。
33秒差。
あれ、ここまで来ても、まだ差が開いている……。


残り4km。
ここで、先頭にBMCのニコラス・ロッシュが、集団を引き出しました。
リッチー・ポートのステージ勝利のための牽引だと思います。


残り3km。
タイム差、40秒!?
……おおう。サイモン、すごいや。


残り2km。
タイム差、45秒。
これは、もういけるんじゃないか。サイモン、勝っちゃうんじゃないか。


残り1.4km。
タイム差は45秒。
サイモンが、大きな最後の登りに入りました。


ちょっとして、集団でも最後の追い上げがかかります。
まず仕掛けたのは、リッチー・ポート!
勢いよく飛び出したそのアタックに、すぐにアラフィリップが背後につきます。
その後ろにぴったり迫ったのが、エナオモントーヤ
続いてトニー・ギャロパン、コンタドールの順に一列になります。

リッチー・ポートはスピードをあげて、後続を引き離しにかかります。
一瞬アラフィリップが遅れ、その隙に現在総合2位のトニー・ギャロパンがポートを追っていきます。

すると、今度はエナオモントーヤが出た!!
失速したポートをかわし、アラフィリップが追います!

一方そのころサイモン、一番きつい箇所に差し掛かっています。
その背後に、ついに集団が見えました!!
アラフィリップとポートが先頭で登ってきます。

サイモン、背後を気にして何度も振り返ります。
けれど、大きなカーブを曲がったあとは、もう後続の姿は見えません。
最後の最後まで背後を気にしながらも、ようやくひと心地ついて、胸を叩いてから、ガッツポーズ!
サイモン・イェーツ、ステージ勝利!!

その後ろから、集団を話したスカイのエナオモントーヤがやってきます。
イェーツと17秒差でゴール。

続いてリッチー・ポートが3位。
アラフィリップは、ダニエル・マーティンにアシストされて、4位フィニッシュ。
マーティンはゴールをアラフィリップに譲って、5位でした。

総合1位は、動かず、アラフィリップのまま!
2位がギャロパン、3位に、今日結局最後のきっつい登りを一番速く登った、スカイのエナオが入りました。


今日はポートとエナオが調子よさそうだったので、
アラフィリップがリーダージャージ守るの厳しいかもしれないと思っていたのですが、
無事に守りきりましたね!


明日はいよいよクイーンステージです。
個人的には、エナオモントーヤの「これぞコロンビアチャンピオン!」みたいな走りを期待しているのですが、でも次はギャロパンが覚醒しても面白いなあとか、ザッカリンとかの活躍も見たいし、アラフィリップがリーダージャージ守り切ったらツールがめっちゃ楽しみだとか、うんもう誰がどう活躍しても楽しいからいいや!

明日も楽しくレースを見よう!

パリ〜ニース 2017 第5ステージ

今日は、これぞ、スプリントステージっていう感じの展開でした。

逃げと、追いかけるプロトンの構図。
それが残り12kmくらいで吸収されます。

吸収前後から、各チームが位置取りを気にしだしたのですが、

グライペルが、なぜかほぼずっと単騎。


グライペルって、きれいなトレインを組んで勝ってたイメージが強いのですが、なぜか今日は、一人でいるところが目立ちました。


この時点で、
「あ、今日はグライペルの日だな」
って思いました。


個人的なイメージですけど、グライペルってクレバーなイメージがあるというか、
何も考えずに変なことをしちゃうようなイメージって、まったくないのですよ。


何かしかけていて、私がまったくその意図が読めないことはもちろんあるし、
今日もまさしくそうだったんですけど、
「今日はレース展開からすると、普通のスプリトステージに見えるけど、何かあるんだ」ってグライペルを見て思ったのです。


ゴール前3kmくらいから、大きなロータリーが三つもあって、
位置取りがかなり大変そうになってました。
どのチームも、うまくトレインが組めてるとこはなかったように思います。

ですので、最後は各チームのエーススプリンターの、ガチンコ勝負になりました。


最初はロット・NLユンボのフルーネウェーフェンが先頭で、スプリントになります。
その後ろについたのが、エフデジのデマール。
グライペルは、そのデマールの後ろでした。

デマールがフルーネウェーフェンのすぐとなりに並び出したのに対して、
グライペルはぐぐっと大きく外に出て、並ぶ二人とは反対側にいきます。

そのまま大きく速度をあげ一気に引き離し、余裕を持って勝利のガッツポーズ。
ロット・ソウダルのグライペル、ステージ勝利です!


いつもみたいに「さあ誰が勝つんだ!!」って気持ちより、
グライペルの動向を見よう」ってレースを見てたので、
グライペルの勝利が決まったときも、
なんだか、最初にエンディングを見てから、ファーストシーンに巻き戻して映画を見だしたときみたいな、そんな気持ちになるレースでした。

「ああ、この場面でのこの展開が、あのラストにつながるんだ」みたいな、そんな印象。



グライペル、今年はクラシックを狙うっていうような文章を、チクリッシモで読んだ気がするのですが、
今日のレースを見ていると、「ああ、なるほど」って思いました。

パリ〜ニース 2017 第4ステージ

本日は、ITT!個人タイムトライアル!
前半は平坦、最後の3kmが山岳。

これがすごく面白かった!

中間計測が、登り口の一箇所だけなので、
登りが肝なのにもかかわらず、最後まで全然わからない!!
短いタイムトライアルなのに、もうハラハラした!!


今日は、BMCのリッチー・ポートの調子がふるわずいいタイムが出ない中、トレック・セガフレードコンタドールが、すごくいいタイムを出して、優勝候補たちのなかで最初に暫定1位になったのです。
なんかね、笑顔でゴールしたように見えた!


でもそのあと、モビスターのエース、ゴルカ・イサギレ・インサウスティーが、中間計測でコンタドールよりも速いスピードで通り過ぎます。
ゴール付近、コンタドールのタイムを上回るかギリギリで、どうなるか!!ってなって、
結局1秒差でコンタドールに届かない!

そしたら、次は、ロット・ソウダルのトニー・ギャロパンが、これまた中間でいいタイム出して、またまたゴールが見えてきたらギリギリコンタドールを上回るかどうかってなったら、これまた1秒差でコンタドールに届かず、暫定2位!


おお、もうコンタドールで決定か!って思ったら、
現在新人賞ジャージを活躍中の24歳、エティックス・クイックステップのジュリアン・アラフィリップが中間計測で1位をたたきだし、登りでも怒涛の迫力で登ってきて、
コンタドールに17秒差をつけて、1位でゴール!!

おおお!!圧勝!!
思わず拍手してしまった!!
アラフィリップ、登りが強いってイメージはありましたが、TTもこんなに速かったんですね。すごい!
アラフィリップは、今日の勝利で、昨日までの新人賞ジャージだけでなく、総合リーダージ
ャージもポイント賞ジャージもとりました!

一人でこんだけ一気にとると、まるで第1ステージ獲ったみたいな賞ジャージの取り方ですね。


ただ、今日のステージ優勝はアラフィリップですが、忘れてはいけないのは、コンタドールの登りです。
中間計測で、アラフィリップは1位。コンタドールは中間計測では、アラフィリップより27秒遅れていました。
でもゴールでは、そのタイム差は約10秒縮まっていたのです。

ということは、3kmの登りでコンタドールはアラフィリップよりも10秒早く登ったってことなのです。
そう考えると、残りの山岳ステージが、わくわくしてきますね!
もっと長い登りになったときに、アラフィリップがどんな走りをするのか。
コンタドールが、この3kmで見せた圧倒的な登りを、長尺で見せてくれるのか。

あと、これだけTTをはやく走れる、山岳得意な選手ってなると、
アラフィリップのこれから先どんな選手になってるいくのかとかも、すごく楽しみになってきます。


平坦と山岳を組わせたTTって面白いな!
一個のレースで、これから先の想像が延々とふくらんでしまう。

明日からも楽しみ!!どきどき!

パリ〜ニース 2017 第3ステージ

今日は晴れた!よかった!
選手は昨日よりもずっと走りやすそうだし、見ててこっちも気持ちいいし!!

中継がはじまった時点で、3人が逃げていました。。
メンバーは、
コンボー(デルコ・マルセイユプロヴァンス・カデエム)
キング(ディメンションデータ)
ラトゥール(アーゼードゥーゼル)
の3人です。

先頭が、残り50km地点で、集団とは約3分くらいのタイム差。
それが40kmで約2分、35kmで約1分30秒と、
れいに10km1分ペースで詰まっていきます。


残り27.5km
先頭の3人が、2級山岳に入りました!
さあ、ここで追走との差がどうかわるか。

残り26km
コンボーが、アタック!!
すぐにキングが後ろにつきます。
すると、今度はラトゥールがアタック!
あっという間に他の2人を引き離します!
ラトゥール速い!!コンボーやキングとは、走りの軽さが全然違います。

そのまま単独で、2級山岳をトップ通過します。


単独先頭で、下りに入るラトゥール。
この時点で、集団とのタイム差は45秒くらいです。

そこに、先ほど引き離されたコンボーが一人でおいついてきました。
2人で、まだ逃げ続けます。

遅れたキングは、集団から山岳ポイント目指して飛び出したまま戻らなかったコフィディスの選手と合流。こっちも2人でくだっていきます。


残り21km。
先頭2人と、集団とのタイム差は約50秒です。
その間に、キングとコフィディスの選手のペアがいます。
さっきよりも、逃げと集団とのタイム差が開いているのですが、引き離したっていうよりも、先頭の二人が全力で下ってるのと、集団が追走スピードをゆるめている感じです。


残り19km。
ここで、キングと、コフィディスの選手が、集団に吸収。
よって、逃げ2人と、それを追いかけるメイン集団という図になりました。


残り17km。
タイム差は35秒。


残り15km。
タイム差は、約30秒です。


残り14km。
タイム差は25秒!
ロット・ソウダルが、集団先頭にあがってきました。
すんなりプロトンが2級山岳をこなしていったので、今日は普通のスプリント勝負になりそうですね。

と、なると、
ロット・ソウダルは、グライペル勝負。
エフデジは、現在リーダージャージ着用中のデマールがくるでしょう。
エティックス・フロアーズはキッテルが、
トレック・セガフレードは、デゲンコルブが出てくるだろうし、
カチューシャ・アルペシンは、クリストフの見せ場ですね。
あと、ディレクトエネルジーのブライアン・コカールも注目。


残り10km。
タイム差は32秒。
あれ?タイム差開いてる……。
メイン集団は、まだそんなにスピードを出している感じがしません。
でも逃げの二人は、協調しながら全力で逃げいます。

……もう10km切っているのに。
大丈夫だろうか。


残り8km。
タイム差35秒。
ここにきて、逃げ切りの可能性が見えてきた……?
うしろが、この大集団で、牽制みたいになっているのかスピードがあがりきらないでいる……。


残り6km。
タイム差30秒。
アスタナが集団の前にでて、全力で引き始め、あっという間に集団は一列棒状。
一気に追走スピードがあがっていきます。


残り5km。
タイム差25秒。
こ、これは。逃げ切りになるか、それともスプリント勝負か、ものすごく微妙。

残り4km。
タイム差25秒。
集団は、今度はカチューシャが前にでます。ってことは、ここで赤い彗星ことマルティンの牽引……!?


残り3km。
タイム差、22秒!
ジリジリ追いついてきています!


残り2.5km。
タイム差、16秒!
集団は、まだカチューシャが引いています。


残り2km。
タイム差、13秒!
先頭の2人は、最後のカーブをまがって、直線へ!!


残り1.5km。
タイム差10秒。ああ!!もうすぐ近くに迫ってる!!

残り1km。
フラムルージュで、逃げの二人が吸収!
休む間も無くスプリントの準備!集団は最後の位置取りです!

集団の先頭は、エティックス・フロアーズ!三人目がキッテル。
その後ろにつけているのがカチューシャです!


さあ、スプリントが始まります。

ゴール向かって左側から、まずキッテルがスタート!
キッテルよりもさらに左はしから、デゲンコルブもあがってきます。
同時に、反対側でクリストフもスプリントを開始!!
しかし、そのクリストフの後ろから、コース中央に向かって飛び出したのが、ボーラ・ハンスグローエのサム・ベネット

そのままベネットがいろんな意味でセンターをつっぱしる!!
クリストフ、キッテル、デゲンコルブが、横一線でその後ろに並ぶが、それより前に出られない……!!

ボーラ・ハンスグローエのサム・ベネット、ステージ勝利!!


うわー!!
こんだけの名だたるスプリンター選手をおさえて、ベネット勝利!
強かったー。
頭ひとつ分速かったです。
2位がクリストフ、3位がデゲンコルブ、4位がキッテルでした。


明日は、14.5kmの個人タイムトライアルです。
わーい、TT だー!!

ずーっと平坦で、最後の3kmくらいでぐぐっと登ります。
最後の1kmは、平均勾配9.3パーセント。

んー。TTも強い、山岳選手むけ?

ここ二日間の様子をみると、私がそこまで名前を知らない選手が、ばんばん活躍しているので、
明日もまた、「おお!!」って人が活躍するかも!

明日も楽しみ!

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