コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2018 第20ステージ

今日は、総合争い、そして山岳賞争いの日です。


逃げには、デヘントとモレマが入り、山岳賞の行方はこの2人のうちのどちらか、という感じになります。
他にも、今日逃げ切り勝利を狙う、マイカやデラクルスが入り、他にも総合争いの前待ち作戦をするアシストの選手とかもいっぱい入って、たくさんの選手が入った逃げです。


残り50kmくらいで、逃げとメイン集団のタイム差は1分くらいだったかな……?

前の集団では、デヘントが着実に山岳ポイントを貯めていくのですが、残り3つの山岳をのこした時点で、デヘントは前にいるのをやめ、遅れ出します。
前方に残り続けたのはモレマ!
ただし、今日のステージで23ポイントとらないと山岳賞ジャージはとれないので、かなり厳しい争いです。


結構人数いた先頭集団ですが、
メイン集団は、アスタナがずんずんスピードをあげて、かなり人数を減らし、残り38kmでそのまま先頭のアスタナ勢がアタックをかけます!
アスタナのアシスト選手が2人と、現在総合5位のミゲル・アンヘル・ロペスの3人が飛び出します!

同時に、いっぱいいた先頭集団では4人の先頭集団ができていました。スカイのクヴィアトコウスキーとデラクルス、そしてトレック・セガフレードのバウク・モレマとボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカ
しかし、クヴィアトコウスキーが遅れて行き、先頭は3人になります。


やがてモレマが遅れて、先頭はマイカとデラクルスの2人に。
けれど、残り34kmで、前から遅れてきたたくさんの選手をくっつけたまま、ロペスが前に追いついてきました!
ちなみにもうアスタナのアシスト選手は誰もいません!ここまで連れてきてくれた選手も、前から下がってきて前を引いてくれた選手も、すべていなくなりました!
あのに、もう、すぐ後ろ、ほんとに見えるすぐ後ろにメイン集団が迫っていて、結局全部一緒になります。
ここまで引き上げたのは、現在総合1位のサイモン・イェーツの双子の兄弟、アダム・イェーツ!
アダム、アスタナがアシスト選手2人以上ががんばって開いた差を、ほぼ一人で追ってなかったことにした!!
アダム強い!!さすが!!

そして役者がそろった状態で、1級山岳を通過!
ロペスが前にでましたが、モレマが根性で差し、1位通過します!
これで、モレマ、山岳賞まで、あと13ポイント!

そして下りにはいったところで、今度はモビスターのキンタナが飛び出した!!

下り終わった、残り約20km。
ロペスが一人でアタックして、前で一人逃げてたキンタナに合流します!
そして、二人で協力して走り出しました。
キンタナ、現在総合5位のロペスを助けると、チームメイトで総合2位のバルベルデに迫ってきちゃうと思うんだけど、いいのかな……。
なんとかサイモンを動かす要素がほしいのか、それとも同郷のロペスを3位にさせたいのか。
メイン集団は、またミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツが引きます。


残り17km、ここでついに、メイン集団から現在総合1位のサイモン・イェーツががアタック!!
ここに、現在総合4位の、クイックステップ・フロアーズのエンリコ・マスがついてきた!!!


残り13km。
サイモンとマスが、前に追いつきました!
これで、先頭は4人です。
現在総合2位であるモビスターのバルベルデや、3位のロットNLユンボのクライスヴァイクがいる後ろの集団は、25秒差。ここは10人くらいいます。

先頭では、キンタナは最後尾に身を潜め、先頭交代はサイモン、ロペス、マスが回ります。

なお、現在、総合2位のバルベルデからのタイム差は、3位クライスヴァイクが20秒差、4位のマスが37秒差、5位のロペスで51秒。
なので、この時点での暫定総合順位は、マスとクライスヴァイクの順位が入れ替わっています。


残り7km、ここででキンタナが先頭集団を離れました。スピードを緩め、後ろからくるバルベルデがいる追走集団に合流し、引きはじめます。

先頭では、マスとロペスがちょっとだけ前にでて、サイモンが離れます。
サイモンは、ついていけずに遅れたというより、見守っているような、余裕さがあります。

残り5.5kmで、先頭の2人とバルベルデ集団とのタイム差は約50秒。
この時点のタイム差だと、暫定2位はマス、そして暫定3位がバルベルデかロペスか、という感じです。


残り4km。
先頭はマスとロペスが交互に引きます。
12秒くらい遅れて、単独でサイモン・イェーツ。
ちなみにサイモンは、総合タイムでマスとから2分15秒リードしているので、まだまだ総合優勝には余裕があります。

その40秒くらい後ろの追走グループで、バルベルデが、離されます!!
ついていけない!!
っていうか、このグループ、キンタナが引いているんだけど!キンタナの引きについていけずに、バルベルデが遅れている!

あ、キンタナが引くのやめて待った。


残り3km。
バルベルデがいなくなった追走グループでは、クライスヴァイクが引いています。残っているのは、エフデジのピノと、EFドラパックのウラン。サンウェブのケルデルマンも残っていましたが、遅れだします。
このグループは、すでに先頭の2人から1分近く離されています。
そして、バルベルデはすでに、ここから40秒近く遅れています。
キンタナがなんども後ろを振り返って、バルベルデのペースを見ながら、アシストを続けます。

残り2km。
先頭は依然2人のまま。
17秒遅れて、サイモン・イェーツ。
その約40秒後ろの追走では、ウランがアタックしました!ピノがすかさずその背後をとりますが、ここまでがんばって先頭を引き続けたがクライスヴァイクがついていけない!っていうか、クライスヴァイクこの展開多くないか!?


さあ、とうとう残り1km!
サイモンは、まだ先頭から25秒くらい後ろにいるので、勝利はロペスがマスの2人の手に委ねられました。
ロペスがさりげなーいアタックをしますが、マスは離れません。

残り600m。
先頭2人、どっちも前に出ようとしません。
スピードがおちて、お互いのタイミングをはかっています。
ほぼ隣に並びました。
じわじわとフィニッシュまでの残り距離を縮め、残り125mで、マスがいきました。
すかさずロペスもふむ!
しかし、マスの方が若干前のまま!そのままカーブに差し掛かる!
インコースからロペスが行こうとするが、それより一歩先に出ているマスがそれを許さない!ロペスが一瞬おくれる。
カーブが終わって、ロペースが巻き返し距離を詰めようとするが、マスも追いつかせない!
そしてマスが勢い良く、両手をあげた……!!

クイックステップ・フロアーズのエンリコ・マス!
ステージ優勝!!そんでもって、ほぼ総合2位確定!!!

マスすごいすごいすごい!!!
だって、クイックステップはスプリンターのヴィヴィアーニのための布陣で、マスの総合のためのアシストなんてほぼいなくて、他の選手がめっちゃ協力なアシストを助けありきでの総合争いをくりひろげる中で、ほぼ一人でそこに張り合ってたんだよ!!
それに、去年、このブエルタの20ステージで、コンタドールの最後の勝負で、コンタドールのアシストをしちゃってたマスが、その翌年、同じブエルタの同じ20ステージで、今度はステージを取るなんて……。
こんな選手、好きにならずにどうしろと言うんだよ!!

2位は、マスに負けてしまって、めちゃくちゃ悔しそうなロペス。
そして、3位は、これでほぼ総合優勝を決めました、サイモン・イェーツが笑顔でフィニッシュラインに入ってきました。

その後ろからやってきた、ピノとウランは、白熱した争いをフィニッシュ前の登りで繰り広げます!
ピノが先着で4位。ウランが5位。
そのあとにサンウェブのケルデルマンが入ってきて、6位。
そして、ようやくここでやってきました、昨日まで総合3位だった、クライスヴァイク。マスとロペスのフィニッシュから、1分15秒遅れてのフィニッシュです。
バルベルデはさらにおくれて、3分9秒遅れのステージ10位。



これで、ブエルタ2018における総合順位がほぼ確定しました。

総合1位。マイヨ・ロホ。
ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ!!

1分46秒差の2位が、今回のブエルタでずっと素敵な走りをし続けて、どんどんファンを増やし続けた、クイックステップ・フロアーズのエンリコ・マス!
2分4秒差の3位が、今日マスには負けたけれど、初めてなりふりかまわない走りを見せて、巻き返して総合表彰台にあがることができた、アスタナのミゲル・アンヘル・ロペス
2分54秒の4位が、今日一気に順位とおとしてしまった、ロットNLユンボのステフェン・クライスヴァイク。
そして、4分28秒差の5位が、モビスターのアレハンドロ・バルベルデでした。


その他の賞。
ポイント賞は、モビスターのアレハンドロ・バルベルデ
複合賞は、総合に続いての受賞、サイモン・イェーツ。
山岳賞は、守りました。ロット・ソウダルのトーマス・デヘント。
モレマは、今日根性で1級の10ポイントとったあと、遅れてしまったので……。
モレマ、今回のブエルタ、惜しいステージいっぱいだったなあ……。


最初の2週間かっとばして、最後の週で突然調子をくずして、あっという間に総合表彰台から姿を消してしまって、嵐のようだったジロから一転。サイモン、慎重に慎重に駒をすすめて、はじめてグランツールを制しました!
今年の失敗を、今年中に取り返すことができて、とってもよかった!
サイモン、おめでとう!!!

あと、もう一回書くけど、総合2位のエンリコ・マス、好きだ!


明日は、いよいよラストステージ。
ステージ勝利争いはあると思うのですが、ポイント賞争いは……起きないですね。
ポイント賞2位のサイモンと、ポイント賞1位のバルベルデとのポイント差は27ポイントなので、明日サイモンがステージ優勝しないと、ここは逆転しないので、それは事実上不可能です。明日の平坦ステージで、スプリンターが、がんばらないわけないもん。
そんでもって、スプリンターで一番ポイントが高いサガンのポイントは、99。明日、中間スプリントもステージも1位をとったとしても、プラス30ポイント。バルベルデの131ポイントには届きません。

あー、でも複合賞争いは起こる可能性があるのかな。
複合賞は現在、9ポイントでサイモンですが、2位が11ポイントのロペスです。
明日は山はないし、総合ももう動かないだろうから、動くのはポイント賞のみ。そして、ポイント賞では、ロペスはサイモンと1ポイント差の3位です。
複合賞のポイントは、総合、ポイント賞、山岳賞の順位をポイントにし、その合計が低い方がいい、というもの。
なので、明日、ロペスがサイモンよりもスプリントポイントを2ポイント以上多くとって、なおかつ明日ステージ勝利を争うであろうスプリンターたちのポイントが大幅に動き、ロペスとサイモンとの間に3人以上ポイントをもった人が間にはいれば、二人の順位が3つ以上開くので、ロペスは複合賞をゲットできるのです。

……でも、ポイント差的に、現在のサイモンのポイント103を超える可能性がある、73ポイント以上持っている総合じゃない選手って、ボーラのサガンクイックステップのヴィヴィアーニとBMCのトゥーンスしかいないな。他の総合系の選手が、わざわざロペスのためにフィニッシュのスプリントする可能性はほぼないだろうし、そんでもって、明日ロペスがとったポイントとサイモンのポイントとの間に、ちょうどこの3人がいる可能性ってめちゃくちゃ低くないか?

うん、複合賞もまずうごかない気がする。


ってことは、4賞は今日でほぼ決定でしょう!!

よし、明日はステージに集中してみるぞ!!



……。


去年の、あのコンタドールの最後のステージ勝利から、もう一年が経ったんだね。
なんだか、もう一つシーズンが一周したなんて、信じられない気持ちがあるな……。

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