コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

やっぱりハンセンは走るのだ。

先日、グランツール連続出場記録を更新していたハンセンが、今年のブエルタの出場選手リストから外れた!と書いたのですが、

なんと。
ロット・ソウダルのエースで出場予定だったラファエル・バルスの練習中の負傷で出られなくなり、
代わりにアダム・ハンセンが出ることになったとのこと!

lottosoudal.be
www.cyclowired.jp


そうかー。そうなんだー。
直前でトラブルがあって出場選手が入れ替わることはそこそこあるから、可能性は0ではないと思ってはいましたが、本当にそうなるとは。


ただ、正直「いよっしゃぁぁぁ!やったぁぁぁ!」みたいな気分では、ない。
「やったー!」って気持ちもあるけど、でもそれ以上に「大丈夫なのかな……」っていう気持ちが強いです
だって、もともとブエルタ出場選手リストから外れた理由が、レーススケジュールの都合とかじゃなくて、まだツールから続く股ずれの痛みが治ってないから、なんだもん……。
8月4日の時点でまだトレーニングもできない状態だったって話だったし、ロットのホームページの発表でも「監督も医療スタッフも、股ずれが十分によくなることを願っている」みたいなニュアンスの書き方だから、まだハンセン治ってないってことですよね……。

やっぱりどんな選手でも、万全な状態で走ってほしいって気持ちはある。
怪我でつらそうな選手を見るのって、やっぱり辛い……。


でも、挑戦しなければ記録っていうものは生まれないわけで。
そして、なかなか挑戦できない、難しい大変なことだから、記録になるわけで……。


うー。うー。
なんとかここからの約10日間で、奇跡の回復力を見せて、「痛みなんかなくなっちゃった!」みたいになったらいいな。
そして、一旦メンバーからはずされたときの悔しさをばねにステージ優勝なんかしてしまえば完璧ではないか!


そりゃ、グランツールはそんなに甘くないって、わかってはいるけれど。
とにもかくにも、元気な姿で走ってほしいんだ!

コンタドール、引退発表

トレック・セガフレードアルベルト・コンタドールが、今年のブエルタ・ア・エスパーニャを最後に、引退するそうです。


cyclist.sanspo.com


ツール前くらいに、来年も契約するとかしないとか、なんかそんな記事見た記憶あったから、勝手に、勝手に来年以降だと思っていて、いやわかってたけど、きっともうそろそろだってわかってたけどうぇぇぇぇんっ!(泣)

なんかもうよくわかんないけど、切ないよー!


どーかどーか、最後のブエルタで、コンタドールがバキュンポーズしたくなるような、コンタドール本人にとって満足な走りができますように!!

今年のブエルタに、ハンセン出ない!?

ロット・ソウダルの、ブエルタ出場予定選手が発表されたのですが、
グランツール18回連続出場そして連続完走の記録を持つ、アダム・ハンセンの名前がない!!

lottosoudal.be

このロットの発表によると、どうやらアダム・ハンセン選手は、先日のツールで股ずれによる痛みに悩まされていたらしいです。
2週間たって回復はしてきたものの、完全に痛みが消えたわけではなく、スタッフもブエルタ期間中にまた痛みがぶり返すのではないか、と懸念しているそう。
そしてこの時点で、まだ練習再開もできてない。

残された二週間では、ブエルタに出る準備期間としては短すぎるから、出場選手のラインナップからアダム・ハンセンを外すという選択をした、といった内容でした。


そっかぁ……。
すごく残念だなあ……。

記録の更新っていうのは永遠にできることではないから、いつかはこんな日がくるとは思っていたけれど、
去年、サイクルモードで来日したとき、トークショーで「まだまだ記録を更新していくつもり」みたいなことを話していたから、記録が途切れるのは、もっと先のことになると漠然と思っていました。


でも、ここで途切れたって、ハンセンの記録がすごいことに変わりはないんだ!
そして、これで逆に記録に縛られずに、グランツール以外のレースにも出られるかもしれないのだし!


あんまり落ち込まないようにしよう!


あ。
わたし、ハンセンの出てないグランツールを見るのは、今回のブエルタが始めてってことなんだ……。

いや、落ち込まない、落ち込まないぞ!!


8/8追記
ハンセン、やっぱり出るらしい。

本のお返しに本。

こんばんは。
ツールが終わって、みなさん如何お過ごしですか。

私はとりあえず、しっかりと寝ました。(笑)
それと、ちょうどこのタイミングで、友人がすすめてくれた本があったので、それを読んでいました。

『何者』作:朝井リョウ 

何者(新潮文庫)

何者(新潮文庫)

映画化された作品なので、知っている人も多いでしょう。
就活にかかわる大学生の話です。
読みやすい話だったので、読み始めて一日のうちに読み終わりました。

ザ・青春、というよりは、就活の独特の時代にのみ特化したような話です。
手探りで真っ暗なくせに、不安も武装の一つにしなきゃ戦えない、社会にでる一歩手前の、あの不安定な仲間意識。
最初から妙にぴりぴりした感覚のある小説だったのですが、最後まで読んで、「ああ、なるほどな……」ってなりました。
で、そのあといろんなシーンを思い返して、「ああそっか!」「だから不条理劇!」とかあとから布石に気づく感覚。うまいなーって感じです。

普段本をそれほど読まないような学生が、一番読んだ時の衝撃が大きかもしれません。
先入観がない状態、というか「この展開のときはこうくるよなー」みたいな、今まで培ってきた読み手としての経験値のない状態で読みたかった!
でも、そこそこ本を読む人たちにも、衝撃以外のいろんな形で納得させる感じの小説でした。




でね。
この本を教えてくれたお返しに、私からは、この本を友人にすすめました!

サクリファイス (新潮文庫)

サクリファイス (新潮文庫)

サクリファイス』作:近藤史恵

ロードレースを見るようになってからこの小説の存在を知って読んだのですが、
いや面白かった!面白かったのですよ!
ジャンルとしては、スポーツ+推理ものだと思うのですが、私はそのスポーツの部分、ロードレースのことを書いている部分がとても好きです。
推理の部分か嫌ってことじゃなくて、スポーツも部分が魅力的すぎるってことね。

主人公は日本の自転車プロチームに所属している山岳系のアシスト選手なのですが、
レースで走っているときの主人公の心理描写がすっごくすっごく惹きつけられて、自分が走っているような気持ちになるのです。
推理ものだから、どうしてもずっとレースでうきうきわくわくっていう感じにはなりませんし、読後感もスッキリ!ってタイプの作品ではないです。
でも、ロードレースのわくわく感は、いっぱいいっぱいある小説なのです。

ロードレースをよく知らない人が読んだ時、どういう評価になるんだろうと思っていたのですが、こないだ本屋大賞の昔の受賞作とか調べていたら、この作品、実は2008年本屋大賞で2位だったそうではないですか!

じゃあきっと、ロードレースを知らない人にすすめても大丈夫だろう!!
と、いうわけで、これを友人にすすめました。


読んでくれるといいなー。
ついでに、ロードレースも好きになってくれるといいなー。
もっとついでに、レースを見に行くようになってくれると、なおいいなー。


そんな、希望的観測な日々。

ツール・ド・フランス 2017 第21ステージ 最終日

三週間続いたツールも、いよいよ最終日です。
基本的に、ツール・ド・フランスの最終日のステージは、総合タイム争い、リーダー賞争いを行わない慣例があります。
ステージだけの争いになることがほとんどです。

ですので、周回になるコースに入るまでの約50kmくらいは、アクチュアルスタートが切られてからも全員なごやかムードです。
乾杯したり、地元のオフレドは親戚のとこまで走って行って、自転車おりて話したり、
アーゼードゥーゼルのゴチエはなんとツール中継を通して公開プロポーズ!
その後ろでキャノンデールのローランが何か叫びながら手でハートマークつくってました。仲良し!

最終日は、いわゆる平坦の周回ステージになります。
ですので、基本的にステージを狙ってくるのはスプリンターになります。
優勝候補としては、ポイント賞ジャージ着用中のサンウェブのマイケル・マシューズ。
去年と一昨年、このシャンゼリゼでステージ優勝をしている、ロット・ソウダルのアンドレ・グライペル
トレック・セガフレードのジョン・デゲンコルブ、バーレーンメリダのソンニ・コロブレッリ、そして、地元フランスのコフィディスのナセル・ブアニあたりが有力でしょうか。

ちなみに、逃げ切り勝利は結構難しいらしいです。
なんてったって、へーいたーん。


さあ、残り55kmを切り、逃げのアタックがはじまります。
逃げたい選手が多いので、次々逃げては捕まっての繰り返しになります。

残り46kmで、逃げている選手は9人。
アスタナのルツェンコや、ディレクトエネルジーのシルヴァン・シャバネル、モビスターのエルヴィーティーとかが入っています。
メイン集団の牽引は、サンウェブのゲシュケ!

残り40km。
バルギルがパンク!タイヤ交換のために止まります。
石畳だからなー。やっぱりパンク多いんかなー。

残り33km。
逃げとメイン集団とのタイム差は、約17秒。
集団の先頭は、ロット・ソウダルが引いています。


残り20km。
タイム差は14秒。残り3周!
ここら辺でグライペルが単騎でアシスト選手探して前にいると、調子いいんだけど、ううー。姿が見えん。

残り17km。
逃げ集団が割れそうな気配を醸し出し始めます。
メイン集団とのタイム差は10秒前後になってきます。

残り13.5km。
タイム差10秒。

残り12km。
メイン集団からトニー・マルティンがアタック!
ええ、まさか独走勝利狙いなの!?
さすがにメイン集団も慌ててペースをあげて追いかけます。

残り10km。
メイン集団が逃げている選手に追いついて、集団が一つになりました。

残り7.5km。
あれ。スカイが先頭をひいている。
クヴィアトコウスキーが先頭でひいている。
…………なんのために?

残り6.7km。残り1周!
ここでアスタナのデミトリ・グルージェフが飛び出した!
単独先頭!でも向かい風なのでちょっと逃げ切りは厳しいか!
一方、このツールで引退をするヴォクレールは、メイン集団を離れてゆっくりと最後の一周を走り始めます。

残り5.6km。
メイン集団からさらにアタック。クイックステップのスティバルとモビスターのズッタリン。
そこから、スティバルの単独の逃げになります!
メイン集団はバーレーンメリダの新城選手が引いて追いかける!

残り2.6km。
メイン集団はカチューシャの引きでスティバルに追いついた!吸収!

残り2km。
集団先頭はディメンションデータ、二番手がカチューシャ。

残り1km。フラムルージュ!
カチューシャ・アルペシンが先頭!

残り300m、ロットNLユンボのフルーネウェーヘンが先頭で、一気にスプリントが開始!
真ん中から上がってくるボアッソンハーゲン。
その背後につけているグライペル
そして、グライペルがボアッソンハーゲンの右手側から一気に上がって、ボアッソンハーゲンを抜く!
グライペルがすごい勢いであがっている!でも、フルーネウェーヘンがまだ前!

最終日のステージ優勝、ロットNLユンボのディラン・フルーネウェーヘン!
2位のグライペルが惜しかったー!
最後の追い上げ、一瞬もうこれグライペルがとったと思いました。
3位はディメンションデータのボアッソンハーゲンでした。


そして、そのメイン集団の中で、フルームも笑顔でゴールラインを通過。
4度目の総合優勝を確定させました。

そんなこんなで、今年のツール・ド・フランスの結果はこちら!
マイヨ・ジョーヌ(総合優勝) スカイ クリストファー・フルーム
総合2位 キャノンデール・ドラパック リゴベルト・ウラン
総合3位 アーゼードゥーゼル・ラモンデュエル ロメン・バルデ

マイヨ・ヴェール(ポイント賞) サンウェブ マイケル・マシューズ
マイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュ(山岳賞) サンウェブ ワレン・バルギル
マイヨ・ブラン(新人賞) オリカ・スコット サイモン・イェーツ
総合敢闘賞 サンウェブ ワレン・バルギル

フルームはツール総合優勝4回目!
ツール始まる前は、今年は難しいのではないかと思っていましたが、なんのその!って結果になりましたね!
やっぱり強かった!


さてさて。長かったツールも終わってしまいました。
明日以降、ツールロスはあるのでしょうかね。
去年よりもレース中継時間が長かったから、大変すぎて逆に起きないかな。
それとも、これだけ生活の長い時間を占めていたから、昨年よりももっと寂しくなるのでしょうか。


…………正直。
明日からのツールロスよりも、
ゴチエのプロポーズが気になってしょうがないのですが!!

まあとにかく!今日は、もうおやすみなさい!

ツール・ド・フランス 2017 第20ステージ

ぼどなぁぁぁぁぁるぅぅぅぅぅ!!!!!

サガンが失格になり、マイカのリタイアが確定したとき、「こうなったらボーラ・ハンスグローエはボドナールががんばるしかない。頑張れボドナール!まだTT残ってるから!」みたいなことをツイートしていた、コロロンです。

そしたら本当にやってくれたよ!
すごいボドナール!!


ボドナールの走行順は、比較的早めでした。
その直前まで暫定1位だった、キャノンデール・ドラパックのテイラー・フィニーのタイムを1分以上更新したタイムでゴール!

ボドナールのあとから、現世界王者のトニー・マルティンや、ボドナールと同郷で現ポーランドTTチャンピオンのスカイのクヴィアトコウスキーがゴールして行きますが、ボドナールのタイムを抜けない!
クヴィアトは1秒差で、暫定2位でした。

あと気になるタイムを出しそうなのは、コンタドールと、フルーム。

コンタドールはボドナールから21秒遅れでゴール。でもいいタイム!


そして、最終走者であるフルームが走り出すのですが、
ボドナールがステージ優勝できるのかが気になって半分忘れかけてたけどフルームにとってはステージ優勝と一緒に気になるのがマイヨ・ジョーヌ

……とは言ったものの、フルームはタイムトライアル得意だから、大きな落車でもない限り、総合1位は守れます。

総合での今日の注目は、2位のバルデと3位のウラン

バルデがは、もともとあんまりTT得意ではないのですが、第一中間計測地点で、すでにウランから19秒遅れ、この時点で総合2位と3位が入れ替わります。

バルデは調子が悪そうで、しまいには現在総合4位であるスカイのランダから逆転されそうなタイムになっていきます……。

対してフルームは絶好調。

フラム・ルージュではバルデの後ろに迫って来ます。

バルデはなんとか総合1秒差で、ランダに勝って3位!
そしてフルームのタイム。
ボドナールとのタイム差は、6秒!ステージ3位


そんなわけで、ボーラ・ハンスグローエのマチェイ・ボドナールがステージ優勝!!


ほんっっっとうによかった!

ボドナールは、ペーター・サガンが出ているレースには、ほぼ必ずいてサガンのアシストをしている選手です。
ということは、自分の成績のために走る機会がなかなかないと思うのですよね。
特にツールは、サガンはポイント賞をとるために連日動くので、ボドナールも当然そのための仕事をしなければならず、それこそ翌日のタイムトライアルのために力をセーブする、みたいな戦い方ができるはずないんです。

残念なことが続いた結果としてだけれど、それでも手に入れた機会だから、なんとか勝利をつかんでほしいと思っていたので、本当に良かった。

ボドナール!!!おめでとう!!!


そして、総合順位。
1位はスカイのクリス・フルームが守りました!
2位は、今日逆転、キャノンデール・ドラパックのリゴベルト・ウラン
総合タイム差は54秒!
ちなみに今日はウラン、ステージ8位でした。ウラン、タイムトライアル速いんだね。覚えておこう。
3位は、アーゼードゥーゼルのロメン・バルデ。フルームとのタイム差は、2分20秒でした。
バルデから1秒遅れて、4位がスカイのミケル・ランダ。
……1秒差でも、最終日は争わないものなんだろうか。

ポイント賞と山岳賞は今日はそもそもポイントがつかないので変わらず、マシューズとバルギル。
新人賞は、オリカ・スコットのサイモン・イェーツが守りました。


それと、スーパー敢闘賞(大会全体の敢闘賞)が決まりました。
サンウェブのワレン・バルギル!


一般の人の投票だと、もうダントツの圧勝でロット・ソウダルのトーマス・デヘントだったらしいのですけれど、結果としてバルギルになったようです。
ちょっと残念だけど、フランスのレースだからなあ……。



まあ何はともあれ。
とりあえずボーラが一勝できてよかった!
しかもそれが、いつも裏方に徹してがんばっているボドナールで、本当に本当に良かった!!

ツール・ド・フランス 2017 第18ステージ

私は何を見たんだろう。

今日のステージを見終わって今、そういう気持ち。


今日は逃げが51人という、最初っからまあ「この人数って逃げ?」っていう疑問からはじまったステージでした。
さらに3人追加で、最終的には54人。
この逃げから、要所要所で何人か飛び出して、吸収され、の流れが繰り返され、それをだいたい7分くらい後ろから追っているメイン集団、という感じでした。
そこから、最初の3級山岳では、ロット・ソウダルのデヘントが1位通過。
次の中間スプリントでは、バーレーンメリダのコロブレッリが1位通過。
その次の1級山岳ポイントは、アスタナのルツェンコがとりました。

その後もアタック、追いつく、集団形成、またアタック、みたいな流れがありつつ、
最終的には、残り15kmくらいで、逃げの中からアスタナのアレクセイ・ルツェンコが単独先頭に立ちます。
この時点で、メイン集団とは約4分16秒差。

そこからルツェンコが一人で逃げますが、後ろから追いついて来た、UAEのダルウィン・アタプマがルツェンコを抜き、単独先頭に立ちました。
また、ロット・ソウダルのトニー・ギャロパンもルツェンコを抜いて行き、単独2位になります。


メイン集団はスカイがずっとコントロールをしていたのですが、残り50kmくらいからは、アーゼードゥーゼルが前を引きスピードを上げていきます。そしてまた残り7kmを切ったあたりから、また集団の主導権はスカイの元にもどります。

先頭残り6.2km。
ここで、サンウェブのバルギルがメイン集団からアタック。
それに続いて、すかさずトレック・セガフレードコンタドールもアタックします!
今日もアタック!
コンタドールとバルギルは協調して、前からおりてきたモレマと合流します。
しかし、残り5.4km。バルギルがどんどんスピードをあげていき、さくさく先に行ってしまいます。


先頭残り4.8km。
メイン集団で、クイックステップ・フロアーズのダニエル・マーティンがアタック!が、すぐに追いつくメイン集団。
ここで、アスタナのアルがメイン集団から遅れ出します。


残り4km。
結局先ほどアタックして前にいったコンタドールも吸収されました。
そのあと、すぐです。
フルームが、ランダを一人で行かせます!
ランダが前に切り離されたような形から、がんがん一人で前に進んで行きます。
フルーム、自らメイン集団内でアシスト0状態にしました!

このレースも佳境の場において、「この場は一人で対処できる」という自信とその判断を下せる勇気。
鳥肌が立ちました。
「あとはいいから自分のために走れ」と送り出したかのように見えました。


そして、フルームが一人になったのを見て、アタックを繰り返すダニエル・マーティン
フルームが都度すべて対処するので、決定打にはなりません。
でも、それでも繰り返し自分で攻撃をしかけるところが、「ああ、マーティンの走りだなあ……」って思いました。


そして残り3km。
ここまでじっと抑えていた、バルデがアタック!
フルームがチェック!ウランはフルームについて行く。

けれど、マーティン以下他チームのエースの選手はついていけません。


前を走っていた、ロット・ソウダルのトニー・ギャロパンにバルデが追いつき、またそこにフルーム、ウランも追いついてきます。
そしたら、チームメイトでもないバルデを引くギャロパン。
フランス人ライン!?


そして、このタイミングで、ついにでた。
フルームのアタック!

バルデがチェックしますが、その猛烈な走りに、一気にバルデとウランが離されていきます。さっすが。

しかし、ウランがバルデの前に出た途端、じわじわその差が狭まり出します。
ウランが速いんだ!
やがて、ウランとバルデもなんとかフルームのところまで追いつきますが、この一連の攻防の結果、先ほど一人で前に行かせたランダのところまでフルームたち3人が追いつきます。



その頃、先ほど飛び出していったワレン・バルギルが、先頭でずっと逃げていた、UAEのアタプマに追いつきました。
アタプマ、必死でバルギルについて行きますが、残り1kmのフラム・ルージュを通過したあたりから、徐々に引き離されて行きます。

バルギル、単独先頭。
そして、そのままゴール!

サンウェブのワレン・バルギル。ステージ優勝!今大会2勝目!

そして続いてやってきたアタプマのすぐ後ろに、フルームグループがやってきます。
結局、アタプマが2位、バルデが3位、フルームが4位。ウランは2秒だけ遅れて5位でした。


そして総合順位。
マイヨ・ジョーヌは変わらず、スカイのクリス・フルーム
2位が、アーゼードゥーゼルのロメン・バルデで23秒差。
3位は、キャノンデール・ドラパックのリゴベルト・ウランで29秒差。

マイヨ・ヴェールはサンウェブのマイケル・マシューズ。
マイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュは、本日優勝したサンウェブのワレン・バルギル。
この二人、今大会、ホテルの部屋割りルームメイトらしいですね。
すごい部屋だ。

マイヨ・ブランはオリカ・スコットのサイモン・イェーツです。
そして敢闘賞は、UAEのダルウィン・アタプマでした!



今日は最後のイゾアール峠を登り始めたあたりから、もうあっちもこっちもそれぞれが自分の持ち味を生かしてすごい走りをしていて、群像劇を見ているみたいでした。
誰からも目が離せないような、そんなステージでした。

誰も彼もがすごすぎて、続々とみんながゴールをしていき、表彰式を見終わってからも、なんだかぼうっとしています。

これ、リアルタイムで、今フランスで行われたレースなんですよね。
実際にたった今、こんな風にそれぞれの生き様を映し出すかのような、素晴らしい走りをした選手が、本当にいるんですよね。
そんな当然のことが、どこか現実味がなくなってしまうくらい、すごいすごいステージでした。

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