コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2017 第18ステージ

今日は、昨日ほど厳しくはないけど、規模の大きなアップダウンなステージです。
逃げ切り勝利が狙える日とのことで、20人の大きな逃げ集団ができました。
メイン集団も、逃げ切り容認。
比較的落ち着いた状態でレースが進んでいきます。


メイン集団で大きく動きがあったのは、残り37kmくらいから。
先頭は三つ目の山岳、2級山岳を攻略中。
メイン集団は、その一つ手前の山岳の下りの、真っ最中。
ここでルイスレオンがアタックし、続いてアル、そんでもってコンタドールも来ました!マイケル・ウッズも姿を見せます。

その中からアルが飛び出します。

コンタドールたちは、スピードをあげたメイン集団に取り込まれてしまうのですが、アルだけが抜け出したまま、アルが独走になります。


先頭では、20人の逃げ集団の中から2人が飛び出します。
アーゼードゥーゼルのアレクシー・グジャール、そして、ロット・ソウダルのサンダー・アルメ。


残り28km。
メイン集団で、コンタドールがまたアタック!
アスタナのロペスモレーノが付いてくる!
ちょっと前に先にアタックをしかけていた、ルイスレオンやデラクルスに合流!
が、また、スカイの吸収。
うーむ。本日のスカイ、鉄壁モードです。
取り付く島もない。


一方、先頭は5人に増えました。
クイックステップのアラフィリップ、サンダー・アルメ、アレクシー・グジャール、モビスターのソレル、アスタナのルツェンコ。


残り22km
メイン集団でまた、コンタドールがアタック!
ロペスモレーノ、ウッズ、ザカリン、クライスバイク、ケルデルマン、そしてフルームが自らおいかけるけど、またスカイのモズコンが先頭にでてストップをかける……。

ぬう!スカイ、強し!


残り15km。
逃げ集団に、さらにモビスターのロハスバーレーンメリダヴィスコンティが合流。
合計8人の逃げ集団。
でもそこから、アルメが繰り返しアタックをかけます。

その猛攻に翻弄され、気がつけば、先頭は3人。
アルメ、ルツェンコ、アラフィリップ。

ただ、残り4kmでアルメとルツェンコにアラフィリップがついていけず、先頭は2人に!

そのまま2人で行きますが、まあどんどんどんどん牽制モード。きつい勾配の登りなのもあって、お互いの調子を探りながらの失速。
後ろを気にしつつ、残り1kmのゲートをくぐる二人。

あ、ヴィスコンティが後ろにちらちら見え始めました。


残り750m。
ここでアルメが踏む!腰をあげて踏む!ルツェンコは踏めない!
ひと踏みごとに、差がついていく!

後ろを何度も振り返り、つつ、ルツェンコが見えないのにまだ腰をあげて踏み続けるアルメ。

そして、最後のカーブを曲がり終えて、ようやく腰を下ろします。
もっちろん笑顔!
そして、胸のファスナーをあげ……あ、がらない。
諦めて、右手を「へーい!」と軽くあげて、片手を投げ出すような一瞬のガッツポーズ!

ロット・ソウダルのサンダー・アルメ、ステージ優勝!!

2位はアスタナのルツェンコ。
3位は後ろから追い上げていたバーレーンメリダヴィスコンティ



一方総合勢。10分くらい後ろにいます。
まだアルは一人。
すごいな、あれからずっと一人でずっとメイン集団に追いつかれずに走ってたんだ。


けれど、ゴールが近づくにつれ、メイン集団でスカイががんがんあげてきます。
アルがゴールまで残り1kmになったあたりで、アルまでのタイム差が55秒を切り出しました。

そして、ポエルスが一気に加速してから、フルームがアタック!
ぴったりついていくコンタドール!ウッズも続きます。
ちょっとあいて、ケルデルマン、ザカリンも追いかけます。
でもここでニバリが遅れた!

メイン集団、残り1km。
今度はコンタドールが先頭にたちます!

そうこうしているうちに、アルがゴール!
その直後、ゴール地点に姿を見せるコンタドールグループ!こんな近くまで迫ってた!?

アルから12秒遅れて、コンタドール、ウッズ、フルームがゴール。
4秒おいて、ケルデルマン、ザカリン。

二バリはフルームから21秒送れてのゴール!


そんなわけで、総合順位は変わらず、1位がスカイのフルーム。
2位が1分37秒差でバーレーンメリダの二バリ。
3位が2分17秒差でサンウェブのケルデルマン。
4位が2分20秒差で、カチューシャ・アルペシンのザカリン。
5位が3分34秒差のトレック・セガフレードアルベルト・コンタドール


毎日毎日、あっちこっち不調の選手が入れ替わります。
順位は変わらずとも、総合のタイム差はいったりきたりです。


あしたは、全体的にみるとだんだん降ってるステージです。

最初に1級があって、そもあと3つ3級山岳があって、くだってゴール。ただ、中継がはじまるころには、1級は終わってるかも。

残り3ステージ、楽しみましょう!
……明日は、コンタドール、どこでアタックするのかな?(どきどき)

ブエルタ2017の第17ステージはすごかった。

昨日、ラストの超級山岳上り始めの時点で寝落ちしてしまって、残り3kmくらいで目がさめて、コンタドールのアタックがみられなかったのだけれど、でもどうしても、どうしても、どうしても書きたいから遅れても昨日のレースのこと書く!!概要だけでも、自分のためにも書く!


昨日は、超級山岳がラストにあるステージで、最大勾配が28パーセントという、言葉をきいただけでどきどきするステージでした。

逃げは6人。
アラフィリップ、ヴィレッラ、デマルキ、モレーノ、コルトニールセン、そしてプロコンチームから唯一入ったアクアブルー・スポーツのデニフルでした。
ヴィレッラは山岳ポイント狙いの逃げ。
残りの選手は、ステージか、もしくはコルトニールセンは前待ちか、という感じ。


2級山岳山頂は、ヴィレッラがとったものの、そこがものすごい霧!!
数メートル先が見えない視界不良の中、ヴィレッラは遅れ気味になり、逃げ集団は5人になります。
メイン集団では、今大会は1週目からそこそこ調子のいい、バーレーンメリダのニバリが下りで飛び出します!

先が見えなくても飛び出すニバリ!さすが!すごい!かっこいい!
でも、下りが終わって結局メイン集団に吸収されます。
そしてこの霧の中、遅れてしまったのが、ボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカ!
下り終わってから、チームメイトに連れられメイン集団に戻りますが、ラストの超級山岳ポイント狙うには、ちょっと足を使ってしまった感があります。


そして、最後の超級山岳へののぼりで、逃げ集団は、デニフルが単独先頭にたち、一緒に逃げていた4人は順々に遅れていきます。


一方のメイン集団では、まずはオリカ・スコットがアタック!
エースのチャベスを連れて、アダム・イェーツが飛びした!

何人かここに続きますが、でも結局、メイン集団に吸収されます。

そして、満を持して飛び出したのは、今回のブエルタ絶好調!すでにステージを2勝している、アスタナのミゲル・アンヘル・ロペスモレーノ!!

そして!
やっぱり来た!
このステージも来た!
絶対に来ると信じてた!!!

トレック・セガフレードアルベルト・コンタドール!!
ロペスモレーノに続いて飛び出していきます!


けれど、ロペスモレーノがちょっと失速。
するとコンタドール
そのまま一人で、怒涛の勢いで、超級山岳を上っていくのです!!


これ!!ねえ!!28パーセント!!



そして、コンタドールの勢いに続けとばかり、メイン集団からは、ニバリ、カチューシャのザカリン、サンウェブのケルデルマン、キャノンデールのウッズなどがぞくぞくと前に飛び出し、追走集団形成!!
総合2位以下の猛攻!

でも、動かないスカイ。動けないスカイ。
いつもならここらへんから動いてもおかしくないフルームが動きません!

フルームが!
バットデイ?!!


どんどん先頭に迫るコンタドール
逃げるデニフル!
スピードをあげるニバリグループ!
アシストを信じて耐えるフルーム!

そして……ゴールに現れたのは……。

デニフル!!


アクアブルー・スポーツ、ステファン・デニフル、グランツール初ステージ優勝!!

2位がコンタドール!!28秒差!!
惜しかった。でも本当に素晴らしい走りだった!!

3位から6位がデニフルから1分4秒遅れて、ロペスモレーノ、ニバリ、ザカリン、マイカ。

その後もぞくぞくとゴールして、フルームは1分46秒遅れのゴール。


総合順位は1位から6位まで変わらなかったんだけど、一気にタイム差が縮まってきました。


嗚呼、思い起こしても素晴らしいレースだった!
ブエルタってこんなに、こんなに面白かったんだっていうくらい、毎日毎日面白い!!
終わってほしくない!


ただ!マジでスペインの時差はきつい!!!
がむばる!!

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2017 第16ステージ

今日は個人タイムトライアルです。
フルームの得意種目ですが、コンタドールだって二バリだって、決して苦手ではありません。

総合上位の選手が走りだす前の段階で、暫定1位はエフデジのルドヴィクソンでした。
ゴール後、思わず倒れ込んでしまうほど追い込んでいました。
でも倒れ込んで横目でカメラを見ている映像が、なんか妙にキマってました。
認めましょう。かっこいいです。


そんな全力のルドヴィクソンのタイムを、現在総合9位のコンタドールが抜いていきます!
第1中間計測で、ルドヴィクソンを5秒上回り、1位通過!

しかし、そのあとからやって来た、現在総合4位のサンウェブのケルデルマンがものすごいスピードで第1計測を通過し、コンタドールのタイムを一気に18秒上回ります。
そのあとからやってきた、総合3位のザカリンは、コンタドールとケルデルマンの間、コンタドールよりも2秒はやいタイム。
フルームは、コンタドールよりも5秒遅れる4位通過のタイムで、第1中間計測ポイントを通過していきます。
反面、総合8位のマイケル・ウッズや総合5位のチャベスはあっという間にタイムを落としていきました。

これは……今日1日でまた大きく総合順位の入れ替えがありそうです。


第2中間計測、またもやコンタドールが1位通過のタイムをたたきだします!
しかし、注目のケルデルマン、なんとこのタイムを27秒も縮めて通過していきます!
ちなみにチャベスはケルデルマンにすでに抜かれていて、この第2週間計測ポイントで、2分46秒ケルデルマンから遅れています。
ザカリンは、またもやケルデルマンとコンタドールとの間、ケルデルマンから19秒遅れの2位通過です。
二バリは31秒遅れ。ルドヴィクソンとおんなじで、コンタドールよりも4秒遅いタイムです。
ケルデルマン強い。
けれど、なんとフルームが、このケルデルマンのとってもすごいタイムを、さらに7秒更新します。
フルーム……速すぎる……。
背中がほとんど動かないのに、足がくるくるまわっている。


そうこうしているうちに、コンタドールがゴール地点にやってきます。
競技生活最後のタイムトライアル、フィニッシュです!
トレック・セガフレードアルベルト・コンタドール、ルドヴィクソンのタイムを、8秒更新!!暫定ステージ1位に躍り出ます!

その次にゴールした、キャノンデール・ドラパックのマイケル・ウッズはコンタドールより2分41秒遅れてのゴールです。
総合7位のアスタナのファビオ・アルは、コンタドールよりも2分4秒遅れて、同じくアスタナで、総合6位のロペスモレーノのタイムは、コンタドールより1分35秒遅いタイム。

この時点で、コンタドール、今日のタイムトライアルでこの3人を一気に抜きました!


そしてやってくるのは、爆走中の、サンウェブ、ウィルコ・ケルデルマン。
30秒コンタドールのタイムを更新し、暫定1位に躍り出ます!!
コンタドールもすごくはやかったけど、30秒って。30秒って……!

次にゴールに来たオリカ・スコットのチャベスは、ケルデルマンより3分32秒遅れてのゴールになります。かなり今日でタイムを落としました……。
そのまた次にフィニッシュしたカチューシャ・アルペシンのイルヌール・ザカリンは、ケルデルマンから30秒遅れてのゴール!!コンタドールとほぼ同タイムです。

続いてやってくるバーレーンメリダのヴィンセント・二バリ!
ケルデルマンより28秒遅れてのゴール!
おお!コンタドールとザカリンのタイムを抜いて、暫定2位!
ここまでずっとコンタドールより遅かったのに、後半にタイムを縮めて来ました!


さあ、残すはスカイのクリス・フルームのみ……!!
……って思ってたら、もう来た!?すぐゴールに来た!なにこれはやい!!


フルーム、ケルデルマンのタイムを29秒更新してのゴール!

なんということ!
チーム・スカイのクリス・フルーム、ステージ優勝!!
なんっっってつよい!なんっっってはやい!!
今大会2勝目です。

もちろんフルームがTT強いのはわかってましたけど、二バリやコンタドールだってそこそこTT強いのに、今日1日で1分近い差をつけてきました。


そして、今日の結果をうけての総合順位!
もうなんかずっとこれを書いているね!チーム・スカイのクリス・フルームが1総合位!
2位は、バーレーンメリダのヴィンセント・二バリで1分58秒差。
3位は、サンウェブのウェリコ・ケルデルマン。2分40秒差です。
4位は、今日ケルデルマンに総合タイムで抜かされてしまったカチューシャ・アルペシンのイルヌール・ザカリンで3分7秒差。
そして、トレック・セガフレードアルベルト・コンタドールが、フルームと4分58秒差の総合5位にあがってきました!

ちなみに、複合賞とポイント賞もフルーム。
山岳賞のみ、キャノンデール・ドラパックのダヴィデ・ヴィレッラが死守しています。


……コンタドール、最初あんなに遅れちゃったのに、どんどん、着実に順位をあげてきています。
「諦めない」って言って、毎日挑戦しつづけて、アタック失敗しちゃうこともあっても、少しずつ結果を出してきている。
もはやかっこよすぎて、どうしていいかわからない。


あとは。あとは。
なんとか、バキュンポーズを……どうか……!

渡良瀬タイムトライアルレース2017を見に行った

アーガイルってワニの種類だと思っていたコロロンですこんばんは。
クロコダイルの親戚で、緑色のワニなんだろうなって思ってました。


それはともかく。
2017年9月3日、栃木県の渡良瀬タイムトライアルレースを見に行きました!

これは、Jプロツアーの中の一戦なのだそうです。
国内レースのしくみは難しくて、私もまだあんまりよくわかってないのですけれど、国内レースにはJプロツアーっていうシリーズ戦みたいのがあって、年間通してたくさんレースがあり、各レースでの獲得ポイントを積み重ねていって年間チャンピオンとかが決まる、みたいです。
で、これはその中の1戦で、Jプロツアーのタイムトライアルチャンピオンを決めるレース、みたいです。たぶん。めいびー。おそらく。きっと。(←本当に書いている内容に自信がない)


去年見に行った湾岸クリテリウムはこのJプロツアーの中のレースだったらしいのですが、ただあのレースを見に行ったのは、もともとドリームマッチっていう栗村さんとかが走るお祭りレース目当てで、レース自体は決勝まで見ていなかったので、実質今日が初めてのJプロツアー観戦でした。

藤岡駅から無料のシャトルバスに乗り、12時前くらいに渡良瀬の会場にたどり着いたのですが、つくと同時に思わず呆然。


広い。
広すぎて、どこが目的地なのかよくわからない。


湾岸クリテのときみたいに、遠くからプロトンが見つかってそっちに向かって走っていけばいいわけでもなく、ツール・ド・栃木のゴール地点みたいに、ででんっとモニターがあるわけでもない。

えっと。
……どこにいけばいいんだろう?

同時開催で、わたフェスってイベントもやっていたので、ただでさえ会場の渡良瀬遊水池って広いのですが、会場の使い方が豪快でした。
とりあえず、あたりをうろうろして、スタート地点は見つけたものの、さて。

……観戦ポイントがわからん。
スタート地点近辺で探した方がいいのかな?もうちょっと先に行った方がいいのかな。
そもそも、コースがわからない。
スマホで公式ホームページにあるコースマップにアクセスするものの、レース参加者や関係者用マップらしく、見方がわかりません。

あれー?自転車動線って、これが走る動線ってことだよね?ってことはこれがコース……。
でもなんで、立哨員の立つ場所、全然違うとこに丸がついているんだ?

わからないので、早々に諦めました。
もういいや。コースはいいや。そうとも。せっかく会場に来たんだ。
今見えているものだけが全て!!
とりあえず、スタート地点から、道に沿って歩いてみて、見るとこ決めよう。


レース開始は1時半だったので、時間に余裕があったためまたてくてくとあちこちを回ってやきそばとか買って食べてました。
チームカーとかが草原のど真ん中にとまってて、アップをはじめている選手とかがいました。
上半身はだかの選手が多かったです。
近づくのは難易度が高かったので、遠くからチラ見してました。


何人か、「プロ観戦者への道」でお世話になっているレース観戦の先輩たちと会場でお会いすることができ、観戦のアドバイスをもらった結果、結論として本日のタイムトライアルレースは
「実況が聞ける場所ならどこで見てもあんまり変わらない」
という認識になったので、最初の数名だけスタートの様子をみてから、あとはコース沿いに歩いて行って、適当な木陰で見晴らしのいい場所を探して、レース中盤からはそこから見ていました。


1周約5.3kmのコースを、3周するレースだったのですが、1周7分台で走る選手が多い中、12番目に走った宇都宮ブリッツェン阿部嵩之選手が、その時点で暫定トップにたちます。
タイムは、20分12秒。
阿部選手は、走っている間は「しんっけんっ!」って感じだったのですが、フィニッシュ地点を過ぎて自転車を漕ぐのをやめた状態でスピードが落ちてからの表情が、ものすっごく苦しそうでした。

各選手は1分30秒の間を空けて走っていくのですが、20番目の選手が過ぎてから、21番目の選手までは、5分30秒間があきます。
始まる前は、「ここできっかり次のセクション!みたいになるのかな」って思っていましたが、実際に観戦してると、あんまりインターバルは意識しませんでした。
不思議。

21番目の走行者が、先日イベントでトークを聞いた増田選手だったので、「よーし、『増田さーん!』って応援するぞ」って思ってかまえていました。
そしていよいよ増田選手がスタートします。
一瞬で目の前に現れる赤いウェア。
あれがそうだ!
応援の声をあげようと、アイウェア越しのその顔をふと見た瞬間。
完全にその気迫に呑まれました。
こないだ帰り際に握手をしてくれて「レース見に来てくださいね」と声をかけてくれた、気のいい優しそうなお兄さんはどこにもいませんでした。
触れれば切り裂かれそうな、細く鋭い緊張感。

あれは、誰……?

これが、エースの気迫なのだって思いました。
2周目以降は、ものすっっごく小さな声で「ますださーん」って応援しました。
絶対に聞こえなかったと思うけど、あれ以上声出せなかった。

増田選手は、20分13秒で、暫定2位になります。
ちょうどこのタイミングで、東京から持参していた500mのペットボトルがなくなったので、出店に飲み物を買いに行くため、一旦観戦場所を離れました。
食べ物エリアに向かうところで、道の反対側から、チームバスへと戻る増田選手が自転車に乗ったまま戻って来ていました。
気のいい優しそうなお兄さんに戻っていました。
「お疲れ様です!」とか言いたかったけど、まださっきのショックが残っていて声が出ず、すれ違いざま立ち止まり、無言で拍手してその後ろ姿を見送りました。
たぶん、私は怪しい人になっていたと思います。

出店は、ほとんどのものが売り切れで、なんとかペットボトルのお茶をゲットし、もう一度観戦場所に戻りました。
まだ、暫定1位の阿部選手のタイムを上回る選手は現れません。
そして、時計が14時50分を過ぎたころ、あの選手が現れます。

2014年全日本サイクルロードレースノンフィクション書籍
佐藤 喬『エスケープ』
エスケープ 2014年全日本選手権ロードレース
その主人公と言っても、決して過言ではないでしょう。
マトリックス・パワータグ、佐野淳哉選手!!

エスケープを読んでから、佐野選手の走っているレースを見るのは初めてだったので、「佐野さんだ!本に出て来た、あの佐野さんが走るんだ!」っていう気持ちでした。
わくわくして待っていると、スタートした佐野選手が見えました。
走る前に、チームバスのところにいた佐野選手もお見かけしていたのですが、そのときよりも、ふた回りくらい大きく見えます。
ものすごい威圧感。
増田選手から受けた気迫を、細い日本刀のようなと例えるならば、佐野選手の走りが持つそれは、どっちかっていうと大砲とか、巨大なボーリングの玉が襲って来たようなそんなイメージです。
ぜったいによけられない。全方位的な、迫力。
うまく言えないけど「生き物として絶対にかなわない」っていう本能的な感覚がありました。
絶対に強い。

これまた応援するのを忘れて一瞬で去って行く佐野選手を見送りながら、思わず「はやい……」と声が漏れました。
実況で流れてくる佐野選手のタイムも、暫定1位の阿部選手や2位の増田選手と同等くらいのいいペース。
そして3周目で強烈な速さで追い上げ、最終的なタイムは20分00秒!はっや!!
暫定1位が、佐野さんになります。

次に気になるのが、現全日本TTチャンピオンの、ブリジストンアンカーの⻄薗良太選手!
西薗選手の走りは、迫力とか勢いじゃなくて、とにかくひたすら「きれいで速い」。
ものすごく美味しいラーメンとか食べた時に、何も思わずあっという間に食べちゃって、「あれ?もうない……あ。美味しかった」ってあとから気づくことがあったりするじゃないですか?
そんな感じで、さっと現れて、さっと横を過ぎ、さっといなくなって「……え、もう?……はやい」って感じでした。

正直観戦中の印象だと、西薗選手と佐野選手と、どっちがはやいかわからなかったです。
そして、西薗選手の計測結果。20分9秒!暫定2位!佐野選手が1位をキープ!

西薗選手が走り終わったときには、もう全ての選手が走り出していたので、各選手の1周目の走りを見て「ああ、これは佐野選手が勝ったんだ」って80パーセントくらいの感覚で思いました。
最後の選手の3周目まで見送ってから、折りたたみ椅子をしまって、表彰会場へと向かっていたのですが、ちょうどその途中、マトリックスのチームカーが見えた位置で、全選手が走り終え、佐野選手の優勝が決まりました。
佐野選手はマトリックスのチームカーのところにいて、決まった瞬間とっても喜んでいる様子が見えました。


ああそっか。
私はさっき、もう佐野選手の優勝は確実だって思ったけど、今が、優勝が決まった瞬間なんだ。
私は今、優勝した瞬間の、選手の喜びを生で見たんだ。

胸がいっぱいになりました。


そのあと、すぐに表彰式の場所に移動しました。

やがて、表彰が始まります。
3位の選手から順に名前を呼ばれて壇上に上がり、賞状は優勝した選手から順に受け取っていました。
佐野選手は、賞状を受け取る前に、このDVDを足元にセットしていました。

いそいそとDVDをマイクスタンドに立てかけている姿は、走っていたときの鈍器のような迫力は微塵もなくて、なんだか改めて「選手の集中力ってものすごいんだな……」というようなことを思いました。
とにもかくにも、圧巻の走りでした。素晴らしかった。

最後、表彰台の選手たちの写真をとったら、周りのカメラのフラッシュの影響で偶然佐野選手だけ、ピンスポあたったみたいに輝いてました。
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最後まで輝いていた佐野選手。
おめでとうございます!

表彰式がおわったのが、16時過ぎて、最終バスの集合時間が16:15だったので、がんばったら間に合ったのですけれど、天気もよかったのでそこから最寄駅まで4km歩いて帰りました。
行くのは結構大変な渡良瀬タイムトライアルだったけど、見に行ってよかったなって思いました。



そうそう。
今回、観戦に際して、本当にめっちゃくちゃ役に立ったものがありました。

これ、スプレータイプの日焼け止めなんですけど、虫が苦手な天然アロマ精油が配合されているので、しっかりと使ったら本当に虫に刺されなかった!!そして日焼けしなかった!!
近くに寄って来た芋虫が、私がこれを自分の手足に使ってたら逃げてったもん。

私、実は、TOJを見に行ったときに、日焼けがひどくて火傷になって水ぶくれができて観戦の数日後病院に行ったので、観戦時の日焼け対策は必須なんです。
これは、日焼けどめと虫除けスプレーがこれ一本で済むので、外でじっと選手がくるのを待つロードレース観戦には、かなり便利だと思います。
おすすめ。


まあそんなこんなで!
次のレース観戦は、いよいよジャパンカップの予定です!
楽しみです!

でもあと一週間でブエルタが終わっちゃいます。
コンタドールのアタックが見られるのも、あと一週間です。
あ、もう、泣きそう……。

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2017 第14ステージ

今日は、クレッシェンドみたいなステージで、3級、2級とわかりやすく段々険しい山を登っていき、最後は超級山岳で終わるステージです。
つまり、総合勢のばぁっちばちの戦いの日!!

わーわー。

二日前の12ステージで、コンタドールが残り20km地点くらいからしかけたアタックとフルームの2回の落車でくっと総合争いのタイム差が縮まってましたけど、今日はきっとそれ以上にタイム差や順位に変動があるはず!

なので、今日の逃げは本気逃げではない、と思っていたのですが、できた10人の逃げ集団、けっこうメンバーが豪華です。
山岳賞狙いのキャノンデールダヴィデ・ヴィレッラやサイモン・クラークは山岳ポイント狙いなのでまあ来るだろうという予測のうちなのですが、ボーラ・ハンスグローエのエース、ラファウ・マイカや、UAEルイ・コスタとかが入っています。マイカはタイム的には総合争いは実質諦めているはずなので、たぶんステージ狙いです。
んーむ。でも前々から各エース選手「週末は総合争い」って名言してたから、正直かなり厳しいのでは、という印象です。


3級山岳を終え、2級山岳山頂へと向かっていく中、逃げ集団もメイン集団も速度があがっていき、逃げ集団の中でヴィレッラが2級山岳をトップ通過するときには、逃げはたった5人になっていました。

残った5名はこちら。
キャノンデール・ドラパックのダヴィデ・ヴィレッラ。
ボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカと、パトリック・コンラート。
ロット・ソウダルのバルト・デクレルク。
UAEエミレーツルイ・コスタ

残り17.5km地点で、先頭5名とメイン集団との差は約1分55秒です。
……山岳ステージは、タイム差の考えかたが、よくわかりません。
これが例えば8分とか開いてたら、「逃げ切りだ」って思うのだけれど、2分……。捕まりそうなタイムだと思うのだけれど……。


残り12km。
先頭とメイン集団とのタイム差は1分45秒です。
先頭集団が最後の超級山岳へと入っていきました!ヴィレッラが脱落し、先頭集団は4人になります。
自分で書いていてなんだけど、12km登り続けるんだ……。

残り10.5km。
コンラートが仕事を終えて離れます。
これで先頭の逃げは3人になりました!
さらに500mくらい行ったところで、マイカが一人抜け出しました!コスタとデクレルクはじわじわ引き離されていきます。
メイン集団とのタイム差は、1分18秒。

残り9km。
先頭はマイカ。
約20秒遅れて、ルイ・コスタ。ちょっと後ろにデクレルク。
メイン集団は、マイカから1分36秒くらい後ろです。
メイン集団は、ルイスレオン・サンチェスが引いています。
しかし、そこから1kmくらいすすむと、マイカとメイン集団とのタイム差開き始めます。タイム差1分45秒。
マイカから23秒遅れてコスタで、その約10秒くらい後ろにデクレルクです。


残り7km。
マイカ、後ろのコスタとは38秒差。3番手のデクレルクは55秒差。メイン集団とは1分33秒差です。
ルイスレオンは役目を終えて、メイン集団の先頭は別のアスタナの選手になっています。
ただ、アルは集団の後方にいます。ちょっとついていくのが苦しそう。妙にダンシングが多い気がします。
アルがこの状態で、ガンガン先頭引くってことは、もうアスタナのエースはアルじゃないのか……?


残り5.4km。
前から3番目を走っていたデクレルク、メイン集団に吸収されました。
マイカとメイン集団とのタイム差は1分22秒。
ああ、やっぱりじわじわと迫り出した……!

と、ちょっとメイン集団の牽引が、スカイにかわりました!ポエルスとニエベ参上!三番目がフルームで、その動向を真後ろで二バリが見張っています。


残り4.2km。
ついにルイ・コスタもメイン集団に吸収されました。
これで、メイン集団の前に残っているのはマイカのみ。タイム差は未だ1分22秒くらい。

と、ここでメイン集団でアタックが……!
アーゼードゥーゼルのエースであるバルデ!総合争いが難しくて、でも山岳超強い、マイカと同じような条件の選手、まだバルデが残っていた!モビスターのリカルド・アンドニオ・カラバスがついています。

と、ちょっと遅れてまたメイン集団から飛び出した選手が現れた!現在総合3位、オリカ・スコットのエステバン・チャベス
スカイは静観。ああ!総合5位のデラクルスがメイン集団から遅れはじめた!!

すると、チャベスに続き、今度はコンタドールもバルデたちのグループへやってきます。
きたー!コンタドールきたー!あ、二バリもきたー!よし!面白いメンバーが集まったぞ!
と思ったところで、残念ながら、バルデはここから遅れメイン集団に吸収されていきます。


先頭はマイカ。
1分離れて、チャベスコンタドール、二バリ、カラパス。
ちょっと離れて、スカイ率いるメイン集団。しかし、もう10人くらいしか残っていない感じです。


残り3km。
先頭のマイカから45秒遅れて、4人の追走集団の中でさらにアタックした二バリと、それについていったコンタドール
ニバリたちから8秒後ろに、置いていかれたチャベスとカラパス。
さらに10秒遅れてメイン集団。こちらはスカイのポエルスが引いています。
先ほどのデラクルスに続き、今度はアルとマイケル・ウッズもメイン集団から遅れ出します!

残り2.6km。チャベスとカラパスがメイン集団に吸収されました。
そしてポエルスが仕事を終え、フルーム自らでます!
残っていたメイン手段の中から、アスタナのロペスモレーノだけがついていく。
後ろの動きを察した二バリとコンタドール。速度をあげます。

残り2.2km。
フルームとロペスモレーノが、ニバリたちのところに追いついてきました!
するとすぐさまカウンター攻撃に出たのは、アスタナのロペスモレーノ!
すかさずコンタドール、二バリ、フルームの順にチェックに入ります。


残り1.9km。
マイカが先頭。
でも42秒後ろに、フルームたが追いついてきました。
フルームのところに、サンウェブのケルデルマン、チャベス、そしてカチューシャ・アルペシンのザカリンも追いついてきています。

けれどここでまた、メイン集団からロペスモレーノがアタック!!
速っ!!一気に引き離した!コンタドールが追おうとしますが、牽制が入ってぐっと追走速度が遅くなります。


残り1km。
マイカとロペスモレーノとのタイム差は、約34秒。
メイン集団は、ロペスモレーノからさらに約20秒後ろです。


残り500m。
メイン集団で、フルーム、二バリ、コンタドールがアタック!
ケルデルマンとザカリンが遅れてついていきます。チャベスどこいった!?


ただマイカはこの隙にゴール!
独走勝利!!ボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカ!
見事でした!今日のこのステージで、逃げ切り勝利決めるとは思わなかった!
余裕のある走り!

マイカから27秒遅れて、アスタナのミゲル・アンヘル・ロペスモレーノがゴールです!
ロペスモレーノ、ラストのアタックが本当に速くて強くてびっくりしました。

マイカから31秒遅れてニバリ、フルーム、ザカリン、ケルデルマンがやってきて、コンタドールがちょっと遅れて、さらに6秒後ろでゴールしました。
それから9秒遅れてスカイのポエルス。
次にやってきたチャベスは、マイカから57秒遅れてゴール。アルはさらに6秒遅れ。その後ろから10秒遅れてウッズもゴールです。
デラクルスは15位で、マイカから1分19秒遅れてのゴールでした。

インタビューに答えるマイカ、すっごく嬉しそうでした。
ポーランド勢大活躍なブエルタです。


さあ、それでは総合順位!!
1位は、もうずっと変わってないですね。スカイのクリス・フルームです。
2位は、55秒遅れのバーレーンメリダのヴィンセント・ニバリ。
3位はサンウェブのウィルコ・ケルデルマン。フルームからは、2分17秒遅れています。
その8秒後ろが、4位のカチューシャ・アスペシンのイルヌール・ザカリン。
さらに14秒遅れて5位が、オリカ・スコットのエステバン・チャベスです。
コンタドールは、現在8位。フルームからは、3分19秒遅れです。

動いたな!という印象。でもやっぱりフルームは安定している。

他のジャージも動きはなく、複合賞はフルーム、ポイント賞はクイックステップ・フロアーズのマッテオ・トレンティン。
そして山岳賞は今日がんばって逃げていたキャノンデール・ドラパックのダヴィデ・ヴィレッラになりました。
ただ、マイカが今日超級のポイントを一気にとって、山岳賞争いの第2位に上がってきたので、山岳賞はこれからどうなるのか、今後の見どころの一つになりそうです。

明日も、険しい山頂ゴールなので、総合が大きく動く一日になりそうです。
山頂ゴールは夜遅くなるのが難点だな。でもまあ、楽しみだから仕方ない!


さてさて。余談。
ブエルタ真っ最中ですが、私は明日国内レースを見にいく予定です。
栃木の渡良瀬っていうところで、Jプロツアーの個人タイムトライアルレースをやるのですが、先日「プロ観戦者への道」のトークイベントに来てくれた、増田選手の復帰戦なのですね。
せっかく関東だし、そういえばちゃんとしたタイムトライアルレースを今まで見たことなかったので、いい機会だと思ったのでいくことにしました!

なんか同日同じ場所で行われるイベントで、抽選でスカイダイビングができるイベントとかもあるらしく、「きゃー!レース見て空を飛べるなんてなんていい場所なの、渡良瀬!」とか思ったけど、でもちょうどレースの時間とかぶるので無理だった。ざんねん。


Jプロツアーを見に、遠出するのは初めてかな。実況とか解説とかあるのだろうか。出店とかもあるといいのだけれど。
わからないことだらけなのですが、せめて「道に迷って見られなかった」とかいうことにはならないように、がんばりたいと思います。

それでは、おやすみなさい。

天に運を任せてみたこと。

9月1日の昼12時過ぎ。
久方ぶりに、暑さがやわらいだ日差しの中。
オフィスビルが立ち並ぶ一角に、ひっそりと佇む郵便局の前で、私は緊張に震えていた。

本当に、本当にいいのかと、自問自答を繰り返す。
なにを今更、自分で決めたことではないか、と、頭の中で声がする。
ああ、確かに、と思う。
もう一度考え直せと、できるわけがないだろうと、また別の声が聞こえる。
ああ、そうだろうな、と思う。
せめぎ合う感情。
終わりを見せない葛藤の中、揺らぐ並木道の木漏れ日に、ふと心が決まった。
最後まで、最後の最後まで、天に運を任せてみようと。

ささやかな可能性にかけて、それでもしそれが叶ったなら、それが天命なのだ……。
一歩踏み出す。自動ドアが開いた。
目の前には、1台のATM。
私は、そっと己の財布に手を伸ばした。


そしてあくる日、無事、ホームページ上に己の名前を見つけたのだ。


そんなわけで。
私、コロロン。

ジャパンカップサイクルロードレース、フリーラン走行にエントリーいたしました!!!




……………………。

ああああああああ!!!どうしようどうしよう!まじで申し込みしちゃったよ!!
クロスバイクなんて浮くに決まってるのに!古賀志の坂なんて、あんなんどうやったって登れるわけ、登れるわけ……!!!

フリーランというのは、その名の通り、ジャパンカップサイクルロードレースの前日に、出場選手と一緒に実際のコースを1周走ってみよう、というイベントです。
去年とかから「いいなー、いいなー、私も選手と一緒に走って見たいなー」って思っていたし、各自転車ニュースサイトで出ている記事とか読んで、「来年は私もいくぞ!」とか思っていたの。いたの!!
でも、今年の美ら島オキナワセンチュリーランで、結局ロングライド初心者向けの100kmコースがクリアできなかったし、険しい坂のとこは足ついちゃったりしたから、己の脚力のなさ痛感してしまったのですよ。
だから、正直、かなり無謀だということを知ってしまった。
きっとあっという間に回収車に拾われてしまうんだ。
そんで、いろんな人に「あの子、何をしに来たんだろう」って首を傾げられて、ひとりさみしく回収車の中で体育すわりしながら、そっと窓ガラス越しに選手の姿や他のフリーラン参加者を眺めて涙することになるんだ、なにこの悲しい未来予想図!


ただ、ワールドチームの選手と一緒に走れる機会なんて、ジャパンカップのフリーランくらいしかないじゃないですか。
だから簡単に「やーめた」って言い切れない自分がいて、「走りたい」って気持ちと、「無謀だやめとけ」って気持ちがずっと私の中で終わらぬ戦いを繰り広げていたのです。
その結局、私が出した結論がこちら。


「……よし。最終日に申し込もう!!」


こんな中途半端にうだうだ悩んでいる私よりも、もっとこのイベントを楽しみにしていて、「やったるぞー!」と普段から足を鍛えているロードバイク乗りがたくさん全国にはいるはずだ。
その人たちを差し置いて、脚力もなくロードバイクも持っていなくて勇気もなくビビりな私が先んじて申し込みなんぞして、どうしても選手と一緒にジャパンカップのコースを走りたい全国のロードレースファンから、出場枠を奪うわけにはいかない!!
でも、出たい気持ちがないわけじゃない!
そんなら、申し込みが先着順ということを踏まえて、最終日のギリギリのギリにまだ申し込みが可能だったら、そこで申し込んでみよう!
申し込んで、お金を払ったあと、「もう定員オーバーです」ってお金かえってきたら、それはそれでもういいじゃないか!
そうとも!参加するか否か、自分で決めようと思うから決められないんだ!

運を天に任せるんだ!!!



本当にこのノリで、申し込み最終日にエントリーしてお金を振り込んだ結果。
無事、エントリーが完了したことを、先ほど確認いたしました。


っていうか定員われていたよ!!
びっくりだよ!!
全国のロードレースファンのみんなどうした!!?
たったの三千円で、いつも画面越しに見ていた選手と一緒に走れるんだよ!あの走りを真後ろとかから見られるかもいれないんだよ!?


……はっ!
それだけ厳しい内容のコースだから、足自慢の自転車乗りたちも敬遠しているということなのか!?


くっ、なぜそうならそうと、恐ろしく厳しいコースだということをもっと大々的に公に吹聴してくれないんだ……!
そうか、言わずともコースマップと高低表で気づけということだったんだな、はっはっは!まんまとしてやられたよマドモアゼル!!



そんなわけで。
コロロンはジャパンカップのフリーランに参加する予定です。
同じく、フリーラン参加者の皆様。
どうかフリーラン当日、スタート直後に集団から遅れていく私を見ても、そっと温かい目で見守ってください。


ブエルタが終わって夜の時間に余裕できたら、フリーランに向けて練習しよう。
輪行とか。坂とか。幅をとらない体育座りとか。

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2017 第11ステージ

昨日は、早めに自宅に帰っていたので、「よし!放送はじまる10時まで仮眠しよう!」って思って夜8時に一旦布団に入って、目が覚めたら夜中の3時半だったコロロンです。
「………………今日って、休息日だっけ?」
みたいなよくわからない現実逃避をしていました。

トレンティン、もう今年のブエルタで2回も勝ってるのに、両方ともライブで見られてないよ!(1回目は中継トラブルがあって諦めた)

まあそんな悲しい話はさておき。
今日は、きっと総合が動きそうな、1級山岳が二つもある日です。
逃げは14人いましたが、最初の1級山岳の本格的な登りがはじまるくらいで、かなり逃げもメイン集団もスピードがあがってきて、じわじわ脱落がはじまります。
残り41kmくらいで、集団とのタイム差は、1分を切るくらいの逃げ方です。

レーススタートしてから、ずっと雨が降っていたようですが、これもまた登り始まるくらいから雨足が弱くなりました。

そんな中、メイン集団から2人アタックがでて、残り36.6km地点で、4人だけ残っていた逃げ集団に追いつきました。

これで、先頭集団は6人。
ロメン・バルデ( アージェードゥゼール・ラ・モンディアル)、ジョバンニ・ビスコンティバーレーンメリダ)、アルデマール・レイエス(マンサナ・ポストボン)、サンダー・アルメ(ロット・ソウダル)、イゴール・アントン(ディメンションデータ)、サイモン・イェーツ(オリカ・スコット)です。

しかしここから、アントンとレイエスが遅れ、先頭は4人になります。


残り32km。
最初の1級山岳山頂まで残り2.2km。ここで、後ろからUAEのアタプマがあがってきました。これで、先頭は5名。

山頂まで残り100m。
バルデとアタプマがスピードをあげて飛び出していきます。
って、あれ?あの白い線が山頂?え、ちょっとまってよ、どっちがとったの?よくわからんぞ!
でも、結局バルデが山頂1位通過したみたいです。

そっから、長い長い下りに入ります。
この下りで先頭に残ったのは、バルデとサイモン・イェーツ、そしてアタプマの3人だけ!

残り15km。
メイン集団との差は、2分35秒。

あれー。
今日は絶対に総合の争いの日だと思ったけど、この分だと、逃げ切りとかありそう?


残り14kmを切って、徐々にイェーツが、先頭グループから遅れ始めました。

残り13km。
先頭がバルデとアタプマ。
そこから24秒遅れて、サイモン・イエーツ。
そこからさらに、約1分ほど遅れてビスコンティ
メイン集団は、先頭と2分20秒差くらいです。


残り11.5km。
先頭の2名と、イェーツとの差は1分10秒まで開きました。
でも、メイン集団と先頭2人とのタイム差は、1分50秒まで迫っています。

残り11km。
ここで、メイン集団から、バーレーンメリダの二バリとトレック・セガフレードコンタドールの二人がアタック!
スカイのアシストの選手がメイン集団を率いて追ってきます。
これに、現在暫定総合3位の、BMCロッシュが遅れた!

残り10km。二バリとコンタは結局ここでスカイによって吸収されます。
けれど、かなり人数が絞られました。
メイン集団は、三つくらいに分断された感じになります。

残り8.4km。
先頭は変わらず、アタプマとバルデ。
26秒後ろにメイン集団。二バリ、フルーム、コンタドール、などなど8人。
そこからほんのすこし遅れて、アスタナのアルや、キャノンデール・ドラパックのマイケル・ウッズ。
そのさらにうしろ、メイン集団からさらに40秒くらい遅れて、チャベスがアシストに連れられて前のグループを目指しています。


残り7.6km。
メイン集団が、先頭の2人を吸収しました!
引いているのは、バーレーンメリダフランコ・ペッリツォッティ!39歳のベテランの選手です。
それからだいたい40秒くらい後に、アルやウッズのいるグループがいます。その10秒くらい後がチャベスのグループ。

と、残り5.3kmで、アルのいる追走グループからデラクルスが飛び出しました!
このグループに残っていたスカイの選手が後につき、アタックとしては潰されますが、ちょっとだけペースがあがり、チャベスグループを引き離しました。

残り4.7km。
先頭集団を率いているのはペッリツォッティ。その後から二バリ、コンタドール、アスタナのミゲル・アンヘル・ロペスモレーノ、サンウェブのケルデルマン、カチューシャ・アルペシンのザカリンが続きます。その後にスカイのニエベ、フルーム、そしてバルデ、アタプマです。

残り2.2km。
スカイのニエベが単独アタック!
チェックに行ったのは、今日最初から逃げにはいっていたバルデ!今日強いぞ!
しかしそこから200mくらい進んだところから、一人きれいに抜け出したのが、二バリ!うまい!
ニエベが追いますが、フルームが遅れかけていることに気づき、後に下がります。
真横からの猛風の中、各選手もがきながら一人で逃げる二バリを追います。

残り1.4km。
二バリのところに、アスタナのロペスモレーノが追いつき、さらにそのまま抜いて単独アタックに仕掛けます!
追えない二バリ!
しかしその二バリの右手側から、いつのまにか上がってきていたフルーム!!
コンタドールは遅れている!?

残り1km!
先頭はロペスモレース!かなり足が回っています!
どんどん差が開いていく!
その後に二バリとフルーム、それにケルデルマンが追いついてきました!

残り200m!
振り向くモレーノ!
誰もいない!
右手で十字を切って、左手で天をさし、鮮やかに斜面を下りながらのゴール!
ステージ優勝はアスタナのミゲル・アンヘル・ロペスモレーノ!
このメンバーの中、あの猛風の中で飛び出して差をつけた走りは見事でした!

14秒遅れて2位はフルーム、3位が二バリ、4位がケルデルマンです。
そこから17秒遅れて、5位バルデ、6位コンタドール、7位がザカリン、8位ニエベ。
現在総合2位のチャベスは、先頭から2分5秒遅れました。

そして総合順位!
1位は変わらず、スカイのクリス・フルーム
2位は、バーレーンメリダのヴィンセント・二バリで、1分19秒差。
3位が、オリカ・スコットのエステバン・チャベスで、フルームと2分33秒差。
チャベスから3秒遅れて4位がクイックステップ・フロアーズのデラクルス。
5位が、1秒差でサンウェブのケルデルマンです。
ちなみに、トレック・セガフレードコンタドールは、現在総合9位で、フルームとは3分55秒差!

ポイント賞は、クイックステップ・フロアーズのマッテオ・トレンティン。
山岳賞はキャノンデール・ドラパックのダヴィデ・ヴィレッラ。
複合賞は、もっかいフルームです。

ステージ優勝こそ総合争いの選手ではありませんでしたが、総合順位が大きく動いたステージでした!


チャベスがここまで遅れるとは、正直かなり驚きました。
フルーム、安定して強いなぁ……、本当にブエルタも勝ってしまいそうな気がしてきました。

明日は、1級、2級山岳のあと、下ってのゴールです。
ルイスレオン、逃げないかなあ。
彼の下りの走りを、もっともっといっぱい見たいです。

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