コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

2018年 ハンマー香港観戦記 その3

いよいよ、待ちに待った、ハンマースプリントのレーススタートです!!

パレードランはないようで、そのまま一気にレーススタート!
ただ、私が見ている場所はスタート地点よりも手前の場所になるので、スタート直後は集団の後ろ姿しか確認できません。


と。
そこで。

目の前を、猛スピードで走りゆく、赤い小柄な影が一つ……。


あれは……。

リッチー・ポート!!!


………………………………………………え。

「ぽぉぉぉとぉぉぉぉ!!?」
遅刻!!?!!?


そういえば、ピットエリアで「あれ、いつまでもポート来ないな」って思ってたんだけど、あのまんまずっと来てなかったのか!!?
そのまま反対車線に集団が回っても、まだ追いついていないポート!がんばれポート!!まけるなポート!!

コースマップの都合上、私が見ている地点からは、集団は一度見えなくなって、しばーらくしてからフィニッシュ地点、ハンマースプリントでいうとスプリントポイントに集団が戻って来ます!

その速いこと速いこと!!

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正直、モニター画面もないし、ネット中継やってるところがあるかもわからないので、誰が先頭で入って来たのかがわかりません!
正確には、モニターはあるのですけれど、場所がフィニッシュ地点先の有料っぽい観客席があるエリアの前のため、映像が見えません!
そして、夢中になって写真をとってたので、ポートが残っているかわかりません!
あと、日本のレースみたいに、レース会場でスタートリストの紙を配ってくれている様子もないので、誰が何番だかよくわかりません!!


難易度高い!!
観戦場所確保の難易度異常に低いのに、レース内容理解しようと思ったらものすごく難しいぞハンマースプリント!!

けれど、不思議なもので、人間って慣れるのですよね。

まず、スタートリストに関しては、チームピットエリアで偶然お会いした、日本人の観戦者の知人の方に教わった、ネットで載っているサイトを教えていただきました。
PDFじゃなかったので、レース中に画面を何度かスクロールされたスクリーンショットをとって、それでスタートリスト確保。
そして、レース内容に関しては、会場内のアナウンスでなんとなく状況を把握しはじめました。
会場内のアナウンスは、英語と中国語が交互に流れています。もしかしたら、広東語と北京語とかそれぞれあったのかもしれませんが、私が英語しかわからないため、とにかく私がなんとなくわかる英語と、わからない中国語っぽい言葉が交互に実況が流れていました。


で、流れとしてはこんな感じ。
目の前を、レース先頭の選手たちが通る。
なんとなく、前方の選手に関して「あのチームでこの体型なら、あの選手じゃない?」って考える。
で、アナウンスに耳をすませ、その予想した選手の名前が流れたら、ほぼ確定!
数分すると、反対車線に選手が現れる。
遠いので、早くても余裕があるため、全力で声援!!

集団がみんないってしまうと、アナウンスに耳をすませ、ポイントとかを聞く。
みたいな感じでした。

だいたい、5分くらいすると戻ってくる感じでしたね。


数週ずつ、前の方にいる選手がかわるので、知っている選手が先頭にあがってきた一週目はわからなくても、その半周後あたりから応援できるって感じでした。


あ。
ゲシュケは最初っからわかりましたよ!!おひげって大事ね!
あと、最近はちょっとなれてきたのか、ニッポ・ヴィーニファンティーニのマルコ・カノラも、なんとなくわかった気がします。
中根さんは、慣れればわかりました。
デュムランは、がんばればわかった。
ジルベールは難しかった!!

ちなみに、ポートは結局、最初の数週でリタイアしたようでした。

…………ポート…………。


日本に帰って来てから、スプリントレースで、1周遅れで走ったのにポイントが加算されてしまって云々みたいな話を聞きましたが、
レース中、現地ではその辺全然わかりませんでした。

というか、たぶん英語とか関係なくて、
耳で聞くだけで、ポイントでどのチームが勝ってるとかを一周ごとに把握して見るとか無理だ!!
わかるのは、誰がその周を先頭で通過したか、くらいです。


数周ごとに活躍する選手が入れ替わりながら、目の前を通過していってくれるのはすごい迫力だし、
「おお、次はこの選手が出て来たか!!」っていう喜びはあるものの、何せ通常のサイクルロードレースにおける『レース展開』という名のストーリーめいたものがほぼないので、どの周回で誰がどうなって次の周で誰がどうなってっていう状況を覚えていられませんでした。

最後の方はずっとジルベール!!って叫んでた気がします。


ハンマースプリントが終わると、今度はチェイスです。
まずは、下位チームのチームTT対決!

ここで戻って来ました、BMCリッチー・ポート!
待ってました!!そうか、チームTTで活躍するために、さっきは途中でやめたんだ!
いけいけポート!!がんばれポート!!

って思ってたら、一周も走らずにリタイアしました。
……ポート……。

そのうちに、上位チームのチームTTもスタートしました!
チームTTは、スプリントと真逆で、見る分にはとってもわかりやすかったです。
体格で、誰が何番目かもわかるし!

ただ、あっという間に終わりました。
そして、ここまでのスプリントの影響なのか、
ぶっちゃけここで、どのチームが勝ってもいいや的な気持ちになってたので、結果全然覚えてません。
まあ何よりも、世界レベルのチームTT見たのが初めてで、完全に釘付けになってしまってどこが勝ったとかどうでもよかったのです。


もうね。
すごいよ。
ものすっっっっっっごく静かなんです。

なんか、ものすごく、馬跳びの馬役がうまい小学生を思い出しました。
ヘルメットの形状のせいもありますが、頭と背中が一直線なのです。

速いチームほど、みんな静かで、等間隔で、同じようにまっすぐで、きれい!!

とった写真だけ、いくつか。

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はっはっは!
いかに私が写真が下手かがわかるだろう!!

…………ごめんね。


ちなみに、香港、暑いです。そんで、建物の中は驚くほど寒い。
真夏にやってた石川台ロードレースほどではないですが、気づかぬうちに体力は消耗する感じの観戦環境なので、個人的に折りたたみ椅子は必須でした。
ですので、レース時間は短いのに、観戦が終わったあと、かなり体力を消耗していました。

レースが終わるとあっという間に人がいなくなります。
私のいた場所もそうでした。
終わって、観戦場所から歩道に戻るときに、現地実況をしていた人のとなりを通りました。
英語の実況をしていたのは、エヴァンスでした。

…………え、お、あ、オーストラリア英語だったのか。



せっかく香港まできたので、できれば誰か一人ぐらい、選手のサインとか写真が欲しい……。
それで、チームピットエリアに向かいました。
それにほら、私のホテルもほら、そのエリアなので、どっちにせよそちらに戻る必要があったので。

そして、チームピットエリアに戻ると。
そこで、素晴らしい光景を目にしました。



BMCの、ポートが、リッチー・ポートが、ずっとファンサービスしてたの!!!

BMCは、ハンマーチェイス前半のグループだったので、もうそのエリアに他の選手はだれも残っていないのです。
たぶんスタッフもいない。

その中で、ずっとポートが一人たったまま、たくさんのファンに順々にサイン書いて、写真とって、握手して、って、ファンサービスしてたのです!


おお、ぽーと!!!(感動!!)

リタイアしたタイミングを考えると、かなりの時間だと思います。
えらい、すごいや、ポート!


ポートの列を通り過ぎると、
クイックステップの選手の集団を見かけました。


ここまで書いていませんでしたが、
私、今回のハンマー香港では、友人が作ってくれたジルベールの応援ボードを持って応援していました。

なので、どうしても、
ジルベールのサインが欲しかった!

ぱっと見はどの選手がジルベールか見分けがつかず、この選手かなーって思っても確証がもてなかったのですが、袖に虹色のマークを発見して、ジルベールだと確信!

もう、ホテルに戻る選手たち。何せ足が長いので、歩くスピードも尋常じゃありません。
勇気を出して、後ろから声をかけました。

「ミスター、ジルベール!、ミスター、ジルベール!」

ホテルのロビーで、ジルベールが立ち止まりました。
そして、キョロキョロと声の主である私を探しました。ほら、海外選手からすると、私、小さいから。

すかさず近寄って、応援ボードを差し出して、サインをお願いしました。
そして、ジルベールが書いてくれたサインがこちら!!


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うわーい!!うれしいー!!



一度ホテルの部屋にボードを置いてから、もう一度ホテルの外に出て、今度はホテルに戻る途中だったドゥムランに、ツーショットをとってもらいました。

幸せ!!


ちなみに、ジルベールもデュムランも、ぱっと見でわかるくらい、めちゃくちゃ疲れてました。
チームTTって、本当に大変なんだなって思いました。


そんな感じで、レース観戦自体は終わりましたが、
そのあとも、
夜、ホテルのロビーのバーでハンマーシリーズのポロシャツ着たレース運営関係者が飲んでいたり、
翌朝ホテルの朝食バイキングでボーラのスタッフがあつまってご飯を食べていたりと、なんか、きっと私に語学力と社交性があればとても素晴らしいことになる条件自体は揃っているというすさまじく恵まれた観戦環境だったことを報告しておきます。




そんなこんなで、ハンマー香港観戦の結論!!

ぶっちゃけ、ハンマーシリーズのレース内容は、現地ではわからん!!
ただ、憧れのワールドチームの選手たちとの距離はものすごく近くて、そこまで観戦客もいないので、走っている姿自体はとっても見やすい!!
あと、香港自体、英語がどこでも通じるし、日本語でメニューを置いてる飲茶のお店や日本語スタッフがいるホテルも多く、どこでご飯たべても美味しくて、海外旅行先として、かなり気楽にすごせる場所でした。

なので、ハンマー香港は初海外観戦先としては、なかなかちょうどいいレベルだったのかなと思います。


レース観戦地区は、治安もよかったし、気をつけるのは寒暖の差くらいかな。
来年もハンマー香港があるかはわかりませんが、
海外で自転車レース見てみたい、でもあんまり海外旅行の経験はないし、海外レース観戦の頼れる先輩もいないから不安、っていう人には、とても向いていると思います。


ただ、私は、次は行かないかな……と思います。
なぜなら、私がサイクルロードレースで一番重要視しているのは、レース展開と戦略なので!
ハンマーシリーズはそれはそれで魅力的なのですが、大金かけてお休みいっぱいとって海外いくなら、次はヨーロッパのレースがいいです!できればクラシック!



そんなこんなで!!

年明け最初の記事は、のばしのばしにしていた、ハンマー香港の観戦記事でした。
2019年も、宜しくお願いします。

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