コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2018 第6ステージ

今日は、中級山岳ステージ、かな?
スプリンターが勝てる坂ではなく、でも総合がガチガチでタイム差つけられるわけじゃなさそうな、そういうステージです。

本日も逃げはプロコンの選手のみ。

最後の20kmに、3級山岳ミュール・ド・ブルターニュが二回くるので、ここでどうせ吸収されるから逃げ切りがない、という感じでしょうか。

てっきり今日は、ロット・ソウダルのトマス・デヘントの逃げが見られるかなと思っていたのですが、逃げませんでしたね。
むう。まだか。



さてさて。

残り100kmくらいで、いきなりクイックステップが「横風ちゃぁぁぁぁんす!!!」とばかりにいきなり先攻しかけたり、それがいつまでたっても終わらずに、引き離されたロットNLとかが後ろで一生懸命おいかけなくっちゃいけなくなったりとかいろいろありましたが、
概ね、今日の勝負としては、後半20kmに集約されました。


1回目のミュール・ド・ブルターニュで、ほとんどのスプリンターがちぎれていきました。
逃げで、最後の最後まで粘ってにげていたのは、ディレクトエネルジーのファビアン・グルリエ。
メイン集団がすぐそばに迫っていて、この三級山岳ポイントの直前で吸収されました。


本日山岳ジャージを着ている、トレック・セガフレードのトームス・スクウィンシュが山岳ポイントをとったあと、
それに乗っかるような形でミッチェルトン・スコットのジャック・バウアーが飛び出し、そのまま一人で逃げ始めます。

バウワーは下りが絶好調で、70km超えるスピードで走っています。

残り10kmで、タイム差が20秒。

残り8km。
タイム差は12秒まで縮まりました。
メイン集団は、ボーラ・ハンスグローエが引いています。
今日はサガンで勝負ということか!!
サガンはね!2級山岳くらいまでなら、余裕でクライマーたちと逃げたりしちゃうこともあるパンチャーだからね!
書いてて、それはパンチャーか?とかおもったけど、サガンだからね!!


と、残り5.8km。
ここで突然、トム・デュムランがパンク!!
カニックを待ってなんとか前輪を交換して、そのままデュムランは走りだしました。
でも、結構ここで時間がとられてしまった……!

残り4km。
ボーラ・ハンスグローエが先頭を引く集団に、バウワーが吸収されました!
今度は先頭がボーラからスカイに切り替わります。クウィアトコウスキーが先頭です。

総合でライバルになるであろうデュムランがパンクで遅れてるから、引き離す作戦か!?


残り2km。
集団は、道路の右端にディメンションデータのトレイン、左端にスカイのトレイン。
オスのクワガタみたいな形になってる!!

デュムランは30秒後方!!

残り1.5km
ボーラがまた集団の先頭に出て来ました。
と、ここでいきなり集団前方にその姿をあらわれたのは、クイックステップのアラフィリップ!
どこに隠れてたんだ!!?

先頭がダニエル・オス、その後ろにアラフィリップ、アスタナのフライレがその後ろに続きます!!


残り1.2km。
ここで先頭に踊り出たのはBMCのエース、リッチー・ポート!!
それをぬいたのは、UAEのダニエルマーティン!!マーティン!!いつもいいとこでアタックするマーティン!!

残り1km!
マーティンが先頭!
それをおいかける、メイン集団!アダム・イェーツ、続いてポート、ゲラント・トーマス!

ここでバルデが遅れました!!メカトラ!!?


残り700m。
まだマーティンが一人単独で走っています!

残り500m!
いけそうだぞ、マーティン!!
と思ったところで、コース左側から単独で集団から抜け出し、みるみる近づいてくる選手が。

アーゼードゥーゼルのラトゥール!!!


マーティンもスピードは落ちていない。
が、ラトゥールがはやい、どんどん差がつまってきます!


残り150m!
後ろを振り返るマーティン!

近くラトゥール!せまるメイン集団!
でも、ここまできても、まだマーティンの勢いはおちない!!

残り100mで、もう一度後ろを確認したマーティン。
それから今度は正面をむいて、数回ペダルを漕いだあと、大きく右手をつきあげました……!
UAEダニエル・マーティン、ステージ優勝!!!


わーい!!わーい!!マーティンが報われたー!!!
うれしいー!!

マーティンは、私がレース見ていて「……総合、そろそろ誰かうごかないかな」とか思うと必ずアタックしてくれる選手なので、いつだって彼がいることで総合争いが面白くなるって思っていた選手です。
ただ、なかなかそのアタックが、あんまり勝利に結びつくことがなくって。

そしたら!!今日、勝った!!!嬉しい!!!


2位は、アージェードゥゼール・ラ・モンディアルのピエール・ラトゥール。
惜しかった。あの追い上げは見事でした!!

3位は、やっぱり来ていたこの人!モビスターのアレハンドロ・バルベルデ
4位は、いまいち調子がでていない様子が垣間見える、ジュリアン・アラフィリップでした。ちょっと残念。



総合勢でいうと……。
何人か遅れていますね。
メカトラだった、バルデやデュムランは仕方ないとして、
フルームが、バルベルデのいたメイン集団から5秒、リゴベルト・ウランが8秒。
微々たるものですが、どうしたのかな。
ちなみに同様に比べると、バルデは28秒、デュムランは50秒遅れました。
それに加えて、デュムランはパンクで遅れたときにチームカーを風除けにして走ったということで、さらに20秒のペナルティを受けるようです。

気を取り直して、4賞ジャージはこちら。

総合リーダー BMCのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート
ポイント賞 ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
山岳賞 トレック・セガフレードのトームス・スクウィンシュ
新人賞 サンウェブのソーレン・クラークアンデルセン

今日は総合も動くかと思っていたのですが、そのままアーヴェルマートがキープしました!


ちなみに、私がなんとなく気にしている総合勢の現時点の総合順位と、1位のアーヴェルマートとのタイム差は、第6ステージ終了時点でこんなとこ。

7位リゴベルト・ウラン(EFドラパック)45秒差
8位アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)51秒差
11位リッチー・ポート(BMC)53秒差
14位クリス・フルーム(スカイ)1分2秒差
16位ヴィンセント・ニバリ(バーレーンメリダ)1分8秒差
19位トム・デュムラン(サンウェブ)1分23秒差
27位ナイロ・キンタナ(モビスター)2分10秒差


んーむ。ちょっとキンタナが大変そう。
2分10秒のタイムがもう取り戻せないくらい大変なタイムってことじゃなくって、
モビスターってトリプルエースでだれがエースでもいい、みたいなところがあるから、今のところバルベルデが毎日とても好調なのが見て取れるので、このままだとエースとしては走れないかも。
第9ステージの石畳で、どれだけ耐えられるか。


明日はまたスプリントステージだから、総合は動かないかな。
明日は、もう誰も転びませんよーに!!

ツール・ド・フランス 2018 第4ステージ

今日は、風の強い平地の地です。
今日は、プロコン4人の逃げでした。

コフィディスのディミトリ・クライスと、アントニー・ぺレス
ディレクトエネルジーのジェローム・クザン
ワンティ・グループゴペールのギヨーム・ヴァンケイスブルク

うん、目立つための逃げだなって思いました。
平坦ステージなので、まあ残り20kmくらいでつかまるのだろうなーと思って見ていました。


なのに。

残り25kmで、まだ2分30秒近くのタイム差。
……およよ?この時点でこのタイム差は予想外です。
ガビリアを擁するクイックステップが焦り出しているのがわかります。


13km。
逃げと集団のタイム差は1分半。

このペースだと。
ギリギリ逃げ切れる……?


残り10kmで、タイム差は1分7秒。



よく言うのですよ。
平坦で、逃げを捕まえるのに必要な時間。
10km、1分が基準って。


えええええ!!?
ツールの序盤の平坦ステージで、逃げ切りありうる!!?
しかもプロコンの選手!!


さっきまでクイックステップがひいていましたが、今度はボーラが先頭を引始めました。
ディメンションデータも集団前方にあがってきています。


残り6km。
タイム差44秒。


残り5km。
ここでメイン集団で大きな落車!集団全体の、半分よりちょっと前から、たくさんの選手が巻き込まれて、倒れていきます。
これにウランが巻き込まれた!!また、この落車で、アーゼードゥーゼルのアクセル・ドモンが怪我でリタイア。
この集団落車の影響により、集団の牽引のスピードが大きく衰えました。

残り3.5kmでタイム差は27秒!

残り3.1km。
ウラン、ぎりぎり集団の最後尾に辿りつきました。

メイン集団は、スカイがひきだした!!
ってことは、総合で誰かが遅れている!!?


残り2.2km タイム差15秒!


残り2km タイム差は10秒!!
もう集団は位置どり合戦を開始した!

残り1.5km
もうすぐ後ろまでせまるメイン集団。
そのとき、逃げ4人の中から、ヴァンケイスブルクが一人で前ににげたあ!
3人はあきらめた!!

残り1.2kmで、諦めた3人が集団に吸収されていきます。
集団前方では、アシストの選手が位置どりをしつつ、自分たちのエースがどこにいるかの確認をはじめています。

残り1kmで、ヴァンケイスブルクもついに吸収!!

さあ、あとは集団内でのスプリントです。
まだ若干、先ほどの落車の混乱から抜けきれないようなざわついた集団ではあるものの、みぎいったりひだりいったりしながらほぼ前方に集まった選手たちが、スプリントのきっかけやタイミングをはかっています。

そんな中、集団の向かって右側から伸びてきたのが、クイックステップのリケーゼ!!
ギリギリまでリケーゼがガビリアのための牽引を行なっている最中、残り300mで先にコースのど真ん中でロット・ソウダルのアンドレ・グライペルがスプリントを開始しました!
残り200m、リケーゼの牽引で一番きれいな形でスプリントを開始したガビリア!
しかし、グライペルの方が勢いがある!!ちょっとだけグライペルが前にでた!?
しかしガビリアも負けじとくらいつく。

すると、ここで、グライペルの後ろを陣取っていたサガンが、グライペルの右手側からぐぐぐっ!と前にでた!!

3人並んだままフィニッシュ!!

サガン!?グライペル!?ガビリア!!?誰がとった!!!?


前から見るとはっきりわかりませんでしたが、上空からの映像では明らかに一人の選手が先にフィニッシュラインを通過していました。
クイックステップ・フロアーズのフェルナンド・ガビリア、ステージ優勝!
今年のツール2勝目です!
2位は、ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
ロット・ソウダルのアンドレ・グライペルは、3位でした。


4賞ジャージはなにも動かず!!
総合リーダー BMCのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート。
ポイント賞 ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
山岳賞 ワンティ・グループゴペールのディオン・スミス。
新人賞 サンウェブのソーレン・クラークアンデルセン

そして、敢闘賞は、本日逃げていた4人の選手の中、地元のディレクトエネルジーのジェローム・クザンがとりました。


結果だけを見ると、予想された通りのスプリントステージだったのですが、
残り2kmくらいになるまで、逃げ切りもあり得る、とハラハラしながら見ていました。
面白かった!


ただ、ほぼ毎日落車が発生しているのが、見ていてちょっと辛いです。
なんで今年はこんなに落車が多いのだろう。全体的に、道が狭いところが多いコースなのかなあ……。
パリ〜ルーベ好きとしては、第9ステージの石畳とかとても楽しみだったのですが、これだけ毎日落車が続く中で石畳なんか走ったらどうなるのか若干不安です……。

ツール・ド・フランス 2018 第3ステージ

本日はTTT !
チームタイムトライアルです!!
今日は感想だけ。


BMCが速かった…………!!!
正直私は、今日からスカイの攻撃が始まる……!!みたいに思っていたのですが、そしてそれも決して間違ってはなかったのですが、それよりももっとすごかったのはBMC!
スカイもシャチの隊列組んでとっても速かったのですが、BMCはそれを上回って速かった!!!

スカイが2位で、クイックステップも頑張っていたけれど、最終的には3位でした。

一番手に出走していたミッチェルトン・スコットが4位。
デュムランがいるサンウェブは5位でした。


ちなみにBMCからサンウェブまでのタイム差は、11秒。
35.5km走って11秒差で5チーム。
こう考えると、この5チームはTTTの力としては、拮抗しているのだね。



そんでもって今日、マイヨ・ジョーヌを着ていたボーラ・ハンスグローエのペーター・サガンは、そもそも自分のチームの残り4人のメンバーに入れず。
というか、今日結構登りがきつくて、軒並みスプリンターは途中で遅れていったのですよね。
あと、サガン中盤あたりでちょっと辛そうでした。

ただ、サガンのツールでの一番の目的は、ポイント賞ジャージのはずですので、今日遅れてしまってもそれほど問題ではありません。



逆に、今日大変なことになってしまったのは、アーゼードゥーゼルのロメン・バルデ。
フランス期待の星の総合優勝候補の選手なのですが、TTが苦手みたいなのですよね……。
チームはトップのBMCに比べて、1分15秒遅れのタイムとなってしまいました。

んーむ。厳しいなあ。

それと、キンタナ擁するモビスターも、BMCからは53秒遅れています。
またキンタナにタイム差がついてしまった感じ。


まあとにもかくにも、
本日のチームタイムトライアルを制したのは、BMCレーシングチーム!!
そんなレース結果をうけて、総合1位は本日ステージ優勝したBMCの中で、まだタイムを落とさずに着ていたこのかた。

総合リーダー BMCのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート!!

おおー!よかったねアーヴェルマート!
BMCは仲よさそうで、表彰見ていてほっこりします。

そして、そのほかのジャージ。
ポイント賞はボーラ・ハンスグローエのペーター・サガンがそのまま。
山岳賞も、ワンティ・グループゴペールのディオン・スミスがそのままキープ。
新人賞は、ガビリアが遅れてしまったため、サンウェブのソーレン・クラークアンデルセンがとりました!


明日はまたまたスプリントステージに戻ります。
ただし、平地は平地でも風の強い平地!
小柄な総合系の選手ほど不利になりがちなコースです。

横風分断作戦、起きそうですね。
……キンタナ、大丈夫かな。


まあ、なにはともあれ。
今日は、大きな落車がなくてよかった!

ツール・ド・フランス 2018 第2ステージ

今日は第2ステージです。
レース序盤はアップダウンですが、後半はほぼ平坦ステージ。

これがもしも、グランツール後半の第3週目だったりすると、「最後のチャンスに賭けるぜ!!」とばかりに逃げる選手がいっぱいいたり、他のチームも「今日はおとなしくして明日の山に備えよう」と思う総合チームが増えたりして、逃げ切り勝利の可能性もあるような逃げ集団が成立したりするのですが、今日はまだ二日目。

よって、基本的なレース展開は、昨日とほぼ同じで、
①目立つための逃げが成立する
②注目はフィニッシュ手前10km〜20km
③総合系の選手は、タイム差を得ることでなく、遅れないこと、が重要になる
となる感じです。
それぷらす、昨日と同じ4級山岳がひとつあるので、
④今日4級山岳を1位通過して、今日山岳ジャージを着ているルダノワより先にフィニッシュして山岳ジャージをゲットする
という目的の選手もいるはずです。


そんなこんなで、レーススタート!
本日の逃げは3名。
地元ディレクトエネルジーシルヴァン・シャヴァネル
トレック・セガフレードのミヒャエル・ゴグル。
ワンティ・グループゴペールのディオン・スミス。

うーん。トレックかあ……。
ディレクトエネルジーとワンティは、プロコンチネンタルチームですが、トレック・セガフレードはワールドチームです。
要は、格上。
通常なら、今日のフィニッシュ地点のスプリントで十分勝負できるチームのはず。
……なのに、今日唯一逃げに入った……。


昨日、トレック・セガフレードのエーススプリンター、ジョン・デゲンコルブは、ラストのスプリントで位置どりはよかったのに、結局9位でした。
ステージ9位自体は確かにすごいのですが、あの位置にいててエーススプリンターが9位っていうのは、ちょっと力の差があるとか、調子が悪いという判断をされてもおかしくない結果な気がします。
……もしかして、デゲンコルブでのスプリントステージ勝利は難しいと見て、チームとして山岳ポイント奪取にシフトしたのだろうか。

トレックのエースはバウク・モレマですが、正直総合優勝争いは厳しいチームだと思います。
現実的に狙うなら、総合10位以内とか、もしくはあんまりイメージはないけれど山岳賞を狙うとか、そっち。
だからまあ、スプリントステージはチームとしては力を入れすぎず、他の目的にシフトしている……?

考えすぎかなあ……。
ただ単に、ゴグルが「今日調子いいから山岳賞チャレンジしてもいい?」みたいな話かもしれませんが。


が。
そういうしているうちにやってきた山岳ポイントは、ディオン・スミスがとりました。
そして、「もう山岳ポイント終わったからいいや」とばかりにスミスとゴグルは集団に戻って行きました。


そんなわけで。

残り約150km。
シルヴァン・シャヴァネルの一人旅、開始です。

まあ、地元だしね!沿道の地元ファンは喜ぶよ!
そして逃げ続ければ、きっと敢闘賞がとれるよ!!

で、このまま中間スプリントポイントくらいまではだらだらいくかと思われた、残り91kmくらいで、今大会初めてのリタイアが出ました。
トレック・セガフレードのツガブ・グルメイです。
原因は腹痛とのこと。
グルメイはクライマー。……モレマがアシストを一人失った形に……。


中間スプリントは、そのままシャヴァネルが1位通過。
プロトンは、サガンが1位、ガビリアが2位、3位通過がクリストフでした。

と、残り40kmをすぎたあたりで、メイン集団で落車!
なんとこの落車で、アスタナのルイスレオン・サンチェスがリタイア!!

うああ!ショック!
こんだけ下りゴールの多いグランツールだから、サンチェスの逃げ切りステージ勝利期待してたのに……。

そしてこれを皮切りにしたように、今度はアダム・イェーツが落車。アーゼードゥーゼルのディリエが落車。
大人数の大落車じゃなくて、単独とか数人の落車が多発しています。

なんでなんだろう。
確かに多少はスピードあがってるけれど、決して特筆するほどものすごい勢いなわけでも位置どりが始まっているわけでもないけど。
ただ、若干道が狭い間隔はある……。

そして残り14kmのところに、ボーナスタイムポイントが現れます。
おそらくここを基準にメイン集団はペースをあげて逃げの吸収をめざすはずなので、集団はここでシャバネルを吸収したいはず。
でも、シャバネルがこのポイントギリギリまで逃げ切りました!
ボーナスポイントの1位通過は、シャヴァネル!!

ボーナスタイムポイントをシャバネルが通過し終えるとすぐに、メイン集団が吸収します。

もうあっという間に残り10km。
だんだん前に出てくるスカイやモビスター。
今日のステージ勝利を狙っているわけではなく、落車しないための位置どりという感じです。

と、ここで、残り8km切って、カチューシャのマルセル・キッテルがパンク!!
今日のステージ狙っているはずなだけに、ちょっとこれは大変!
最初はなんとか追いつこうとしていた感じがありましたが、結局あきらめてしまったようです。

残り6kmくらいで、今度はまた落車!!
単独落車、ミッチェルトン・スコットのダーブリッジ!!
ただ、大きな怪我とかはなさそうです。


残り5kmを切って、集団を牽引するのはボーラ・ハンスグローエ。
グライペルを擁する、ロット・ソウダルも出てきました。

残り4km
先頭は今度はクイックステップが先頭に出てきて引き始めました!
グルパマ・エフデジも前の方に出てきています。

残り3km。
集団が頭だけ大きくて縦に長く伸びています。
今度はロット・ソウダルが先頭集団!負けじと先頭を取り返しにきたクイックステップ
あっという間に残り2km。
そして、この2kmの目印をすぎてすぐのところにあった、ほぼ90度のカーブで大きな集団落車が発生!!集団の先頭ではないけれど、結構前の方です!
ガビリアが巻き込まれました!!!マイケル・マシューズも巻き込まれています。


もはや先頭集団には15人くらいしか残っていません。
この中でのスプリントになります。

残っているスプリンターは、ペーター・サガングライペル、デマール、コロブレッリ、デゲンコルブあたりか!
クイックステップも数人残っているけれど、ガビリアいないからだれでいくのか……!

残り1kmを切って、先頭はロット・ソウダル!その後ろに続くボーラ・ハンスグローエ!!
そしてボーラが先頭にたちます!!
ボーラが離れ、続いて集団先頭はクイックステップ

そして残り200mで、デマールがスプリントをスタート!!後ろにサガン、続くコロブレッリ。
サガンがデマールを抜いて先頭に出ました!!
さらにコロブレッリが、サガンの左側から抜きにかかりますが、ギリギリ追いつかない!!


第2ステージのステージ優勝、ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン!!
2位が、バーレーンメリダのソンニ・コロブレッリ。惜しかった……!!
3位が、グルパマ・エフデジのアルノー・デマール。
4位以下も続々とスプリンターの名前が続きま…………。

……。

…………7位にバルベルデがいる。


グランツールで総合3位以内とかに入れる、モビスターのアレハンドロ・バルベルデが、スプリントステージで7位に入っている……。
相変わらず、どこにいても、何をしても強い選手ですね、バルベルデ

残り3kmを切っての落車だったので、救済措置がとられ、全員タイム差はつかないことになりました。
ただ、ステージで勝った分のボーナスタイムが計算されるので、
本日の4賞ジャージの結果はこちら。


総合リーダー ボーラ・ハンスグローエ ペーター・サガン
ポイント賞 ボーラ・ハンスグローエ ペーター・サガン
山岳賞 ワンティ・グループゴペール ディオン・スミス
新人賞 クイックステップ・フロアーズ フェルナンド・ガビリア


山岳賞のスミスは、山岳ポイントは昨日のルダノワと同じポイントしか持っていないのですが、総合順位がスミスの方が上だったので山岳賞をゲットしました。
そして、敢闘賞はもちろん本日一人で逃げまくった、ディレクトエネルジーシルヴァン・シャヴァネル!!

明日はチームTTです。
いよいよ、総合を狙う選手・チームが、動く日。

チームTTといえば、スカイ、クイックステップ、サンウェブ、BMCあたりが強いイメージがあります。
果たして、どうなるのか!!



あと、
ものすごく些細なことですが。

スカイのチームTTって、上からみると、シャチが先頭交代しているように見えるのかな……?(わくわく)

ツール・ド・フランス 2018 第1ステージ

ツール・ド・フランス初日。
第1ステージは、今年は平坦ステージです。

ツールの平坦ステージで抑えておけばいいポイントは基本的には3つ。
①逃げてもまず逃げきれないので、ほぼ目立つための逃げになる。
②見所の勝負は最後の10km〜20kmから。メイン集団が逃げの吸収と、フィニッシュのスプリントのための位置どりに本気を出す。
③総合優勝争いを狙っている選手は、他のライバルからタイムを奪うか、ではなくて、いかに遅れないか、が大事になる。

加えて今日は、レース初日ですので、
④今日逃げて山岳ポイントをとれば、山岳賞ジャージをゲットできる。

これだけ頭に入れておいて、さあ実際のレースはどうだったか!!


アクチュアルスタートと同時に、逃げが成立!!
逃げは3人。
3チームともプロコンチネンタルのチームです。

ディレクトエネルジーのジェローム・クザン。
ワンティ・グループゴペールのヨアン・オフレド。
フォルテュネオ・サムシックのケヴィン・ルダノワ。

中でも、クザンは地元のディレクトエネルジーなので、最初の中間スプリントはなんとなーくの流れで先頭通過!

ただ、その次の山岳ジャージがかかった4級山岳ポイントでは、クザンよりも一瞬早く仕掛けたルダノワが1位通過します。
これで、本日山岳賞ジャージをゲットできることが決まったルダノワは、そのままペースを落として集団吸収。

2人での逃げになります。

集団はだんだんとタイム差を縮め、吸収する準備に入っていきます。

が。
ここで続々とトラブルが発生。

まずは残り11km。
集団の中ほどの、左側にて集団落車!
何人もの選手がこの落車の影響で遅れてしまい、集団が大きく割れたのですが、
これに巻き込まれて、本日のステージ優勝争いに加わることが予想されていた、グルパマ・エフデジのアルノー・デマールが大幅に遅れました!!!

デマールはレース復帰して早々に、「今日はもうステージ争いにはからめない……」とスピードを緩めます。

残り9kmで、逃げの二人を集団が吸収すると、今度は残り8kmでまた落車!!
集団右手側!単独!!ベルナル!!?
チーム・スカイ、21歳のエガン・ベルナルが落車で遅れた!!
でも怪我はなかったのか、バイクのトラブルのみが伝えられ、集団から遅れたグループにて走る姿が確認できあmす。

残り5.5km。
今度は優勝候補筆頭の、スカイのクリストファー・フルームが落車!!
またもやプロトンの右側!カーブの外側で煽られるように、道路に転がり落ちました!

フルームもすぐにレースには復帰しますが、でも先頭集団からは遅れたグループになります!!


残り3.3kmで、今度はモビスターのナイロ・キンタナがパンクでストップ!!!
そのキンタナの前を、遅れたフルームグループが通過して行きました!!
モビスターは誰もアシストが待ってない……?
だって誰がエースか決めてないっていうチームだもんね。そうだね。無理だね。


残り1.5km。
フルームがいるグループは、先頭集団から49秒後方です!
集団の先頭はクイックステップフロアーズ。ほぼ1列棒状に集団が伸びています。
先頭からクイックステップクイックステップクイックステップ、ボーラ・ハンスグローエ、クイックステップクイックステップ

全力でガビリアを勝たせるためのクイックステップ・トレイン。に、一人サガンのためのボーラ。

そして、ついにクイックステップのガビリアが放たれた……!!
その真後ろについたのが、ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン

一人先頭を行くガビリア、背後からじりじりと迫り、ガビリアの右手側から抜きにかかろうとするサガン

でも追いつけない!!ガビリア強い!!


第1ステージのステージ優勝は、クイックステップ・フロアーズのフェルナンド・ガビリア!!


今日クイックステップは、スタートからこの勝利のためにほぼずっと集団を牽引してきたので、決まった!って感じです。
2位はボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
3位がカチューシャ・アルペシンのマルセル・キッテル


そして、この集団で多くの選手がタイム差なしでフィニッシュしていく中、フルームはこの集団から51秒遅れてゴールします。
他には、ミッチェルトン・スコットのエースであるアダム・イェーツや、BMCのエースであるリッチー・ポートも、フルームと同じ集団でフィニッシュしていきました。
そのさらに後ろからやってきたキンタナは、先頭集団から1分15秒遅れにてフィニッシュ。スカイの若手、ベルナルもキンタナと同じタイムです。

ざっとみて、今日は絶対に遅れちゃいけなかった総合順位争い(もしくは新人賞争い)に関わりそうな選手なのに、遅れてしまった感じの選手はこのくらいでしたかね……。
総合優勝争いをしそうな選手としてパッと名前があがる、ほかの各チームの総合エースの選手たちは、今日の目標である「怪我せずに先頭集団と同じタイムでフィニッシュ」をちゃんと達成した感じでした。



そんなこんなで。

本日の結果による、4賞ジャージはこちら!!
総合タイム1位、マイヨ・ジョーヌクイックステップ・フロアーズのフェルナンド・ガビリア!
ポイント賞、マイヨ・ヴェールもガビリア!
山岳賞、マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュはフォルテュネオ・サムシックのケヴィン・ルダノワ
新人賞、マイヨ・ブランはこれまたガビリア!
ガビリアって、まだ23歳なんだ……。

そんでもって敢闘賞は、逃げていたうちの一人。ワンティ・グループゴペールのヨアン・オフレドでした。


初日から落車が多いレースだったなあ……。
今日、レース始まって、アクチュアルスタート後のメイン集団と見たときの最初の感想、「え、人数少ない!!」だったんですよね。
というのも、今年から、集団密集による落車などを防ぐため、各チームの人数が9人から8人に減っているのですよ。
出場チーム数は変わらないので、全体的に選手の人数が減っていたのですよね。
もちろん他のレースでもそうなのですが、今日が一番そう思いました。

なのに、第1ステージからこんなに落車があるなんて。むむう。集団人数と落車に相関性は、果たしてどれくらいあるのだろうか。


なお、フルームはフィニッシュ後「怪我ないよ!」ってツイートをしていました。
よかった……。

2018年のツールがはじまります。

いよいよ2018年のツールがはじまりますね。
私はここ3年くらいしか知りませんけど、いつになく始まる直前にゴタゴタしましたね!


私のブログによく来てくださる方は、おそらく何が起こってどうなったまでご存知の方が多いとは思いますが、
今年のツールが、レース初観戦!みたいな初心者の方向けに、ツールが始まる前のゴタゴタを、ものすっっっごくかいつまんで書いておきます。




過去に4回ツールを優勝していて、今年ももちろん優勝候補筆頭のクリス・フルームっていう選手がいます。
フルームは、喘息持ちです。喘息のお薬を飲みながらレースを戦っています。
ただし、喘息のお薬というのは、健康体の人が飲むと、ドーピングとして効果があるお薬であるとされているお薬なので、使うには申請が必要だし、またドーピング検査のときに一定以上の値が出ると、「む。ドーピングしてるんじゃないか?」ってなるお薬です。

さて。
昨年の秋、フルームは、スペインのブエルタ・ア・エスパーニャという、3週間のレースで優勝したのですが、
そのレース中で一日だけ、「む。ちょっと必要以上に使ってるんじゃない?」という検査結果が出てしまいました。
なので、フルームは、「これは治療のためだけにに使ったけど、この値が出てしまった」っていうのを、国際自転車競技連合(UCI)とかに証明しなければならなくなったのです。
その説明をうけて、国際自転車競技連合は、「フルームは治療のために使ってただけだから、悪くない!」って言うか、「フルームはレースの成績あげるために使ってたから、成績剥奪!」って言うか、どっちかの結論をださなければならなかったのです。

で。
これが、今年の6月に入ってもまだ出なかった。

困ったのが、ツールを運営しているASOという団体。
フルームはとっても強いので、もしツールで優勝したあとに「フルームは成績剥奪!」とかなったら、レースのイメージはダウン、優勝者は交代、成績も総とっかえ。大混乱必死なのです。

なので「去年の問題、結論出てない状態じゃ、ツールにフルーム出せないよ」宣言を、フルームとかフルームのいるチームとか、国際自転車競技連盟とかに内々に言っていたのが、開催1週間前にフランスの新聞屋さんににすっぱぬかれて、ファンの間で大パニック!

ファンは、ASOが事前に言ってたとか知らないので、私とかは「一週間前になって何を言い出すのASO!!?」ってなってしまいました。

で、これが、日本時間でいうツール開催の前の週の日曜日。
そしたら月曜日に、UCIが、「フルーム無罪!」って宣言をして、あ、じゃあ出さない理由ないから、出ていいよー、ってすんなりフルーム出場が決まった。



私の日曜日のパニックをかえせぇぇぇぇぇ!!
とまあ、それはともかく。

いや、でもとにかく、フルームが出られることになってよかった。
結論が出た状態で走れることになってよかった。本っっっっ当に良かった。


ちなみに、もっとちゃんとした経緯を知りたい方は、こちらの記事がとてもわかりやすく書いてくださっているので、私の適用なまとめを読むよりももっとずっといいと思います。

news.yahoo.co.jp





さてさて!
これで心おきなくツールを楽しんで見られるということなのですが!



正直に申し上げましょう。



現在の私の感覚だと。

フルーム以外に優勝しそうな人が誰も思い浮かばない。

だって今年。
ジロ・デ・イタリアという3週間のレースで、フルームはある日、80km独走してライバルに大差をつけて大勝ちしたんですよ!!

ぬああ!!サイクルロードレースを見たことない人に、これがどれだけ衝撃だったか説明できない己がにくい!!!
風の抵抗がものすごいレースを左右する要素であるサイクルロードレースにおいて、80km独走で勝つって、とっても力の差がないととてもじゃないけど起こり得ないのですよ。



無理やり、自転車レースを知らない人にもわかるように例えるなら……。
えっと、運動会で、100mのコースを100周する10kmのかけっこの種目があって、2チームが対戦することになるのを想像してください。
片方のチームは5人いて、リレーで交代して走っていい。
片方のチームは1人で全部走らなくちゃいけない。
これで対戦して、1人のチームが勝ったみたいな感じ。


実際にはもっと選手がいっぱいいるから、この5対1の構図までもってくるところまででいろいろあるし、この5人があんまり仲良くなくって「お前次走れよ」「お前こそさっき2周しかしてないだろあと1周しろよ」とかバチバチやってたから遅れたとか、いろいろ別の要素もあるんだけど、
とにもかくにも、力の差があったことには間違いない。


そんなわけだから、私、今年は特に、フルームが総合争いで負けるところが想像できません……。


ただもちろん、他にも有力な選手はいて、ジロで2位だったトム・デュムラン(バチバチ5人組の一人)も、すごい立て直している可能性あるし、
今年のジロには出ていなかった、ナイロ・キンタナやバルベルデっていう、これまたとっても強い選手がものすごい活躍をする可能性もあるし、
普段グランツールという3週間のレースだとあまり出てこない石畳のコースが今年はあるので、(普通グランツールで総合優勝するような選手は、山岳系のコースが得意な選手が多いのだけれど、石畳はまた違う能力や技術が求められるので、グランツールで強い選手が石畳のコースでも早いとは限らない)、
グランツールの総合優勝争いに絡めて、かつ石畳だって得意な、ヴィンチェント・ニバリとか、ロメン・バルデっていう選手もいるのです。


こうやっていろいろ書いていくと、フルームが負ける要素だってないわけじゃないはずなんだけど、
やっぱりなんか想像できないなあ……。
私がレースを見はじめてから、フルーム以外がツールを勝ったことがないというのも、大きいのかもしれませんが。




それはそうと。
日本時間の木曜深夜、というか金曜の早朝。つまりまあ夜中です。
チーム・プレゼンテーションが行われました。
オープニングセレモニーですね。ステージで選手紹介をするのです。

だいたいどこのチームも、司会者がみんなを紹介して、うち一人か二人にインタビューして終わるのですが、
現在、世界選手権三連覇中のペテル・サガンが所属するボーラ・ハンスグローエだけは、サガンがマイクを渡されて全員を紹介していました。
そのペテルを、ずーっと動画で撮っていた、マチェイ・ボドナール。サガンのアシストとして、重要なレースだと必ずサガンの側にいる選手です。
なんでかな。去年のツールで見たときよりも、またボドナールがかっこよくなったように見えました。
あと、ダニエル・オスも、ワイルドですっごくかっこよかった。

ただ、イケメンでいうと、やっぱり、カチューシャ・アルペシンのマルセル・キッテルを超えるものはいないと思っていましました。



プレゼンテーションの壇上で、自転車にまたがったキッテルが映ったのですよ。
あまりにイケメンすぎて、わたし食べてた葛切り吹いた。


キッテルはとってもかっこいいし強いので、普段レース情報集めている中でしょっちゅう画像見かけるし、
レースを見ていればスプリントしている映像とかは見る機会多いですけれど、
こう、なんていうの。ヘルメットとかサングラスとかしていない、そしてレース中じゃない、普通の状態で、動いているキッテルを、私たぶん久々に見たんですね。ちゃんと覚えてないけど、半年ぶりくらい?

なんかこう、記憶にある動いているキッテルをはるかに超えるかっこよさで、
「え!!イケメンすぎ!!」って思わず声がでました。



普通昔の記憶って美化するもんだと思うのだけれど、私の記憶はどうなっているのだろう。
私の記憶の美化よりも、実際の選手たちのかっこよさの向上スピードがはるかに上なのか。
それとも、今が私の記憶なのか。
私の現在とは過去の記憶なのか。


なんか自己懐疑的になりそうなのでこの辺で締めます。


それではまた!!

全日本タイムトライアル2018 男子エリート観戦

2018年6月17日に、石川県で行われました、全日本選手権タイムトライアルの観戦に行ってきました!!

寝坊して朝から絶望したとか、
輪行で現場に向かい、自分で事前に調べたレース会場から一番近い最寄り駅でおりたら、そこから会場まで平均斜度5パーセントの坂が2km続いていて会場に着く前に「もうだめだ」って気持ちになってたとか、
なんとかコースの南端までたどり着いたらちょうどU23の第2ウェーブで、わーい!って思ってスタートリスト片手に応援しながらスタート地点に向かっていたら、U23には出ていないはずの松田選手が最後に走り抜けて行って「……え?」って首を傾げながら現場に向かったりとか、
コースから一番近い水分補給ができる場所が、表彰式とかやるところにあった小さな自動販売機1台だけで、ここがレースのコースから最短距離で1km近く離れていたからお水買いにいくだけで見たかった選手の走りをみられなくなっちゃうのだけれど、真面目にとても暑かったから水分補給しないと死にそうだったとか、いろいろ徒然に書けそうなことは多々あるのですが。


それは一旦おいておいて。

男子エリートのレースについてだけ、レポートを書きたいと思います!
あとは書くほどの情報が手元にない!
察して!!主に寝坊と、2kmの坂と、自動販売機の設置位置とかで察して!!


さてさて。

男子エリートは、13.1kmのコースを、3周するコースとなっています。
交差点がスタート/フィニッシュ地点になっていて、交差点の東側道路にスタート台があり、選手はそこから斜めに飛び出してすぐに北方向への道路の右車線に飛び出していきます。スタートしてすぐに右にまがるイメージですね。
周回でまた戻ってくるのですが、戻ってきたときは、南の道路から戻ってきて左車線側を走り、まっすぐ北に抜けていく、という感じになる設定です。
基本的に同じウェーブ内でスタートがかぶることはなかったと思いますが、ただ、例えば第1ウェーブの選手の後半出走の選手がフィニッシュするくらいの時間に第2ウェーブの序盤出走の選手のスタートが重なっている、ような感じなシーンはありました。


勝手にかなり注目していたのが、後ろから三番目に出走予定になっていた、年歴的にはU23に該当する松田祥位選手だったのですが、今年からUCIの規則がかわって、松田選手がエリートに出場しても、参考記録扱いみたいになってしまうというか、UCIポイントがつかない、みたいなことが直前にわかって、U23出場に変更になっていた、とのことでした。


第2ウェーブまでが終了した時点で、暫定1位はブリジストンの近谷涼。
タイムは51分26秒60。

でも最初、走りをみたときは、そこまで「あ、速い」とかは感じていませんでした。
というのも、近谷選手の前にスタートしたのが、2015年TT王者の中村龍太郎選手だったのですが、スタート直後にトラブル発生がしたのです。
後輪のディスクホイールがまわらなくなってしまったようで、スタートしてスタート台かおりた、くらいで一旦自転車をおりて、後輪のクリックリリースのあたりをいろいろやってから、再び走りはじめました。
40〜50秒前後、ここでロスしてしまったように思います。

それでたしか、1周目完了時点で、中村選手よりもあとからスタートした近谷選手の方が先に戻ってきて2周目に入ってきたのですが、それを近谷選手が速いから中村選手を抜いた、ではなくて、中村選手がトラブルでタイムロスをしてしまったから抜いたのだ、とだけ認識してしまいました。

もちろん中村選手のタイムロスは、全日本を争う上では非常に大きい影響となってしまったのですが、ただスタートして加速もまだ始まる前のトラブルだったので、レース中盤でトラブルが起きるよりも、加速のロスもなかったはずなのですよね。スタート台は斜めで下り坂みたいになるようになっているので、その分の加速はなくなってしまったと思うのですが、上に書いたように、台をくだるとすぐにカーブ。ですので、そのスタート台を降りる勢いというのも、利用しにくいコースだったのではないかと思います。
つまり、近谷選手がとってもはやくなければ、1周目完了時点で抜いていることは難しかったはず、なのですが、目の前でみたトラブルの印象が強すぎて、そこまで現場では考えがいたらず、ここで暫定1位となるくらい、近谷選手が速い、と最終タイムを聞くまで認識できていませんでした。


さて、その近谷涼のタイム。
今回は3周の周回コースですので、このタイムを3で割ってみると、1周は約17分09秒。

つまり、この1周17分というのが、勝利への目安となってくるわけです。


そして、第3ウェーブの選手がスタート。

第2ウェーブまでは、1分ごとのスタートでしたが、第3ウェーブは2分間隔でのスタートとなります。

宇都宮ブリッツェン阿部嵩之から順番にスタートしていきます。
次がブリジストンの窪木一茂、続いてブリッツェンの岡篤志愛三工業の渡邊翔太郎。
ただ、ここから4分空きます。増田選手が骨折で出場しておらず、前述の松田選手もU23出場に変更となったからです。
そして、ブリッツェンの小野寺玲。
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最後に、マトリックスパワータグの佐野淳哉。
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選手によっては、スタートする前に観戦にきたファンの呼びかけに反応をしてれる選手もいました。
最終走者の佐野さんは、無言でざざざっと佐野さん応援タオルを掲げだしたファンたちをみて、一つ頷いていました。


さて、このコース会場。
このスタート/フィニッシュ地点の交差点の西側への道路を200mくらい行くと、そこもまたコース沿道となっていて、北からぐるっとカーブして折り返してきた選手たちをもう一度沿道で見ることができます。
スタートを見送ってからそちらにいくと、見送った選手のひとつ前くらいに走りだした選手が戻ってくるところをみることができました。

最終走者の佐野選手のスタートを見送って、西側の道路を通って反対側に行き、小野寺選手、佐野選手に声援をおくります。


と、ここでスタート/フィニッシュ地点の交差点を振り返ると、もう阿部選手が戻って来ていました。
けっこう忙しい……!

第2周は、全員、出走順どおりに戻って来たとおもいます。

各選手が1周目を完了するあたりで、会場内で飛び入りで解説をしてくださっていた昨年の全日本王者の西薗さんが、このような解説をされていました。

「第2ウェーブまでの選手なら、ただ全力でこぐだけだが、第3ウェーブくらいになると基準タイムがわかってくる。今日のコースなら、17分。だから、各選手はいかにこれに近づけるか、そして後半になって疲れて来ても、いかにこのタイムから落とさないかが重要になってくる。ただし、佐野さんは別。佐野さんは、後半になればなるほどタイムが上がる傾向の選手だから、もし1周目のタイムがそこまで伸びなくても、そのタイムを基準に考えることができない」
(注! コロロンの頭のなかだけで記録したものを要約して書いているだけなので、もしとんちんかんなことが書いてあったら、私が間違って覚えてしまっただけです。私の記憶力をやじってください)


1周目完了時点で、尋常じゃなく飛び抜けたタイムをたたきだしたのは、ブリジストンの窪木一茂。タイムは16分45秒70。
他の有力選手が軒並み17分と数秒なのに対して、15秒近くのリードを1周目でたたきだしました。

素晴らしいタイムなのは間違いないですが、しかし、まだこの時点では窪木選手が勝てると決めつけるのはあまりにも早計です。
コースは、3周あります。
ペース配分を間違えてしまえば、1周目は調子がよくても、だんだんと足が動かなくなってしまう可能性もあるからです。そして、基準タイムを知っているからこそ、選手によっては緊張感から、無理してタイムを合わそうとしてしまう場合もあるのだとか。
ちなみに、小野寺玲は17分9秒台、佐野淳哉は17分5秒台でした。


しかし、2周目。
佐野さんの1周目完了を見送って、交差点の西側に向かい、小野寺選手を見送っているときに、会場アナウンスが入ります。
『佐野淳哉、チェーントラブルのため、バイク交換』
交差点の西側。ぐるりと回って戻って来たときの佐野さんは、確かにノーマルバイクに跨っていました。

佐野さんを見送り、心を落ち着けて交差点に戻ると、もう窪木選手まで通り過ぎたあとでした。
窪木一茂の2周目完了タイム。33分43秒台。
近谷涼のタイムが、34分09秒台のため、この時点で約20秒差をつけてのトップタイムです。

窪木選手の2周目のタイムだけでいうと、16分58秒。
もちろん17分切ってるからとても速いのですが、1周目のタイムと比べると14秒おちています。
これが、どういうことなのかの判断がつきません。

1周目で力を出しすぎて、足が動かなくなって来てしまっているのか、それともこれも事前の計算のうちで、2周目くらいのタイムを維持できるか。

ただし、このペースで同様に2周目もペースをおとしてしまったとしても、20秒ほど貯金があるような状態なので、この2周目の時点で、窪木選手の勝利がかなり現実味の近いものとして考えられました。

と、ここで再度アナウンス。
『佐野淳哉、再度バイク交換』
ノーマルバイクから、もとのタイムトライアルバイクに戻した模様です。

また、この第2周目完了時から、スタート順位とちがった順番でスタート地点に戻ってきていました。
愛三工業の渡邊翔太郎が、一つ前の岡篤志を抜いて戻ってきたのです。

渡邊選手の2周目完了のタイムは、34分36秒台。
なかなか好調なタイムなのですが、トップ3は難しそうなタイムです。

小野寺選手のタイムは、34分42秒台。
そして、バイク交換を2回した佐野選手のタイムは、35分13秒台でした。
佐野選手の2周目のタイムは、18分8秒。
コース途中の中間計測地点から後半のタイムは、1周目よりもいいだけに、おそらくバイクトラブルで1分以上遅れてしまったようです。


そして、最終回。

最初に戻ってきたのは、第3ウェーブの第1走者である阿部嵩之ではなく、ブリジストンの窪木一茂!
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タイムは、50分23秒92。
圧勝です。

ものすごく速いタイムなのですが、静かな走りをする選手だな、というのが、私の勝手な印象でした。
いろんなものをそぎ落としたような走りで、誰よりも速くフィニッシュ地点まで到達しました。
二周目まででかなり他の選手からリードを広げていたので、最終周回で多少タイムが落ちてしまったとしても優勝できるだろう、と思っていましたが、実際には約16分40秒で最終周回を走り抜け、1周目よりも速いタイムになっていました。
ものすごく強い。


続いて、阿部嵩之。
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その次が、先ほどすでに岡選手をぬいていた、渡邊翔太郎。タイムは、52分03秒台。
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窪木選手を上回りません。

続いて岡篤志がフィニッシュし、それから、時間があいて、戻って来たのが小野寺玲。

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小野寺玲の最終タイムは、52分00秒台。

その直後。
最終走者の佐野さんがスタートしてから、50分23秒をすぎました。
まだ、佐野さんの姿はありません。


この時点で、2018年全日本タイムトライアルの勝者は、ブリジストンの窪木一茂に決定!!


そして。
佐野さんが戻って来ました。
もう優勝の可能性はないけれど、佐野さんは、全力で最後の最後までペダルを回していました。
すごい気迫でした。
全然静かとかじゃないです。前に向かう勢いでいっぱいでした。

ごめんなさい、写真とれませんでした。
観戦仲間から借りた佐野さん応援タオルをかかげて、ただ佐野さんの名前を叫んでました。

佐野淳哉の最終タイム。52分06秒73。
細かくタイムを見てみると、確かに西薗さんの解説のとおり、トラブルがあった区間をのぞいて、確実に1周目よりも2周目、2周目よりも3周目の方がタイムが伸びていました。


トラブルがなかったら、佐野さんはどんな走りを見せてくれたのだろうと思うと、私は別に悲しくも悔しくもないのに、なぜか泣きそうになりました。
けれど、冷静に考えて、窪木選手は本当にものすごく圧倒的に速かったので、最終的なタイム差から考えても、もしトラブルがなかったとしても佐野選手に優勝は厳しかったように思いました。

それくらい、窪木選手は本当に速くて、現場では窪木選手の2周目完了の時点で「もう決まった」っていう空気が流れていました。
それくらいの、圧勝感がありました。



そして、表彰式の写真がこちら。
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表彰式の場所が、スタート/フィニッシュエリアから1km近く離れていたため、観戦してた人も移動中に力尽きたのか来てなくて、だいぶ減っていました。

それでも、がんばって結果を出すことができた選手は讃えなくては!!ということで、表彰式を見守りました。


窪木選手が優勝インタビューで「まだ実感がわかない」という話をしていて、あれだけ圧倒的に速くても、そういうものなんだなってちょっと意外に思いました。

なにはともあれ、素晴らしい走りでした。
ブリジストンの窪木一茂選手、おめでとうございます!!

現場で、張り出されていたリザルドがこちら。

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ブリジストンが二人でワンツーだったのを見て、やっぱりトラック競技が速くなると、ロードレース競技も速くなるっていうオーストラリアのやり方は正しいんだなあ、とか、そんなことを考えていました。


遠くまで行って、猛暑の中で、生命の危機と戦いながら(主に水の確保的な意味で)見ていた全日本タイムトライアルでしたが、前年のチャンピオンである元選手の西薗さんの飛び入り解説を聴きながら観戦できたのは、個人的にとっても嬉しかったです。
タイムトライアルスペシャリストの生解説つきのタイムトライアル観戦なんてレアな体験なかなかできることではないので、それだけでも行ってよかったと思うくらいには、貴重な体験でした。


まあ、そんなこんなで。
こういう、一観戦者から見た全日本タイムトライアル、という内容に果たして需要があるのかわかりませんが、とにかく現場にめちゃくちゃお客さん少なかったので!私が書かなかったら、たぶん誰も感想文とか書く人いないだろうなって勝手に思ったので、こういう形で書きました!



それと。
まったくもって趣旨からはずれるのですが。


会場に、突如ふらりと現れた、グランツールなどで活躍されているフォトグラファーの砂田弓弦さんのレース現場での立ち居振る舞いが、なんだかとってもかっこよかったことを、最後に書いておきます!!

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砂田さんのホームページみたら、男子エリートの選手の写真、ものすっごくかっこよくて迫力あるのがいっぱいあるので、見たほうがいいと思いますよ!!

おわり!

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