コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2020 第6ステージ

本日の第6ステージは、最初ずっとまっすぐで、3級、1級、1級でフィニッシュというステージ。

逃げは8人。
ダニエル・オス(ボーラ・ハンスグローエ)
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(NTTプロサイクリング)
グレッグ・ファンアーヴェルマート(CCC)
ヘスス・エラダ(コフィディス
アレクセイ・ルチェンコ(アスタナ)
ニールソン・ポールス(EFプロサイクリング)
ニコラス・ロッシュ(サンウェブ)
レミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ


集団は、ミッチェルトンがコントロールしています。
残り50kmくらいで、タイム差は5分半前後をキープしてる感じです。

最初の3級山岳は、ロッシュが先頭で通過しました。

残り42km タイム差は4分半前後です。

残り40km。
タイム差は約4分10秒。

残り32km。
タイム差は約3分20秒前後。
集団牽引は、現在イネオスです。

スピードは上がってきているのですが、
サンウェブはヒルシュやベノート、イネオスのシヴァコフや、現在山岳賞のコヌフロワがすでに遅れています。

残り27.5km。
先頭は3級山頂を通過しました。
先頭通過は、再びロッシュです。

残り25km。
集団が3級山頂を通過しました。集団とのタイム差は、約2分40秒。

一方、逃げグループは次の1級の登りに入っていきます。
ここで、オスと、ボアソンハーゲンが遅れ、先頭グループは6人になりました。


残り24km。
メイン集団も1級の登りに入ってきます。
あーゼードゥゼールのラトゥールが遅れていきます。

逃げでは、ポールスとカヴァニャ、ロッシュが交互に前に出て、スピードを上げていこうとしています。
タイム差は変わらず、2分40秒。

残り22.5 km。
先頭でポールスがアタック!すかさずロッシュがついていきます。
やや時間をかけて、ルチェンコ、アーヴェルマートも追いついて、先頭は4人になり、エラダとカヴァニャが追いつけずにじわじわ離されて、遅れてしまいます。


残り21km。
1級山頂までは、残り約8kmです。
逃げの4人と、集団とのタイム差は、約3分。

ここで、コツコツがんばってきたエラダが先頭に追いついてきました。
これで、先頭は5人に。

メイン集団では、UAEのファビオ・アルが飛び出しました。
ですが、特に集団では誰かが追っていく気配はなさそうです。

残り19.5km。
先頭では、再びエラダが遅れ出し、先頭では4人に戻りました。

残り18.1km。
先頭は4人、またまたエラダが戻りかけた、途端に、ポールスが再びアタック!
今度はルツェンコがぴったりついていき、先頭は2人になります。
ロッシュとアーヴェルマートは遅れていきます。
1級山頂までは、4.5km。
なお、先頭2人と集団との差は約3分から変わらずです。
集団をひくは、ずっとイネオスのままです。

残り17.2km。
今度はルツェンコがスピードをあげて、ポールスを引き離しにかかります。


残り16.6km。
先頭は単独でルツェンコ。
ちょっと離れて、ポールスが2番手、じゃない。エラダが追いついてきて、ポールスを抜きました!
ルツェンコから、約20秒遅れてエラダ、ポールス。
2人から約2分離れて、アル。
そこから30秒ほど後ろに、イネオスがずっと牽引しているメイン集団がいます。

うーん。イネオスがどんどんスピードをあげるのかと思っていたけれど、
先頭との差が詰まらないなあ……。



残り14km。
先頭のルツェンコは、山頂まで残り1kmを切っています。
25秒後ろにエラダ。
アルはその2分15秒後ろ。
メイン集団はさらにそこから後ろで、先頭のルツェンコから3分10秒遅れています。
ちょっとずつタイム差が開いちゃっている……?

残り13km。
先頭のルツェンコが1級山岳を通過しました!
そこから逃げていきます。
続いて約25秒くらい遅れてエラダが通過しました!

残り10km。
ルツェンコは下りを爆走中。
エラダも30秒遅れて下りを爆走中。ルツェンコの方が下りは早そうです。
後ろでは、アルが山頂を通過しました。
すぐ後ろにメイン集団。アルは下りでメイン集団に吸収されてしまいました。
先頭ルツェンコとメイン集団のタイム差は、3分15秒くらい。
もっと減るかと思いましたが、結構メイン集団は人数残ってましたね。


残り8km。
メイン集団で、イネオスの前にミッチェルトン・スコットの選手が前に出て、引き始めました。

残り7.5km。
ここでポガチャルがパンク!ちょっとタイミングが悪い!
ちゃんと集団に追いつけるだろうか。

残り6.8km。
先頭はルツェンコ。もう下りが終わって、登りにはいっていきます。
30秒くらい後ろに、エラダ。そこから1分10秒くらい後ろに、逃げから遅れてまだ吸収されずにいた、アーヴェルマートとポールスの2人がいます。
メイン集団は、ルツェンコから約3分15秒後ろ。
ポガチャルは無事集団に戻りました!

残り4km。
ルツェンコはペース良く登っています。
後ろのエラダとは約45秒後ろにいます。じわじわ差がひろがっています。


残り2km。
ルツェンコがいい感じのペースです。
じわじわ後ろとの差を開いて、二番手のエラダとのタイム差は55秒まで広がりました。
1分20秒くらい遅れて、アーヴェルマートとポールス。
メイン集団は、ルツェンコから3分30秒くらい後ろです。

ルツェンコが、一番ペースが速いようだ……。

いよいよ残り1km!
快調に登っていくルツェンコ!ここまで開いているので、後ろを気にしている気配も皆無です。
エラダもペースを上げてがんばってるのですが、まだルツェンコの背中も見えません。


残り300m。
ルツェンコは、ジャージの前をしっかり閉めました。
チームカーに手を挙げて挨拶。

そして、笑顔で両手をかかげてフィニーッシュ!!

アスタナのアレクセイ・ルツェンコがステージ優勝!!
めっちゃくちゃ強かった!!おめでとう!!

55秒遅れて、ステージ2位がコフィディスのヘスス・エラダ。
何度も遅れて何度も戻ってきた不屈の精神!勝てなかったけれど、でも、印象に残るいい走りだと思いました。

続いてフィニッシュにやってきたのは、アーヴェルマートとポールス。
最後はアーヴェルマートがスピードをあげて、先頭から2分15秒遅れて3位フィニッシュ。
そこから2秒遅れて4位がポールスでした。

そして、メイン集団では、アラフィリップがアタック!
おお、1秒くらいは後ろと差をつけた気がする!
このガッツが素敵です。この積み重ねが、今のアラフィリップ。
5位がアラフィリップ、6位はさりげなくトレックのモレマで、7位からがイネオストレイン順順にって感じでした。
アラフィリップは、モレマ以下のメイン集団から1秒だけタイムをとってました。


というわけで総合!ほぼ動かなかったね!
1位のマイヨ・ジョーヌが、ミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツ。
2位が、3秒差で、ユンボ・ヴィスマのプロモシュ・ログリッチ
3位が、アダムから7秒差で、UAEエミレーツのダデイ・ポガチャル。
ポイント賞は、今日3級山岳手前にあった中間スプリントを、プロトン内では1位通過してポイントを重ねた、ドゥクーニンク・クイックステップサム・ベネット
山岳賞はも、昨日と変わらず、アージェードゥゼール・ラ・モンディアルのブノワ・コヌフロワ。
新人賞は、ダデイ・ポガチャル。
敢闘賞は、今日の大逃げのきっかけをつくったサンウェブのニコラス・ロッシュでした!

昨日がまったく逃げがなかった(もしくは、選手みんなによる大集団の大逃げbyデヘント)ですが、今日は見事な逃げ切り勝利がきまりましたね!

カザフスタン人としては、ヴィノクロフ大佐以来のツールでのステージ勝利だったそうです。
プレッシャーもあっただろうに、見事な勝利だ、すごかった!

どっちかというと、もうちょい総合が動くかと思ったけれど、
特に集団のスピードをがんがんあげるわけでもなく、むしろ逃げとのタイム差を詰めようとしなかったイネオスの動きが、結果として総合勢の順位変動を起こさない動きになっていたように思います。
まあ、ほんと、結果論ですけれど。

うーむ。イネオスの動きが不思議でした。
ガンガンスピードを上げたかったけど上げられなかったのか、他のチームに上げられるとこまるから、あげるふりしてベルナルを守ったっていう可能性はあるのか?
でも、後半の登りが、かなりきつかったそうなので、これからのために、今日は総合系の選手たちがみんな足を温存した結果、逃げ切り勝利が決まったのかもしれません。

こうやっていろいろ考えるのもまた、毎日レースが続く、グランツールならではですね。
明日も楽しみ!

ツール・ド・フランス 2020 第5ステージ

今日は穏やか平坦ステージ!
山岳も4級が二つしかありません。

逃げても山岳ポイントを1位通過しても、合計2ポイントしかとれないし、
逃げもすぐに決まって、最後以外は、穏やかなレースになるんだろうって思ってました。


そしたら。

逃げができないという、非常事態が発生。


…………なぜ?????


2015年のツールから見始めて、6年目になりますが、
こんなステージは見たことがありません。

逃げがなかなかできないステージ自体は、ブエルタとかで見たことがあります。
そのときは、逃げたらステージ優勝できる可能性が高い感じのコースとかで、1時間近くアタックアタックどんどんどん!、みたいな激しいレース。平均時速が50km近いレースとかになってたように記憶しています。

でも今日は、そんな感じじゃないです。

とってもとってもゆっくりです。
最初レース映像見た時、「……え、ストライキ?」って思ってしまいました。


レースはずっとずっとそのまま進みます。
まだまだ、逃げはできません。
中間スプリントのときだけは、スプリンターたちがポイントをとりにいって、ここで首位をとったサム・ベネットがスプリントポイントでサガンを逆転しました。

すわ、ここからレース仕切り直しか!?
と、飛び出した逃げ職人のトーマス・デヘント!!

それを追う選手が!誰も、いない…………?
デヘントも「え?他いないの?」みたいな感じで後ろを振り返ってます。

結局デヘントはすぐに集団に帰りました。
まだまだ逃げはできません。


そのまま。

ずっっっっっっっっと。
集団のままでゆ〜っくりとすすんでいきます。
まだまだ逃げはできません。

やがてやってくる4級山岳!

が、まったく活性化しない集団。

逆にこれは誰がとるのこの1ポイントって思ったら、
山頂200m手前くらいのところで、ブノワ・􏰆コヌフロワが様子をみながらそっと飛び出して、1ポイント山岳ポイントをとって、そのまま自然と集団に戻っていきました。


そこからまた集団のまま進んで行きます。
まだまだ、逃げはできません。


残り30kmくらいから、ちょっとだけスピードとか緊張感があがった気がしなくもないけど、別にアタックかかるわけではないので、気のせいといえば気のせいかもしれない。
とにかく、逃げはできません。


結局集団のまま進んで、
次の4級山岳もコヌフロワが同じようにとっていきました。


そしてまた、集団。
結局逃げはできません。


残り10kmになったとたん、イネオスがざざっと前にでて、スピードを上げ始めました。

おお、ようやく動いた。
このタイミングでの総合勢の集団アタックは、横風?

と思ったけど、斜めのエシュロンは形成されてないから、ただスピードをあげて引き離しにかかっただけなのでしょうか。

残り8km。
スピードがあがったことで、集団はイネオスを先頭とした一列棒状になりましたが、イネオスはスピードをあげるのをやめてしまいました。
って思った直後の残り7kmで、集団が真ん中でいきなり切れました。やっぱり横風あったの!?
すかさずイネオスとユンボががっとスピードをあげて、遅れた選手との差を広げます。トレックのモレマとかが遅れてしまいました。


残り3.5km。
一応先頭は、イネオスですが、
道が広いからか、いろんなところでトレインができています。

残り3km。
いきなり道が狭くなって、くねくねしはじめました。
イネオスは、もし何かあっても救済される残り3km区間に入ったため、先頭付近からはいなくなりました。


残り2km。
CCCの選手がアタック!
でもすぐやめます。
ん?イネオスは先頭の方から完全にいなくなったけど、前方にユンボが一人だけ残ってる……?

残り1.5km。
サンウェブがトレイン組んで先頭です。
ここからどんどんどんどん道が狭くなります。
めっちゃせまくあんったところで、残り1k。
そこから大きなカーブ。

まだ先頭はサンウェブです。
ミッチェルトンがあがってきてます。

残り700m。
サンウェブがひく!
サンウェブトレインの後ろには、さっき見つけた、一人残ってたユンボのファンアールト、続くミッチェルトンは、メスゲッツかな?その後ろにサガン

残り200m。
ちょうどカーブを曲り終えた瞬間にサンウェブのアシスト選手が役目を終え、ケース・ボルがめっちゃいい感じで発射されました!!
その右手側から、下がっていくサンウェブのアシスト選手を外側から大きく迂回するかのように、カーブのアウト側からものユンボ・ヴィスマのファンアールトが、ものすごい勢いでスプリントしています!
二人の後ろからサム・ベネットサガン、メスゲッツが来てますが、追いつけない!
ボルとファンアールトの一騎討ち!!!

そして、
勝ったのは、ユンボ・ヴィスマのワウト・ファンアールト!!!

おおおお!
ファンアールトめっちゃ強いのは知っていたけれど、
今ツールのチームは、総合のためのチームって感じが強いから、ステージを狙う走りをさせてもらえるとは思わなかった!!
ワウトおめでとう!
信じて送り出したユンボチームもすてき!

2位は、サンウェブのケース・ボル。アシストが完璧な仕事をしてくれただけに、これは悔しいだろうなあ……。
3位はドゥクーニンク・クイックステップサム・ベネットでした。
ベネットは、中間スプリントの時点で、スプリントポイントでサガンを抜いていたので、これでグリーンジャージゲットです!


総合順位は特に変わらず……と思いきや。
ここで事件発生。
アラフィリップにペナルティで、タイムのマイナスがついて、総合1位から転落することになりました。
どうやら、フィニッシュまで残り20kmを切り、もう補給が禁止されている区間に入ったにもかかわらず、そこで道路脇に立っているチームスタッフから補給のボトルを受け取ってしまったようです。
これにより、タイムが20秒マイナスされることになったようです。

そんなわけで、暫定総合1位は、繰り上がりでミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツになりました。
総合2位は、3秒差で、ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチ
総合3位は、アダムから7秒差で、UAEエミレーツのダデイ・ポガチャルです。
アラフィリップは、総合16位まで落ちました。

ポイント賞は、今日サガンを逆転した、ドゥクーニンク・クイックステップサム・ベネット
山岳賞は、今日そっと2ポイントだけ加算した、アージェードゥゼール・ラ・モンディアルのブノア・コフヌロワ。
新人賞は、ポガチャル。
敢闘賞は、バーレーンマクラーレンのワウト・プールスでした。
なぜ?って思いましたが、肋骨を骨折しながらもちゃんと走ったということで、がんばったで賞とのことです。
たしかに。それはがんばった。


そんなこんなで。
結局最後まで逃げができなかったっていう見たことないステージだったし、
なんもおきないなーっと思ったら、ポイント賞ジャージがサガンからベネットに移るし、ファンアールトがスプリントに参加することが許されてそのまま勝っちゃうし、そんでもってペナルティによって総合1位が変わるしで、
なんか、不思議な日でした。


常識に囚われてはいけない。
でも、ルールは守らないといけない。

そんな日。

ツール・ド・フランス 2020 第4ステージ

今日は、第4ステージ。山頂フィニッシュのステージ。
総合がそろりと動き出す、かもしれない日です。

逃げは6人。
ですが、今期ツールはじめての山頂フィニッシュステージでの逃げ切りステージ勝利はまずありえないので、あんまり注目して見ていませんでした。


山岳ステージの場合、逃げに味方を入れることで、あとで自分のチームのエースが集団からアタックして追いついたときに、前方でエースと合流して、エースのための力を使う、みたいな戦略の立て方があるのですが、さすがに今日はそこまでしないよねって思いました。

山頂フニッシュの山岳ステージとはいうものの、超級山岳はないのと、
総合狙いのチーム同士では、ライバルの調子をまだ様子見してるはずだからです。

最初っから戦略練り込みすぎると、「あのチーム、調子いいぞ」っね思われて他のチームからたくさんマークされちゃうから、まだそういう戦い方はしないだろうなーと思います。


だから。

逃げが全部吸収されて、7.1kmの、最後の勝負の登りが始まっても。

ずぅぅぅっとお見合い。

まだでない。

まだ飛び出さない。

まだスピードがあがらない。


まだ。

まだ。

…………。

なんだか、すごく慎重派の友達ばかりを集めて、だるまさんがころんだ、をやってるときの気分になってきた。

が、残り4kmでようやく膠着状態が打ち破られます!
B &Bホテルズ・ヴィタルコンセプトのピエール・ロランが飛び出しました!

集団は追いかける?どうする?な感じでお見合いになります。
しばらくしたら、結局ロランは集団に戻ります。

集団では、ユンボ・ヴィスマが牽引しています。
先頭はファンアールト。きつくなる登りで徐々にスピードをあげ、力のない選手を振り落としにかかります。
ファンアールトの真後ろに続くのは、イネオスのトレイン。
その後ろについたアラフィリップは現在単独。
チームメイトは、もう残っていません。


残り2km。
まだまだひくファンアールト。

残り1.5km。
ファンアールトが仕事を終えました!
続いてイネオスのトレインが行くのか、と思いきや、すかさずユンボのセップ・クスが先頭に躍り出て、ログリッチのアシストとして先頭で走ります。ログリッチの後ろにはベルナル、ポガチャル、と続き、その後ろがアラフィリップです。

残り550m。
ここで、コフィディスのエース、ギヨーム・マルタンがアタック!
クスには追う力は残ってなかったので、ログリッチが自ら先頭にたって追います!それに一列棒状で続く、他チームのエースたち。

残り300m。
グリッチマルタンに追いつきました!
ここからはもうフィニッシュに向けて先頭グループに残ってるみんなでスプリント!

追いつかれても抜かされまいと、先頭でスプリントを開始したマルタン
それを、あっという間に軽やかに抜いてったログリッチ!それほど勢いがないのに超速いんですけど?!
アラフィリップ、ポガチャルもそれに続こうとしますが、アラフィリップはスピードが伸びません。
ポガチャルはいい感じでスピードに乗るが、ログリッチは異次元の軽やかな登りスプリントで、そのままフィニッシュ!

ステージ優勝は、ユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチ!!

本人も強いし、仲間も心強い。
うーむ!今年のユンボ・ヴィスマはめっちゃ強いぞ〜!

2位は、UAEエミレーツのタデイ・ポガチャル。
正直今日はポガチャルが勝つと思っていたコロロン。勝てなかったけど、スプリントはかっこよかった。

3位は、最後に粘ってアラフィリップを抜き返したコフィディスのギヨーム・マルタン
4位は……ごめん、正直ちょっと忘れていた、アルケア・サムシックのナイロ・キンタナ。
5位が、ドゥクーニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップでした。


暫定総合1位のマイヨ・ジョーヌは変わらず、アラフィリップがキープです。
総合2位の変化なく、ミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツ。
総合3位は、今日優勝してボーナスタイムをとった、ログリッチでした。

ポイント賞は、変わらずボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
山岳賞も変化なく、アーゼードゥーゼル・ラ・モンディアルのブノワ・コヌフロワ。
新人賞は、本日ステージ2位だった、ポガチャルになりました。

敢闘賞は、今日の逃げ6人の中で、一番最後まで逃げていた、イスラエル・スタートアップネイションのクリスツ・ニーランツでした。



いやあ、とにかくログリッチが強かったなあ。
そして、ファンアールトの登りがすごかった……。
アラフィリップに続いて、私はファンアールトの脚質が気になるよ。

ツール・ド・フランス 2020 第3ステージ(初心者向け)

本日は第3ステージ。
平坦ステージです。

今年は自粛で自転車通勤とかに切り替えている方も多いから、自転車レースだって注目されているはず!
なので、本日は初見さん向けにも、私なりにわかりやすく書いていこうと思います。

さてさて。

昨日の山岳ステージとはまた違い、本日は、平坦ステージです。
そんなに険しい山がないので、最後の最後の平地での短距離決戦で勝負が決まるステージ、ということですね。

サイクルロードレースは、
言ってしまえば、陸上の短距離走と、ハードルと、1万メートルの選手が一緒に同じコースを入っているようなスポーツです。ハードルは、この場合は、登り坂ね。
そんでもって、ツール・ド・フランスは、21日間もレースをやるので、今日は短距離の選手が最後に勝てそうなコース、明日は坂道に強い人のためのコース、みたいないろんな設定があるのですね。

ただ、基本的にサイクルロードースで最終的に争うのは、総合タイムなんです。
全部のコース走った時間の合計が、一番短い人が勝ち。
で、ただの平地の100メートルでの競争と、すごい斜めの坂道の100メートルの競争を比べたら、後者の方がタイム差が出るじゃないですか。
なので、総合優勝できる人っていうのは、スキー場みたいな坂をばんばかすごいスピードで走るのが得意で、且つたった一人で平地を長めの時間走っても、それなりに速く走れるという、この二つの能力がある選手が総合優勝することが多いのですね。
平地一人で速く走れる能力が必要なのは、だいたい3週間もレースがあると1日は、たった一人で順番に同じコースを走る、タイムトライアルっていうルールのレースの日があって、
この日にタイム差がつきやすいからなのですが、
ややこしいのでとりあえず、めちゃくちゃ高い山をどんどん登れる選手じゃないと、3週間もあるレースは総合優勝できない、と思ってください。


でも、まあたくさんの選手がでているので、総合優勝意外にも、次の賞があります。
短距離速い人のための賞。
山だけが得意な人の賞。
若手賞。
がんばったで賞。
今日は一番はやかったで賞。

いやいや、うそじゃないから!ほんとだから!名前は口語にしたけど、本当にこういう賞だから!

だから、たくさんの選手がでているけれど、
「ぼくは総合を狙うぜ!」
「おいらはとにかく山の賞をとりたい!」
「とにかく1日、一番速く走れた日が1日でもあればいい!」
「勝てそうにないから、先頭を走って目立ちたい!」
「今日は地元だからいいとこ見せたい!」
とか、いろんなモチベーションで、選手は走っているのですよ。

ここまではツール・ド・フランスをはじめとする、グランツールと呼ばれる3週間やるレースの一般論。


で、今年のツールは、
総合優勝狙う、最強チームと言われていた、イギリスのイネオスってチームが、あれ、あんまり調子良くない?って噂がある感じです。

昨年優勝した、ベルナルっていうとっても若い選手が、このイネオスってチームにいて、今回出ています。
このイネオスには一昨年総合優勝したゲラント・トーマスって選手や、今までに4回総合優勝したことがある、クリス・フルームって選手が所属しているのですが、今年は出ていないのですね。
総合優勝争いできそうな力を持っている選手がいっぱい所属しているから強いっていうのが、このチームの特徴でもあったのですが、もちろん他にもいい選手はいっぱいいるのですが、ちょっと今年は、あれ?いつもの盤石な感じじゃないぞって感覚です。
あと、このチームの、優秀で有名でみんなから慕われていた監督が、この春に若くして亡くなったのです。
それからすぐにコロナの影響で多くのレースがなくなったため、その監督が亡くなってからのレース数がまだほとんどなく、その後のチーム内体制が、メンタル面含めてどこまで整えられているのだろう、と心配している部分があります。
ベルナルも、このツールの前のレースであんまり調子がよくなさそうだったので、昨年優勝したにもかかわらず、優勝候補筆頭ではないって感じです。


イネオスの代わりに、優勝候補名前があがっているのが、ユンボ・ヴィスマのログリッチ
元スキージャンパーで、いつも自然体な印象の選手なのですが、登りと、あと一人で走るのがとっても速い。
そんでもって、チームメイトに、一人で走るタイムトライアルの元世界チャンピオンのトニー・マルティンって選手や、ツールで総合2位とったことあるのデュムランって選手とか、あとなんかよくわかないけどいろいろ速い若手のファンアールトって選手とか、要は有名で人気で、協力し合えそうな選手がいっぱい集まっているのです。

あと、若手で総合系ですごいのがきたぞっていわれているのが、UAEのポガチャル。
若いときからすごいぞって言われてて、もうちょっと大人になっていろんなレースを経験したら化けるぞって言われまくってたら、
別にそこまで経験積む前にもう化けてるっていう選手です。


そんなこんなで、とりあえず総合は、まずこの3人を頭にいれて、あと、地元で悲願の優勝を託され続けて、いつも突然の体調不良や落車などの悲劇に泣くフランス人のピノって選手がいる、今年こそがんばれってみんな思ってるっていうのを頭にいれてみると、
なんとなく注目すべきところはわかるかなって感じです。
他にも優勝候補に名前があがる選手はいるけど、あんまりたくさん名前をあげてもたぶん覚えられないし、とりあえずはこれくらい覚えておけば、あとはレースを毎日ぼーっとでも見ていれば、総合上位にきた選手は自然と名前が入ってくるはず!


そんで、総合の次にとると名誉なのが、ポイント賞です。スプリンター、つまり短距離速い人向けの賞ですね。
この賞は、緑のジャージをきている人が、暫定ポイント賞1位になります。
これは簡単です。
ペーター・サガンって名前を覚えておけばいいです。

この賞、スプリンターっていう、登りは苦手だけど短距離は超速いって人達向けの、一番短距離速い人のための賞なのですよ。
だから、普通短距離速い人って、爆発力が必要だから、おもーいギアを高速で回すので、めっちゃ体が大きいし、体が重くて、山が遅いのですね。

が。

なぜかこのペーター・サガンは、一流のスプリンターでありながら、山もめちゃくちゃ登れるのです。
どのくらい登るか……。
えっとね、どっちかっていうと山と平地なら山の方が得意かな、くらいの選手よりは、全然登れます。
山で基本勝負します、の選手とは、頑張れば張り合えると思います。
山ならまず負けない超一流!の選手と比べると、そこまでではないかなと思います。

で、このポイントを取れる地点ってのは、毎日毎日いろんな場所に設定されていて、今日みたいな大したことのない山がちょこっとあるスプリンターステージのフィニッシュ地点のこともあれば、険しい山と山の間に中間スプリント地点っていうのがあったりもするのですよ。
その後者みたいなのは、どんどか山も登れちゃう、サガンの独壇場なのですね。

だから、ここ数年の傾向からいうと、
サガンが途中でトラブルでリタイアでもしない限り、ポイント賞はサガン以外とれるはずない、っていうのが、基本的な見方なのです。
ですので、サガンだけ覚えて、サガンを脅かす緑を狙う選手がいるかいないか、を考えればいいです。


次。山の賞。
これは総合優勝と被ることが多いので、慣れてから考えないと難しいです。2年目から考えよう。
とりあえず、山があるコースで速めにアタックして山を我先に登ろうとしている人は、これを狙ってます。
ぶっちゃけ、一番山登れる選手たちが総合争いで山どころじゃねえ!ってなってると、総合争いできるほどじゃないけど、そこそこ山得意って選手がとることがあります。
赤い水玉。超人気です。

次、新人賞。
数年前までは、ツールの総合優勝は30歳前後の選手がとるのが普通でしたが、最近めっちゃ年齢が低くなってるので、総合と被るので、これ目当てで走っている選手はたぶん今年はいないので割愛します!


最後、敢闘賞。
頑張ったで賞です。
1日で一番目立った選手、盛り上げた選手がとります。ツール・ド・フランスの偉い人?審査委員?みたいな人が決めます。


あと、今年のツールから見始めた人で、「アラフィリップって人がめちゃくちゃ騒がれてるけどなんなの?」って思った人がいるかもしれませんが、
「短距離とほんのちょっとの坂が強い選手だと思ってたら、なんか年々めちゃくちゃ山登れるようになってるんだけど何あなたすごいかっこいい!!?」っていう感じの、ただのスターです。
昨日の第2ステージみたいな、そこそこ険しい山アンド短距離平地フィニッシュとかだと、もう独壇場みたいに言われてます。
個人的には、今年東京五輪が開催されていたら、金メダル候補筆頭でした。
ただ、ポイント賞はサガンがいるし、総合優勝できるほどは山得意ではない(……たぶん。去年から脚質が進化してなければ)なので、いわゆる4賞ジャージを最終日に着るのは、難しいかもなあって感じです。山賞は可能性あるけど、こればっかりは総合優勝と絡むから、単体で狙うの難しい……。



以上!
ツール初見者さん向けでした!
ちゃんとツール初見さんわかるように書けているかな……。



さて、やっとこさレースの話に戻ります。

今日は、3級山岳が3つ、4級山岳が三つです。
最終的な山岳賞争いには、ほとんど影響のない山ですが、今日の時点では山岳賞争いにかかわりそうなポイントです。

最初、逃げとよばれる、集団から飛び出して山岳ポイントを目指した、もしくは目立ちにいった選手は、4人いました。
そこから1人減って、3人の逃げグループになりました。

うち、最初の2つの3級山岳をコフィディスアントニー・ペレスが1位通過して、昨日までのポイント累積で本日完走すれば山岳賞ジャージを今日もらえるはずだったのですが、その後、パンクからのおくれを取り戻そうとして下りで落車、鎖骨骨折をしてリタイアしてしまいました……。

ですので、本日山岳賞ジャージを着用して、どちらの山岳も2位通過だった、􏰊アージェードゥゼール・ラ・モンディアルのブノア・コヌフロワが、このまま本日フィニッシュすれば山岳賞ジャージを切ることになります。


コヌフロワとペレスが、逃げをやめたあと、
トタルディレクトエネルジーのジェローム・クザンは、一人でずっと逃げ続けました。
逃げっていうのは、勝負から逃げてるわけじゃなくって、
一番勝ちやすい集団ないにいないで、集団を引き離してその前方で不利な状態で少ない人数で走ってるのを、逃げ、とか逃げ集団っていうのですね。
個人勝利を考えると、すごい不利だけど、ここにいることで味方チームが集団の先頭に立つ必要がなくなって楽できたり、たまにそのまま逃げ切って勝ったりすることがあります。
そして、逃げてると目立つので、スポンサーへのアピールになります。

中間スプリントポイントという、スプリンター選手のためのポイント区間では、前述のサガンがクザンに続く2位通過で順調にポイントを積み重ねました。


本日は、スプリンターステージなので、フィニッシュ地点でのスプリンター賞の得られるポイントが高いです。
今日1位で勝つと、サガンでなくても暫定ポイント賞ジャージを着られる可能性があります。

本日勝ちそうな可能性があるのは、まずペーター・サガン。そして、本日自転でポイント賞ジャージをきている、第一ステージを圧倒的なスプリントで優勝したクリストフ。あとは、ポケット・ロケットの異名を持つ、小柄なスプリンター、カレブ・ユアン。先週ヨーロッパチャンピオンになったばかりの、ジャコモ・ニッツォーロ。今日ずっと集団を率いていた、ドゥクーニンク・クイックステップのスプリンター、サム・ベネット。あと、ロングスプリントという、ちょっと遠目の距離から発射するスプリントが得意な、マッテオ・トレンティンあたりでしょうか。


だいたい、毎年ツールのスプリントステージでは、残り20kmくらいで早めに逃げを吸収して、そこから位置どり(よりいい位置で味方チームのスプリンターが最後にスピードをあげやすい位置まで連れていく)がはじまるのですが、今日はちょっと遅めで、フィニッシュまで残り16km地点で吸収しました。


残り16km。
ここから、だんだんスピードがあがって、集団の位置どりが激しくなるはず。
道幅がまだ広いので、各チームがチームごとの列になって、先頭列が4列くらいある状態です。
まだそんなに激しくない、むしろまだ集団は落ち着いている感じです。
これがはげしくなると、スピードがあがって次々と先頭が入れ替わります。

残り13km。
スピードはあがってきましたが、ちょっとまだどこが主導権を持つかを見合ってる感じです。

この時点では、総合優勝を狙ってるチームと、今日のステージ優勝をしたいスプリンターを擁するチームの両方が前方にあがってるのですね。
集団では前方にいる方が、転んで怪我する可能性が低いので、総合系のチームは、万が一転んだり足が止まったりしてタイム差がつくことを避けるために、リスク回避とてして前方に位置取ることがあります。

残り7km。
道が広くって、トレイン(選手が縦に並ぶ状態)が集約されないですね。
今6列くらいあります。

残り6km。
ここで、コヌフロアとヴァンアールトが落車!
幸いすぐに動けてましたので、大きな怪我では今のところなさそうです。
ただ、自転車選手は人によっては骨折してても50kmくらい気づかずに走っている場合があるので、本当に何ともないかは明日走り出すまで断言できません。

残り4km。
ものすごくスピードがあがってます。
先頭はイネオス。リスク回避です。

スプリントステージでは、フィニッシュまで残り3kmを切ると、そのあとで転んで遅れても、救済措置といってタイム差がつかないというルールがあります。だから、総合系チームはそこまで位置どりをがんばる。

残り3km。
もう総合系チームは、リスク回避の必要がなくなりました。下がります。
前方に残るのが、スプリンター系のチーム。

残り2km。
サンウェブ、ロット・スーダル、UAEあたりが、順々に前に出て、スプリントしやすい位置を確保しようとしています。

残り1kmを切りました。
サンウェブが先頭。残り400m!
ボーラがあげる!ダニエル・オスのリードアウトで、真ん中からサガンが発射!
そのサガンの右側から、大きくスピードを上げて後続を引き離したのが、サム・ベネット
もうほぼ決まりかと思いきや、サガンの右を一気にすり抜けてそこから今度はベネットの左側にあがったユアンが、そのままベネットを抜いてフィニッシュ!!

ロット・スーダルのカレブ・ユアンがステージ優勝!!
スプリンターステージの高速スプリント集団を、稲妻のように駆け抜けて勝ちました。
かっこいい……!

ロット・スーダルは、第一ステージで、二人のとっても強い選手が落車による怪我でリタイアをしています。
サッカーや野球とちがい、サイクルロードレースは、選手交代という概念がありません。
基本的には、サイクルロードレースは、個人競技だからです。
現代では、風除けや逃げや位置どりトレインをはじめとした戦略は、チーム単位でたてて行うルールになりましたが、長い歴史のなかで(サイクルロードレースは第1回目の近代オリンピックからずっと種目があるくらい古いスポーツ)、チーム戦略がルール違反だった時代もあるような、元は完全な個人競技だったのです。その流れから続いているレースなので、今でもレース開始後の選手交代はできないのです。
だから、チームの人数が少なく、さっきオスがサガンのリードアウト役をやったような、チームメイトによるアシストが難しいため、ユアンは他のスプリンターに比べてかなり不利だったのです。
その中で、この勝ち方は、とってもかっこいい!
ユアン、おめでとう!!

2位は、惜しかった、ドゥクーニンク・クイックステップサム・ベネット
3位は、NTTプロサイクリングの、ジャコモ・ニッツォーロでした。


総合上位は、昨日の第2ステージ終了時点とかわりません。
暫定総合1位は、ドゥクーニンク・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ。
総合2位は、4秒差でミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツ。
第3位は、アラフィリップから7秒差で、サンウェブのマルク・ヒルシです。ヒルシは、25歳以下なので、新人賞もとってます。
ポイント賞は、着々と中間スプリントポイントをとっていた、ペーター・サガンです。
山岳賞は、アージェードゥゼール・ラ・モンディアルのブノア・コヌフロワ。
敢闘賞は、最後の方ずーっと一人きりで走りつづけていた、トタルディレクトエネルジーのジェローム・クザンでした。



ああ、やっぱりツールの前半のステージは、穏やかめなスプリンターステージを見ながら、すこしずつ今大会でている選手の名前と脚質を覚えていくのが楽しいなあ。それをベースに、後半ステージの予測を立てていくのが好きなんです。


しかし。

もう6500字を超えてるんだけど、果たしてこんな長い記事を最後まで読める「今年のツールが初めての観戦です!」って初心者はいるのだろうか……?


まあ、もし、そういう初心者の方で最後まで読んでくれた方のために、最後にひとつ書きます。

私がまだ観戦一年未満のときに、
もっとツールやレースのこと知りたいけど基本的なことがよくわからなくて、困って、
とりあえず目に付くロードレースのサイトや書籍をいろいろ漁ってた時代がありました。

その中で、「ああ、これでようやくわかった」って思った、
初心者の方に一番最初に読むのにおすすめしている書籍をご紹介します。


ツール・ド・フランス」山口和幸著

ツール・ド・フランスの取材を長年続けているスポーツ記者の山口さんが書かれた、ツールの紹介本です。
ツール関連の書籍はいっぱいありますが、歴史が長くて情報がありすぎるので、ただ詳しい情報の羅列の本だと、完全な初心者だとどんだけ情熱があっても最後まで読めずに挫けます。(経験者)
この本は、4賞ジャージのことや、ツールの歴史の変遷、過去の有名選手のこととか、とてもわかりやすく読みやすく、何よりも読み手に無理をさせない自然な流れで書いてくださっているので、いろいろ読んだ中で一番頭に入りやすかったです。
おすすめ。

ツール・ド・フランス 2020 第1ステージ 

みんなおかえりなさい!そんでもってただいま!

いやー、正直今年はもう開催は無理だろうと思っていたのですが、
帰ってきました、ツール・ド・フランス
もしレース期間中に1チームにつき2人以上新型コロナウィルスの感染者が出た場合、そのチームはレースに出られなくなってしまうそうなので、果たしてちゃんと最後までできるかもわからないのではありますが、
それでも開催できていること自体が、すごいことだ。
日本は今のところ、2020年はUCIレースが一つもできる予定がないからな……。

初日は、平坦ゴールです。

ただ、道が細めの3級山岳が2つあって、そこでもし極端な差がついたらスプリンター勝利はどうだろうみたいに言われていたのですが、とにもかくにも落車が多発しまくって予想がどうだとかああだとか言ってる場合じゃない感じのレースになっていましました。

毎年ツールは、みんながピリピリしながら位置どりをするので、集団内での大きな落車が大きいことが多いのですが、今年は少人数の落車が繰り返し起こっている感じなのです。ド派手じゃないけど、小さなダメージが蓄積しそう……。

サム・ベネットや、ラトゥール、アラフィリップ、キンタナ、ニエべ、ポート、他にもたくさんの選手が、どんどん落車……。
シバコフは二回落車して、左右の腕に怪我をしている……。

しかし、なぜここまで落車が多いのか、よくわかりません。
確かに小雨が降ってはいるのですが、そこまでスピードもあがってない、位置どりもまだ激しくない、道がめちゃくちゃ狭いわけでも、カーブの先に中央分離帯があるわけでもありません。
ぱっと思いつく、一流のプロ選手が落車してしまう原因として考えられるのは、あとは道路の路面状況くらい。
ただ、でもこのくらいの雨は別にロードレースにとって珍しくない。
よっぽど雨と相性が悪い質のアスファルトなのだろうか……。

今日はステージ開始と同時に3人の逃げがきまり、この3人が山岳ポイントも争っていたのですが、最後の3級山岳が終わると、残り57kmくらいを残して、プロトンは逃げをすべて吸収。


残り52kmくらいで、トニー・マルティンが全体に「ゆっくりいこうぜ」的なジェスチャーを出して、安全にいく感じの雰囲気になりました。
たまに一人二人、前に出ようとして止められる選手がいるのが気になるけれど……。

と思ってしばらくしたら、下りでアスタナが先頭に出て、スピードをあげそうな、先にいってしまいそうな感じで前に出ていきました。
そのままアスタナトレイン3、4人が飛び出してしまいそうな感じなくらい前にでたところで、アスタナの選手が一人カーブを曲がりきれずに標識に激突して落車……。

すぐに集団も前のアスタナに追いつき、次々に声をかけてアスタナを諫めていく選手たち。
うわあ……集団の空気が……プロトンvsアスタナ的な……。


ただ、これでもうみんなどのチームも異存なくゆっくり行こうという感じになりました。
とってもゆっくりです。
落ち着いています。
下りのカーブなんか、ほぼ一回止まりながら進んでいるような状態です。

でもそんな中でもジョージ・ベネットが落車。

ど、どんだけ滑りやすい路面なんだ……。


残り25km。
だいたい下りが終わった気配です。
もうフィニッシュまで平坦かな。でもスピードあげたり位置どりをはじめる様子がありません。
……どうするんだろう。この場合。

が、だんだんスピードが上がり始める。
もう、安全第一モードは終わりなのかなと思うのですが、でもツールの平坦フィニッシュ残り20km前後とかんがえると、まあ例年に比べるとぴりぴりしてないというか。
むしろ出方を伺っている感じというか。

とか思っていたら、残り20kmでアーゼードゥーゼルのブノワ・コ􏰆ヌフロワがアタック。
プロトンは、ドゥクーニクがコントロールです。

残り13km地点でコヌフロワを吸収。
ここまでくると、だいぶフィニッシュ前の雰囲気になってきました。
各チームがトレインを組んでます。
道は広い。
ユンボ・ヴィスマが一応全体の先頭トレインな感じです。

残り11km。ちょっと道が狭くなりました。
ここから本格的にスピードを上げていくのか……。
雨は止んでそうだけれど、あんだけ転んでると、ちょっと不安……。

残り9km。
ユンボラインと、デュクーニクラインの2つが先頭になってる感じです。

残り7km。
ボーラやイネオスも前に上がってきました。
逆にユンボが下がっていきます。
このあたり、また道が広いので、ラインがどんどん増えていきます。

残り3km。アーチ過ぎた瞬間に、集団の真ん中よりちょっと前くらいで大落車!!
ぬあああもう、最後の最後に!!もう別にいらないよツールっぽい落車!!
ソレル、ピノ、をはじめとして、たくさんの選手が転んだり、足を止めたりしています。スプリントステージで残り3km切っているんで、タイム差はとられないはずですが……怪我のダメージがないかが心配です。
そして、前に残った選手だけで、スプリント争いになることに!!

残り1km。
ボーラが前にガッとあげます。トレックがそれに続いてまたあげる!
そんでもって、残り300mくらいからスプリントがはじまります。

デュクーニクが先頭、それをトレックの選手がかわしていく!
それを抜き、コース中央あたりから、サンウェブの􏰂ケース􏰑・ボルが前に躍り出ると、その後ろについて右側から追い抜き、どんどんスピードにのってスプリントをしていくのは、クリストフ!!!
クリストフの後ろには、元世界王者のマッズ・ピーダスンが続きますが、追いつかない!
圧倒的!UAEチームエムレーツのアレクサンダー・クリストフがステージ勝利!!

2位がトレック・セガフレードのマッド・ピーダスン。
3位がサンウェブのケール・ボルでした。

初日ですので、暫定総合1位も、ポイント賞ジャージも、ともにクリストフがゲットです!明日黄色いジャージを着るのはクリストフ!
山岳賞が……逃げの3人のポイントが並んでしまって、最初にとったグルリエが受賞してました。ポイントが並んだ場合は確か山のより難易度高い山を1位通過していた人がとるルールなのですが、今日は二つとも山の難易度一緒なので、山だけじゃ山岳賞順位つけられないので、総合順位の一番よかったグルリエがとったのではないかと思われます。
新人賞は、2位のピーダスンです。
敢闘賞は、今日逃げていた3人のうちの一人、CCCのミヒャエル・シェアでした。


とにかく、波乱というか、落車落車また落車って感じのステージになってしましました。
……こんな波乱は求めてなかった。


あまりにもたくさんの選手が落車したので、
誰が転んで怪我をしたのか、多過ぎて半分も把握できてる気がしないです。

雨が降った時の落車は、雨がクッションになるから、大きな怪我にはなりにくいと聞いたことはあるのですが、
でもここまで転んでいると……なんとも……。

明日は、もう1級山岳が2つも入っています。
総合争いが始まる……荒れるかな……あんまり怪我しないでほしい…。

でも、このコロナ下で、明日のレースの心配をできることもまた、幸せなことなのですね。
どうか、ツールが最後までできますように。

えいぷりるふーるれーす。

注意:このレースレポートはフィクションです。
実在する人物、団体、地域とは、一切関係がございません。
現実でサイクルロードレースが見られないので、頭の中で無理やり架空のレースを捻り出してレポートすることにしました。





『エイプリルレース』


今日は初開催のレース!
エイプリルレースです!
4月1日にやるレース。本当はエイプリルフールレースにする予定だったらしいけど、将来的に別日になることを見越して4月ならいつやってもいいレースにしたものを思われます。
きっと将来的に、日本のミラノ〜サンレモと呼ばれるレースになるでしょう!

このコースは、そこそこ高低のある、変則的な周回レースになってます。
一周は、約20km。そこそこ長い。まずはここを6周。
若干のアップダウンがありつつ、どちらかといえば平坦な感じですが、スタート地点の当たりは直前ぐぐって登ります。
でも、問題は、その先。
ここがこのコースの特徴なのですが、最後の一周だけ、このスタート地点には戻りません。
平坦区間の2kmのあと、長い大きな橋を渡ります。
そしてその先に、大きな円を描くように、上に登っていくコースに入っていくのです。
なんていうの、高速道路はいるときって、ぐるぐるまわるじゃない?
あんな感じで、大きな丘をグルグルと二周回るんです。
で、二周おわったら、そこから大きくまがって、丘の中央に向かってのびる勾配13パーセントの坂を登ってフィニッシュ!!となります。

ぐるぐる2周のところは、トンネルがあります。当然そこは観戦できない区間だけど、登りだからあのトンネルのなかでもレースが動くんだろうなあって感じ。

総距離は158km!!
ラストのぐるぐるは、残り32km地点からはじまります。


なもんで、もうとにかく登りですね!登って登ってっていうレースです。
ただ、本当にきつい上りは、ラストのぐるぐる後の直線だけだけど、ずるずる登っていうシーンが多い気がします。
……こういう、円を描くようなコースって、選手にとってどうなんだろう……?



そんな疑問を浮かばせつつ、レーススタート!!!

最初2kmのパレード区間を経て、直線んでアクチュアルスタートが切られます。
逃げには、海外チームから10名と日本チームから22名。
合計32名の逃げです。

すげー!!!ミラノ・サンレモみたい!!!
海外チームから10名と書きましたが、その中に日本人選手がいます。
昨年から、海外チームに所属になった、天澤選手。
昨年は、なかなか調子がよくなくってハラハラしていたのですが、今日の走りは生き生きしていて私は嬉しい。
日本人選手は、十代の若手選手が3人ここに入っているのが、とても期待できる感じです。
海外チームの選手は、みんな若い選手なんですが、一人逃げの大ベテラン。

ジャック・デヘント。
逃げといえばこの人っていう選手なんですけど、私的には、すごく厳しい山岳コースで、一瞬疲れて姿を消した、と思ったときに後ろからざざんっ!って現れるイメージが強いです。帰ってきたデヘント、とよく呼びます。


ちょっと面白いのが、今日のレースに、出ているチームのうち3チームがよく知らないチームだったのですが、
うち1チームが、将棋の奨励会出身の方がキャプテンのチームなのですよ。
私、初めてロードレース見たとき「将棋みたい」って思ったから、将棋強い人って絶対レースの戦略の立て方すごいと思うのですけれど、
このチーム、どんな戦略をたててるのかなー。楽しみ。


1分30秒遅れて、メイン集団です。
ここは、日本人チームが率いています。
栃木のチームが2チーム。
うーむ。さすが。

1周目は様子見なのか、それほど大きな変化はありませんでしたが、2周目に入っていくとき、メイン集団の後ろでは、調子の悪そうな選手がちょこちょこいました。
が、現時点でのリタイアはなし。

2周目では、逃げの32人がわかれて、12人の先頭集団、追走6人、さらに追走14人の追走集団になりました。
メイン集団は、先頭から2分45秒くらい後ろにいます。


んーむ。思ったよりも早めにレースが動いている。

先頭集団には、海外チームの選手が7名、うち1人は天澤選手。注目していた10代は、津村選手が一人残っています。
第二集団に6人いて、これはまだ元気あるけど、次の第3集団は結構バラバラで、たぶん次の周回でメイン集団に吸収されそうです。


3周目に入ります。次にここに戻ってきたとき、トップ通過の選手は、さくら賞がもらえます。
……え、違うよ。山岳賞じゃないよ。さくら賞だよ。

最初の6周はこのスタート地点に戻る仕様なのですが、ここにめっちゃおおきな桜の木があるので、さくら賞なんだそうです。
個人的には、このスタート地点に戻る坂はきついから、桜坂賞がいいと思う。

今日は、このさくら賞と、レースの勝利と、敢闘賞の3種しか賞がないので、このさくら賞へのばちばちがすごいです。

さくら賞まで、残り10km。
先頭は12名で、協力して回っています。
第2グループは、15秒差。
第3グループは、メイン集団に吸収されましたが、大人数を一気に吸収みたいになって、一瞬集団のまとまりがくずれた、と思った瞬間、一人の選手が飛び出しました。

ポーランドの、ボディナール!!

そのまま一人で、どんどん差をつめていきます。

さくら賞まで、残り3km。
ディナールが第2グループまで一人で追いつきました!

そして、ここで、さっき先頭から遅れてこの集団にいた、10代の日本人選手2人と協調して、3人で先頭グループめがけて突っ込んでいきます。


おおお!!30代半ばのボディナールが、日本人の若者を指導している……みたいに見える。
なぜだ。走り方か?貫禄?

残り1km。
先頭グループに追いついた!

瞬間、先頭からデヘントが抜ける!同時に天澤が後ろについた!ついでにボディナールついていったよ!!
ディナールの後ろから、前で待っていた津村と、一緒に第2グループから上がった同じチームの松多がついていきます。
先頭で、中嶋選手がふんばっていますが、ついていけない!


残り400m!
天澤がデヘントを抜いた!その後ろにぴったりついたボディナール
ここからつらい登り!ちょっと後ろでは津村が松多を引いている!

残り200m!
天ちゃんとボディナールが並んだ!
コース中央よりのボディナールの横から、松多が顔を出している感じ!

残り100m切った!
ディナールが天ちゃんを引き離す!!ってここにデヘント戻った!
その後ろについて松多も戻る!うまい!!!

そして、松多がそこから一気に加速して、コース右手からぎりっぎり刺してライン通過!!

さくら賞は、松多ー!!!!
逃げの名手の帰ってきたジャック・デヘントの背後をうまく使ってあがってきた感じ。
あの一瞬で飛び乗った反応速度すばらしい!!
2位通過、ボディナール、3位、デヘント。天澤選手は4番通過で、5番通過が津村です。



さて。
さくら賞をすぎると、レースは一旦落ち着きます。
ただ、この落ち着き方が妙な感じ。


通常、こういうときは、前に出ていた逃げの選手が、逃げをやめて後ろに合流していくのですが、
今日はなんか、後ろから上がってきているんですよね。

でも、それでアタックかけて前に行こう、逃げようってしてなくて、とりあえず前に追いついて一息、っていう選手が、続々続々。
その流れが大きくて、だんだんとメイン集団が減って先頭集団が増えて結果、先頭集団がほぼメイン集団、って雰囲気になりつつあります。

そして、その逃げ遅れたって表するのもへんですが、
そのメイン集団、落車が多いのです……。

なんだろうってじっと見ていたんですけど、5周目くらいで原因がわかりました。
紫と黒のジャージをまとった、とある海外チーム。
その、エースである、ゴローナ・ヴィルス。
かれの走りが、独特なのです。

チームメイトに前をひいてもらって、彼自身は集団の前から8番目あたりを走っているのですが、
こう、カーブのときのくいってまがる感じとか、坂での一瞬のスピードの殺し方とかが、落車を誘発させている雰囲気があります。

たぶん、ゴローナ自身はのびのび走っているだけなんだと思うんだけど、いわゆるプロトンの密集した走りには、合わないというべきか、
これがまた集団走行になれた場所でのレースならまだしも、ここまでの集団の走り方っていうのに慣れない選手も多い日本のレースだから、余計……。


ゴローナの走りに怯えて、無茶して前に来て、でもそこからのペース配分がうまく行かず、だんだんと先頭集団から脱落し、ゴローナの集団にも置いていかれる選手たち。


ううーむ。
レースは映画みたいだって思うときあるけど、今日はパニックムービーだぞ。

そういうしているうちに、全体の人数をだいぶ減らして、ぐるぐる渦巻にむかうための直線区間に先頭がはいりました。
ボディやデヘントはここからいなくなっていて、最初から逃げていた選手で前に残っているのは、天澤選手ただ一人。

レース前半に集団を率いていた栃木のチームが、タイミングがよかったのかほとんど残っていて、あとぱっと見で見つけられる選手だと、静岡のチームからは佐黒選手、橋木選手が残っています。
全部で、20人くらいはいるかな。んーむ。ただ、海外勢がこんなに減るとは思わんかった。


佐黒選手が、ぐっとパワー系の走りで先頭を走ります。
黒い弾丸。かっくいい。
そのまま橋に入り、チームメイトの橋木選手と競い合うように、後ろを引き離しにかかります。
二人ともパワー系の選手だから、この直線で少しでも離しておきたいという気持ちが見えます。

そのその15秒後ろに、これまた栃木チームが率いる、一応ここがメイン集団か?

そして、その30秒後ろ。
もうこんなに近くにきていた!!
ゴローナの集団が来ています。


さあ、いよいよ今日の見所!!ぐるぐるなラウンドの登りに到着した、先頭の2人!
橋木選手は、トラックも強いから、ぐるぐるしたコースには強いはず!がんばれ!
つづいて、他の18人の選手も一斉にのぼりはじめます!

そして、ゴローナ集団では、橋を渡り終えた瞬間に、ゴローナが一人で飛び出しました。


ゴローナの登りは、ふりこ運動みたいなリズムです。
ぐん、ぐん、てその一漕ぎの瞬間に力が入るかのように、ブランコみたいに、登りの瞬間にムラがある走りをします。
そんでもって、速い!なんだこれ!

みるみる間に、前をつめて……。
ああ、前にいた10人くらいの選手のうち、3人落車!

別にゴローナ、ぶつかったり進路妨害をしているわけじゃないんですよ。
十分に間があいているときは全然問題ないのですが、間隔が密になってるプロトンに現れると、とっさに周りの選手がよけるようにハンドル操作をしてしまうようで、その連鎖、みたいな感じがあります。

……ある意味、これ、無敵。


残り12kmを切りました。
ゴローナの前にいた、選手の小さなグループがトンネルに入ります。
続くゴローナ。

そして、トンネルから最初に出てきたのは、おそらくトンネル内で抜いたのであろう、単独でゴローナ。
誰もこの速度には続けない……。

と、思ったその瞬間、トンネルからゴローナを追うように跳び出した、小さな青い影!!
あれは!


栗井村雄!!!
栃木のベテラン選手で、山を登らせたら天下逸品!
今日はあなたの日だと思ってましたくりりん!!!

くりりんは、ゴローナから少し離れたところを、必死にくらい着くようにして駆け上がっていきます。

そのころ、ラウンドを終えようとしていた先頭では、山に強い栃木の増村選手と、イタリア人のナカーネ選手が、佐黒選手と橋木選手を追い抜いて、デットヒートを繰り広げてました。

そこに迫る、ゴローナ・ヴィルス!
やや後ろから、苦しそうな顔を隠さずに、登るくりりん!
そのさらにうしろに、天ちゃんもまだいる!!

そして、ラウンド区間が終わります。
ゴローナが、先頭の二人を抜いた!
それに続く、くりりん!あとは直線の登りだけ!!


そのときです。
コース上に、直線コース脇のファンからでなく、丘の裾から、大きな声がひびきました。
「栗井いけぇぇぇぇぇ!!!」
まだラウンドの1周目だった、栗井選手のチームメイトの中野選手!!


そう。今日のコースは、
エースを支えたアシストの選手が、そのエースの最後の走りを自分の目で見られるコースになっていたのです。

今日、中野選手は、栗井選手が最後の最後に足を残せるように、ラウンドの登りにたどり着くまでずっと栗井選手のために走り続けていました。


中野選手の声が響いた瞬間。
栗井選手の頭がわずかにさがりました。

そして、
最後の力を振り絞りように、まっすぐにフィニッシュの頂上目指して登りはじめました!
ゴローナのリズムに揺れることなく、ゴローナを追うわけではなく、ただ前みて走り出した!!
増村、ナカーネ、そして天澤がそれに続きます。
そんなチームメイトに向けて叫ぶ、アシスト選手たち!

そして。
最初に、頂上に辿り着いたのは……。

両手を大きく天に突き上げた、栗井!!

くりりんが勝ったぁぁぁ!!

ゴローナは2位!!続いて、ナカーネ、増村、そして……え、いつきてたの、ジャック・デヘントが5位でした。

敢闘賞は、最初から最後までレースの中心に関わっていた、天澤選手。
うむ。納得!


ゴローナは確かに強かったけど、密になりすぎないように周囲みて注意すれば、あとはある意味足の力勝負でした。
独特なだけに無駄な動きも多いゴローナは確かに速いんだけど、無敵に見えても、本当に無敵なわけはないのです。

あきらめないで、できることをやるって大事!
あと、応援を諦めないも、大事!

また、今日みたいな面白いレースが見られるように期待して、
来年も、楽しみにいていたいと思います。


以上!
日本初レース、えいぷりるレースの感想でした!!

〈えいぷりるれーす 完〉





えー。繰り返します。
このレースはフィクションです。
実在するサイクルロードレースの選手、チーム、実際のレース、地域、一切関係はございません。
どんなに名前が似てても、「え、あの人じゃね?」って思っていても、関係はございません。
ございませんったらございません。

ただ、2021年のTOJを、私は楽しみに待ってます。
あと、パリ〜ルーベ。ルーべったらルーベ。

今、現実ではいろいろ変わって、無くなったり、終わったりしていくことがたくさんあります。
それはつらいし、悲しいことなのですが、なくなったって思っても戻ってくるものもあるし、間があいても続くものもあると思うので、
私は、今度は現実のレースの感想を、ここに書ける日が早く来るように、手洗いとうがいをしっかりして、その日が来るのを待とうと思います。

ツアー・ダウンアンダー 2020 最終日 現地観戦 と、日暮れどきのオーストラリアンデイ。

いよいよ最終日。
今日は嬉しい嬉しい周回レース!!

え、伝統的なラインレースより、周回レースの方がいいのかって?
……い、いや、やっぱりこう、現地で見てると、目の前を何度も走ってくれるのが、見たくなるというか、はい、すみません。


今日だけ、バスのルートは二手にわかれます。
ウィランガヒルのふもとの町。目の前を5回通ってくれる、タウンか、もしくはウィランガヒル、フィニッシュ地点です。
私は、今回はタウンで申し込みました。
なぜなら、山だと2回、ふもとだと5回通るから!

集合時間にバス停に向かうと。
なんと、バスが3台!!
タウンが1台、頂上が2台!です。
人もいっぱい!最終日はいっぱい見に来るんだね!


ちなみに、本日のリストバンド。タウンとヒルで、色が違います。
タウンはこの色!黒くてかっこいい!

バスに乗ってスタート地点に向かいますが……気のせいか、昨日、一昨日よりも、自転車に乗ってる人がいっぱいいる気がします。


そうこうしているうちに、スタート地点!
まだスタートまで一時間近くあるので、選手たちはついていません。

待っている間に、無料で配ってる帽子をゲット、カウベルもゲット、そんでもって緑の扇子をゲット!
最終日に人が増えるから、グッズも最終日に増えた、みたいな印象です。

そうこうしているうちに、選手を乗せたチームカーがやってきました!
とりあえず、選手たちの様子を見に行きます。
スプリンター選手のリラックス具合と、総合かかってる選手のぴりぴり具合の差が凄かったです。
というか、ポート。とにかくポート。
きれっきれポート。あんまり車から出てこなかった。そうだよなぁ……と、見守ります。

グライペルが、子供を中心にファンサービスしてるのを見守り、デヘントさんを見かけてきゃいきゃい喜び、ゲシュケの髭があれ?短い?と思いながら見て、観客のとこを歩いていた砂田さんを、じーと憧れの目で見つめていたら「日本人?」って声をかけてくださってちょっとふわふわした心地になって、てこてこ歩いていると、
スタートサインを終えた、ルイスレオン・サンチェスが自転車に乗って、すーっと走って行きました。

そして、すぐ近くのアスタナのチームカーの前で止まりました。

……いまだ!!

と、すかさずさっき貰った緑の扇子と日本から持っていったマッキーの黒ペンを片手に、サインを依頼!
「サイン」じゃないよ、ちゃんと「オートグラフォ」と言ったよ!
「くっじゅーぎぶみーおうとぐらほ、ぷりーず」って言ったよ!

応じてくれたルイスレオン。

ルイスレオンのサイン入り扇子。

そして書き終わって離れようとしたときに、写真をお願いしてみたら、これもオッケーしてくれて、ツーショットも撮ってくれました。

私の顔編集で切ったけど、この距離感です。


スカルポーニが亡くなった2017年のジロ・デ・イタリア
そこでのルイスレオン・サンチェスの連日の走りは、今ふと思い出すだけでも涙が出そうになるくらい私の心を打ちました。
そのルイスレオン・サンチェスのサイン入り扇子。そしてツーショット。
嬉しい。



でも感動して選手待機エリアのとなりで泣いてたら、まじで情緒不安定な外国人怪しいことこの上ないので、そっと場所を移動。
そろそろスタートです。

カウントダウン、そして号砲と同時にスタート!



ちなみにこの時、この選手集団のほんつっっっとに最後尾を走っていたのが。

新城幸也選手。
うえぇ!ユキヤ!!スタートのときからこんな後ろ?!!


プロトンと、それに続くチームカーを見送って、そのままバスに向かいます!
いざ、出発!!


して気づいたのですが、……これ、完全にプロトンの後ろをついていってるコースなんですけど。

そうです。レースコースをそのまま走ってタウンまで着いたら止まるという仕様。
ついでにそのコースを、たくさんのスポーツバイクに乗った観戦者が、普通に走って行きます。

これ、周回レースのコースなんですけど……そのうち後ろから選手が来るのですけれど……。
選手が来るタイミングの計算が、徹底されているということなのだろうか。
日本だと考えられない……。



やがて20分くらいまっすぐ走ってタウンにつき、バスが止まりました。
あれ……、そうえいば、今日はお水がもらえなかった。


とりあえず、ざっとあたりを観察します。
大きな曲がり角に、大きなモニターがひとつ。

だけ……?

今日はきっといろんな観戦ポイントにモニターを設置しているので、ここには一つだけなのでしょう。
しかし、これは、観戦場所をどうするか難しいぞ。


もともとこの観戦ポイントは、5回選手が通るのですが、この時点ですでに1回目の通過は終わっています。


道はカーブで左にまがり、曲がった先で、大きく道が塞がれていて、U字に曲がって反対車線を降っていくレイアウトになっています。この左に曲がるカーブは、コースレイアウトとしてカーブになってるだけで、実際は交差点。
つまり、本当は交差点でそのまま右に曲がればいいところを、わざわざ一度左折させてU字にしてから、右折のコースに向かわせている……。


ふうむ。
よくわからぬ。

とりあえず、状況を把握したいので、モニター前が見える場所に場所を決め、コース脇に座ります。
大人数の逃げができていて、その逃げに、グライペルが入ってる、ということをなんとなく把握。


ずっとコース上を普通に一般人が自転車漕いでるので、なかなかいつくるのか分からなくなるのですが、ウィンウィンいってるバイクがいっぱい来ると、そろそろ先頭なんだなってわかるっていう仕様。

バイクがいっぱいくると、一般人自転車乗りはいつのまにかコース上から消えています。

そして現れる、先頭集団!
とりあえず、三日も海外でレース見ていて、一言も選手の名前を呼べてなかったので、ここですかさず「アンドレー!!!」と叫んでみた。


満足した。

次にやってくるメイン集団。
さあ、果たして、メイン集団をひいているのはどこのチームか!
現在総合1位のダリル・インピーを擁するミッチェルトン・スコットか、もしくは今日のステージ優勝を狙うトレック・セガフレード……!

と。やってきたメイン集団。

アーゼードゥーゼル?
え、何。今日はもしかして、ロメン・バルデの勝負デーなの?

アーゼードゥーゼルとトレックが入り混じり、トレックのエースのポートがいて、その後ろに位置取ってるのがミッチェルトンとサンウェブって感じで、ここにインピーがいました。


また選手が戻ってくるまで時間があったので、お昼ご飯を調達しにいきました。

そこらへんのお店で注文したピザが焼きあがるのを待っているうちに、次の周回が来てしまったので、ピザをほっぽり出してまだ次の周回を見に行きました。

今度は撮れた、グライペル

メイン集団は、アーゼードゥーゼルとトラックがコントロールしてます。
上手に撮れたピーダスン。

その真後ろにポート。

トレックとアーゼードゥーゼルにつづいて、ミッチェルトンって感じの並びでした。

写真だと選手わかるんだけど、ぶっちゃけ走ってるときは全然選手の判別がつきません。
一応ここ登りでペース多少落ちるはずだと思うのだけど……。

選手たちが通っていったので、もっかいピザ屋さんに戻ると、もう私の分が焼き上がってて、おじさんがさっとピザを出してくれました。アジア人ほとんどいないから、顔を覚えていてくれていたようです。


ピザを食べ終えて、ちょっとあたりを見渡しにいきました。
これ、私が観戦していたカーブの先の写真です。

さっき、交差点で直に曲がらせずに、一度左に曲がらせてからその先でUターンさせてるって書いたとおもうのですが、そのUターンの壁がなくなって、その先にいけるようになってました。
あの向こうが、ウィランガ・ヒル

なるほど!
これなら、道沿いに走るだけなので、選手たちも「今度どっちに行くんだっけ?」ってならないし、曲がる方法が逆になって「うわ、さっきと逆だ、コースどり間違えた!」ともなりません。
あったまいい!!

観戦位置に戻って、やってくる選手をまちました。
まずは逃げ集団。


続いてメイン集団。
今回下から仰ぎ見るようにとってみたかったので、フェンスの隙間から撮ってるので、フェンスの端っこが写ってます。

しかしこうやって現地で観戦していると、アルカンシエルってすごいです。
目の前で、あっという間に選手が走り去ってしまうので、慣れてないのもあって、他の選手は全然誰が走っていったかわからないのですが、ピーダスンだけはわかる。ポートもインピーも見つからないのに、ピーダスンは「今通った!!」ってなる。
目立つって大事なんだなぁ。


そんなことを考えながらちょっとお手洗いに行って戻ると、
ルイスレオン・サンチェスがメイン集団からアタックしてる……!?!!
おおお!今さっきサインもらった選手が!単独アタックを!!
……いや、ルイスレオンがすごい選手だって、知っててサインもらいに行ったのに、なんなのでしょうね。この感覚。
「わたし!この、今画面に写っている人に!!数時間前に!!!写真撮ってもらったんだ!!!」
って、小躍りしたいテンションになるのですよ。

人はこれを、ミーハーを呼ぶ。


ミーハーなコロロンは、もしかしたらメイン集団から逃げているルイスレオンを見られるのではないかと、今か今かと選手たちがやってくるのを待ちます。


やってきた先頭の選手。

最初に2人。
ちょっと遅れて残りの面々。

遅れてメイン集団。
ルイスレオンは吸収された模様。




さっきまでとくらべて、選手がみんな、一気にめっちゃ疲れてます。
暑そう。


これで、目の前を通るのは最後。
選手は最後のウィランガ・ヒルです。

私は集団を見送ってから、観戦場所を、モニター画面前に変更しました。
ちなみに、現地はほぼみんな、ポート応援団です。
ポートの名前を呼びながら(特に、おばさま方の声援が多い)、カウベル鳴らしています。
もりあがってるー!!

そして、ぐんぐん登るポート!!
逃げを捕まえ追い抜いていくポート!
もりあがって、もう大丈夫だ感さえ垣間見える、モニター前観戦の我々。

と、
ポートが後ろに張り付いていた選手に抜かされた!

……。
え、だれ?


で、そのままフィニッシュ!!!

会場に、広がる、「おぉぉう……」「あぁぁ……」って感じの嘆きの声。
ブーイングに備えて構える私←ブーイング苦手。

そして。
広がる拍手。

ブーイングは、ない。

そして、ちょっと静かになって、また拍手。
画面をみると、インピーのフィニッシュでした。

……い、いい観戦者だ。

優勝したのは、ロット・スーダルのマシュー・ホームズ!
ずっと逃げてて、逃げてて、最後にポートに抜かされて、ラストのラストで抜き返しての優勝!
ガッツあるな!!

リッチー・ポートはステージ2位でしたが、総合優勝でした!



まだ画面で表彰式は始まりませんでしたが、ほとんどの人はそれを見ずに帰っていくようでした。
たくさんの人が、山から自転車で降りてきます。

選手も一部のチームは、自走で帰っていくようでした。


やがて始まった表彰式をモニターで見て(たしかステージと総合だけで、他の表彰は映らなかった)、バスに乗りました。
まだ集合時間まで30分近くあったような気がしますが、ほとんどの人が乗っていた気がします。


バスが出発して、ヴィレッジエリアにつくと、16時過ぎくらいでした。
もうヴィレッジもイベントとかはやってないので、これにて、ダウンアンダーはおしまいです。


んー!!やっぱり、どんなレースも終わった瞬間は、寂しいですね。

そんなこんなで、ダウンアンダー観戦は終了でしたとさ!!!


全体の感想としては。
とにかく、オーストラリア全体の印象がとてもよかった!
英語が母国語なのに、英語ができない観光客にやさしいです。
そんで、オフィシャルバスツアーがものすごく楽で、三日間連続の観戦でも、正直、国内観戦よりも、体力的に全然楽でした。
観戦場所への移動を、確実に座れて、寝られるって、素晴らしい……。

グッズもいっぱい配っているし、選手も近いし、お客さんも多すぎない。

マイナス要素は……。
うーん、現地でレースを見ながら、展開を予想するってのは、できなかったなあ……。
バスの中で、レースの情報をツイッターでしか得られないのが、マイナスといえばマイナスかも。現地の観戦客の方は、ラジオ的なものを聞いていたので、もしかしたらそういった手段があったかもしれないのですが、実際にそれを探す方法が自分ではわかりませんでした。
あと、周回レースじゃなくてラインレースは、もともと展開予想して現地観戦を楽しむもんじゃないだろうってのがあるから、その辺はなんともいえない。
そもそも「自転車レース観戦で現地で展開を予想するのが好き!!」って人はあんまり見ない気がする……。


まあとにかく、お祭りみたいな、良い観戦旅でした!
行ってよかった!


これにて、レポート自体はおしまい!





ここから、自転車は全然関係ないエピソード。
別に笑える面白い話ではないのですが、今回のオーストラリア旅行で一番印象的な瞬間だったので、備忘録として書いておこうと思います。


ちょうどこのダウンアンダー最終日は、オーストラリアン・デイっていう祝日でして、夜18時ごろから街中でパレードやってました。

このパレードを、私は途中から見たのですが、大きなパレードで、国ごとに順々にパレードの人がやってきました。
私が見たのは、インドから。次がネパール。
間にスター・ウォーズにコスプレした方々を挟みつつ、アフリカ系の方から、ヨーロッパの方、アジアの方。
たくさんの国、民族の人がそれぞれの衣装を着て、それぞれの音楽を演奏したり手持ちのスピーカーから流したりしながら、てんでばらばらに歩いてたり、一糸乱れぬ動きで行進したりと、それぞれの文化を前面にアピールしながら歩いていました。


それを見ていて、
私は段々と、悲しい気持ちになりました。

地球儀にしたら点にしかすぎない、アデレードという小さな都市にも、これだけたくさんのルーツをもった人がいるのです。
肌の色も、髪の色も、身長も、音楽の演奏の仕方も、「みんなで揃って歩く」という概念の意味も、全部全部違います。たった数十分のパレードで、いろんな人がいて、いろんな文化があるのです。


こんなにみんな違うのに、争いなんてなくなるわけないって思いました。
平和が続く、なんて夢物語だと思いました。
今見るこの光景だってとても美しいけれど、これだって、この土地に元々住んでいたアボリジニの人たちが住んでいたところを植民地にして、移民の国として成立したからじゃないか、とか思ってしまいました。


なんだか切ないようなやるせないような気持ちになっていたら、やがてウクライナのグループが来ました。
そこは、軽トラくらいの車の荷台にのった音楽家たちが、ものすっごく楽しそうに延々と演奏をしていました。
その音楽がとても素敵で、気付いたらずっとその車の横にいられる位置で、歩き始めていました。

ずっとついていって歩いていたら、やがてパレードが終わってしまいました。
気づくと、ものすっごく広い、芝生の広場についていました。

たくさんの人が、そこで、レジャーシートを出して座っていました。
やがて、遠くの方にある野外ステージで、演奏がはじまりました。

野外フェスみたいな、コンサートです。
ほとんどの人が、レジャーシートをしいて、座ったり寝転んだりしながら、コンサートを聞いていました。


いろんな人種のひとがいました。彫りの深い人も、のっぺりとした顔の人も、大きい人も小さい人もいました。
お年寄りの夫婦から、小さい子供をつれた親御さん、若者たちの集団まで、たくさんの人がいました。
夢物語の「平和」を象徴した風景に見えました。


私も、エコバックを取り出して、レジャーシート替りに敷きました。
座って、アデレードの人に混じって、歌を聴き始めました。


だんだんと日が落ちて、空の端がオレンジ色になっていきました。
ビルが太陽を照り返して光っています。


私は、隕石でも降ればいいのに、と思いました。
もし、世界が終わる日がくるとしたら、こんな日がいいと思いました。


ものすっっっごい感傷的だけど、
おしまい!!

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