コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ミラノ〜サンレモ 2018

やってきました、今年最初のモニュメント!
本日は、ミラノ〜サンレモです。
雨の中のレース。

逃げは9人!
うち、ワールドチームはUAEのみ!!

なんかこの時点で、「なるほど」って思ってしまいました。
勝利する少ない可能性にかけるより、逃げで確実に目立たなきゃいけないプロコンチネンタルのチームと、チーム国籍は違うけれど、選手層見るとほぼイタリア系チームと言って過言ではない、すなわちイタリアで活躍しなきゃいけないUAEという組み合わせ!

つまり、この逃げは、レース展開を自分のチームに有利にするための逃げっていう要素は、とても低い逃げ。
スプリンターズ・クラシックだしね。
昨今は特に、スプリンター向けのレースでの逃げ切り勝利は難しいと思います。


メイン集団は、ボーラ・ハンスグローエとスカイ、そしてクイックステップ・フロアーズが順々にひいていきます。
偶然なのかなんなのか、去年、ラストににげて勝負をしたサガン、クウィアトコウスキー、アラフィリップがいるチームですね。

ずーっとずーっと、この9人の逃げと集団、という構図でレースがすすんでいきます。
だんだんと雨も止んだ(もしくは降っていた地域を走り抜けた?)ので、選手たちも次々にウィンドブレーカーを脱いで行き身軽になっていきます。

逃げは、40kmを切ってから徐々に崩壊。
38km時点では、残り4人になっています。

しかし残り30kmで、この4人も集団に吸収され、残り27kmを切って、チプレッサという登りに入ります。
最大勾配9パーセント!

このチプレッサと、この先にあるポッジオの峠二箇所くらいしか、レースが動く場所がないので、ここで振り落そうとするチームと、振り落とされまいとするスプリンターとそのチームという形で、がんがん攻撃がはじまります。

登りも、そして下りも、先頭でがんがんやってるのは、グルパマ・エフデジ!
ってことは、この峠でがんがんいけるほど、エーススプリンターのデマールの調子が良いのかしら。

他のチームもどんどん前にでてきます。
うーむ。もちろん攻撃はしてるんだけど、この峠では、そこまで大きな動きにはならないなあ……。


そして残り10km。
ポッジオの登りまでもうちょっとのところで落車が発生!!
ディメンションデータのマーク・カヴェンディッシュ中央分離帯に激突して、そのまま空中で一回転して地面に叩きつけられました。後ろの選手もそれにつづいてしまって大落車!!
ここまできたのにカヴ……!!

メイン集団はポッジオの登りに差し掛かり、アタックがかかります。
ボーラ・ハンスグローエのブルグハート、それを追いかけてBMCのドリュケール!
一旦二人になりますが、しかしブルグハートは残り8kmのところでいくのをやめて集団に戻ります。

一人になったドリュケール。
徐々に差が詰まってきて、今度は残り7.2kmのところでイスラエル・サイクリングアカデミーのネイランズが、アタックしながらドリュケールを抜きます。
そしてこのアタックに、バーレーンメリダのニバリがついて、二人が飛び出す形になります。
遅れてカチューシャのスピラフが、続いてロットNLのバッタリンも集団から飛び出して行きました!!

しかし後ろから他の選手が追いつく前に、ニバリが6.5kmで単独アタック!!
すごい!なんだこのアタック!勢いがぜんっぜん違う!!


メイン集団、スピードをあげてアタックした面々を吸収しながら、クウィアト、サガンらが集団の先頭に出ました。
そのうしろからオスが出てきて、メイン集団牽引役を引きうけます。
オスの後ろが、サガン、サンウェブのマイケル・マシューズ、クウィアト、そしてBMCヴァンアーヴェルマート。もう各チームエースが勢揃い。

残り5.5k。
ニバリは下りに入りました!勢いそのまま!!
一方、集団をひいているアシストは、オス一人!
これは、追いつくの厳しい……!

オスが仕事を終えて、先頭がほぼエースに絞られたメイン集団。
残り4kmをきって、ミッチェルトン・スコットのトレンティンがメイン集団から飛び出します!すぐさま追うサガン!でもじわじわ離されています……!


残り2.km。
ニバリが下りを終えて平地に入りました。未だ単独先頭!
その後ろに、単独でトレンティン。
その後ろにメイン集団。
ニバリとメイン集団の差は、10秒を切っている……!

メイン集団では、サガンが先頭に出るのをやめ、クィアトが引きます。

残り1.7km。
トレンティンがはやい!!すごい勢いでぐんぐんさを詰めます。
ニバリはさすがに速度が落ちている……!
しかしメイン集団がここでスピードをあげてきて、トレンティンを吸収しました!

ついに残り1km!
まだニバリは逃げているけれど、メイン集団が、もう、すぐ後ろ!!
ギリギリ!!追いつくか追いつけないか本当に微妙!!

メイン集団はクイックステップが全力で引いています!!きれいなトレイン!
そして最後のカーブを抜けた!!
各スプリンターの中、ユアンがすごい勢いで集団から出て来……って、え!?残り50mくらいで振り返って後ろを見たニバリが、もう両手をあげた!?

そして、各チームのエーススプリンターによる全力のスプリントを背景に、ニバリがガッツポーズをしながらゴール!!
バーレーンメリダのヴィンチェンツォ・ニバリ、ミラノ〜サンレモ優勝!!

2位は、ミッチェルトン・スコットのカレイブ・ユアン
3位は、フルパマ・エフデジのアルノー・デマール。
4位がUAEのクリストフで、5位がBMCのルーランツ。ペーター・サガンは6位でした。


ゴールしてすぐ、たくさんの人にもみくちゃにされるニバリ。
スプリンターズ・クラシックと呼ばれるこのレースで、ニバリが勝つとは……。
正直私はまったく予想していませんでした。

最後のガッツポーズをした瞬間は、ちょっと早すぎるように見えて、一瞬「え、ニバリ何してんの?」ってあっけにとられました。
ニバリはもう余裕で、なのにすぐ後ろに鬼気迫るスプリンターたちがいて、まるでニバリと後ろのスプリントしている選手たちとの映像が合成に見えるくらいの不思議な光景でした。


いやー、面白かった!
こんな勝ち方ができるレースだって思ってなかったよ、ミラノ〜サンレモ

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