コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

プロの折りたたみ自転車屋さん

今日、自転車屋さんに行きました。
とはいっても、以前私が、今持っているクロスバイク、THRIVE2を買ったお店ではありません。

私が行ったのは、小径車・折りたたみ自転車の専門店なのです!


……。

えーと。
はい、半年以上私のブログを追っかけてきてくださる方はご存知だと思いますが、私、この春からずっとロードバイク買う気まんまんでした。
いろいろ試乗して、ディスクブレーキでシマノ105のロードバイクを買おうってほぼ決めていました。
今年の秋くらいからでる、各社の2018年モデルから選ぼうって思ってました。


ただ、ですね。
私。


先日の、ジャパンカップのフリーランのための電車輪行をして、すっかりくじけてしまったのです……。

クロスバイクで走ること、ロードバイクで走ることそのものではありません。
電車輪行にくじけたのです。


行く前にね!できる準備はちゃんとしたのよ!

もともと握力や腕力があまりにもないので、クイックレリーズ(車輪の軸のレバーをくいって外して、くるくる回してホイールをフレームからすぐにはずす機構)からして苦手で、レバーがほんっっとうに曲がらないし、自分の全力でなんとか曲げて自転車屋さんに持って行くと「ゆるいから、もっとかたくした方がいいよ」とコメントいただいていたので、輪行袋に入れることも、現地で組み立てることも不安でした。
でもね、これは、自転車屋さんと相談して、こっちに変えることで、解決したのです!!

BBB ハブ ホイールフィックス スキュワー  BQR-03 ブラック 524890

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盗難防止とかにも使われるものなのですが、これは六角レンチでつけるものなので、クイックレリーズよりもずっとずっと少ない力で、しっかりとホイールを固定できるのです!!

これで、もう楽勝でホイールを外せるようになったから、もうなんの、なんの問題もないはずだったの!!!



で、実際に輪行袋につめて、肩に担いで宇都宮に向かったのですが。

重い。

そして。

大きい。

改札通るとき大きくて機械にぶつかる。
電車乗るときホームドアにぶつかる。
山手線の端っこの車両に乗って壁際に立てかけようと思っていたけれど、電車好きな方がばばんっ!と広いスペース使って正面の窓の景色を見ているから壁際にも置けない、真ん中あたりに立っていると乗り降りする人の邪魔になってしまう。

そして。
5歩持ち上げて歩いたら、一旦床に置かないと肩が耐えられない。

それでも必死になんとか上野駅まで辿りついて、ホームの先頭で新幹線を待っていたのですが、乗ろうとして窓からみたら、その車両の一番後ろの席が埋まっていました。
他の車両にこの重さの荷物を抱えて移動することなどとてもじゃないけどできなくて、他の席は空いているのに、ずっと座らずに新幹線のデッキで立っていました。

でもまだここでも私は諦めていませんでした。
これはもしかして、私の輪行袋への入れ方がうまくなかったからじゃないかなと思ったのです。


だから復路では、輪行袋に入れるときあえて車輪を片方にまとめて、ハンドルの向きとかうまいことやって、行きよりも、だいぶ、だいぶ肩にかけやすい形で、輪行袋クロスバイクを入れることができたのです!

その結果!!

持ち上げて歩ける距離が5歩が7歩になっただけでした。

新幹線は空いていたので、今度は車両の一番後ろの席の裏に自転車を置いて座ることができましたが、やっぱりドアのところや改札はぶつけました。
疲れていたからか、最寄駅についたころには、また5歩あるいたら一旦休憩に戻ってました。

ちなみに、なんとか家について、体重計を使って重さを測ってみたら、13kgありました。
ああやっと着いたって思ってふとみたら、輪行袋が破けていました。


それを見たら、なんか気持ちがぷつって切れて、「こんなん二度としたくない!」って思ってしまいました。



重さもさることながら、予想以上に負担だったのは大きさです。
重いのもすごくすごく大変だったけど、大きくていろんなとこにぶつかりそうになるので、ものすごく気をつかいました。
気を使ってもちゃんと全体が視認できる大きさじゃないから、いろんなところにぶつけました。


それで、思ったのです。
確かにロードバイクは軽くなるから、5歩とか7歩とかで歩けなくなるってのは、解消されるかもしれない。
でも、大きさは変わらないから、ぶつけたりして危ないのは、ロードでもクロスでもかわらない。


そして、ロードバイクを楽しむなら、私の家の近所みたいに車がたくさん来るところじゃなくて、もっと走りやすいところに行かないと、楽しく走れない。
そこまでは、輪行で行きたい。
でも、ロードバイクは大きいから、輪行はもうしたくない。


つまり、ロードバイクは買えない。

とまあ!こういう思考回路に至ってしまったわけなのですよ!!


でもね。
遠くで、あんまり車も人もいないところで、自転車のって「ふー!風きもちいー!」とかはしたいの!!
レース会場に前日とか行ってゆっくり試走とかして、実際の観戦のときに「よし次はあのカーブだぞ!」とか、わかりたいの!!


ということで。
「もう私には、折りたたみしか道は残されていないんだ……!!」
という結論のもと、折りたたみ自転車屋さんに行ったのでした。





行ったのは、全国でも有数な、名のしれた小径車専門店です。

だからでしょうか。
とっても混んでいました。
人がいっぱいいるって意味じゃなくて、こう、ちゃんとした明確に「これ」という目的をもったお客さんが次々にやってきていて、どんどん店員さんに話しかけて、そのお客さんを店員さんが対応しているので、「あのー」って言って話しかけるのがとっても難しい感じでした。

どーしよーかなーって、店頭でじっと待っていました。

店頭に、見覚えのある自転車がいました。
一昨年のサイクルモードで試乗して、乗り心地に感動した、タイレルのiveという自転車でした。
試乗車でした。

よし、まず、店員さんの手が空いたらあれに試乗したいと話しかけてみよう。
空いたら。

空いたら。


……あかない。


15分くらいはじっと待っていたのですが、まったくもって話しかけるチャンスがなく、もうどうしていいかわからなくなりました。
もういいや、このお店は私にはまだまだ手の届かないお店なんだ……、と、とぼとぼ店頭から立ち去りかけたとき、
ほかの人の相手をしていた店主の方が、一度手をとめてお店から出てきて、「どうしましたか?」と聞いてくれました。


ほっとしました。
試乗希望を伝えたら、ささっと15秒くらいで組み立てて、試乗車のiveを渡してくれたので、そこらへんを走りました。


が。
サドルが低い。

途中で降りて、サドルをあげようとしたのですが、サドルの高さを固定するレバー自体は曲がっても、サドル本体自体がさがりません。

あれーって思って、そこらへんを一周して戻って、店主の方に聞きました。
私「これって、結構しっかり座った形でのることを想定しているんですか?」
店主の方「いや、そんなことないよ」
そして、サドルをあげて、もう一回試乗しておいでと言ってくれました。
私のやり方が間違っていたわけではなく、私の力がたりなかっただけのようです。

適正なサドルの高さになると、すいすいと進みました。
うーん!やっぱりいい乗り心地!

戻ってきて、他のお客さんの対応をしている店主の方を待ちながら、持ち上げてみました。


重い。

公式には、11.5kgとなっているiveです。
うちのクロスバイクよりは軽いはずなのですが、やっぱりそこそこ重いです。

店主の方が来てくれたので、感想を伝えると同時にちょっとだけ事情を話しました。
クロスバイクに乗っているが、先日電車輪行をしたら、重くて大きくてとてもじゃないけどもうできないと思った。だから、折りたたみならと思って、自転車を見に来たのだ、と。

店主の方が、iveを折りたたんで一番小さい大きさにしてくれたので、それで改めて持ち上げてみました。
やっぱり重い。

「……でも、フォールディングバイクって、みんな重さこのくらいありますよね……?」

私がそう言うと、店主の方が、ニヤリと笑っていいました。

「軽いのあるよ」


そして、折りたたんだ状態で持って来てくれたのが、ダホンのMu SLX。
持ち上げてみると、軽いのなんのって!
あとで調べたら、9kg切ってました。

「これはね、速いよ」


試しに試乗してみると、まあ軽いペダリングですすむことすすむこと!
ギアも2つ3つくらいは変えて試乗したのですが、一周終わって戻ってきて、後輪のところをみると、私一番軽いギアから3段目くらいまでしか使ってなかったんです。
ってことは、まだまだスピードでるんだ……。


店主の方「どう?」
「速いです!!」(即答)
店主の方「でしょ」

ロードの部品を使っているから、軽くて(8kg台)、しかもスピードがとっても速いのだそうです。105でした。

予算的にも、さっき試乗したiveよりは高いものの、一応想定の範囲内
もう気持ち的には、この自転車にしようとほぼ決まったのですが、ただ現在お店には在庫がなく、2018モデルの入荷待ちとのことでした。

しかも、色が赤と黒しか存在しないのですが、赤はメーカーさんにも、もう在庫がないかもしれない、とのこと。


ぬー!!!黒一択かー!!

黒い自転車は、夜走るときに闇と同化して危なそうなので、基本的に選択肢に入ってなかったのです。
白か青があったら即決だったのですが。(そういう意味でもタイレルを最初に希望していました。)
赤もきれいだったけど、自分の乗る自転車の色として好きかと言うと、むむう、って感じだし、なおかつ、ない可能性の方が高いし。

一旦考えます、と言って、ダホンのパンフレットだけもらって帰りました。

どちらにせよ、今日行ったお店に黒のMu SLXが入荷するのは年明けだそうなので、それまでにどっかのダホン置いてるお店で、実物の黒の色を見て決めようと思います。




帰るちょっと前に、Muの折りたたんだ大きさを確認しました。
真ん中で二つに折れるのですが、さすがに天下のブロンプトンまでは小さくなりません。
「やっぱりブロンプトンはすごいのですね」と私が言うと、店主の方は「そうだね、でもブロンプトンは重いよ」と言ったあと、こう言いました。
「みんな目的が違うからね。荷物を運ぶんだったら、ブロンプトンは最高だよ」
ふと、この店主の方は、なぜ私に「目的は何?」って一度も聞かなかったのかなって思いました。


本当に、今日このブログに書いたことしか、私は希望を話していないのです。

ロードを買おうか迷っていた時期があることも、持っているクロスバイクが比較的速さを重視したそれなりのクロスバイクであることも、自転車レース観戦が好きなことも、コースの試乗をしたいからそこそこ走れるものがほしいということも、私は何も伝えていなかったのです。
私が明確な目的として伝えたのは、「軽い折りたたみバイクが欲しい」ということだけでした。


家に帰って、ダホンのカタログを眺めていると、もうすこし軽い、違う種類の自転車が載っていました。
これは店主の方、私にすすめなかったなあ……。
きっと、今日教えてくれたのほどは、速くないんだろうなあ……。


はっとしました。

つまり。
私が、一番最初にタイレルのiveを名指しで試乗をして乗車姿勢の話をちょっとした、おそらくあの時点で、私が折りたたみバイクにそこそこの速さを求めていることを察していたんだ!そこで私が軽さの話をしたから、軽いだけじゃなくて、速くて軽いバイクを持って来てくれたんだ!
で、しかも、iveとそこまで大幅に予算感が違うわけでもない、と。



プロってすごい!!!

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