コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2017 第5ステージ

今日は、山岳ステージです。
160.5km。

途中に3級山岳と、1級山岳があります。
ポイント的には、今日のステージ優勝者が、山岳チャンピオンになるステージです。
逃げ切り勝利を狙う選手が多いと思いますが、総合争いも絡んでくるステージでもあり、



今日も今日とて、アクチュアルスタートと同時にばばばっとアタックがかかり、逃げは結構すんなり決まります。
逃げたメンバーはこちらの8人。

ヤン・バークランツ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル)
ミカエル・ドラージュ(エフデジ)
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ディメンションデータ)
フィリップ・ジルベールクイックステップ・フロアーズ)
トマ・ヴォクレールディレクトエネルジー)
トーマス・デヘント(ロット・ソウダル)
ディラン・ファンバーレ(キャノンデール・ドラパック)
ピエールリュック・ペリション(フォルテュネオ・オスカロ)


あっはっはっは!!
なんか。もう。ちょー強そうな逃げ集団。

ちなみに、でき心で逃げメンバーの年齢を見て見たら、20代がファンバーレただ一人でした。


この逃げがほぼ決まって、集団と30秒タイム差があいたときに、またもう一人、メイン集団から選手が飛び出します。
バーレーンメリダのツガブ・グルメイ。

TTポジションで走りますが、結局先頭には追いつけず、やがて集団に吸収。
よって、8人の逃げ集団VSメイン集団の構図になります。
今日はVSで間違ってない!
逃げ切り勝利を狙う逃げと、総合の争いだから!!

メイン集団は、かなり長いあいだ、BMCがとてもがんばっていました。
2分30秒〜3分30秒くらいで保ってたかなー。


残り58km地点にある中間スプリトでは、まずは逃げ集団の中からボアソンハーゲンがゲット。2位通過がジルベールです。
メイン集団では、サンウェブのマイケル・マシューズが一番先頭に立ちました。

マイヨ・ヴェールか……。
まだちょっと、「誰がとるんだろー♪」という風には、気持ちを切り替えられません。
今日ペーター・サガンは、昨日の裁定が覆る可能性にかけて、一応準備をしてスタート地点に現れたそうですね。
でも……結局失格が覆ることはなく、レースは続いています。



残り55km地点。
ここまで8人で協調しながら逃げていた逃げ集団から、ドラージュが脱落。
そこから1km先で、なんとデヘントもついていけずに逃げ集団から離されていきます!

3級山岳ポイントの残り500mくらいのところで、逃げ集団からバークランツがアタック!
そのまま1位通過!

そして、後続の追走をまたず、一人飛び出したまま登っていきます。
一旦約15秒くらいのタイム差をつけるのですが、結局後続が追いつき、先頭は6人に。


プロトンは、なぜか中間スプリントで飛び出したスプリンターの選手たちがなかなか戻らなかったのですが、やっぱりそのうち合流。




残り20km。
逃げの6人とメイン集団との差は、約2分。
メイン集団では、登りにもかかわらず、しっかりとしたトレインが各チームできています。


残り15km。
タイム差は、1分45秒。
メイン集団はBMC、アスタナ、スカイなどなど、総合争いに関わるチームがほとんどです。
タイム差、迫って着ています。


残り13km。
逃げの最後尾から、ジルベールがアタック!ヴォクレールが反応し、バークランツが続く!
ファンバーレが遅れる!

続いてボアソンハーゲン、ペリションも遅れる。
ヴォクレールも引き離され、バークランツだけがジルベールに追いつき、ぴったり後ろにつきます。



残り9km。
先頭がジルベールとバークランツが協調しながら走っていきます。
16秒遅れて、ヴォクレール、ボアソンハーゲン、ペリション。
先頭から39秒遅れて、ファンバーレ。
メイン集団は1分20秒遅れて、オリカスコットが引いています。
メイン集団、どんどん選手が遅れていきます。


残り6.5km。
ジルベールとメイン集団との差は、約1分。
ここでファンバーレはメイン集団に吸収されました。
集団の先頭はオリカからスカイへ。


残り5.6km。
追走集団からボアソンハーゲンが遅れましたが、もう一回戻って3人に!
先頭の2人とメイン集団との差は、35秒!
メイン手段はスカイのクヴィアトコウスキーがひいています。


残り5km。
ああ!ピノがメイン集団から遅れてる!
めちゃ地元だからかなり期待されていただけに、残念!
メイン集団は、ペリション、続いてヴォクレール、最後にボアソンハーゲンを吸収します。
残るは、先頭の2人……!!


残り4.7km。
タイム差は20秒。

と、ここでメイン集団からディレクトエネルジーのカルメジャーヌがアタック!!
次々有力選手が脱落してくスピードのメイン集団の中から、さらにアタック!?
かなり強い。

が、やっぱり集団の先頭を引いているクヴィアトは強烈。1km行かずに吸収されます。


残り4km。
ここでジルベールとバークランツ吸収!!
がんばった!超がんばった!
ジルベールとバークランツが肩を組んで健闘を讃え合います。素敵な後ろ姿!!

さて、先頭に躍り出たメイン集団。
依然として、スカイのクヴィアトコウスキーが引き続けています。


残り3.5km。
メイン集団からロット・ソウダルのトニー・ギャロパン、オリカスコットのクロイツィゲル、アージェードゥゼールのマティアス・フランクも遅れます!

まだクヴィアトが引いている……。


残り3.3km。
クヴィアトが仕事を終えました。
スカイの引きは、ニエベが担います。
トレックのモレマ、アーゼードゥーゼルからはヴュイエルモーと現在新人賞のラトゥールも遅れる!!


残り2.4km。
アスタナのファビオ・アルが単独アタック!!
ニエベは淡々と追う!

残り2km。
先頭のアルとメイン集団とのタイム差は10秒!
ここでサイモン・イェーツがアタック!
スカイは、マイヨ・ジョーヌ姿のゲラント・トーマスが先頭へ!


残り1.7km。
トーマスが仕事を終え、スカイのエース、フルームがアタック!すかさず、BMCのリッチー・ポートがその後ろにつく。続いてモビスターのキンタナ、クイックステップダニエル・マーティン、アーゼードゥーゼルのバルデその後ろにオリカのサイモン・イェーツと並びます。
ここで、今年のドーフィネ覇者、アスタナのフグルサングが遅れます。

残り1.4km。
あああ!キンタナが遅れた!!イェーツもおくれます。その後ろに、トレック・セガフレードアルベルト・コンタドール

残ったのはスカイのフルーム、ダニエル・マーティン、ポート、バルデ。
しかしこの4人が若干牽制気味。
一度置いて行かれた総合系の選手たちが、この隙に縦一列で迫って着ます。
コンタドール、サイモン・イェーツ、キンタナ、リゴベルト・ウランキャノンデール・ドラパック)、UAEエミレーツのメインチェス、最後尾が……あれ?ゲラント・トーマスです。
さっき、脱落したと思っていたのに……。


その攻防の間、アルはもう残り1km地点であるフラム・ルージュを通過!!
アルが踏み込む!
ダンシングがとっても軽い!

でもその後ろで、コンタドールたちがフルームグループに追いついてきた中、BMCのポートがアタック!
マーティン、フルームと続いて後ろから迫ってます。

だがアルの後ろには、まだ誰の姿も見えない。
アルはゴールポイント直前に、右手を大きくきあげてガッツポーズ!
アスタナのファビオ・アル、ステージ優勝!!
強い、というより、速い。軽やかなダンシングで圧倒的な軽さと速さを魅せてくれました。

そして二番手に入って来たのが、ダニエル・マーティン
3位がフルーム、4位がポート。5位がバルデ。
6位以下が、サイモン。ウランコンタドール、キンタナ、ゲラント・トーマス、となりました。
トーマス、10位に入ったんだ……。



今日の結果を受けて、総合1位がスカイのフルームになりました。
現時点で、2位が12秒差で、チーム・メイトのゲラント・トーマス。3位が、フルームと14秒差の、アスタナのアルです。
山岳賞は、本日のステージ勝利をしたアスタナのファビオ・アルが獲得になります。
新人賞は、オリカ・スコットのサイモン・イェーツ。
ポイント賞のみ変更がなく、エフデジのデマールのままです。

敢闘賞は、今日ギリギリまで逃げ続け、本日誕生日を迎えたフィリップ・ジルベール


まだ5ステージなのですが、もうこの時点でスカイのフルームがマイヨ・ジョーヌを着てしまっています。
と言うか、今年逆に、スカイしか着てないのか。

ただ、今日のステージの様子を見る限り、アルは今年総合1位争いに加われそうですね。
かなり調子が良さそうです。

サガン失格の件の、個人的な落とし所。

こんばんは。
昨日のツールの騒動から、一夜あけ、また新しい夜がやってきました。
いまだ覚めぬ夜の中にいるような感覚に、ずっと一日中もやもやしていましたが、一応自分の中で、個人的な感覚として結論がでました。

サガンの肘うちのような動作が、本当に肘うちだったのかバランスをとるものだったのかは、個人的な見解はありますけれど、たぶんすっきりと「これが真実」ってなる日はこの先絶対こないと思います。
だから、なにが真実かどうかってことに執着すると、たぶんこのもやもやは消えないのです。



それを受けての、私の結論。

カヴェンディッシュが右後ろからあがって、サガンにぶつかって来た時点で、サガンには、右肘をあげるか、落車するかしか選択肢がなかった。
そして、たぶん落車したら、サガンも大怪我をしていた。
もうあの時点で、どちらかが怪我してリタイアでどちらかが失格、もしくは二人とも落車、以外の道はなかった。


サガンが落車リタイアで、カヴェンディッシュが失格。
カヴェンディッシュが落車リタイアで、サガンが失格。
サガンカヴェンディッシュも、落車でリタイア。

その選択肢の中で、選ばれた現実が、ああだった。



こう思うと、私はもやもやが落ち着いたのです。

もう裁定は覆らないから、「どうにもならなかったんだ」ってことを、自分のなかで受け止める考え方が、私はこれでした。


別にいちいち書かなくてもいいかとも思ったんですが、
私、こんなに夢中で観戦をした競技なんてなかったから、もやもやの解消の仕方もわからず、結構、苦しかったのです。
もやもやしてるときって、他人の意見を目にしたときに、それが自分と同じでもまったく真逆でも、ふっと自分の結論が出て落ち着いたりすることがあるので、一応ちゃんと文章にしようと思いました。



さあ!
もう今日のステージは始まっています!
今日は逃げが超豪華だから!メンバー見てるだけで、この先の展開考えてわくわくするから!


楽しんでいきましょう!!

ツール・ド・フランス 2017 第4ステージ

今日も200km越えの平坦ステージ。あの水で有名な、ヴィッテルがゴールです。
さあ!今日こそは!!逃げができるまでのアタックの攻防を見ようではないか!!


そして、アクチュアルスタートと同時に、集団から一人の選手が飛び出す。

まず飛び出したのは、ワンティ・グループゴペールの、ギヨーム・ヴァンケイスブルク!
そして…………。

……………。

………えっと。

今日、逃げ一人?


誰も追わないし、集団も許してるしで、アクチュアルスタートとほぼ同時に決まってしまいました。
……もしかして、逃げがなかなか決まらないことの方が、グランツールのスプリントステージでは珍しいのか?


結局、ヴァンケイスブルクが一人っきりでひたすら逃げ続けます。
メイン集団は、とってもスピードを緩め、タイム差は10分近くまで広がります。


こうなると、私たち視聴者は、別の戦いが始まります。
そう、寝落ち。

ものすごくくだらないんだけど、いろいろ試した結果。

画面に選手のインタビューとか映ったときに「ばるでー!」「ぐらいぺるー!」とか、その選手の名前を呼びながら画面に向かって手を振るのが、一番眠気がとんだ。

コロロンは、ねむけが 5 さがった。
むなしさが 8 あがった。


レースは、ヴァンケイスブルクがずっとずっと逃げ続け、100km前後くらいからだったかな、集団はほんとうにじりじりじりじり、すこぉしずつタイム差を詰めだすようになります。
なんていうの。ダルマさんが転んだで、どんなに鬼が掛け声をながーく発していても、絶対に一歩しか鬼に近づかない子みたいな感じ。
全然近づいてきてる気がしないのに、ちょっと目を話すと、思ったより近づいてる、みたいな。

残り50km地点の中間スプリントも、37km地点にある4級山岳も、当然ヴァンケイスブルクが1位通過ポイントをとっていきます。
メイン集団の中で、中間スプリントをとったのはデマール。二番手がサガン、その次がグライペルでした。


残り23kmを切って、ようやくようやく、ヴァンケイスブルクと集団との差が約1分になりました。
逃げ切りは無理だろうけれど、ここまで一人きりでずっと走り続けるって、ものすごいね。


残り20kmを切って、タイム差は約30秒になりました。
集団コントロールは、カチューシャ・アルペシン。


残り17km。
タイム差、約10秒。
あれ?まだ集団の先頭、縦一列じゃないんだな。

残り16.7km。
ここで吸収。お疲れ様ヴァンケイスブルク!!
CUBEの青いロードバイク、ものすっごく印象に残った。

それから、一気に位置どりがはじまります。
モビスター、ボーラ、アスタナ、エフデジ、スカイ……。
総合系の危険回避目的のチームと、今日のステージ優勝を狙っているスプリンターを擁するチームと、両方が入り乱れているようです。
ロット・ソウダルはちょっとだけ後ろめの場所を陣取ってます。
……クイックステップがあんまりでてこない。

このパターンのとき、クイックステップ強いんだよな。残り4kmくらいで出て来て、一気に前にスプリンターを連れていくの。


残り10km。
位置どり、というか、各チームトレインは作ってるんだけど、そこまでスピードでばちばちって感じはまだしません。
道が狭いのもあるのか、嵐の前の静けさという感じ。

残り8kmくらいで、ぐぐっと速度感が増し、残り6kmくらいにはコフィディスもまた出て来ました。
ディレクトエネルジー、バーレーンも出て来ました。
まだクイックステップは堪えている……。

残り3km。
コフィディスがすごくがんばってて、この時点でもうアシストがいなくなりなりました。
……ブアニって、単騎でいくイメージないんだけど。

そしてスピードがあがったままカーブを曲がっていくのですが、
ここで集団中盤で落車!!?
かなりの選手が巻き込まれ、完全に集団が途切れました。

残った主たるスプリンターの選手たちにも戸惑いが見えますが、気を取り直してまた位置どりを開始していきます。
ただ、キッテルはいない……。落車に巻き込まれたか、もしくはその後ろにいたか。

先頭はもう残り700m。
ロットがでました。二番手がグライペル。その後ろがクリストフ、ブアニ、サガン、デマールの順で、全員ゴール向かって右端に縦1列。
そこからスプリントがかかり、ブアニ以下がざざっとどんどんゴール向かって左側にひろがっていきます。

ここでもまた落車!
カヴェンディッシュ、デゲンコルブとあとUAEの選手も一人巻き込まれます。

残された選手はそのままスプリントして、道のほぼど真ん中を走っていたデマールが勝利

エフデジのアルノー・デマールがステージ優勝。
サガンが2位でクリスロフが3位でした。


落車であたまいっぱいで、リプレイ見てもあんまり最後のスプリントの状況が頭に入ってこない。


どうやら落車のときのリプレイを見るに、
横いっぱいに選手が並んで、その際道路の一番右端、ゴール向かってだと左側にいたのが、ペーター・サガン
カヴェンディッシュはその後ろにいて、ほぼ隙間のないサガンの右手側からあがろうとして、サガンに接触。サガンは、ガードしようと思ったのか、それともカヴに接触されてバランスを崩したのかは不明ですが、右肘を押し上げる。カヴェンディッシュは、ただでさえ狭く隙間がないところ通ろうとしていたので、そのままとなりのコース壁にぶつかって落車。
落車したカヴェンディッシュに乗り上げる形でデゲンコルブとあとUAEのスウィフトも巻き込まれた、というできごとだったようです。


こっちの落車も気になるけど、もう一つ手前に起きた大きな落車のリプレイも映して欲しいのですが……。
これだけほとんど映らないってことは、あの落車で大きなダメージを負った選手はいないということでしょうか……。


サガンはゴール後、すぐにディメンションデータのチームバスのところへ行ったようです。
(最初、謝りにと書きましたが、様子を見に行ったのか謝罪に行ったのかわからないので、書き直しました)
カヴェンディッシュは、肩と手を痛めていて、病院に向かったというツイートが、ディメンションデータの公式アカウントから出ていました。



4賞ジャージは、
マイヨ・ジョーヌはスカイのゲラント・トーマス。
マイヨ・ヴェールは、本日勝利したエフデジのアルノー・デマール。
マイヨ・ア・ポア・ルージュは、キャノンデール・ドラパックのネイサン・ブラウン。
マイヨ・ブランはピエール・ラトゥールでした。
ポイント賞だけが変更で、あとは変わらずでしたね。

ちなみに敢闘賞は、当然といえば当然の、ワンティ・グループゴペールの、ギヨーム・ヴァンケイスブルク!
これは、手放しで喜べました。


このあと、どうやらサガンは、30秒のペナルティタイムという裁定が一度下されたようですが、
でもそれもまた変更するかも、みたいな情報が流れてて、さらにそれにプラスして、スプリントのポイントも、マイナス80が決定したようです。
(今日の2位取り消しでマイナス30、危険走行のペナルティでマイナス50)


厳しいととるか、甘いととるか。

私は正直「これは失格になるかも……」と思っていたので、ああ、走れる裁定にしたんだ、と思いました。

サガンは総合狙ってないから、タイムのマイナスペナルティの意味ほぼないので、総合タイムと順位だけで矛を収めるにはちょっとカヴの怪我が大きそうだし、上空からの映像でサガンが右ひじを上げた動きの直後にカヴがバランス崩しているのが世界中にながされているし、でもサガンは現世界チャンピオンで大人気で今回連続マイヨ・ヴェールの記録に挑戦中でもあるから、その辺考えるとこの判断は妥当、というか、まあサガンに対してならこうするしかないよなあ、という感覚です。


これは、まだ二年くらいしかロードレースを見ていない私の、まったくもって個人的な感覚なのですが。
「世界チャンピオンが、肘で押して他の選手に大きな怪我させて、ツール失格」も
「世界チャンピオンが、肘で押して他の選手に大きな怪我をさせるも、ほぼお咎めなし」も、どっちも自転車界として避けなきゃいけない印象だと思うのですよ。
(本当に肘でわざと押したかどうかじゃなくて、客観的にどうとらえられるかの問題)

だから、「明らかに明確な、本人の目指す目標の勝敗に関わるペナルティ。でも明日からも走って勝負に参加してOK」なら、まあ、それしかないよね……と思いました。


もともとルールブックに、この場合はどうするとかって明確に載っていたとしても、どの場合にどれを適用するかは、結局現場判断だしなあ。
去年の12ステージのフルームが自転車を置いて走った行為だって、ルール通りなら、救済措置があるどころか、自転車を完全においていくのは失格なんじゃなかったっけか。


まあ、なんだかんだ書いたところで、
こればっかりは、数時間後にアップされるであろう、現地へ取材に行かれているプロのロードレース関係者の方々の、レポートや所感を早く知りたいです。
私がいろいろ考えを巡らせたところで、所詮は知識もなく現場もしらない、ただの素人の戯言なので。


でも、正直なところサガンへの裁定の是非よりも、怪我をした選手の状態の方が気になります。
みんな、明日走れるのだろうか……。


追記: これをアップした直後、サガン失格になった模様……。
そうか……。
一度、明日からもサガンは走れそうだと思っていただけに、それは、さすがに、ショックだ……。

ツール・ド・フランス 2017 第3ステージ

ベルギー、それは、チョコの国。
ベルギー、それは、ワッフルの国。
ベルギー、それは、横風の国

そんなわけで今日はベルギースタートの第3ステージ!アップダウンアップダウンの繰り返しがあって、ルクセンブルクを通り、最後はフランスに入って3級山岳がゴール地点となります。

昨日は、たった一回のアタックで決まった逃げ。
今日はそんなに甘くないはず!なんといってもツールの逃げだもの!!

って思ったら、なんか大きめのアタックの3回目くらいで決まった。


う、うーむ。
これが、普通なのかどうかがわからない。


最初は3人で逃げてたのですが、そこに後ろから3人が追いつき、計6人の逃げになります。メンバーは次の通り!
ニルス・ポリッツ(カチューシャ・アルペシン)
ネイサン・ブラウン(キャノンデール・ドラパック)
アダム・ハンセン(ロット・ソウダル)
ロメン・シカール(ディレクトエネルジー)
フレデリック・バカールト(ワンティ・グループゴペール)
ロマン・アルディ(フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト)

集団とのタイム差は、4分いかないくらい。2分から3分半くらいまでを保つように、メイン集団がコントロールしている感じです。


レース序盤、18km地点にある4級山岳は、キャノンデールのブラウンがとりました。

メイン集団は、ボーラとかサンウェブが引いている時間が長い気がします。かなり落ち着いています。
中間スプリントが近づいてきたとき、タイム詰め過ぎちゃったからか、横いっぱいに広がって四角い集団になってました。
そのときの速度は、時速19km。
逆にこの人数でこの速度で走るって大変じゃないんだろうか。


先頭グループ、中間スプリントでは、一番最初にハンセンがしかけます!
すぐに反応したカチューシャのポリッツがいった。
……あれ。ハンセンすぐにやめました。

そのままポリッツがとります。
ハンセンは、結局4位通過。


メイン集団では、中間スプリントの7位以下のポイントを争います。
コロブレッリがいい感じで一つ前にいたのですが、ポイント地点直前でカベンディッシュにぬかれました。
コロブレッリ、昨日から思ってたけど、毎度毎度ちょっと速めにスタートしすぎている感じがします。
あえてロングスプリントなのか、それとも他のライバル選手たちとの争いの中でロングスプリントじゃないとスプリントができないような、位置どりの戦いが行われているのかまでは、私にはわからないのですが。


その次に現れた4級山岳では、カチューシャのポリッツが競合いに勝ってゲット。そのまま後ろの選手たちに合流せずに、次の15km先の3級山岳目指して一人飛び出していきます。後ろから一人、キャノンデールのネイサン・ブラウンが追いつきます。
先頭が2人、10秒ちょっと離れて4人の追走。メイン集団は、その約2分後方にいます。

3級山岳が近づいてくると、ブラウンが先にアタックをかけました!まだ全然ポイントが見えない、かなり早めのアタックですが、ポリッツ、追いつきません!
そのまま徐々に引き離し、ブラウンが3級山岳ポイントをゲット!



先頭が残り60kmになったところでメイン集団から3人のアタックがかかりました。
リリアン・カルメジャーヌ(ディレクトエネルジー)、ピエールリュック・ペリション(フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト)、そしてきたぞ!!最強の逃げ屋、ロット・ソウダルのトーマス・デヘント!!

この追走グループが、しばらくして前の逃げ集団に追いつきます!
メイン集団とのタイム差は50秒。
でもこのタイム差がまた徐々に開き、1分30秒くらいに落ち着きます。

しかし、せっかく人数が増えたこの先頭集団の9人。協調が成立しません。
スピードはあがってるのですが、この9人のなかで、なんども中切れが起きます。
最終的に、先頭として残ったのは4人だけ。
カルメジャーヌ、アルディ、ペリション、そしてデヘント!

ほかの5人の選手は、スピードをあげてきたメイン集団に、徐々に吸収されていきます。
メイン集団は、クイックステップがメインでスピードをあげています。


残り40km地点で、先頭4人とメイン集団とのタイム差は約1分40秒くらいです。

先頭が残り35kmに到達したころ、最後まで一人で追走として残っていたハンセンが吸収されました。
これで、先頭4人、1分45秒遅れてメイン集団というわかりやすい構図になります。


残り25km。
先頭4人とメイン集団とのタイム差は、約1分15秒です。


残り22km。
タイム差が約1分5秒。
ここでまず、先頭でアルディが遅れます。まあ最初の逃げ6人に入っていたからね……。
そして次に、なんとデヘントが遅れる!

残ったのはペリションとカルメジャーヌ。
そしてカルメジャーヌがスピードをあげた!ペリション遅れる!
ディレクトエネルジーのカルメジャーヌ、単独先頭!

残り18kmで、先頭のカルメジャーヌと集団とのタイム差は、約1分!
メイン集団はかなりスピードをあげています。風は向かい風、逃げに不利です。


残り13km。
タイム差23秒!後ろは、オリカ・スコットが先頭でスピードをあげます。
と、集団後方で落車発生!スカイのキリエンカ、バーレーンのボルト・ボジッチが転んだ模様ですが、大きな怪我はなさそうです。


残り11km。
メイン集団では、カルメジャーヌを吸収する前に、すでに位置どりがはじまりました。
カルメジャーヌは、残り10kmのアーチをくぐったところで、ようやく集団に吸収されます。

曲がりくねった道の中、向かい風でスピードが上がらない状況下での位置どりに、集団はいつも以上にごちゃごちゃしている印象。
先頭はBMC。クイックステップやロット・ソウダルも、集団前方に来ています。


BMCはヴァンアーヴェルマートが勝負をするのでしょう。
そして、クイックステップフィリップ・ジルベールが控えています。
ロット・ソウダルは、だれかな。ティム・ウェレンスかな。
あと、今日ずっと集団を牽引していたボーラはペーター・サガン、サンウェブはマイケル・マシューズがステージ争いにからんでくると思われます。


残り3km。
先頭はボーラ・ハンスグローエ。集団は縦1列です。かなりスピードが上がっています。
カベンディッシュやブアニなど、登りが苦手がスプリンターは集団から遅れていきます。


残り2km!登りに入ります!
かなり勾配がきついです。
ずっとずっとBMCが先頭です。二番手がBMCのエース、リッチー・ポート!


残り1km!
ポートがスピードをあげた!
その後ろについているのは、え、コンタドール!?
コンタドールの後ろには、ボーラの選手。後ろにサガンを連れています。
サガンがポートの後ろに回り込みました。

そして、サガンが踏んだ!
数回ペダルを回しただけで、一気に先頭に踊りでてしまうサガン
めっちゃ余裕!!後ろを確認しながらゴールすぐそこなのに、後ろを振り返りつつ踏んでます。どういう状況だこれ。
でもそこでペダルが外れた!!えええ!?ここで!?
その隙に一気にあがってくるアーヴェルマートと、ダニエル・マーティン
サガン、あんまり慌てた様子もなく、ちゃんと外れたクリートをはめ直して、踏み直します。
するとまた一気にそれで前に出るサガン!すごい、一瞬で立て直した!
アーヴェルマート遅れる!マーティンは食らいついていく!
しかしマーティンの右手側から、大きくスピードを上げて入ってくる黒と白のウェア!
サンウェブのマイケル・マシューズだ!

ゴール向かって右からマーティン、サガン、マシューズ!
勝ったのは、サガン!!

ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン、ステージ勝利

……あの状況でクリートをはずれて、そのまま勝てるサガンってやっぱり尋常ない強さです。すごすぎる。
スターは、ミラクルを起こすからスターなのですね。
2位はサンウェブのマイケル・マシューズ。3位がクイックステップ・フロアーズのダニエル・マーティンでした。
クイックステップはてっきりジルベールで来るものだと思っていましたが、ジルベールトップ10に入っていませんでした。


さてさて、4賞ジャージ!
マイヨ・ジョーヌは変わらず、スカイのゲラント・トーマス。ちなみに2位に、フルームが12秒差が入っています。
マイヨ・ヴェールも変更なし!クイックステップ・フロアーズのマルセル・キッテル
そしてマイヨ・ア・ポア・ルージュは、今日逃げに乗って、3級と4級の1位通過ポイントをそれぞれ一つずつとった、キャノンデール・ドラパックのネイサン・ブラウン!
マイヨ・ブランは、アーゼードゥーゼル・ラモンディアルのピエール・ラトゥールになりました。
敢闘賞は、最後の方に単独で逃げていた、ディレクトエネルジーのカルメジャーヌです。


今日のステージ争いは、もっとパンチャーの選手だけの争いになるかと思っていたのですけれど、
総合上位狙っている選手も普通にからんできていて、ちょっと不思議な感覚でした。

あと、何よりも、天気がよくて本当によかった。

ツール・ド・フランス 2017 第2ステージ

今日は203.5kmの平坦ステージです。
山岳は、始まってすぐの6.5km地点と、ゴール前12.5kmのところに4級山岳があるだけなので、スプリンターの争いになると思います。
ちなみに中間スプリントは、ゴール地点から121km地点にあります。


アクチュアルスタートからすぐに、プロコンチネンタルチームの選手を中心に、アタックがかかります。
ローラン・ピション(フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト)と、トマ・ブダ(ディレクトエネルジー)。そこに、テイラー・フィニー(キャノンデール・ドラパック)とヨアン・オフレド(ワンティ・グループゴペール)も入ります。

そしてこの4人による逃げがすんなり決まり、すぐにやってきた4級山岳ポイントでは、きれいにフィニーが飛び出して、そのまま1位通過。山岳ポイントを1ポイントゲットします。

メイン集団は逃げから約3分ちょいくらいの間隔をたもったまま、レースがすすんでいきます。

メイン集団を引くのは、ロット・ソウダル、クイックステップ・フロアーズ、ディメンションデータが中心。
それぞれ、アンドレ・グライペルマルセル・キッテルマーク・カヴェンディッシュという、本日の優勝候補となるスプリンターを擁するチームですので、タイム差が開きすぎないように調整をしているかたちです。


ただ、ちょっと気になるのが、タイム差です。約3分。
総合が絡まない平坦ステージにおいて、平坦ステージでの逃げとのタイム差って考えると、かなり短めな気がします。
さらにメイン集団は残り140kmくらいになってからカチューシャも前を牽引し出し、タイム差を2分10秒代に詰めはじめました。
登りとかもないので、偶然このタイム差になったわけではなく、明らかに意図的にタイム差を縮めている気がします。
逃げの4人に、中間スプリントポイント取らせないつもりなのかな?

しかし、135kmくらいになると、今度はまた徐々にタイム差を広げはじめました。
何が何でも、絶対に万が一にも、逃げ切り勝利は許さないという意思表示?
……んーむ。よくわからん。

しかし、残り130kmを切ってきたくらいで、だんだん天候が厳しくなり、125kmくらいにはかなりのざーざー降りになりました。

ううー。中間スプリント手前から降るって、タイミングが悪いよー。危ないよー。
絶対メイン集団、かなりの高速スプリントするだろうに……。


雨は止むことなく、残り121kmの中間スプリント地点が近づいてきます。
先に中間スプリントポイントに来た逃げ集団では、またもやフィニーがとびだしました。
その反対側から、ブダもスプリント!
ブダのが速い!
フィニーは直前でスピードを緩め、中間スプリント1位通過はディレクトエネルジーのブダがとり、そこからフィニー、ピション、オフレドの順番でスプリントポイントを通過していきます。

その2分25秒後方にいるメイン集団。
5番手通過を争う、スプリンターの戦いがはじまります。
バーレーンメリダ、ロット・ソウダル、クイックステップ・フロアーズ、カチューシャ・アルペシンなどが集団前方でトレインを組みだしました。

ポイントまで近づいた時点で、バーレーンのコロブレッリが他のスプリンターたちより先に飛び出しますが、そのとなりで遅れてスプリントを開始したカチューシャ・アルペシンのクリストフがぐぐっとのびて、クリストフがスプリントポイント5番目の通過者に!
ブアニ以外のほとんどのスプリンターがこのポイント争いに参加してスプリントをしていましたが、雨だったからか、それほどバチバチのあわやぶつかる!?っていうスプリントにはなっていませんでした。

そこから、またずーっっっっと、同じくらいのタイム差を保ったまま、レースは進んでいきます。
雨は気付いたら止んでました。

ふう、とりあえずよかった。
と思ってぼーっとしてたら、残り70km切ったあたりから、また降り出します。


大雨の中、残り40km地点で、逃げ集団とメイン集団とのタイム差は約1分30秒になりました。
メイン集団を引くのは、エフデジとカチューシャ。
エフデジは、今日はデマールで勝負だと思います。

残り37km。
タイム差が1分を切ってきました。
先頭ではちょっとフォルチュネオのピションが遅れ気味ですが、なんとかついていってます。


残り30km。
タイム差が40秒を切り出したところで、メイン集団で大落車発生!!
円形のロータリーに入る入り口付近の水溜りかなにかで、右端の前の方にいたカチューシャの選手がすべり、その左側にいた選手や後ろにいた選手が軒並み落車しました!
カチューシャ、スカイ、ロットNL、アーゼードゥーゼルの選手が、片っ端から巻き込まれた感じです。他のチームの選手も混じってて、全部で2~30人の選手が転んでいます。
主に総合系の選手たちや、そのアシストの選手が多く転んでいる模様。フルームやバルデ、ポートも巻き込まれた!?

幸いなことに、それからちょっとして、転んだ選手たちは全員走り出したようです。
メイン集団では、ボーラが先頭を引き出していますが……後ろから前をひいているチームメイトたちに話しかけてるの、ユライにーちゃんかな?
たぶんちょっとスピードを抑えよう、みたいな感じだと思います。
程なくして、なんとかみんな遅れた選手たちはメイン集団に合流しました。
残り22kmで、逃げ集団とメイン集団との差は約30秒。


残り20.5km。
先頭では今日のもう一つの4級山岳ポイント争いがはじまります。
4人縦1列に並んでいた状態から、まずはピションがアタック!すかさずついていくフィニー!
フィニーはピションの左側からあがっていきます。
でもきびしいか……、と思った瞬間、山岳ポイント目前のところでスピードをあげてギリギリ先に通過!

キャノンデールドラパックのテイラー・フィニー、山岳ポイント独占です!(計2ポイントだけど)

そのままフィニーは、残した3人と合流することなく、一人で飛び出していきます。
ワンティのオフレドだけが後ろからおいついてきて、先頭は二人になりました。

その約40秒後ろにメイン集団。
雨で降りで、なおかつ急なカーブが多いので、メイン集団は慎重に走っています。


先頭が残り12km地点。
先頭はフィニー&オフレド。
その後ろが、すでにピションとブダを吸収したメイン集団。タイム差は約50秒。

あ!やっと晴れて来た!!


残り8km!
タイム差37秒。
メイン集団では、位置どり合戦が始まっていて、エフデジやロット、クイックステップが徐々に上がってきています。
……んー。グライペルが単騎であがってきてない……。ここ最近、調子いいときには、早めに一人で集団の前方にいて、逆にアシストを探しているシーンが目立つ気がするのですが。


残り5km。
タイム差は30秒。
メイン集団の先頭は、ロット・ソウダルの鉄人アダム・ハンセン!!
ただ、道が広いので、横いっぱいに並んで他のチームもトレインを組んでいきます。
クイックステップやボーラも、集団の前に出て来ました。


残り3km。
逃げの二人とメイン集団とのタイム差は、20秒!!
ディメンションデータ、エフデジ、クイックステップ、みんなトレイン組んでます。

残り2km。
タイム差10秒!
うわああ!ギリギリ、無理かぁ!!


残り1km。
逃げの二人が吸収されました。集団先頭はロット・ソウダル!
集団右端からボーラ・ハンスグローエのアシストの選手が先頭に躍り出ます!その後ろにコフィディスの選手!さらにその後ろがサガン、ブアニ!


ゴール前の直線で、ほぼ全チームのスプリンターがざざっと横にならんだような状態に!
その中から、まるで押し出されたかのように、少し飛び出した位置にいたのがサガン
今いくと早すぎるのがわかるのか、ものすごく後ろや横を見ながら、スプリントのタイミングをはかります。

あ!サガンの真後ろにいたブアニがスプリントをかけた!
その途端、一気に本気モードでスプリントを始めるサガン
しかしそのとなりから、バーレーンメリダのコロブレッリが上がってきて、サガンを抜く!
コロブレッリに決まったかと思ったけど、まだゴールが遠い!

コロブレッリの右手側からあがってきたキッテル!
その二人の間をぬって、キッテルの後方にいたグライペルがスピードをあげてコロブレッリを抜く!
でもキッテル、さらにその前に出でる!
キッテルのすぐとなりにデマールが迫って来ているけれど、届かない!

クイックステップ・フロアーズのマルセル・キッテル、ステージ優勝!!
キッテル、感極まってゴール後に、両手で顔を覆って泣いていました。
自国スタートのステージでの勝利。すごいプレッシャーだったのでしょう。
おめでとう!キッテル!!
2位はデマール。3位がグライペルです。
コロブレッリは6位、ブアニが8位で、サガンは10位でした。


本日、マイヨ・ジョーヌは動かず、スカイのゲラント・トーマスがキープしました。
2位は、5秒差のBMCのシュテファン・キュンク。もちろん本日も新人賞ジャージゲットです!
ポイント賞ジャージは、本日ステージ優勝したキッテルがゲット!
ついでにボーナスタイムのおかげで総合でも現時点で3位にあがってきました!トーマスとは、6秒差です。
山岳賞は、現時点で唯一山岳賞ポイントを持っている(4級山岳は、1位通過した人にだけ、1ポイントしかポイントつかない)、キャノンデールドラパックのテイラー・フィニー!
そして敢闘賞は、フィニーとともに最後まで逃げた、ワンティ・グループゴペールのヨアン・オフレドでした。
最後の最後ギリギリまで全力で逃げてたフィニーとオフレドが、二人とも表彰台にあがれてよかった!




それにしても、雨こわい!!
とりあえずはあの落車に巻き込まれた選手はみんな落車後走っていたようなのですが、あとから痛みが出てくてリタイアすることも多いので、集団落車の影響が気になります。


明日もスプリントのステージではありますが、綺麗な平坦ではなく、細かいアップダウンがひたすら続くステージです。
……雨、降らないでほしなあ。

ツール・ド・フランス 2017 第1ステージ

はじまりました、今年のツール・ド・フランス
初日は、ドイツ、デュッセルドルフにおける、14kmのタイムトライアル!
ライン川沿いを走るコースです。

ちなみに雨!!

今日の優勝候補筆頭は、現タイムトライアルスペシャリストで、開催国ドイツ出身、カチューシャ・アルペシンのトニー・マルティン
その前の世界王者、チーム・スカイのヴァレル・キリエンカ。
そして、山も強いし下りもすごいけど、タイムトライアルもめっぽう強い、前回ツールチャンピオン、チーム・スカイのクリス・フルーム
それに、昨年のジロ初日にものすごいタイムを出して、一躍その名を知らしめた、ロットNLユンボのプリモシュ・ログリッチェ。

他には、先日の格好選手権でTTのナショナルチャンピオンになった選手たち。
フランス、アーゼードゥーゼルピエール・ラトゥール。
イギリス、ディメンションデータのスティーブ・カミングス。
スペイン、モビスターのヨナタンカストロビエホ。
ノルウェー、ディメンションデータ、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン。
などなど。

しかし、雨かー。
悪天候がとくいなタイムトライアルスペシャリストって誰だろう。
ロードレースって、暑いのが得意な選手、寒いときに実力が発揮できる選手、なぜか悪天候になると俄然強くなる選手、など、いろいろ天候や気温などによっても、レースの結果が左右される気がします。
屋外スポーツだしね。


総合優勝候補の選手の走行順とかでいうと、モビスターのナイロ・キンタナやトレック・セガフレードアルベルト・コンタドール、アスタナのファビオ・アル、そしてフルームは、各チームの最終走者なのでかなり最後の方ですが(初日のTTは各チームから順繰りに一人ずつ走る)、BMCのリッチー・ポートは、最終の一つ前の走者なので、ちょっと早め、アーゼードゥーゼルのロメン・バルデは、チーム最終走者の二つ前の位置で走るので、だいぶ早いです。

「別に、何番めでもよくない?」って思われる方もいるかもしれませんが、ロードレースは天候の影響を大きく受ける競技ですので、その数十分で風の強さがかわったり、今日みたいな天候だと雨足の変化があるので、順番がライバルと離れていると、ラッキーになったりアンラッキーになったりするのです。


レースは、30番目に走った、サンウェブのニキアス・アルントが16分20秒というタイムで暫定1位になり、このタイムがちょっと続きます。
やっぱり地元、ドイツ人選手のガッツが光る!

そのタイムを塗り替えたのが、78番目に走ったクイックステップ・フロアーズのマッテオ・トレンティン。16分14秒。

しかしそのすぐあと、88番走者のキリエンカが中間計測を1位通過し、絶好調でゴール!16分11秒。
キリエンカって、ステージレースのTTだとなぜかあんまりタイムがのびないイメージがあったのですが、今日は調子が良さそうです!


そのあと、同じくスカイのクヴィアトコウスキーも絶好調で、中間計測ではキリエンカと同タイムで1位。
おお、好調!
と、ふとクヴィアトの後ろについているチームカーに目をやると、あれ!?フルームが乗ってる!?
コースのチェック!?こんなタイミングでこんな形でするものなの!?

ちなみに、フルームが走るのは、クヴィアトの1時間28分後。
う、うーむ。トレーニングの知識がないから、アップの時間の常識とかわからないので、スケジュール的に余裕なのかギリギリなのかよくわからない。


しばらくして、アーゼードゥーゼルのエース、ロメン・バルデが走り出し、ゴールしました!
と、その直後、スカイのゲラント・トーマスがものすごい勢いでゴール!全然映ってなかったから忘れてた!!そうだよ、ジロでの落車による怪我から回復して、今回フルームのアシストで出場してるんだった!そしてTT強い選手だった!
そしてそのゲラント・トーマスがキリエンカのタイムを上回りました!16分4秒!

トーマスかっくいー!!!!


自分でも、あまりにも現実味がない気がして、今まで書きませんでしたが、
実は私のツールの総合優勝予想は、ゲラント・トーマスです。

いや、理由はすごくくだらないのですが。

ジロ勝ったのって、優勝候補の筆頭だったキンタナやニバリでもなく、デュムランでしたよね?
ドーフィネ勝ったのって、フルームでもアルでもなく、フグルサングでしょ。
パリ〜ニースも、コンタドールでもポートでもなく、エナオ
つまり、今年の大きめなステージレース、優勝候補として最初に名前があがる選手じゃなく、勝ってみて「ああ確かに」っていう選手がとってる感じがするのですよね。

運だと言ってしまえばそれまでなのですが、
もしこれが単なる運じゃないとすれば、今年は各チームの「この選手はやばいからマークするぞ!」っていう作戦とかが、特にステージレースにおいてうまくいってると考えることはできないかな、って思ったのです。

もしそれがそうなら、今年のツールは特に、各チームのエース、いろんな選手に対して優勝の可能性がありそうだぞっていうようなニュースが多い。
逆に優勝候補で名前があがりやすいエースをみんなはずして、各チームのセカンドエースの選手の中から優勝候補を考えたとき、まっさきに頭に浮かんだのは、スカイのゲラント・トーマスだったのですね。

まあ現実的な予想ではないなって自分でも思うのですけれど。


しかし、今日は落車が多いTTです。
一箇所、長くきついカーブがあって、そこに水溜りも数カ所あり、何人もの選手がみんなそこで転んでいました。
そして、なんと、174番目に走り出した、モビスターのアレハンドロ・バルベルデがカーブで落車!
カーブを曲がっている最中に、タイヤが滑ってころび、そのまますべって柵に激突。
バルベルデ、立ち上がれません。ただ、その位置が次の選手がやってきたとき、確実に通るライン上だったため、慌てて柵の外にバルベルデを運ぼうとするスタッフの姿が映りました。

十数分後、バルベルデのリタイアが発表されました。
なんてこと……。今年、バルベルデ絶好調だったのに。


気を取り直して、本日の優勝候補筆頭。トニー・マルティンがスタートです。
中間計測、1位!さすが!!

さあゴールタイム!
マルティンは、16分12秒。キリエンカに続いて暫定3位。
……トーマス、中間計測ではマルティンより4秒遅れてたよね……?どんだけ後半速かったんだトーマス。

そうこうしている間に、最終走者のフルームも走り出しました。

続々ゴール!
マルティンのちょっとあとにゴールした、BMCのステファン・キュンクもいいタイム!
しかしやっぱりトーマスには届かず、16分9秒で暫定2位!


そして、最終走者フルーム!
ゴールタイムは、16分16秒。6位!

ツール・ド・フランス第1ステージ、勝者はチーム・スカイのゲラント・トーマス!!!
ここまでずっとクールだったトーマスが、飛び上がってスタッフに抱きついていました。
おめでとう!ジロのあの落車の後から、よくぞここまで!!

今日は最初のステージなので、
ステージ勝利も総合リーダージャージ(マイヨ・ジョーヌ)も、ポイント賞ジャージ(マイヨ・ヴェール)も全部ゲラント・トーマスが表彰されます。
新人賞は、BMCのステファン・キュンク!

ちなみに、最初の方に本日の優勝候補として名前をあげていたログリッチェはアルーと同タイムでした。予想外。落車したのかな……。


ちなみに、総合優勝争いに関わりそうな選手たちのタイムでいうと、
スカイのクリス・フルームは上に書いたとおり、16分16秒。
BMCのリッチー・ポートは16分51秒。
モビスターのナイロ・キンタナが16分52秒。
アスタナのファビオ・アルが16分56秒。
トレック・セガフレードアルベルト・コンタドールが16分58秒。
フルームだけちょっと抜きん出た形になりました。

リタイアは、モビスターのバルベルデと、そしてバーレーンメリダのエース、ヨン・イサギーレインサウスティ。スペイン人が2人リタイアです。
14kmで調子が悪くてどうのっていうのは考えにくいから、イサギーレも落車したんだろうか。

雨、怖いね。


ものすっごく意外なことに、トーマスはグランツール勝利でした。
そんな記念すべき勝利なのにもかかわらず、ゴール直前以外、トーマスは全然映っていなかったです。
TT強いけど、スペシャリストではないっていうのがあったから、きっと撮影班もぬけていたのでしょう。
私も完全にチェックすべき対象から抜いてました。

アシスト選手がいないと、エースの選手だって記録を残せないのにもかかわらず、つくづくアシストの選手の活躍って、記録に残らないのだなということを感じた今日のレースでした。


ゲラント・トーマスが今日勝利できてよかった!!

Amazon.co.jpアソシエイト