フレッシュ・ワロンヌ 2018
フレッシュ・ワロンヌです。
ユイの壁のレースです。
ここ4年、バルベルデが毎年勝ってるので、なんとなく「誰が勝つのか!?」じゃなくて「バルベルデが今年もかつのか!?」を見てる気分になるレース。
そして、出場している選手もそんな感じなのか、とにかくモビスターに足を使わせて、バルベルデのアシスト選手を削ろうとする作戦です。
モビスター対他のチーム、の図。
ツールとか見てると、「ここで他のチームみんな協力して今総合1位のチームを追い詰めたら逆転できるのに」とかたまに思うんですけど、でも駆け引きとかがあってあんまりうまくいかないから、「他チームみんなで協力してとりあえず1位の選手をなんとかしよう!」っていうのは、もはや夢物語なんじゃないか、とか思ってたのですが。
できるんじゃん。
つまり、駆け引きとかなんかいろいろしたところで、とにもかくにもバルベルデなんとかしないとどうにもならない、と、ここ数年の連勝で全選手の認識が一致してるってことなんですかね。
本当にちょいと別格に強いんだな、バルベルデ。
それで、とにかくモビスターに引かせたい他のチームの選手は、いっぱいアタックとかしてモビスターの選手に集団牽引させて吸収させて、って動きます。
あと、ひたすらテレビカメラに向かって叫びます。
「近いよー!!!」
カメラが風除けになっちゃったら、モビスターのアシスト選手たちにダメージがなくなっちゃうから「もっと遠くにいけー!!」って、アスタナとかスカイの選手が言うのですよね。
他のレースでも「カメラあっちいって!!」ってアクションはたまにあるけど、どっちかっていうと先頭の選手が「危ないからそんなに近づくな!」ってやってることが多いです。
でも今回は展開上、3、4人後ろの選手がアクションをしてました。
だから、そのカメラの映像でレースを見ている身としては、結構びっくりします。
いきなり、集団の先頭の選手の背中の上から顔が見えたり、横にささっと選手がずれたりして「あっちいけー」ってやるんです。
きっと誰からも同意は得られないと思うけど、私はこどものころにゲームセンターで遊んだ、わにわにパニックを思い出しました。
あの、気づいたら突然出て来てびっくりする感じ。
「カメラバイク遠くいけー!!」ってアクションが起こる度に、私は部屋で「ぅわ!!」ってびっくりしていました。
で、モビスターを追い詰めた結果、気づいたらニバリとかカンゲルトとか有力な選手が含まれた6人の逃げがいつまでたっても吸収できなくなって、
逃げ切り勝利を許しそうになってあわてて他のチームも一緒になってメイン集団がスピードをあげはじめるという展開。
残り10kmで、先頭とメイン集団は30秒くらいの差になります。
残り7kmを切って、先頭は4人。
ミッチェルトン・スコットのジャック・ヘイグ、クイックステップ・フロアーズのマキシミリアン・シャフマン、バーレーン・メリダのヴィンチェンツォ・ニバリ、アスタナのタネル・カンゲルト。
タイム差は約20秒くらい。
ボーラの選手が一人アタックして、クイックステップがチェック。
一旦この二人が集団から離れかけますが、スカイのエナオが引いて、吸収します。
一方、先頭ではニバリがアタック。
次はミッチェルトンのヘイグがアタック。
このアタックの繰り返しで、スピードが落ちない先頭の4名。
残り4kmでタイム差は20秒です。
残り3.3kmで、ニバリとカンゲルトがおくれました!
先頭にのこったのは、共に24歳、ヘイグとシャフマン。
そして先頭の2人が、最後のユイの壁に入ります。
メイン集団は、ニバリとカンゲルトを吸収しました。
残り1kmを通過して、しばらくすると、集団が先にヘイグを吸収!
しかし、シャフマン。一人でも粘る。
粘って粘って、でもついに集団の先頭にいたロット・ソウダルのイエール・ヴァネンデルがシャフマンをぬいた!そのヴァネンデルのきっちり後ろについたアラフィリップ。
もうフィニッシュ地点まであと一息!
そしてアラフィシップがヴァネンデルをを抜いて先頭!!でも、気づくと後ろにバルベルデ!!
きたぁ!!
しかし、途中でがくっと上りのペースがおちるバルベルデに対して、アラフィリップのペースが落ちない!
クイックステップ・フロアーズのジュリアン・アラフィリップ、フレッシュ・ワロンヌ優勝!!
モビスターのアレハンドロ・バルベルデは2位。
3位はロット・ソウダルのイエール・ヴァネンデルでした。
わー!わーわー!
すごい、今年好調のバルベルデに、このフレッシュ・ワロンヌで勝ってるよ!アラフィリップすごい!
私、フィニッシュ後、しばらく映像見ながら拍手してました。
去年のフレッシュ・ワロンヌも見ておいてよかった!
今年だけ見ても、ここまで「すごいことだ!」って気持ちにはなれなかった気がします。
こういうのがあるから、クラシックレースって好きだ!