ツール・ド・フランス 2018 第1ステージ
ツール・ド・フランス初日。
第1ステージは、今年は平坦ステージです。
ツールの平坦ステージで抑えておけばいいポイントは基本的には3つ。
①逃げてもまず逃げきれないので、ほぼ目立つための逃げになる。
②見所の勝負は最後の10km〜20kmから。メイン集団が逃げの吸収と、フィニッシュのスプリントのための位置どりに本気を出す。
③総合優勝争いを狙っている選手は、他のライバルからタイムを奪うか、ではなくて、いかに遅れないか、が大事になる。
加えて今日は、レース初日ですので、
④今日逃げて山岳ポイントをとれば、山岳賞ジャージをゲットできる。
これだけ頭に入れておいて、さあ実際のレースはどうだったか!!
アクチュアルスタートと同時に、逃げが成立!!
逃げは3人。
3チームともプロコンチネンタルのチームです。
ディレクトエネルジーのジェローム・クザン。
ワンティ・グループゴペールのヨアン・オフレド。
フォルテュネオ・サムシックのケヴィン・ルダノワ。
中でも、クザンは地元のディレクトエネルジーなので、最初の中間スプリントはなんとなーくの流れで先頭通過!
ただ、その次の山岳ジャージがかかった4級山岳ポイントでは、クザンよりも一瞬早く仕掛けたルダノワが1位通過します。
これで、本日山岳賞ジャージをゲットできることが決まったルダノワは、そのままペースを落として集団吸収。
2人での逃げになります。
集団はだんだんとタイム差を縮め、吸収する準備に入っていきます。
が。
ここで続々とトラブルが発生。
まずは残り11km。
集団の中ほどの、左側にて集団落車!
何人もの選手がこの落車の影響で遅れてしまい、集団が大きく割れたのですが、
これに巻き込まれて、本日のステージ優勝争いに加わることが予想されていた、グルパマ・エフデジのアルノー・デマールが大幅に遅れました!!!
デマールはレース復帰して早々に、「今日はもうステージ争いにはからめない……」とスピードを緩めます。
残り9kmで、逃げの二人を集団が吸収すると、今度は残り8kmでまた落車!!
集団右手側!単独!!ベルナル!!?
チーム・スカイ、21歳のエガン・ベルナルが落車で遅れた!!
でも怪我はなかったのか、バイクのトラブルのみが伝えられ、集団から遅れたグループにて走る姿が確認できあmす。
残り5.5km。
今度は優勝候補筆頭の、スカイのクリストファー・フルームが落車!!
またもやプロトンの右側!カーブの外側で煽られるように、道路に転がり落ちました!
フルームもすぐにレースには復帰しますが、でも先頭集団からは遅れたグループになります!!
残り3.3kmで、今度はモビスターのナイロ・キンタナがパンクでストップ!!!
そのキンタナの前を、遅れたフルームグループが通過して行きました!!
モビスターは誰もアシストが待ってない……?
だって誰がエースか決めてないっていうチームだもんね。そうだね。無理だね。
残り1.5km。
フルームがいるグループは、先頭集団から49秒後方です!
集団の先頭はクイックステップフロアーズ。ほぼ1列棒状に集団が伸びています。
先頭からクイックステップ、クイックステップ、クイックステップ、ボーラ・ハンスグローエ、クイックステップ、クイックステップ。
全力でガビリアを勝たせるためのクイックステップ・トレイン。に、一人サガンのためのボーラ。
そして、ついにクイックステップのガビリアが放たれた……!!
その真後ろについたのが、ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン!
一人先頭を行くガビリア、背後からじりじりと迫り、ガビリアの右手側から抜きにかかろうとするサガン。
でも追いつけない!!ガビリア強い!!
第1ステージのステージ優勝は、クイックステップ・フロアーズのフェルナンド・ガビリア!!
今日クイックステップは、スタートからこの勝利のためにほぼずっと集団を牽引してきたので、決まった!って感じです。
2位はボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン。
3位がカチューシャ・アルペシンのマルセル・キッテル。
そして、この集団で多くの選手がタイム差なしでフィニッシュしていく中、フルームはこの集団から51秒遅れてゴールします。
他には、ミッチェルトン・スコットのエースであるアダム・イェーツや、BMCのエースであるリッチー・ポートも、フルームと同じ集団でフィニッシュしていきました。
そのさらに後ろからやってきたキンタナは、先頭集団から1分15秒遅れにてフィニッシュ。スカイの若手、ベルナルもキンタナと同じタイムです。
ざっとみて、今日は絶対に遅れちゃいけなかった総合順位争い(もしくは新人賞争い)に関わりそうな選手なのに、遅れてしまった感じの選手はこのくらいでしたかね……。
総合優勝争いをしそうな選手としてパッと名前があがる、ほかの各チームの総合エースの選手たちは、今日の目標である「怪我せずに先頭集団と同じタイムでフィニッシュ」をちゃんと達成した感じでした。
そんなこんなで。
本日の結果による、4賞ジャージはこちら!!
総合タイム1位、マイヨ・ジョーヌはクイックステップ・フロアーズのフェルナンド・ガビリア!
ポイント賞、マイヨ・ヴェールもガビリア!
山岳賞、マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュはフォルテュネオ・サムシックのケヴィン・ルダノワ
新人賞、マイヨ・ブランはこれまたガビリア!
ガビリアって、まだ23歳なんだ……。
そんでもって敢闘賞は、逃げていたうちの一人。ワンティ・グループゴペールのヨアン・オフレドでした。
初日から落車が多いレースだったなあ……。
今日、レース始まって、アクチュアルスタート後のメイン集団と見たときの最初の感想、「え、人数少ない!!」だったんですよね。
というのも、今年から、集団密集による落車などを防ぐため、各チームの人数が9人から8人に減っているのですよ。
出場チーム数は変わらないので、全体的に選手の人数が減っていたのですよね。
もちろん他のレースでもそうなのですが、今日が一番そう思いました。
なのに、第1ステージからこんなに落車があるなんて。むむう。集団人数と落車に相関性は、果たしてどれくらいあるのだろうか。
なお、フルームはフィニッシュ後「怪我ないよ!」ってツイートをしていました。
よかった……。