コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ジロ・デ・イタリア 2018 第19ステージ

今年のジロの中で、一番標高の高い山(チマ・コッピ)、フィネストレ峠を通過する日です。しかも、登り後半の7.8kmくらいが未舗装区間
高いしきついし難しい。厳しい日。
そして、そのフィネストレ峠を走っているとき、逃げを吸収した先頭集団から、スカイのクリス・フルームが単独アタックをしかけました。

ちょっとまって。
ねえちょっとまって。
残り80km以上あるんですけど……!!?!?

そして、この単独の逃げが成功して、フルームが単独先頭になります。

残り62kmくらいの時点で、先頭がフルーム。
1分30秒くらい後ろには、サンウェブのデュムラン、グルパマ・エフデジのピノとライヘンバッハ、モビスターのカラパス、アスタナのロペスの5人。

そして現在総合3位のポッツォヴィーヴォがそのさらに1分くらい後ろに、他のチームのエースたちと、あとポエルスと一緒に6人のグループでいて、現在総合1位のサイモン・イェーツはそこからさらに10分近く遅れてしまいました……。


え、これ、本当に、昨日のジロの続き?
別の年のレースじゃなくて?


残り50kmくらいで、単独先頭のフルームと、追走のデュムラングループとのタイム差は2分5秒くらいになり、その後ろのポッツォヴィーヴォグループは、デュムランたちから1分15秒くらい後ろにいます。

タイム差が、離れている……。

昨日のレースが終わった時点では、総合2位のトム・デュムランと、総合4位のクリス・フルームとのタイム差は2分54秒。
昨日総合1位のイェーツは、フルームから16分くらい遅れています。
ちなみに昨日時点で総合3位であるポッツォヴィーヴォとフルームとのタイム差は、昨日の時点で1分もなかったので、この時点でバーチャールリーダーはデュムラン。2位がフルーム。3位がピノかポッツォヴィーヴォか。っていうタイム差です。


残り40km
先頭のフルーム。
追走のデュムランとのタイム差。
2分40秒。
どんどん、ひらく。

追走のデュムラングループは、新人賞争いをしているカラパスとロペスが先頭交代に加わらないため、デュムラン、ピノ、ライヘンバッハの3人でまわっています。


残り35kmくらいで、フルームとデュムランと総合タイム、逆転!!バーチャルリーダーがフルームに!

残り25kmくらいで、単独先頭のフルームと、追走のデュムラングループとのタイム差は約3分。デュムラングループは、5人ともここに残っています。
そして、その後ろのポッツォヴィーヴォグループは、さらにデュムランたちから約3分20秒後ろにいます。
このグループは、後ろから追いついたり、中でアタックがかかったりしているのか、若干人数が前後している様子。

イェーツはもはやどこにいるのかわからない……タイムアウト気にするレベルで遅れてるんじゃなかろうか……。


残り20kmを切って、フルームとデュムラングループのタイム差はあまり変わりませんが、じりじりとその後ろのポッツォヴィーヴォグループが遅れていきます……。

残り15kmを切りました。
フルームとデュムランたちとのタイム差は、3分15秒になりました。
その後ろのポッツヴィーヴォグループは、フルームからもう7分遅れています。

あまりにもすごすぎて、逆に気持ちが落ち着いてきてしまった。
こういうものすごい展開のときって「どうか何も変なトラブル起きないで……!!」って、祈るような気持ちで見ることが多いんだけど、ここまできたら「これはもう大丈夫だ」みたいな根拠のない安心感があるというか。

残り10km。
フルームとデュムランたちとのタイム差が、3分30秒を超えました。

あと3kmくらい先のところから、最後の山頂フィニッシュへ向けての登りが始まるから、そこまでに追走グループは先頭交代の空気抵抗削減のメリットを活かしてタイム差をなんとかしないともうどうにもならないと思うのだけど、もうこれは、どうにもならない気がしてる!


そんでもって、フルームが登りに突入。
一時的にタイム差が10秒くらい短くなりますが、でも実質的には縮まってないだろうなあ。
ちなみに、ここまで追走グループ、ほんっっとうにロペスもカラパスも引いていません。
追走グループは、デュムランとピノ、そしてピノのアシストのライヘンバッハがフルームに追いつこうと総合順位の争いをしていて、カラパスとロペスは新人賞の争いをしているのです。


そして、先頭のフルームが残り6kmを切ったころ、トム・デュムランとライヘンバッハが遅れます。
そしてここでピノがアタック!
ただ、デュムランはいつものマイペース走法でカラパスとロペスにおいついて、ピノを追っていきます。
ライヘンバッハはついていかない。お仕事終了です。立派なアシストでした!


残り5km。
ピノがペースをあげています。
先頭のフルームとのタイム差を3分5秒まで縮めました。
ピノの約10秒後ろに、デュムラン、ロペス、カラパス。
あ、ちなみにポッツォヴィーヴォグループは、フルームから8分以上遅れています。

そして、やがてデュムランがピノにおいついた瞬間、ロペスがアタック!カラパスがついていく!

ピノがちょっと遅れてついていき、デュムランは遅れてるのかマイペース走法だからかよくわからない!!


残り3km !
フルーム!ファンからお水をもらって被りました!

追走では、ロペスとカラパスにおいついたデュムランとピノが、そのままカウンターアタック
が、すぐにロペスとカラパスが合流して、またロペスがアタック!ピノがチェック!
そしてカラパス、デュムランとまた追いついてきて、また追走グループは4人に戻りました。

残り2km!
先頭のフルームと、追走4人とのタイム差は、約3分10秒!
ちなみに、さっきまで一緒に追走していたライヘンバッハはデュムランたちから1分10秒くらい後ろにいます。
そのさらに後ろ、フルームから約8分後ろでは、ポッツォヴィーヴォとフォルモロが二人になって、フィニッシュを目指している姿が映りました。

さあ、もう残り1kmだ!フルームはたんたんと登り続けます。
もう柵があるからお客さんとぶつかる心配もないぞ!
後ろとのタイム差は約3分15秒!

追走ではデュムランが先頭になって、ダンシングを交えながらタイム差を縮めようとしています。

フィニッシュ間近!
最後はダンシングで登ってくるフルーム!
ギリギリまで俯いたいつもの姿勢でペダルをまわしつづけ、そしてフィニッシュ直前に両手を離し、右手で大きく空を突き上げ、そして両手で天をあおぐ

チームスカイ、クリストファー・フルーム、80km以上の独走勝利!!
チマコッピ制覇!逆転の暫定総合1位!

フルームって、フルームって、本当に強いんだ……!!
今更何を言ってるんだって自分でも思うんだけど、でもそういう感想しか出てこないよ。
だってまさかここまですごいレースを見せてくれるとは、夢にも思ってなかった。
もし眠っててこんな夢を見たら、私きっと翌朝「はは!ありえないさ!」って鼻で笑ってた気がするよ!
おめでとう!フルーム!!


一方、追走グループ。
ずっとずっとデュムランが先頭であがってきましたが、残り300mでピノが出た!
そしてそこから、カラパスがアタック!ピノがチェックし、ロペス、デュムランの順で追うけれど、これがちょっと勢いがある。タイム差がつく……!
そして、モビスターのリカルド・カラパスが2位でフィニッシュ。フルームとは3分差。
エフデジのティボ・ピノが3位!フルームとは3分7秒差。
ピノから5秒遅れて、4位がアスタナのミゲルアンヘル・ロペス
サンウェブのトム・デュムランはちょっと遅れてしまって、ロペスから11秒遅れの5位フィニッシュ!



そして、総合順位は大逆転!!!

暫定総合1位、チーム・スカイのクリストファー・フルーム!
そして、タイム差40秒!2位がサンウェブのトム・デュムラン。
3位が、グルパマ・エフデジのティボ・ピノ。デュムランとは3分37秒差。
4位が、アスタナのミゲルアンヘル・ロペスピノと40秒差。
ロペスと47秒差の5位が、モビスターのリカルド・カラパスです。

ポイント賞は、かわらずクイックステップ・フロアーズのエリア・ヴィヴィアーニ。
新人賞はロペスが守りました。

そして、山岳賞!
スカイのクリストファー・フルームがとった!!こっちもとった!
山岳ポイント2位のサイモンとは、32ポイント差をつけました。


そして、昨日まで総合1位だったミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツは、本日38分51秒遅れの79位。総合では18位になりました。
ミチェルトン・スコットは、今日のステージ一番いい順位なのが、サイモンと同タイムの77位のクロイツェゲルなので、全員でサイモンをアシストしてた模様。


今日はレースが動く日だろうとは思っていましたが、まさかここまで総合が動くなんて思っていませんでした。
ここまですごいものを見せてくれたからには、フルームにこのままジロを勝ってほしい!って気持ちがあります。
でも、デュムランだって40秒差、まだまだ逆転の可能性はあります。
あと、全力で追いかける走りが好きなので、ピノにもがんばってほしい!
今日だめだったサイモンも、明日がんばれば、山岳賞の可能性は残っている!

明日も、すっごくきついステージです。
最初ずーっと平坦で、そこから1級山岳3つ登った山頂ゴール。

……。
なんだろう。
今日があまりにもすごすぎて、明日が楽しみって気持ちにならない。
まだ今日のレースが私の中で終わってない。
ショック状態から抜け出せてない。
それくらい、なんだか、ものすごいものを見た気がする。

とりあえず、ハンマーシリーズが終わって寝たら明日が来るから、それから考えよう。

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