ストラーデ・ビアンケ 2018
イタリアのワンデーレース、ストラーデ・ビアンケ。
名前は知っていましたけど、ちゃんと見るのは今回がはじめて、のはずです。
未舗装区間がいっぱいあるレース。らしい。石畳もある。らしい。
レースの格、的なもので考えた時に、どのくらいの位置付けなのかよくわかってないのですが、名前がかっこいいところが好きです。
今日は大雨のなかのレースになったからなのか、アクチュアルスタートのときには、大きな逃げが出るような動きもなかったようです。
後半60kmくらいになって、未舗装区間が出てきてから、徐々に先頭とか追走ができてきた雰囲気。
でも、こう。「さあ逃げるぜ!」「逃すか!!」って感じで発生している雰囲気がないので、どことなく、わらわらしています。
みんな、泥はねがすごくて、前からの映像で白いか茶色いか、なんです。
茶色いのは泥ですね。白いのは、泥が乾いてきているのですね。
ほとんどの選手がアイウェアをしていないのは、泥で前が見えなくなるからなのかな……。
残り46km、アーゼードゥーゼルのロメン・バルデがはっきりと飛び出しました。
バルデって、山のイメージがつよいのですが、こういう悪路レースも出るんですね。今年のツールで石畳区間があるからかな。
一緒についてきたのは、シクロクロスの現チャンピオンである、ヴェランダスウィレムス・クレランのヴァンアールト。
それにしても、本当にみんな真っ黒です。
上空からの映像は比較的明るいのですが、前からの映像に切り替わると、別のレースを映しているのではと思うくらい、画面が暗くなるのです。もしかしてカメラのレンズ自体も、泥で汚れているのかもしれません。
……レース終わったあと、みんな泥パックしたみたいに、肌ツヤツヤになったりするのかな。
「北のクラシックの泥パックシリーズ」とか発売したら、私は買うかもしれません。
残り40km。
先頭は相変わらず二人です。
後ろの集団、というか追走は、飛び出したりそこについてったり吸収されたり、また飛び出したりついてったり新しくできたり、と、動き自体はあるんですけど、「よっしゃこれは新たな動きだ!!」っていう感じがしないです。
なんかこう、ぱらぱらしてて、勢いがない。意思にいまいち統一感がない感じ。
なので、当然前には追いつきません。
残り35kmを切って、先頭2人と追走している選手たちとのタイム差は48秒くらいになりました。
先頭の2人は、勢いがあります。
なんとなくできあがってきていた10人くらいの追走から、残り30kmくらいで、2名だけが飛び出します。
クイックステップのピーテル・セリーと、ロット・ソウダルのティシュ・ベノート。
二人とも、悪路と風に強いとされる、ベルギーの選手!
前に行きたくて行きたくてっていう感じで一緒にいた追走の選手たちを置いていったので、俄然勢いが出てきました。
ただ、ちょっときつそう。
さっきまでの他の追走の選手たちとの牽制とかで、体力をつかっちゃっている感じがします。
残り24km。
先頭バルデとヴァンアールト。37秒差で追走のセリーとベノート。それを追う10人くらいの追走。そのさらに後ろ、先頭から約2分遅れて、ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン、モビスターのバルベルデ、スカイのクヴィアトコウスキーとかがいるメイングループ、という感じです。
メイングループとはいっても、10人くらいしかいないのですが、これより後ろはもう勝負に関わることはなさそうです。
何もなければ、このまま先頭の二人のどっちかが勝っちゃいそうなくらい、先頭の二人の勢いが衰えません。
残り19km。
追走のセリーが遅れました!
第1追走は、ロット・ソウダルのベノート単独になります!!
先頭との差は、約31秒!
段々と、先頭の2人もスピードが置いてきました。
反対に、単独になったベノートがガンガン勢いを増していきます。
そして残り15km。
ベノートが先頭の二人に追いついたー!!!
満身創痍な感じはするけれど、でも追いついた。すごい、かっこいいよベノート!!
これで、先頭はバルデ、ヴァンアールト、そしてベノートの3人になりました。
追走は1分12秒おくれて、遅れたセリーと、後ろから追いついてきたバーレーン・メリダのヴィルコンティと、ミッチェルトン・スコットのパワーの3人です。
ここはヴィスコンティがペースを仕切っている感じです。一番足が残っている気がします。
先頭の3人は、ベノートが入ったことで、若干先ほどよりも勢いが衰え、牽制の気配がし始めました。
でもまだ残り13kmあるし、さっきのヴィスコンティの雰囲気考えると、追いつかれちゃうよ!
残り12km。
ここでベノートがしかけました!
最後の未舗装区間、最大勾配18パーセントの登りで、アタック!!
追いつけないバルデ、ヴァンアールト。一気に引き離しました!!
一方その後ろ、追走の3人も最後の未舗装坂区間にはいるのですが、ヴィスコンティが遅れた!
さっきの勢いはどこへ!?
残り11km。
先頭はロット・ソウダルのベノート、単独!!絶好調!!ベノートは今日一人で走ると途端に生き生きと走るね!!
16秒後ろに、バルデとヴァンアールト。
その約1分後ろに、追走グループ。
スティバルとバルベルデが後ろからここにおいついて、5人になってます。
……バルベルデ、さっき2分遅れてた後ろの後ろにのグループにいたよね。一人だけここまであがってきたんだ。
遅れかけてたヴィスコンティはちゃんと残ってました。
残り8km。
先頭のベノートから、バルデ&ヴァンアールトとのタイム差は、25秒まで広がりました。
追走の二人は、ほっとんどバルデが引いてきます。しょうがない。ヴァンアールトの得意な区間はもう終わってしまっている。
その約55秒後ろに、セリー、バルベルデ、スティバル、ヴィスコンティ、パワー。
残り7km。
タイム差33秒!
第二追走からはセリーが脱落!4人になっています。
残り4km。
ベノート絶好調!!
後ろのバルデとヴァンアールトとのタイム差は、40秒になりました。
その50秒後ろに、第二追走グループ。バルベルデ、スティバル、ヴィスコンティ、パワーの4人。
残り2km。
タイム差45秒!!また開いた!!
残り1km!!
もうゴールはすぐそこ!
登り!石畳もある登り!!もう最後だ、がんばれ!!もうちょっとだ!!
残り500m。
やってきた石畳の坂!最大勾配15パーセント!!
ほぼ壁!!石畳がより壁らしさを演出している!!
後ろではバルデとヴァンアールトも登りに入ってきました。やはりバルデのが勢いがあり、ヴァンアールトを置いていきます!
一方、登り切ったベノート。
後ろを確認し、まだバルデの姿は見えません。
最後のカーブを、滑らないように気をつけながらゆっくりと曲がり、右手をあげてガッツポーズ。
そして、いよいよゴール!下りながら、両手を大きく広げます!
優勝は、ロット・ソウダルのティシュ・ベノート!!
おめでとう!!!意外にも、プロ初勝利!!
顔の泥を落とす時間も惜しんで、全力でここまで走り切った激走。
すばらしかった!
2位はバルデ!
優勝はできなかったけど、正直今日のコースでここまで走れると思っていなかったので、素直に賞賛。すごい!
フランスのエースだから、どうしたって総合系の走りを求められるけど、いろんなことができる選手なんだな。
3位がヴァンアールト。
ある意味専門外なのに、ここまで走れるってすばらしい!
4位はバルベルデ。5位ヴィスコンティ。6位がパワー。7位がちょっと遅れてスティバルでした。
8位が、……え、サガン!?ここまであがってきていたんだ。さすが。
9位が、追走でふんばってたけど遅れてしまったセリー。
面白かったービアンケ〜!!
いろんな予想を裏切られて、どきどきしながら見てました。
あと、最後の最後に勝手に心配していたのが、ゴールの瞬間。
「ベノート、顔の泥もおとさず固まるくらい全力で走ってるから、これ単独でゴールする勝利になりそうなのに、ウェアのチーム名が泥で見えないんじゃないだろうか」
と、もう何気にはらはらしていたのですが、
ゴールのガッツポーズの瞬間を見たら、ジャージの正面はとってもきれいで、ちゃんとしっかりチーム名が見えてました。
よかった!ほっとした!
あと、最新号のチクリッシモの発売が、このビアンケに間に合って本当によかったです!!
ciclissimo(チクリッシモ)No.56 2018年4月号
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作っている方、毎年毎年、素晴らしいものをありがとう!