コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

パリ〜ルーベ 2018

いよいよ本日パリ〜ルーベ!!
昨日からテンションがあがりすぎて、今日のお昼「今日のレース終わったらあと一年パリ〜ルーベが見られないんだ……」っていう、よくわからない寂しさを感じていたコロロンです。
先取りしすぎた。

約257kmのレース
うち、約5分の1が石畳です。
厳しく長い石畳区間全部で29箇所あって、スタート地点に近い方から、29セクター、28セクターと、ゴールに近づくにつれて数字が小さくなっていきます。
いわゆる、悪路系のレースと言われるレースの一つで、とにもかくにも道路状況の悪いこのレース!!
パンクと落車がどのタイミングで起こるかが、勝負の鍵となります。


今年はどこが勝つかなー。
大本命は、クイックステップ・フロアーズです。
クイックステップ・フロアーズの誰か、じゃなくて、クイックステップ・フロアーズです。
エースは、先週のツール・デ・フランドルで、残り30km地点から一人でメイン集団から飛び出し、前にいた逃げグループをかっとばして独走で勝利したニキ・テルプストラですが、正直誰がどのタイミングでエースに入れ替わっても勝てそう!!みんな強い!!

次点で気にしているのは、トレック・セガフレード
エースナンバーをつけているのは、2015年のパリ〜ルーベ勝者であるジョン・デゲンコルブですが、ジャスパー・スティーブンがいるのと、先週のフランドルでテルプストラをたった一人で追い続けて2位になったマッズ・ペデルセンがいるので、こちらもいろいろな戦術がたてられるチーム、という感じです。

対照的に、エースがはっきりくっきり目立ってるのは、去年の王者である、BMCのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート。
もっちろん有力候補ですが、昨年の大事なアシストの一人であるダニエル・オスがいないのが影響あるのかないのかが気になるなるところ。

そのダニエル・オスのアシスト力が最近とっても光ってる気がするボーラ・ハンスグローエ。
エースは、現在世界選手権3連覇中、みんな大好きペーター・サガン
サガンをずっと支えている、マチェイ・ボドナールも、こないだのヘント〜ウェベルヘムでその牽引力が光ったマークス・ブルグハートももちろん出場しています。
このチームも、サガンの力が突出しているのもあって、エースはサガン!のイメージがとても強いです。

あとは、優勝は正直難しいと思うけれど、シクロクロス王者でこないだから悪路系のレースで上位の順位を叩き出しつづけているヴェランダスウィレムス・クレランの、ウァウト・ヴァンアールトも、何位に入るだろう、というところで注目しています。


残り200kmくらいのところで、逃げが9人でほぼ確定する展開。
モビスターのマルク・ソレルや、アーゼードゥーゼルのシルヴァン・ディリエが入っています。
ソレルは総合系の選手だとおもっているのだけれど、今年のツール・ド・フランスが石畳系だから、その対策のために出場してるのですかね……。
もっともっと先まで、逃げが決まらないと思っていたので、ちょっと意外でした。


タイム差は8分台くらいになりますが、やがて170kmを切ったあたりから徐々に集団がペースをあげはじめます。

しかし、ここで、BMCのステファン・キュンクが落車でリタイア。その次は、モビスターのネルソン・オリヴェイラも単独落車です。
まだ本格的な石畳始まってないのに、集団がピリピリしだしています。
今年から、1チーム中の選手数が減っていて、各チーム7人しかいません。
それだけ、一人のアシスト選手を失うことの意味が、去年よりも大きくなっているはず……。

残り162km。
先頭集団は最初の石畳、セクター29に入っていきます。
ここからが真のパリ〜ルーベ!!


残り158kmで7分6秒。
ちょうどこのあたりでメイン集団もセクター29に入りました。
この石畳の中で、テルプストラがさっそくメイン集団の先頭に立ちます。
っていうか、この石畳の中であがってきてる。
すごいな。

と、この石畳の最中、メイン集団の前から4分の1くらいのところで、落車が発生!
道を大きく塞ぐような集団落車で、ここでメイン集団が二つに割れます。


残り150kmで、逃げの9人と、第1メイン集団とのタイム差は5分50秒くらいになります。
その40秒後ろに第2メイン集団がいて、このグループにアーヴェルマートや、UAEのアレクサンドル・クリストフが入っています。

先頭の9人は、27セクターに入っていきます。
後ろの第1メイン集団とのタイム差は、5分30秒を切ってきました。
この集団を率いているのは、クイックステップやボーラです。

第1メイン集団も同じく27セクターに入ったときには、先頭とのタイム差は5分11秒くらいになります。
どんどん第1メイン集団は前との差を詰めていますが、もっとがんばってた第2メイン集団が、第1メイン集団に合流しました!

残り137km。
先頭9人とメイン集団との差は、約4分30秒に縮まります。
徐々にメイン集団のスピードはあがる中、グルパマ・エフデジのデマールや、アーゼードゥーゼルのオリバー・ナーセンがパンク、スカイのモズコンが落車で集団から遅れていきます。
ここで、スカイのゲラント・トーマスがリタイアのニュース。
ゲラント〜!!なんかもう去年から、去年からアンラッキーなことが多いよう!!

残り130km。
先頭の9人とメイン集団とのタイム差は約4分です。
メイン集団は、クイックステップ5人で完全にコントロールしています。
クイックステップのエリク・スティバールがここでパンクでメイン集団から遅れる!!

どうするんだろうクイックステップ……。
このまま引き続けるの?それともスティバールのためにスピードを落とす……。
ペースを落とした!

ちなみに、ここらへんで、遅れていたデマールやナーセンたちがメイン集団に戻ってきます。
同じく戻ってきたモズコンは自転車を交換しました。

なんとなく落ち着いて来て、位置的な条件は、各チームのエースが揃ってきました感じがあります。
仕切り直し。

ちなみに、残り120kmくらいで先頭9人とメイン集団とのタイム差は、約3分30秒。
若干メイン集団の詰めるスピードは落ちている気がします。
全体的にレースは一旦落ち着いた感じになるのですが、100kmをきったところで、メイン集団中頃で落車!!
ミッチェルトン・スコットのマッテオ・トレンティンが巻き込まれました!

残り95km。
先頭グループがセクター19、アランベールに入ります。
メイン集団とのタイム差は約2分20秒。
ここでアタックをしかけたのは、モビスターのマルク・ソレル!
この攻撃で先頭グループが割れ、逃げが4人になります。

遅れてやってきたメイン集団。
ここでもアタック!
サンウェブのマイク・テウニッセンと、そのアタックをチェックに行ったクイックステップフィリップ・ジルベールが、結果として2人で集団から抜け出します。


残り88km。
先頭は、一旦アランベールで離された逃げの選手2人が前の4人においついて、6人に。
その後ろに、先頭に置いていかれた3人。
先頭の6人から1分45秒くらいおくれて、集団から飛び出したテウニッセンとジルベール
その約20秒後にメイン集団です。
メイン集団からは、ニルス・ ポリッツが飛び出しました。
やがて、ポリッツは前の二人に合流。
ジルベールグループは3人になります。


残り80km。
先頭は一人減って、5人。
ここらへんで、先頭のメンバー紹介。
モビスターのソレルと、アージェードゥゼール・ラ・モンディアルのシルヴァン・ディリエ。
ロット・ソウダルのイェーレ ・ワライス。UAEのスヴェンエリック・ビストラム。そして、プロコンのチームから、WBアクアプロテクト・ヴェランクラシックのリュドヴィク・ロベート。
この逃げに続く追走グループは、ジルベール、ポリッツ、テウニッセン、そして、逃げから落ち的なコフィディスのジョフレ・スープの4人。
その約1分30秒後ろがメイン集団ですが、ぱらぱらとメイン集団から飛び出して、ジルベールグループに合流する選手が出てきて、結局集団に吸収されます。
すると、すぐに、今度はクイックステップのスティバールが単独でアタックをしかけ、飛び出していきます!

残り70km。
ソレルが遅れて、先頭は4人になりました。
スティバールはソレルに追いつき、追走はこの2人になります。
メイン集団では、トレックのペデルセンが遅れ出す!


残り68km。
先頭4人とスティバール&ソレルとのタイム差が約45秒。
その約20秒後ろがメイン集団です。

が、先頭集団では、ロベートが脱落して3人に減り、追走からもソレルが脱落して、スティバールは単独追走になります。
徐々に先頭に迫るスティバール……!!

一方、メイン集団ではナーセンが脱落!
徐々に有力な選手がふりおとされていきます。


残り60km。
メイン集団では、クイックステップ以外のチームが、順々に単独アタックをしては吸収され、を繰り返します。
でもただイマイチ、決め手にかけている……。
でもこれでスピードがあがったのか、スティバールがメイン集団に吸収されてしまいます。


残り55km。
先頭は残り3人。ディリエ、ワライス、ビストラム。
メイン集団との差は、約30秒……!!

ここでメイン集団から飛び出したアーヴェルマート!!
これをチェックするファンアールト!!
カウンターで今度はペーター・サガンが飛び出す!!
ちょっと引き離した……!?メイン集団は追わない……のか……?

サガン、単独追走!!
この次点の単独アタックって、2010年のカンチェラーラを思い出す……!


残り51kmの地点で、サガンは先頭集団に追いつきました!
先頭4人とメイン集団との差は、約23秒!!
メイン集団では、トレック・セガフレードのストゥイベンがアタックをしかけ、ヴァンアールトが続きます。


残り48km。
先頭集団が、セクター11、モンサンペヴェルに入ります。
サガンが引く!!UAEのビストラムが遅れて、先頭は、サガン、シルヴァン・ディリエ、ワライスの3人になります!
続く追走のストゥイベンとヴァンアールト!
一方メイン集団では、トニー・マルティン、クリストフ、スカイのルーク・ロウが落車!!


残り45km。
ここでメイン集団が一気にペースをあげた!!
クイックステップの突然のスピードアップに、一気にメイン集団が崩壊しました。
残ったのは、クイックステップのテルプストラとジルベール、EFドラパックのテイラー・フィニーとセプ・ヴァンマルク、BMCのアーヴェルマート、アーゼードゥーゼルのステイン・ヴァンデンベルフ。たった6人!

この6人が、先に飛び出していたストゥイベンとヴァンアールト、そして前から遅れてきたビストラムと合流し、追走は9人になります。

しかし、ここでテルプストラがアタックをしかけて、この9人のグループも崩壊。
結果、なぜかチームメイトのジルベールが脱落!
一緒にヴァンデンベルフとビストラムも遅れて、このグループは6人になります。


残り38km。
先頭は3人。ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン、アーゼードゥーゼルのディリエ、ロット・ソウダルのワライス。
約1分遅れて、追走は6人。
BMCのヴァン・アーヴェルマート、クイックステップのテルプストラ、トレックのストゥイベン、EFドラパックのフィニーとヴァンマルク、そしてヴェランダスウィレムスのヴァンアールト。

が、すぐ後ろに、さっき完全に崩壊したかに思われたメイン集団にいた多くの選手が、そのすぐ後で大きな集団を作っていました。
さっき遅れたジルベールも、すでにこの大集団に吸収されています。

この大集団から、ロット・ソウダルのイェンス・デブシェールが前の追走集団に合流します。これで、追走は7人。


残り32km。
先頭3人と、追走7人との差は、約50秒。
大きなメイン集団は、そのさらに30秒くらい後ろにいます。

残り28km。
先頭と追走の差は、ほっとんどかわってないのですが、その後ろのメイン集団との差は、さらに10秒くらい広がっています。
人数的には、圧倒的に後ろのグループが有利なのに、不思議……。

残り26km。
サガンたち、先頭集団はセクター7に入ります。
追走集団とのタイム差は約55秒。ワライスがここでついていけずに遅れます。
これで、先頭は2人に。
サガンがこの石畳で、ガンガンスピードをあげていきます。
なんとかついていっているディリエも、ほぼ限界のように見えるのですが、それでも石畳が終われば、サガンの前にでて先頭交代をします。
……ディリエ、かっこいい……!!
最初っからずっとずっと逃げて、ここで先頭交代ちゃんとするのはかっこいい!!
このサガンの走りで、後ろの追走との差は1分10秒になります。
その勢いのまま、サガンが先頭をかわり次のセクター6に突入。この走りでまたさらに10秒タイム差が広がりました。

先頭の二人はセクター6を終え、またアスファルト路面へ。
すると、また前にでる、ディリエ。
スイスチャンピオンと、世界チャンピオンが二人で協力して逃げています。

残り20kmを切って、追走とのタイム差は約1分25秒。
何かサガンに声をかけて、前にでるディリエ。
そして突入するセクター5!

一方、後ろの追走グループは、テイラー・フィニーが先頭を引いています。
が、ここでヴァンアールトがチェーントラブル!!?追走グループから遅れてしまいます。


残り17km。
追走から、テルプストラがアタック!でもすぐにチェックにはいるヴァンマルク!
先頭との差は、1分23秒!


残り16km。
先頭の二人はセクター4、カルフール・ド・ラルブルに入っています。
タイム差は1分13秒。
追走は4人に減りました。
テルプストラ、ヴァンマルク、アーヴェルマート、ストゥイベン。

そして、先頭の二人が、カルフール・ド・ラルブルを抜けた!!

残り約14km。
タイム差は約1分!!
ちゃんと先頭交代をするディリエ!!
すごい、すごい……。
私最初に、200kmくらいで逃げがほぼ決まったって書きましたけど、実際には逃げができて、追走ができて、逃げと追走が合流して、それで「よし、これで落ち着いたな」って思って書いたのですよ。だから、ディリエは200km以上逃げているのですよ。
その状態で先頭交代しても、サガンが先頭ひいているときとスピードかわらないんだよ。

追走集団も、まわりだしました。
すっごくすっごくじわじわと、タイム差が縮んでいきます。


残り11km。
先頭の2人と、追走の4人とのタイム差は約50秒。

残り8km。
先頭の2人はセクター2に入ります。
追走とのタイム差は、約45秒。
しかし、このセクターでまただんだんと後ろとのタイム差を広げて行く二人!
セクター2が終わるころには、タイム差は55秒に広がりました。

追走では、テルプストラが協調をやめてアタックをかけて、でも決まらず、スピードも特にあがらず……協調しようぜっていう雰囲気が薄らいだだけ……。


残り3km!タイム差は1分!!
ここまで来てもまだ、ちゃんと先頭のサガンとディリエが協調しています!!
最後の競技場でのスプリントまで、このまま二人でいくのか!?

そして、二人が、最後の石畳に入って、抜けた!

ディリエが先頭で競技場にはいってきます。1周半走って、そしたらフィニッシュ!!
さあ、どうなる。
ディリエ、後ろを伺いながらバンクの端っこを走る。ぴったりついているサガン
まだサガンはいかない。
いかない。
……まだいかない…!!

そして、ディリエがこらえきれなくなってきたころ、サガンがついにスピードをあげた!!
すぐに反応して後についたディリエ。
しかし、サガンの後ろから出られない!
そしてサガンは両手を離した!!
ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガンパリ〜ルーベ優勝!!!

2位は、200km以上逃げた、アージェードゥゼール・ラ・モンディアルのシルヴァン・ディリエ!!

二人がフィニッシュラインをわってすぐに、いつのまに抜け出したのか、単独で競技場に入って来たのは、テルプストラ!
クイックステップ・フロアーズのニキ・テルプストラが3位!
残った3人は、スプリント勝負。
4位がBMCのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート、5位がトレック・セガフレードのジャスパー・ストゥイヴェン、6位がチームEFエデュケーションファースト・ドラパック・p/bキャノンデールのセプ・ヴァンマルクでした。


勝利して、大きく声をあげながらガッツポーズをしたサガンは、すぐに左手をディリエに伸ばしました。
気づいたディリエも応えて右手を伸ばし、しっかりと握手。

すばらしかった。
サガンはもちろんすごいのだけれど、ディリエは本当に強かったし、自然と応援したくなった。
素敵な走りだったと思う。


そして、もう一つ。ニュースが。
レース序盤に、続々とみんなが落車しだしたとき、一人大きく倒れていた選手がいました。
マイケル・ホーラ―ルツ。
落車によって、心停止状態になり病院に運ばれたようなのですが、レキップのツイートによると、蘇生に成功したとの情報。
命が助かって、本当に良かった……。

翌朝 追記
レキップのツイートが間違いだったのか、それともそのあとに容態が急変したのかわかりませんが、ホーラールツ選手、亡くなったそうです。……なんてこと……。
ご冥福をお祈りします。

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