コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ジロ・デ・イタリア 2018 第2ステージ

本日は平坦ステージです。

逃げは3人でした。
ロット・フィックスオールのラルスイティング・バク
イスラエルサイクリングアカデミーのギヨーム・ボワヴァン
アンドローニジョカトリ・シデルメクのダヴィデ・バッレリーニ

この3人で逃げて最初の中間スプリントを通過します。
続いて訪れる、ジロ最初の山岳ポイント。
今日ここをとれば山岳賞ジャージ獲得!さあ誰が取る!?
と思ったら、BMCが集団をがんがん引きまくって逃げとタイム差を縮めていき、そこで「今だ!」とばかりに集団から飛び出したエンリーコ・バルビンが、そのまま前に合流し最後まで粘ったボワヴァンを引き離して山岳ポイントを1位通過しました。

……。
なんか、せめてBMCの誰かにとってほしかった気持ち。

でもBMCの目的は山岳賞ではなく、その次の2つ目の中間スプリントのボーナスタイム。
見事これを、現在総合2位のローハン・デニスがとり、この時点で1秒デュムランから逆転し、暫定総合1位になります。
中間スプリントとったあと、チームメイトとわきあいあいしてるデニスの様子がよかったです。

BMCは、来年チーム存続の危機になっているそうです。
ただ、昨年のキャノンデール・ドラパックに比べると、まだ時間があるので、去年のブエルタほどの悲壮感はないのがまだ救いです。去年は本当に見てて切なかった……。

その中間スプリントのあとすぐに、ロットのカンペナールツが飛び出して単独で逃げて行きます。
それがやがて吸収され、今度は残り52kmになって、再びボワヴァンが逃げて行きました。
ボワヴァンはそのまま残り16km地点まで単独で逃げ続け、ゴールスプリントに向けて陣形を整えつつあるメイン集団に吸収されます。

さてさて。スプリントは誰がくるのか。
私の予想では、スプリントはヴィヴィアーニかニッツォーロが強いのでは、と思っています。次点がサム・ベネット
この春はクイックステップの快進撃が続いていたので、これが途端にジロで崩れるようなことは考え難いっていうのと、ニッツォーロは……今までの実績かなあ。ちゃんと標準合わせてくるだろうなって。


集団がスピードをあげていく中、残り6kmくらいから、カチューシャが先頭に立ち始めました。
マルティンの姿が目立ちます。
トニー・マルティンって、サングラスはずしてること多いですよね。嫌いなのかな。

残り5kmをきって、エフデジが前に立ちました。
クイックステップのトレインはまだまだできません。あのチームはステージレースでスプリント狙う時はかなりトレイン形成が遅めなので、残り2kmとかになってからだと思います。

残り4kmでトニー・マルティンがアタック!!
他のチームメイトが集団を抑えます。おお、うまい!!
それにロットNLの選手が一人ついていく!

これをEFドラパックが引く集団が吸収しながら、3.5kmで今度も同じくカチューシャのジョセ・ゴンサルベスが飛び出しました!
面白いよカチューシャ!
スプリントステージでスプリント勝負狙わずにギリギリのアタック逃げ切り攻撃をくりかえすとか!新しい!

でもカチューシャの攻撃はここでおわり、ボーラ、EFドラパック、トレック、UAE、ロットなどが順々に前に出てきます。

残り2kmで今度はロットのトッシュ・ヴァンデルサンドが飛び出した!!
なんか、さっきのカチューシャの二人とくらべてすんなり前にいっちゃったぞ!
トレック先頭でが全力で追いかけています。

残り1.3km
ヴァンデルサンドを集団が吸収したろことで、集団の先頭はクイックステップのスティバル!
やっぱりこのへんで前にきたよねクイックステップ
さあ、クイックステップの流れが……ってあれ!?ヴィヴィアーニがなんか後ろにいっちゃったよ!
ここでEFドラパックが先頭にでた!ボーラもきた!

そのボーラの脇からどひゅーん!と前に上がってきたのが、ウィリエール・トリエスティーナヤコブ・マレツコ!
一気に先頭に躍り出ます!
しかし、隣をすり抜けて行くマレツコを確認したヴィヴィアーニが、ボーラのトレインから乗り換えて、マレツコの後ろに張り付いた!!

逃げるマレツコ!追うヴィヴィアーニ!さらにそれを追うサム・ベネット
そしてヴィヴィアーニがマレツコを抜いて加速していく……!

勝者、クイックステップ・フロアーズのエリア・ヴィヴィアーニ!!
2位がウィリエール・トリエスティーナヤコブ・マレツコ、3位がボーラ・ハンスグローエのサム・ベネットでした。

ヴィヴィアーニのスプリントよかったな!一度後ろにいっちゃたときは、一瞬ハラハラしてしまったのですが、そこから上手に流れにのって上がってきた、綺麗なスプリントでした。
先日のヘント・ウェヴェルヘムで、サガンに敗れた2位だったとき、体育座りで涙を流す姿を忘れられなかったので、ジロの最初のチャンスで勝利をとってくれたことに、ちょっとほっとしました。

そして総合争いでは、先ほどの中間スプリントのボーナスタイムが効いて、BMCのローハン・デニスがマリア・ローザをとりました!
1秒差で2位がサンウェブのトム・デュムラン。
3秒差で3位がロット・フィックスオール(ソウダル)のヴィクトール・カンペナールツ。
スカイのクリス・フルームは、デニスと38秒差の20位です。

マリア・チクラミーノ(ポイント賞)は、ステージ勝者のエリア・ヴィヴィアーニ。
マリア・アッズーラ(山岳賞)は、バルディアーニCSFのエンリーコ・バルビン。
マリア・ビアンカ(新人賞)は、昨日と変わらず、クイックステップフロアーズのマキシミリアン・シャフマンがとりました。


ヴィヴィアーニの勝利は勝利でよかったのですが、私、今日のカチューシャのアタックリレーが好きだったな。
ステージレースでの平坦ステージでは、トレインを組んでのスプラインター同士の争いが主流ですが、例えば山岳ステージでの前待ち作戦みたいな感じで、平坦ステージでも新しい戦術が出てこないかなあ……って思っていたので、あの戦い方が今後発展していくことにちょっと期待したいです。

あと、レース内容とは関係ないですが、解説で、マルコさんからジーノ・バルタリの話が聞けたのはよかったです。
バルタリは第二次世界対戦中、強制収容所に送られそういなっているユダヤ人の命を救うため、自転車にユダヤの方々が国外脱出に必要な書類を隠し、トレーニングだと偽って運んでいたそうです。

知りませんでした。
上手に言葉にできませんが、素晴らしい選手がいた、素晴らしい競技を、私は好きになったんだなと思いました。

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