第2回 ツール・ド・とちぎの第2ステージを見てきたよ。
今年で開催が2回目のツール・ド・とちぎ。
去年も一応、第2ステージだけ見に行っていたのですが、正直今年は行くかどうかギリギリまで迷っていました。
見に行けるなら、できれば初日のタイムトライアルを見たかったのですが、平日なのでそれは難しい。
最終日はもう予定が入っていて、見に行けるとしたら、去年と同じく第2ステージだけでした。
行くなら、ずっとゴール地点で待っていようっていうのは決めていたのですが、でもイマイチ踏ん切りがつかず。
なんでこんなに迷うのだろうって思ったのですが、たぶん去年見に行ったときに、レースに集中しにくかったなっていう感覚があったことが、気になっていたようです。。
去年もずっとゴール地点にいて、そこで巨大な映像が見れるようになっていたのですが、途中でそのビジョンのとなりで、地元紹介をかねたイベントをずっとやっていたのです。
それはそれで面白かったのですが、ただその間、レース映像は見えているけれど音声が切られているっていう状態で、レースを見にきたのにレース内容が見られない、というのが、どうも私の中でストレスで。
なので、行こうかな、って思って宿を取ろうと検索していると、頭の中で去年のそのときの映像がよぎる、みたいな感じで、ずっと踏ん切りがつかず、気づけば狙っていた宿もいっぱいになってしまいました。
でも、レース初日、ツイッターで流れている初日の情報や写真を見ると、ああやっぱりいいなあ、レース現地で見たいなあって気持ちも出てきました。
考えてみれば、去年は初回だったのです。第1回だったのです。
新しいOSだって、最初は予想外のバグが出ても、次からそれを踏まえてよくなるものじゃないですか。
そうだ。第1回で決めてはいけない。
今回も行って、私がもやもやしたところが改善されたかどうかを考えよう。
それが前とおんなじでもやもやするなら、私はこのツール・ド・栃木の観戦スタイルには合ってないってことだし、変わってるなら去年よりもとっても楽しめるはずだ……!!
レース初日の夜、そう思ったものの、でも、宿とれなかったのでちょっと消極的な決意をしました。
「よし、明日の朝、スタート時間に着くように、フィニッシュ地点である日光だいや川公園に着ける電車に間に合う時間に起きられたら、そしたら行こう!!」
7時に家を出ればギリギリ間に合う電車だったので、準備とかもろもろ考えて6時に起きられれば間に合う計算でした。
ちなみに私、めちゃくちゃ朝弱いです。
毎朝アラーム3つ以上鳴らして、起きるのは7時過ぎ。
でもね。
第2ステージ当日の朝。目覚ましも鳴らさずに、5時に起きたんですよ。
これはもう、行くしかないんだ……!!
ということで、新宿駅から日光へ直行の特急列車へ飛び乗り(全席指定の特急だったけど、指定券買えたの発車する2分前だった)、9時20頃に、栃木県の下今市駅に降り立ちました!
ここから、各駅電車で隣の上今市駅に行けば、そこから徒歩約20分で、観戦ポイントであるだいや川公園につきます。
でも、時刻表のよると、この各駅の電車がくるのがさらに20分後。
今いる、下今市駅から歩けば、約40分。
うん。待っているのは性に合わない。
よし、歩こう!!
そんなわけで、人がほぼいない、のどかな道を、先週聞き逃したラジオ番組をイヤホンで流しつつ、とことことレース会場に向かったのでした。
ちなみに、交通規制が入るから、きっと輪行しても自転車で走れないだろうって思っていたのですが、歩いている途中の看板では、交通規制がかかるのは、11時半からになってました。
むう。次からは、折りたたみ自転車を持って観戦に向かうことを視野に入れておこう。
えっちらえっちら歩いていくと、ようやく大通りへ。
きっとこの先だ!
ツール・ド・とちぎのジャンパーをきたスタッフの人に、観戦場所を聞いてさらにすすみます。
ついたフィニッシュ地点は、フィニッシュの旗は掲げられているものの、まだ柵や「残り50m」みたいな標識は設置の途中でした。
そうか、レース始まってから設置するのか。
こういうのも、ラインレースならでは、ですね。
ようやく会場についたのが、ちょうど10時頃!
視界の左側に移る巨大なモニター!
ああ、もうはじまっている!!と、イヤホンをはずし、駆け出そうとする私に、スタッフのひとが話しかけてきました。
「こんにちは、今こられたんですか?」
「あ、はい」
「よろしければアンケートにご協力を……」
わかる。わかっている、こういうアンケートが大事だってことを。
でも、でも、とりあえずまずスタートの様子を確認したい……!
「あの、ごめんなさい!!レースを、レースを……!!」
言葉にならずにひたすらヴィジョンを指差し、なんなら磁石でひっぱられているような体勢になっている私に、スタッフの人は戸惑ったようにアンケートを引っ込めました。
ごめんね!!
ヴィジョンの前にたどり着くと、レース開始時間は過ぎていたものの、アクチュアルスタートはまだ、っていう段階でした。
せーふ!!
すぐさまいつもの観戦用の椅子を引っ張り出し、座っている人たちの最後の列の後ろに座ります。
前から、4列目くらいの位置でした。
私、折りたたみの椅子けっこう高めで、おんなじ高さの人いつもあんまりいないのですが、その会場で折りたたみ椅子持ってきている人は、形は違っても高さがそこそこある椅子の人が多かったです。
ヴィジョンに向かって、ちょっと離れた右側に壇上があり、自転車解説でおなじみの栗村さんやブラーゼンの若杉さん、ブリッツェンの廣瀬さんが、わいのわいのと楽しく解説をしていました。
ヴィジョンからは、フレッシュの映像の今中さんたちの声が聞こえています。
同じレースについて、右と正面から声が聞こえる。
とても頭が鍛えられる感じです。いや、耳か。
ちなみに、この時間帯、ヴィジョンの方向にお日様があって、眩しすぎるってほどじゃないけどでもなんか遮らないとっていう感じで眩しかったです。
帽子をもってこなかったことを後悔しました。
アクチュアルスタートが切られ、レースが本格的にはじまりますが、はアタックする選手がいて逃げが出来かけてはつぶされ、の繰り返し。
これが延々と続きます。
逃げが成立せず、最初の中間スプリントに向けて、集団のスピードがあがる中、落車が発生。
会場全体が「ああ!!」と声をあげ、その直後、観客が静まりかえりました。
落車したのが誰なのか、状況がどうなのか、会場のみんなが解説や実況の声を聞き逃すまいとしているのがわかって、耳に集中しながらも「みんなこういうときの優先順位は情報なんだな」とか、そんなことを考えていました。
落車したのは、チーム右京のレイモンド・クレダー。
集団の先頭の方での落車でしたが、落車した勢いでそのまま侵攻方向向かって左側に転がっていったため、そのほかの集団の選手は巻き込まれることなく単独落車となりました。
擦過傷は見られたものの、幸いなことに大きな怪我はなかったらしく、クレダーはすぐにレースに復帰します。
右京の選手が下がって、集団に戻しに行きました。
つまり、右京は今日は、クレダー選手でステージ勝利を狙っているということのようです。
最初の中間スプリントは、現在総合1位のマイケル・ポッターが属する、オーストラリアンサイクリングアカデミーのトビー・オーチャード。2位が現在総合1位のポッターで、3位が宇都宮ブリッツェンの岡篤志選手になります。
……ポッター、スプリントも強いんだ。
そりゃそうだ、なんたって、トラックでの若手選手育成に定評のあるオーストラリアの若手選手ですもの。
次の中間スプリントでは、総合優勝争いに関わる選手が入っておらず、またトビー・オーチャードが首位通過をしていきます。
そして、この中間スプリントをすぎてから、ようやく逃げが成立!!
逃げは3名で、日本大学の小嶋選手、マトリックスの安原選手、シマノの湊選手が入ります。
さあ。
レースが落ち着くこのタイミング。
そう。ようやく、ご飯の時間です!!
出店を回ります。
どれもこれも美味しそうでまよったのですが、なんだかとっても屋台的なものが食べたい気分だったので、たこ焼きを頼みました。
大きなたこ焼きが売りのお店でした。
思っていたよりも大きくて、他にもいっぱい買い食いしようと思っていたのに、これでお腹いっぱいになってしまいました。
なんだか悔しくなって、飲み物を買おうと、地元のお店、小野糀さんってところが売っていた、さくら甘酒ラテ、というものを買いました。
これが、とっても美味しかった!!
甘酒とミルクの組み合わせは初めてでしたが、とっても好きになりました。
ちなみにレース観戦中、結構寒かったので、あったかい飲み物でほっと一息つけました。
……本当は、ソフトクリームをとっても食べたかったのですが、寒くて断念しました。
いろいろ食べている間に、書道のイベントや、地元の太鼓のイベントが始まります。
ただ、去年と違い、ヴィジョンの音声は流れていたので、書道のイベントのときはちゃんとレースを見ながらイベントを楽しむことができました。
太鼓は、演奏自体は素敵でしたが、どうしても解説や実況の音声が聞こえなくなるので……うーむ。
この演奏、レース中じゃなくて、フィニッシュから表彰式までの時間とかにやってくれたらなーって思ってました。
去年、表彰式始まるまでぼーっと待ってるのがすごく暇だったから、あの時間なら「レースの状況聞きたい……」とか、「表彰式まだかなあ」って待つのが苦痛にもならずにいいのになって。
でも、これは私が延々とレースを見ることがあまり苦痛じゃないからそう思うのかもしれないですね。
動きのないレースを見続けるのが苦手な人な人がたくさん来ることを想定したら、この時間帯に何かしないと、っていうのも納得はできます。
でも、昨年と違うのは、イベントはこの二つだけで終わりで、このあとは再びお三方のレース解説に戻りました。
もうすぐおとずれる勝負所の峠、またその先の山岳ポイントに向けての解説です。
見所に合わせて会場のモードが切り替わるので、この流れは見やすかったなと思います。
ちょうどイベントが終ったら「さあレースが動きますよ!!」って雰囲気になったので。
登りにかかるところで、集団のスピードがかわり、今までひいていたリーダーチームのオーストラリアンに、ブリッツェンが並ぶように集団のスピードが上がっていきます。
先頭でも山岳ポイントに向けて動きがあり、小嶋選手が落ちて、安原選手と湊選手の二人になりますが、そこからさらに湊選手がスピードをあげます!
が。
山頂付近のため、ここで映像が途切れる!!
集団が映るも、こっちも途切れる!!
しょうがない。やまだもの。
山岳ポイントまでヴィジョンでレースを見て、そのあとフィニッシュ地点のコース沿いに移動しようと思ったのですが、もうここで沿道に行こう!と決めて移動しました。
みんな考えることはほぼ一緒のようで、このタイミングで移動した方が結構いらっしゃいました。
それでも、フィニッシュから40m手前くらいのところの最前列で見ることができました。
ここからは、自分のスマホの映像と、フィニッシュ地点で聞こえる栗村さんの解説でレースを把握します。(栗村さんもほぼ同じタイミングでフィニッシュ地点の実況ブースに移動したものと思われます)
このあたりで、私はよくプロ観戦者への道で知り合った観戦友達や先輩と合流していたのですが、BGMもガンガンかかるので、ほぼお互いの声が聞こえませんでした。
まあそんなのはどうでもいい!!
何があったかよくわかってないけど、山岳ポイントを過ぎたメイン集団は逃げていた選手を吸収し、11人の先頭集団が形成された模様。
ここに、総合1位のポッターも、2位のブリッツェンの増田選手も入っている!!
しかし、両名ともチームメイトを従えての先頭グループ。
さっき怪我していた右京のクレダーも入っているそう。クレダーすごい。
そして、いよいよ、集団がやってきました!!
唯一とれた写真がこちら。
見える?
先頭は、総合リーダージャージ。ポッターです!!
そんなわけで、昨日タイムトライアルで1位になったマイケル・ポッターが、この第2ステージも勝利!!
2位がこれも写真に写っている、右京のレイモンド・クレダー。
3位は、写ってないですけど、宇都宮ブリッツェンの鈴木譲選手でした。
ポッターはボーナスタイムもゲットです。
強い……!!
ポッターは、まだ21歳がそこいらの若さの選手です。
名前を覚えておこう。
たぶん来年あたり、ミッチェルトンかBMCあたりにいる気がする……。
このあとは、観戦の先輩についていってチームカーがいっぱいあるところの近くまで行ってはみなものの、
……ち、近づけない。
慣れている観戦者の方だと、がんがん選手たちのところに行って声をかけたり、写真をとったりしている方々もいらっしゃったのですが、なんかその選手たちが着替えたりクールダウンしている様子にどことなく怯み、遠くから見守っていました。
しばらくすると、表彰式が始まります。
マイケル・ポッターが、ステージ優勝、総合1位、ポイント賞、新人賞と4回、さわやかな笑顔で登壇していました。
山岳賞は、シマノ・レーシングチームの湊選手がとりました。
いろんな地元の賞品が出てくるので、レース結果もさることながら「次の賞品はなんだろう」ってわくわくしながら見ていました。
やっぱりというかなんというか、商品の一つにイチゴがありました。
とっても食べたくなったので、レース終ってから会場に出展していたお店で、イチゴと、さっきとっても気に入った甘酒を買いました。
イチゴは、スカイベリーを買うか、それともとちおとめを買うか、と迷っていると、お店の人が説明してくれました。
「とちおとめは、酸味と甘さのあるイチゴ、スカイベリーは、酸味をさわやかさにふっているイチゴだよ」
さわやかな味のイチゴ……!?
想像がつかなかったので、スカイベリーを買いました。
帰りは遠回りをして、日光の杉並木を歩いたので、1時間くらい歩いて着いたときとおなじ下今市駅につき、そこから特急にのって帰りました。
難点があるとすれば、この車前提のアクセスの考え方ですかね。車の運転ができない人は、ひらすら歩かないといけないという。
ただ、田舎ってそもそも、基本車で来ることが大前提で人が集まる場所が作られているから、こればっかりは一朝一夕にはいかないよなぁと思いました。もうちょいお客さんが増えたら、シャトルバスとかもだしやすくなったりするのかしら。
全体的に、去年と比べると、今年のほうがレースを見やすくなっていて、レース展開的にも面白かったなと思います。
それは、私がレース観戦に慣れたからっていうより、レース運営自体が会場でレース自体を楽しめる方向にしてくれたからのような気がしました。
レース運営の方々、素晴らしいレースをありがとう!とっても楽しかったです!
去年、今年と、第2ステージを見たので、来年は最終ステージを見たいなと思いました。
なんかね、不思議なんだけど、ほかの国内レースを見に行ったときは、終わったあと頭の中が
『レース、レース、選手、レース、戦略、観戦場所、レース!!』って感じで、頭の中がレースのことでいっぱいで、レース終了後はなんだか寂しい気持ちになることもあるのですが、
ツール・ド・とちぎは、『レース、選手、いちご、おみやげ、戦略、レース、甘酒、湯葉食べ損ねたよ、レース!』
みたいな感じで、レースはもちろん楽しかったのだけれど、どことなく観光に来たような感覚もあって、それもまた気軽に楽しめた理由の一つなのかもしれないなって思いました。
私が行ったことのあるレース(少ないけど……)で比較すると、
初めて観戦する友達を誘うなら、熱気がすごい、さいたまクリテリウムで、
初めて観戦する親とか祖父母を誘うなら、観光気分で楽しむこともできる、ツール・ド・とちぎ、かなって思いました。
あと、さわやかなポッター選手の走りは結構好きだったので、TOJに来たらいいのになー……って思いました。
そして、スカイベリーは確かにさわやかに甘いイチゴでした。
……なんか、ものすごく長い夏休みの日記みたいな書き方になっちゃったけど。
おしまい!