コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2018 第17ステージ

今日は65kmしかないベリーベリーショートステージ!!!
なんかカタカナで書いたら美味しそうですね。

1級のぼってくだって、1級のぼってくだって、超級のぼって終わり!っていうステージです。
スプリンターにはきっつい……。

今日は、ただ短いだけでもなくって、スタート方式も特殊です。
その名も、グリッドスタート!!

MotoGPとかとおんなじらしいのですが、
私みたいに「モトとか言われてもわからないよ……」って人にとってはきっとこれがわかりやすい!

マリオカート!!!


マリオカートみたいに、総合1位の人から順番にスタートラインに近い方から順に、1位のひとはここ、2位のひとはここって、20位までが完全にきまった場所にいて、前からスタートするのです。
それ以下の人は、あなたはここ!!っていうのは厳密には決まってないけれど、5人ずつ4列の20人ずつのブロックになっていて、そのブロック内での場所は指定されていないという形みたいです。

ってことは、もちろんないね、パレードラン。


どうなるのかまったく想像できないけれど、そのトップ20人の中でモビスターのキンタナ、ランダ、バルベルデがいるから一番有利じゃん!!

とか思ったけれど、別に20番以降にいても、そんなに場所離れているわけじゃないから、あっという間に追いつくのでは……?
そんでもって、TTのスタート台みたいなのないから、勢いつくわけじゃなし、それこそモータースポーツみたいに、最初から猛スピードなんてできないよね……?


数々の疑問を残しつつ、期待を膨らましつづけ、いよいよ信号が青になった!!

さあ、レースがスタート!
どの選手も、よっこらせと足をペダルにのせてゆっくりと踏み出します!!


……。


思ってたのと違う。


すぐに、ちょっと後ろからどんどん逃げたい選手がやってきます。

総合上位はすでにゆっくりモードです。
左によけている総合上位勢。
そして逃げたい選手は、その右側からどんどん前にあがっていきます。


もうデマールが遅れてしまいました。
きつい登りと下りしかないコースだもんな……。ピュアスプリンターにはきつい……。


そうこうしているうちに、気づいたらアスタナのカンゲルトが単独で逃げていました。


というか、逃げ……にげっているほどにげじゃないっていうか、
始まってすぐ登りなもんだから、集団が追いかけるつもりなくても前に出たい選手と集団でいたい選手に差がなくって、ただ遅れた選手だけがどんどん離されていくという感じ。

実際には、逃げたい選手とコントロールしたいメイン集団、の展開なんだけど、途切れ途切れの長い集団に見える。
不思議。

ただ、それは逃げに乗りたがった選手がいっぱいいたからかもしれません。
だんだんいつもの形になってきました。
たくさんのばらばらとした逃げ、とメイン集団。そして遅れていく平地組。


やがて先頭のカンゲルトに、コフィディスのニコラ・エデが追いつき、先頭は2人になります。
その後ろから、3人の追走がせまります。
現在山岳賞ジャージの、クイックステップ・フロアーズのアラフィリップ。
コフィディスのヘスス・エラダ。
UAEクリスティアン・ドゥーラセック。

でもエデは遅れてしまい、またカンゲルトの単独先頭になります。
追走は4人に。
ちなみに残り55kmの地点で、メイン集団は約2分30秒くらい後ろになりました。
いつものレースがやってきた!


そのうち、追走グループから、じわり……とアラフィリップが抜け出しました。エラダとドゥーラセックが、じわじわと追いついて、また追走は3人になります。
先頭のカンゲルトからは、20秒差くらい後ろです。

そのさらに35秒くらい後ろに、6人のグループができました。
モビスターのバルベルデとソレル、ボーラ・ハンスグローエのマイカコフィディスのナバーロとさっき遅れていったエデ、それに、アスタナのフライレがいます。

合間にぱらぱらと他の選手もいるので、もっと増えそうな気配があります。



あっという間に、カンゲルトはもう最初の1級山岳山頂を1位通過しました。
スタートから最初の峠まであっという間!!


すぐにアラフィリップ、デューラセック、エラダの順で、追走の3人も山頂を追加。
下りへれっつごー!!
1分後くらいに、バルベルデのグループも山頂を通過していきます。
増えてた。9人。


下りで、アラフィリップとデューラセックは、カンゲルトに追いつきました。
これで先頭は3人になります。
エラダは、遅れてしまったのかな。
あんまり下りが遅いイメージはなかったんだけれど。


このまま、先頭3人、後ろに追走グループって形で下りおわって、2つ目の1級山岳の登りにいきます。

メイン集団も登りにはいると、アーゼードゥーゼルが次々に前にでて、スピードをあげていきます!!
ディリエ、ナーセン、そしてラトゥール!!これは、バルデのアタックの前触れか……!?

残り33km。次の1級山頂までは残り約4km。
先頭は3人、1分後ろにバルベルデのグループ。もう6人くらいしかいない……?
メイン集団はそのさらに2分後ろで、アーゼードゥーゼルが果敢に戦っています。でもメイン集団っていっても、20人くらいしかいないです。

山頂まで残り3km。
先頭は依然3人、カンゲルト、アラフィリップ、デューラセック。
追走のバルベルデグループは6人。
モビスターのバルベルデ、アスタナのオマール・フライレ、ボーラのマイカと、そして同じくボーラのミュールベルガー、バーレーンメリダのペリゾッティ、EFドラパックのダニエル・マルティネス。


その後ろのメイン集団では、ラトゥールがずっと一人で引き続けています。
が、前のバルベルデグループからおりてきた、モビスターのソレルが合流し、そのまま先頭を引きはじめました。


先頭の3人、山頂まで残り1km!
バルベルデグループが、一人減り、二人減り、小さくなっていきます。

メイン集団は、先にバルベルデグループから離れて降りてきた選手たちと合流しました。
ゲシュケとかがここでデュムランに合流したかな……?

そして山頂直前で、アラフィリップが駆け出しカンゲルトがついていく。
山頂1位通過はアラフィリップ、2位がカンゲルト、ちょっと遅れて3位通過がデューラセックです。
続いたバルベルデグループは、約30秒差で山頂を通過。
残っているのは、バルベルデ、マイカ、フライレ、マルティネス、あとペリゾッティ。

メイン集団は、まだモビスターのソレルが引き続けていますが、そのすぐ後ろにスカイがトレインを形成し始めました。
そして、メイン集団も山頂を通過!!
みんなで下ります。



先頭は、山頂通過のタイミングでアラフィリップとカンゲルトの2人になりました。
その後ろは、先頭2人に遅れてしまった、単独走行中のデューラセック。
そのまた後ろに、バルベルデグループの5人です。ここは、マイカが先頭で降っています。


残り22km。
ここで、サガンが下りで落車のニュース!!
サガンは、メイン集団からさらに後ろを走っていました。
サガンが落車って、珍しい……。何があったんだろう……。
怪我してないといいけれど、下りだとその可能性は低い……。


残り18km。
先頭の2人、アラフィリップとカンゲルトがほぼ下り終わりました。
最後の超級山岳、今年のツールで一番高い山、サン・ラリー・スランへと向かっていきます。

1分10秒後ろに、UAEのデューラセックを吸収して6人になったバルベルデのグループ。
そのさらに1分20秒後ろがメイン集団です。

が、最後の登りがはじめるところで、アラフィリップがやめた!
力尽きたっていうよりも、今日の山頂は目標にしていないようです。
これによって、先頭はアスタナの、タネル・カンゲルトの単独先頭になります!!

その後ろの追走グループでは、バルベルデがペースをあげて、ついていってるのはマルティネスとマイカだけ!!3人に減ります。

メイン集団ではソレルがまたペースをあげます!!


残り15kmを切りました。
先頭は今日ずっと最初から逃げ続けているカンゲルト。
1分後ろがバルベルデ、マルティネス、マイカ。フライレがなんとか食らいついて戻ってきて、ここが4人。アラフィリップが前からおりてきましたが、バルベルデたちはかわしていきます。
その約1分50秒後ろのメイン集団では、UAEダニエル・マーティンがアタックし、それにうまくのったキンタナがいよいよアタック!!!

うまくメイン集団から離れていきます。

残り14km。
カンゲルトと、バルベルデのグループとのタイム差は1分10秒。
……広がっている……?

キンタナは、いつのまにか合流していたアダム・イェーツを従えて、ぐいぐい登っていきます。前から降りてきたアラフィリップをかわしたタイミングで、
引き離して一人になりました。


残り13.3km。
メイン集団でログリッチェがアタック!!
すぐに、フルームがチェックします。
チェックして……2人でメイン集団から飛び出していく……?


メイン集団では、フグルサング、バルギル、など有力選手が次々に脱落していきます。


残り12.7km。
メイン集団はデュムランが引いていて、後ろにぴったりゲラント・トーマスがついています。
メイン集団にのこっているのは、他にバルデ、ランダ、クライスバイク、あ。まだベルナルがいる。これだけ。


残り12km。
先頭は依然としてカンゲルト。
1分20秒くらい後ろに、追走グループ、バルベルデ、マイカ、フライレ、マルティネス、ここにキンタナが合流しました。バルベルデがグループの先頭にたって、あげていきます。
その後ろに、ダニエル・マーティン

……。
あれ、マーティン、いつ出たの?
さっきのアタック?

グリッチェとフルームの二人は、その後ろのメイン集団に合流。
今度は、ベルナルがこのグループを引いていきます。

残り11km。
メイン集団に、スカイのポエルスが戻ってきました。
そして、先頭を引き始めます。
……戻ってこられるようなタイミングあったか!!?


残り10km。
先頭は、まだカンゲルトががんばっています。
後ろの追走は3人になりました。
バルベルデ、キンタナ、そしてマイカです。
バルベルデの引きでどんどん差がつまっていて、タイム差は50秒くらい。
その20秒くらい後ろを、UAEダニエル・マーティンが単独で走っています。
メイン集団は、さらにその20秒くらい後ろで、前から降りてきた選手を吸収したりして、今11人になっています。

やがて、バルベルデが役割を終え、追走はキンタナとマイカの2人になりました。

残り9km。
カンゲルトはまだ一人で先頭にいますが、でももう後ろ15秒差でキンタナとマイカがやってきました!
その後ろに、ダン・マーティン。
メイン集団と先頭とカンゲルトとのタイム差は、1分15秒くらいにまで縮まっています。

残り8.5km。
先頭のカンゲルトに、キンタナとマイカが合流!!
カンゲルトはついていこうとしますが、すぐに遅れます。
メイン集団とのタイム差は、約1分10秒!

残り8km。
先頭は、キンタナとマイカ!二人とも、モトからお水をもらいました。
ダン・マーティンは、その20秒くらい後ろにいます。
なんとかおいつきたいところ……!
メイン集団は、まだまだポエルスが引き続けています。

残り7km。
先頭はキンタナとマイカ
というか、キンタナにマイカがついていく形で、ずっとキンタナが先頭を引き続けています。
苦しげなマーティンは、その20秒後ろ。うーむ。縮まらない。
メイン集団は、キンタナたちから1分10秒離れたまま、こちらもタイムは縮まりません。

残り6.5km。
イカが遅れました!!
キンタナが単独先頭!!!
きたー!!!山のキンタナの走りをまっていたー!!

メイン集団では動きなし!
残っているのは、ポエルス、ゲラント・トーマス、フルーム、ベルナル、クライスバイク、ログリッチェ、バルデ、デュムラン、ランダの9人!!


残り5.7km。
バルデがメイン集団から遅れました!!
一方、一人でもくもくと登っているダニエル・マーティンは、前からおりてきたマイカと合流します。
キンタナとのタイム差は、30秒差。離されました。っていうか、キンタナがはやい!!


残り5.2km。
フルームが一瞬、アタックをしかけて、後ろからデュムランが来そうなのでやめました。

残り5km。
キンタナとメイン集団とのタイム差は、1分17秒。
こっちも離されている。

メイン集団ではクライスバイクがアタック!!
ポエルスは仕事を終えたので、ベルナルがじりじりチェックに向かいます。

先頭のキンタナは快調に飛ばしていきます。
一人だけ、別のところを走っているみたいに、軽く登っていきます。


残り4km。
先頭は単独で、モビスターのキンタナ!
30秒後ろに、ダン・マーティン!なかなか追いつけない!マイカはついていけなかったようでここにはいません。
1分12秒後ろに、メイン集団。
ベルナルが引いていて、残っているのは、トーマス、フルーム、デュムラン、ログリッチェ、クライスバイク、ランダ。全部で7人!!
まだ誰も、動かないのか……!

残り3km!
キンタナ、ペース落ちません!
追走のマーティンとも、メイン集団とも、タイム差変わりません!!

……ってことは、ダニエル・マーティンもすごいね。

メイン集団が3km地点を通過した瞬間、ログリッチェがアタック!!
ゲラント・トーマスが追います!

ランダとフルームが一瞬おいていかれますが、これはなんか、よくあるだけだと思うから問題なさそう。
すぐにまたみんなでまとまります。

そうこうしている間に、キンタナはもう残り2km!!
これはもうステージ優勝は決まりな気がする!!


と、今度はデュムランがアタック!!
またトーマスがチェック!クライスバイクとログリッチェがそれを追います。

そのままフルームがこないのを確認して、今度はログリッチェがいきます。

そのころ、キンタナは残り1km!
30秒後ろにダニエル・マーティン
メイン集団はそのさらに30秒後ろ。

アタックしてちょっとだけフルームを引き離したログリッチェ、ぴったり後ろにつくトーマスと、すぐ後ろにデュムラン。
フルームはこの3人から20秒遅れました。


キンタナはもう残り200m。
ぜんっっっぜんスピードが落ちていません。
軽やかにダンシングをしながら、フィニッシュへと向かっていきます。

そのままなめらかな登りで、フィニッシュ!!
ステージ優勝は、モビスターのナイロ・キンタナ!!
山のキンタナがかえってきたー!!
いや、別にどっか行ってたわけじゃないけど、でもなんか、改めて軽やかな登りが見られてよかった!
ツールのステージ優勝は、5年ぶりだったそうです。
おめでとう!!


28秒遅れて、UAEダニエル・マーティンが2位フィニッシュ!
3着は、47秒差で、スカイのゲラント・トーマス!
4位が52秒差でロットNLユンボのプリモシュ・ログリッチェ、5位が同タイムで、サンウェブのトム・デュムラン。
クライスバイクが6位、ベルナルが7位、クリス・フルームは、1分35秒差の8位でした。



そんでもって、この結果を受けての総合!
1位は、今日も若干タイム差をつけた、スカイのゲラント・トーマス!
1分59秒差の2位が、サンウェブのトム・デュムラン。
3位は、スカイのクリス・フルームで、トーマスからは2分31秒差。今日一日で離されました……。
4位が、ロットNLユンボのプリモシュ・ログリッチェで、2分47秒差。
5位が、今日タイム差を縮めた、モビスターのナイロ・キンタナで、3分30秒差です。

ポイント賞は、ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
今日はなんとかフィニッシュはしたようですが、ジャージが破れて怪我をしていました。背中、右足、右腕。ツイッターで、フィニッシュ後に歩く映像があったのですが、とっても痛そうでした。骨とか大丈夫なのかな……。
山岳賞は、今日もいっぱいがんばった、クイックステップ・フロアーズのジュリアン・アラフィリップです。
新人賞は、アーゼードゥーゼルのピエール・ラトゥール。
今日のでベルナルがかなり上に行ったかと思ったのですが、今日までにかなりタイム差がついていたのですね。ラトゥールがキープです。

敢闘賞は、アスタナのタネル・カンゲルト。
納得!敢闘したもん!!




終わってから気づきましたが、
今日、最初に言及していた、モビスターが勝ちましたね!
……いや、でもなんか、考えてたモビスター有利っていうのと、だいぶ違ったけれど。レース展開に、グリッドスタート、まったくもってなんの関係もなかったし。



今日の画期的な試み、グリッドスタート。
その利点。

ものすっごく考えたけれど、
スタート前に並んでいるところがかっこいい、くらいしか思い浮かばなかった。

みんな色違うから、戦隊ヒーロー大集合みたいな迫力があっていいよね!!

レース内容に影響をあたえるには、グリッドスタート兼、タイム差スタートみたいにしないと難しいんじゃないかなあって思いました。

でもまあ、選手が危険にならない限り、新しい試みは、悪くないよね!
アチェンジがOKになったり、トレイン組むのが違反じゃなくなったり、自分で替えのタイヤ運んだししなくてよくなったり、いろんな変化を繰り返して、100年以上自転車レースは続いているのだもの。


明日はほぼ平坦ステージです。
……ペーター・サガンが心配です。

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