コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2017 第1ステージ

はじまりました、今年のツール・ド・フランス
初日は、ドイツ、デュッセルドルフにおける、14kmのタイムトライアル!
ライン川沿いを走るコースです。

ちなみに雨!!

今日の優勝候補筆頭は、現タイムトライアルスペシャリストで、開催国ドイツ出身、カチューシャ・アルペシンのトニー・マルティン
その前の世界王者、チーム・スカイのヴァレル・キリエンカ。
そして、山も強いし下りもすごいけど、タイムトライアルもめっぽう強い、前回ツールチャンピオン、チーム・スカイのクリス・フルーム
それに、昨年のジロ初日にものすごいタイムを出して、一躍その名を知らしめた、ロットNLユンボのプリモシュ・ログリッチェ。

他には、先日の格好選手権でTTのナショナルチャンピオンになった選手たち。
フランス、アーゼードゥーゼルピエール・ラトゥール。
イギリス、ディメンションデータのスティーブ・カミングス。
スペイン、モビスターのヨナタンカストロビエホ。
ノルウェー、ディメンションデータ、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン。
などなど。

しかし、雨かー。
悪天候がとくいなタイムトライアルスペシャリストって誰だろう。
ロードレースって、暑いのが得意な選手、寒いときに実力が発揮できる選手、なぜか悪天候になると俄然強くなる選手、など、いろいろ天候や気温などによっても、レースの結果が左右される気がします。
屋外スポーツだしね。


総合優勝候補の選手の走行順とかでいうと、モビスターのナイロ・キンタナやトレック・セガフレードアルベルト・コンタドール、アスタナのファビオ・アル、そしてフルームは、各チームの最終走者なのでかなり最後の方ですが(初日のTTは各チームから順繰りに一人ずつ走る)、BMCのリッチー・ポートは、最終の一つ前の走者なので、ちょっと早め、アーゼードゥーゼルのロメン・バルデは、チーム最終走者の二つ前の位置で走るので、だいぶ早いです。

「別に、何番めでもよくない?」って思われる方もいるかもしれませんが、ロードレースは天候の影響を大きく受ける競技ですので、その数十分で風の強さがかわったり、今日みたいな天候だと雨足の変化があるので、順番がライバルと離れていると、ラッキーになったりアンラッキーになったりするのです。


レースは、30番目に走った、サンウェブのニキアス・アルントが16分20秒というタイムで暫定1位になり、このタイムがちょっと続きます。
やっぱり地元、ドイツ人選手のガッツが光る!

そのタイムを塗り替えたのが、78番目に走ったクイックステップ・フロアーズのマッテオ・トレンティン。16分14秒。

しかしそのすぐあと、88番走者のキリエンカが中間計測を1位通過し、絶好調でゴール!16分11秒。
キリエンカって、ステージレースのTTだとなぜかあんまりタイムがのびないイメージがあったのですが、今日は調子が良さそうです!


そのあと、同じくスカイのクヴィアトコウスキーも絶好調で、中間計測ではキリエンカと同タイムで1位。
おお、好調!
と、ふとクヴィアトの後ろについているチームカーに目をやると、あれ!?フルームが乗ってる!?
コースのチェック!?こんなタイミングでこんな形でするものなの!?

ちなみに、フルームが走るのは、クヴィアトの1時間28分後。
う、うーむ。トレーニングの知識がないから、アップの時間の常識とかわからないので、スケジュール的に余裕なのかギリギリなのかよくわからない。


しばらくして、アーゼードゥーゼルのエース、ロメン・バルデが走り出し、ゴールしました!
と、その直後、スカイのゲラント・トーマスがものすごい勢いでゴール!全然映ってなかったから忘れてた!!そうだよ、ジロでの落車による怪我から回復して、今回フルームのアシストで出場してるんだった!そしてTT強い選手だった!
そしてそのゲラント・トーマスがキリエンカのタイムを上回りました!16分4秒!

トーマスかっくいー!!!!


自分でも、あまりにも現実味がない気がして、今まで書きませんでしたが、
実は私のツールの総合優勝予想は、ゲラント・トーマスです。

いや、理由はすごくくだらないのですが。

ジロ勝ったのって、優勝候補の筆頭だったキンタナやニバリでもなく、デュムランでしたよね?
ドーフィネ勝ったのって、フルームでもアルでもなく、フグルサングでしょ。
パリ〜ニースも、コンタドールでもポートでもなく、エナオ
つまり、今年の大きめなステージレース、優勝候補として最初に名前があがる選手じゃなく、勝ってみて「ああ確かに」っていう選手がとってる感じがするのですよね。

運だと言ってしまえばそれまでなのですが、
もしこれが単なる運じゃないとすれば、今年は各チームの「この選手はやばいからマークするぞ!」っていう作戦とかが、特にステージレースにおいてうまくいってると考えることはできないかな、って思ったのです。

もしそれがそうなら、今年のツールは特に、各チームのエース、いろんな選手に対して優勝の可能性がありそうだぞっていうようなニュースが多い。
逆に優勝候補で名前があがりやすいエースをみんなはずして、各チームのセカンドエースの選手の中から優勝候補を考えたとき、まっさきに頭に浮かんだのは、スカイのゲラント・トーマスだったのですね。

まあ現実的な予想ではないなって自分でも思うのですけれど。


しかし、今日は落車が多いTTです。
一箇所、長くきついカーブがあって、そこに水溜りも数カ所あり、何人もの選手がみんなそこで転んでいました。
そして、なんと、174番目に走り出した、モビスターのアレハンドロ・バルベルデがカーブで落車!
カーブを曲がっている最中に、タイヤが滑ってころび、そのまますべって柵に激突。
バルベルデ、立ち上がれません。ただ、その位置が次の選手がやってきたとき、確実に通るライン上だったため、慌てて柵の外にバルベルデを運ぼうとするスタッフの姿が映りました。

十数分後、バルベルデのリタイアが発表されました。
なんてこと……。今年、バルベルデ絶好調だったのに。


気を取り直して、本日の優勝候補筆頭。トニー・マルティンがスタートです。
中間計測、1位!さすが!!

さあゴールタイム!
マルティンは、16分12秒。キリエンカに続いて暫定3位。
……トーマス、中間計測ではマルティンより4秒遅れてたよね……?どんだけ後半速かったんだトーマス。

そうこうしている間に、最終走者のフルームも走り出しました。

続々ゴール!
マルティンのちょっとあとにゴールした、BMCのステファン・キュンクもいいタイム!
しかしやっぱりトーマスには届かず、16分9秒で暫定2位!


そして、最終走者フルーム!
ゴールタイムは、16分16秒。6位!

ツール・ド・フランス第1ステージ、勝者はチーム・スカイのゲラント・トーマス!!!
ここまでずっとクールだったトーマスが、飛び上がってスタッフに抱きついていました。
おめでとう!ジロのあの落車の後から、よくぞここまで!!

今日は最初のステージなので、
ステージ勝利も総合リーダージャージ(マイヨ・ジョーヌ)も、ポイント賞ジャージ(マイヨ・ヴェール)も全部ゲラント・トーマスが表彰されます。
新人賞は、BMCのステファン・キュンク!

ちなみに、最初の方に本日の優勝候補として名前をあげていたログリッチェはアルーと同タイムでした。予想外。落車したのかな……。


ちなみに、総合優勝争いに関わりそうな選手たちのタイムでいうと、
スカイのクリス・フルームは上に書いたとおり、16分16秒。
BMCのリッチー・ポートは16分51秒。
モビスターのナイロ・キンタナが16分52秒。
アスタナのファビオ・アルが16分56秒。
トレック・セガフレードアルベルト・コンタドールが16分58秒。
フルームだけちょっと抜きん出た形になりました。

リタイアは、モビスターのバルベルデと、そしてバーレーンメリダのエース、ヨン・イサギーレインサウスティ。スペイン人が2人リタイアです。
14kmで調子が悪くてどうのっていうのは考えにくいから、イサギーレも落車したんだろうか。

雨、怖いね。


ものすっごく意外なことに、トーマスはグランツール勝利でした。
そんな記念すべき勝利なのにもかかわらず、ゴール直前以外、トーマスは全然映っていなかったです。
TT強いけど、スペシャリストではないっていうのがあったから、きっと撮影班もぬけていたのでしょう。
私も完全にチェックすべき対象から抜いてました。

アシスト選手がいないと、エースの選手だって記録を残せないのにもかかわらず、つくづくアシストの選手の活躍って、記録に残らないのだなということを感じた今日のレースでした。


ゲラント・トーマスが今日勝利できてよかった!!

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