コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2019 第1ステージ

ツール・ド・フランス初日!!
2019年は、ベルギーよりスタートです。

現地の気温は、25度くらいとのこと。
ちょっとあったかい、穏やかな気候だそうです。

解説の浅田さんのコメントで初めて知ったのですが、
ベルギーって別に一年中天気荒れてるわけじゃないんだね。
そうか。春しかベルギーの映像見ないから、私知らないんだな。

でも、やっぱり山はないので本日はほぼ平坦ステージです。
出発地点でたくさんイベントをこなし、ベルギー自転車界の英雄エディ・メルクスさんの姿をいっぱい見てから、スタートしました。


すぐに、逃げがきまります。4人。

マッズ・ウルスシュミット(カチューシャ)
ナトナエル・ベルハネ(コフィディス
クサンドロ・ムーリッセ(ワンティ・ゴペールサイクリングチーム )
グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(CCC)


ををう、ヴァンアーヴェルマートが入った……。

ツールのような大きなレースで、がっちがちの平坦ステージで逃げを決める選手っていうのは、
大抵ステージ勝利にからまなそうな選手になることが多いです。
スプリントステージでの逃げ切り勝利っていうのは現実的に難しいから、勝つための逃げじゃなくて目立ってスポンサーにアピールするための逃げなので、
勝つことがお仕事じゃない選手が行くんですね。

でも、ヴァンアーヴェルマートはそういう選手ではないのだが……。

ただ、忘れてました。
今日、山岳あるんですよ。山岳ポイントもらえるのです。
3級山岳と4級山岳が序盤に一つずつありますが、初日なので、今日3級山岳で1位通過した選手が、山岳賞ジャージをもらえるのです。
その3級山岳は、レース始まって約43km地点にあるカペルミュール
毎年春にみてる、ツール・デ・フランドルにでてくる石畳の坂ね!!

フィニッシュ近くでもないから、おそらく集団は逃げを捕まえにはこない。
今日の逃げてる選手の中から、本日の山岳ジャージをゲットする選手が生まれるのです。


で、実際に3級山岳にやってきます。

最初に飛び出したのはベルハネ!
まだ坂がきつくなる手前から一人離れていきます!
それを、先頭切って追うヴァンアーヴェルマート!

あっという間につかまえて、そのまま自身が先頭で坂をあがっていきます。
上がればあがるほど、どんどん狭くなる坂!
どんどん、どんどん、どんどん…………え、ちょ、まじで狭いんだけど。
これ集団来たら大丈夫か?

しかも、高いところから見てる観客が興奮して道路に手に持ってた何か落としたりしてる。
ちょーこわい。

その中を、ヴァンアーヴェルマートがじわじわとスピードをあげながら登っていきます。
狭くなるにしたがって、横から刺されないようにどんどんスピードがあがっている気がします。

ベルハネが最初に離れ、つづいてウルスシュミットが力尽きた。
最後まで残ったのは、ヴァンアーヴェルマートと同じベルギー人のムーリッセ!
でも、一度もアーヴェルマートよりも前に出ることはできません。

ヴァンアーヴェルマート、3級山岳1位通過!!2ポイントゲット!!
ムーリッセは1ポイントゲットです。
あっという間に次の4級山岳、こちらはムーリッセが1位通過で1ポイント。

合計ポイント数は2ポイントで二人とも同じですが、
その場合よりランクの高い山を制した方が上なので、カペルミュールを制したアーヴェルマートが本日フィニッシュすれば、無事山岳賞ジャージをゲットできます!

集団は逃げから2分5秒くらい遅れてカペルミュールにやってきますが、狭いけど別に混乱とかは起きなかったみたいです。
フィニッシュ地点近くじゃなくってよかった……。
30km手前くらいの、位置どり合戦始まる直前とかにここ通ったら、ものすごいことになってたよ。



さてさて。
このまま4人の逃げで落ち着いてフィニッシュまで向かうのかと思いきや、ヴァンアーヴェルマートは早々に逃げをやめて集団に戻りました。

ツールには敢闘賞があります。
敢闘賞っていうのは、めちゃくちゃ簡単にいうと、「一番がんばったり、活躍したり、盛り上げたりしたで賞」みたいなもんです。
その日のレース展開にもよりますが、逃げている選手の中から選ばれることが多いです。
つまり、ヴァンアーヴェルマートは、山岳賞をとるために逃げていたのであって、敢闘賞はいらないようです。

まあ、これからまだまだツールは先長いですし、ヴァンアーヴェルマートはステージ狙う可能性の高い選手ですから、力を温存したのもあるのでしょう。たぶん。


逃げは、3人に減った状態で、レースは進んでいきます。
このまま行くかと思いきや、残り70km近くの中間スプリント獲得を目指した、ペーター・サガンを擁するボーラ・ハンスグローエが、細い石畳の道でぐっとスピードをあげて、集団は分断。
そのまま先頭グループはスピードをあげて、中間スプリント手前で逃げを吸収。
中間スプリントは、マイヨ・ヴェール争いに参加する選手たちのスプリントになりました。

先頭通過は、ボーラのペーター・サガン
次点が、バーレーンメリダの、ソンニ・コロブレッリ。
3位通過が、ヴァンアーヴェルマート。今日は出番が多いです。続いて、マイケル・マシューズ、マッテオ・トレンティン、の順番です。


スプリントが終わって、集団の先頭は落ち着きます。

なんか、結構集団が三つくらいに大きく別れていたので、このタイミングでどっか総合狙いのチームが後続を引き離す作戦とかやるかなって思ったのですが、ありませんでした。
ベルギーだからって、いつでも横風吹いてて、横風分断作戦ができるわけではない。


残り60kmを切ったところで、コフィディスの選手が一人飛び出します。
ステファヌ・ロセット。
この単独の逃げにより、一旦集団がおちついて、この状態がしばらく続きます。

残り35kmくらいから、ロット・スーダル とチーム ユンボ・ヴィスマとドゥクーニンク・クイックステップが集団の先頭でじりじりタイム差をつめはじめます。
ベルギーとオランダのチーム。
そうね、今日勝って、いいとこみせたいもんね!!

残り30kmで、タイム差は約1分25秒。
残り25kmで、タイム差1分15秒くらい。
残り18kmで、まだ1分。
ロセット、がんばってる。

が、しかし、タイム差が1分を切ってちょっとしたころに、メイン集団で、アスタナのエースのフグルサングが落車!!

それほど間をおかずに再び走り出しますが、右こめかみからかなりの出血をしています。
アスタナのアシストも前から順々に4人くらい降りてきて、フグルサングを集団に戻そうとします。
フグルサングの後ろには、一緒に転んだユンボ・ヴィスマのトニー・マルティンバーレーンメリダのダミアーノ・カルーゾもついていきます。

残り15km。
先頭はロセットが単独です。
45秒差でメイン集団。
そのさらに45秒うしろに、フグルサングのグループです。


残り10km。
ロセットと集団とのタイム差は約10秒。
ロセット、もっと早く捕まるかとおもったけど、かなり頑張ってます。
フグルサングは治療中。まだ集団には追いついてないですが、追いつくよりも先に、ドクターカーで手当てしてます。

残り9.5kmくらいで、ロセットは吸収されました。
ほぼ同じタイミングで、フグルサングも集団の後方に追いつきました。

集団は、一見、落ち着いた感じにみえます。
あんまり位置どり激しくしていない感じです。
……ツールなのに、珍しい……。

残り7km。
いきなりカルフォルニアばりに道が広がった!!確かにこんなに広いなら、位置どりいらないや!!
各チーム、思い思いのラインどりです。
でも、そのあとのカーブで、一気に位置どりが激しくなります。
でもまたそのあと大きい道に戻ってくると、またトレインがいっぱい横並びにでてきます。
トレインたけのこ。

4km。
大きい道からまがった瞬間に道が狭くなるので、位置どりが激しいっていうか危ない!!

ボーラ、イネオス、ロットあたりが、交互に先頭を争っています。
カチューシャもきた!!

残り2km!
また道がひろくなってみんな前にきた!!
ドゥクーニックがここでようやく前にあがってきました!いつも最後の最後までトレインつくんないよね!

しかし、残り1.4kmで、落車!!!
前から30人くらいのところで落車があり、道を塞ぐ形になったので、人数が絞られました。
しかも、フルーネウェーヘンが落車してる!!?

先頭に残された選手たちだけで、スプリントの形に入っていきます。

残り500m。
リケーゼが先頭であげる!
あげてあげてあげて、ふりかえる!!
そこにいたのは、チームメイトのヴィヴィアーニじゃなくってサンウェブのマシューズ!
ヴィヴィアーニは後ろに下がっちゃってました。

残り300m。リケーゼが後ろ振り向いてやめちゃったので、その後ろに付いていたマシューズが、先頭に出されてしまったようなかたちに!
これで行くのは早すぎるという判断なのか、マシューズはまだスピードをあげず、後ろに続く他のチームの選手たちもまだマシューズを抜かず、一旦牽制みたいな感じになります。
マシューズの後ろには、サガンがぴったりと控えています。
そこから、じわじわとスピードをあげつつ、まず動いたのは、バーレーンのコロブレッリ!!後ろから上がってきた!
ちょうどコロブレッリが隣に来たあたりで、同様にサガンもスピードをあげ、マシューズの左手側からサガンがマシューズをぬき、さらにそのサガンの隣にコロブレッリが並びます。
でも、サガンの方が速い!コロブレッリがじりじり離されていく!
これは優勝はサガンに決まったかと思った、そのとき!!

コロブレッリのとなりから、大回りをして突如としてサガンの隣にあがってきたユンボ・ヴィスマの黄色いジャージ……!
え、ちょ、だれ!!?フルーネウェーヘン転んでたよね、一体誰!!?

そして、そのユンボの選手とサガンが、ほぼ横並びでフィニッシュ!!
どっちも手をあげない!どっちも懐疑的な顔してる!!
どっちだ!!??

そして、映像での判定の結果。

勝ったのは、ユンボ・ヴィスマのマイク・テウニッセン!!
てうにっせん!!?
あなた、テウニッセンだったのね!!?
何が起こったのかわからんかった。まったくもってノーマーク。
でもよくよく映像を見ていたら、残り300m切ったタイミングで、チームメイトがテウニッセンを引き上げていた。
フルーネウェーヘンを失ったあの距離から、チームで戦略立て直して勝った。
ユンボすごい!そしてそこからスプリントを制したテウニッセンもすごい!!
テウニッセンおめでとう!!!


2位はボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
3位はロット・スーダルのカレブ・ユアン
4位がディメンションデータのジャコモ・ニッツォーロ。
5位が、あれ、さっきサガンと競り合っていた気がしたバーレーンメリダのソンニ・コロブレッリでした。


そんでもって、各賞ジャージ!!

総合1位のマイヨ・ジョーヌと、ポイント賞のマイヨ・ヴェールはテウニッセン。
山岳賞ジャージは、CCCのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート。
新人賞はロット・スーダルのカレブ・ユアン
敢闘賞は、最後に一人逃げをしていた、コフィディスのステファヌ・ロセットでした。


初日から一筋縄ではいかないですね!
フグルサングとフルーネウェーヘンは、落車の影響が心配です。


明日はチームタイムトライアルです。
総合タイム差に響くから、総合狙うチームは、ばっちばちでくるでしょう。
たのしみ。



あー。しかし。
ものすっごく書きやすい。なんだこれ。
この記事の一つ前、全日本選手権を観戦したときの感想文書いたんですけど、写真とかいっぱい載せたからか、ものすっごく大変でした。
この記事の3倍くらいの文章だけど、かきあげるの10倍くらい時間かかってる気がする。
現場にいて、その様子を文章にするってめちゃくちゃ大変なんだなと、なんか改めて実感。
まあ、でも、現地で感じたことを残しておくことも何か意味があるかもって思ったから、それはそれでいいんだけども。


よーし!
明日からも、気楽にツールみて、気楽に感想かいていくぞー!!おー!!

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