コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことやレース観戦仲間ができるまで(希望)を記すブログ(注:私はレース走りません)

渡良瀬タイムトライアルレース2017を見に行った

アーガイルってワニの種類だと思っていたコロロンですこんばんは。
クロコダイルの親戚で、緑色のワニなんだろうなって思ってました。


それはともかく。
2017年9月3日、栃木県の渡良瀬タイムトライアルレースを見に行きました!

これは、Jプロツアーの中の一戦なのだそうです。
国内レースのしくみは難しくて、私もまだあんまりよくわかってないのですけれど、国内レースにはJプロツアーっていうシリーズ戦みたいのがあって、年間通してたくさんレースがあり、各レースでの獲得ポイントを積み重ねていって年間チャンピオンとかが決まる、みたいです。
で、これはその中の1戦で、Jプロツアーのタイムトライアルチャンピオンを決めるレース、みたいです。たぶん。めいびー。おそらく。きっと。(←本当に書いている内容に自信がない)


去年見に行った湾岸クリテリウムはこのJプロツアーの中のレースだったらしいのですが、ただあのレースを見に行ったのは、もともとドリームマッチっていう栗村さんとかが走るお祭りレース目当てで、レース自体は決勝まで見ていなかったので、実質今日が初めてのJプロツアー観戦でした。

藤岡駅から無料のシャトルバスに乗り、12時前くらいに渡良瀬の会場にたどり着いたのですが、つくと同時に思わず呆然。


広い。
広すぎて、どこが目的地なのかよくわからない。


湾岸クリテのときみたいに、遠くからプロトンが見つかってそっちに向かって走っていけばいいわけでもなく、ツール・ド・栃木のゴール地点みたいに、ででんっとモニターがあるわけでもない。

えっと。
……どこにいけばいいんだろう?

同時開催で、わたフェスってイベントもやっていたので、ただでさえ会場の渡良瀬遊水池って広いのですが、会場の使い方が豪快でした。
とりあえず、あたりをうろうろして、スタート地点は見つけたものの、さて。

……観戦ポイントがわからん。
スタート地点近辺で探した方がいいのかな?もうちょっと先に行った方がいいのかな。
そもそも、コースがわからない。
スマホで公式ホームページにあるコースマップにアクセスするものの、レース参加者や関係者用マップらしく、見方がわかりません。

あれー?自転車動線って、これが走る動線ってことだよね?ってことはこれがコース……。
でもなんで、立哨員の立つ場所、全然違うとこに丸がついているんだ?

わからないので、早々に諦めました。
もういいや。コースはいいや。そうとも。せっかく会場に来たんだ。
今見えているものだけが全て!!
とりあえず、スタート地点から、道に沿って歩いてみて、見るとこ決めよう。


レース開始は1時半だったので、時間に余裕があったためまたてくてくとあちこちを回ってやきそばとか買って食べてました。
チームカーとかが草原のど真ん中にとまってて、アップをはじめている選手とかがいました。
上半身はだかの選手が多かったです。
近づくのは難易度が高かったので、遠くからチラ見してました。


何人か、「プロ観戦者への道」でお世話になっているレース観戦の先輩たちと会場でお会いすることができ、観戦のアドバイスをもらった結果、結論として本日のタイムトライアルレースは
「実況が聞ける場所ならどこで見てもあんまり変わらない」
という認識になったので、最初の数名だけスタートの様子をみてから、あとはコース沿いに歩いて行って、適当な木陰で見晴らしのいい場所を探して、レース中盤からはそこから見ていました。


1周約5.3kmのコースを、3周するレースだったのですが、1周7分台で走る選手が多い中、12番目に走った宇都宮ブリッツェン阿部嵩之選手が、その時点で暫定トップにたちます。
タイムは、20分12秒。
阿部選手は、走っている間は「しんっけんっ!」って感じだったのですが、フィニッシュ地点を過ぎて自転車を漕ぐのをやめた状態でスピードが落ちてからの表情が、ものすっごく苦しそうでした。

各選手は1分30秒の間を空けて走っていくのですが、20番目の選手が過ぎてから、21番目の選手までは、5分30秒間があきます。
始まる前は、「ここできっかり次のセクション!みたいになるのかな」って思っていましたが、実際に観戦してると、あんまりインターバルは意識しませんでした。
不思議。

21番目の走行者が、先日イベントでトークを聞いた増田選手だったので、「よーし、『増田さーん!』って応援するぞ」って思ってかまえていました。
そしていよいよ増田選手がスタートします。
一瞬で目の前に現れる赤いウェア。
あれがそうだ!
応援の声をあげようと、アイウェア越しのその顔をふと見た瞬間。
完全にその気迫に呑まれました。
こないだ帰り際に握手をしてくれて「レース見に来てくださいね」と声をかけてくれた、気のいい優しそうなお兄さんはどこにもいませんでした。
触れれば切り裂かれそうな、細く鋭い緊張感。

あれは、誰……?

これが、エースの気迫なのだって思いました。
2周目以降は、ものすっっごく小さな声で「ますださーん」って応援しました。
絶対に聞こえなかったと思うけど、あれ以上声出せなかった。

増田選手は、20分13秒で、暫定2位になります。
ちょうどこのタイミングで、東京から持参していた500mのペットボトルがなくなったので、出店に飲み物を買いに行くため、一旦観戦場所を離れました。
食べ物エリアに向かうところで、道の反対側から、チームバスへと戻る増田選手が自転車に乗ったまま戻って来ていました。
気のいい優しそうなお兄さんに戻っていました。
「お疲れ様です!」とか言いたかったけど、まださっきのショックが残っていて声が出ず、すれ違いざま立ち止まり、無言で拍手してその後ろ姿を見送りました。
たぶん、私は怪しい人になっていたと思います。

出店は、ほとんどのものが売り切れで、なんとかペットボトルのお茶をゲットし、もう一度観戦場所に戻りました。
まだ、暫定1位の阿部選手のタイムを上回る選手は現れません。
そして、時計が14時50分を過ぎたころ、あの選手が現れます。

2014年全日本サイクルロードレースノンフィクション書籍
佐藤 喬『エスケープ』
エスケープ 2014年全日本選手権ロードレース
その主人公と言っても、決して過言ではないでしょう。
マトリックス・パワータグ、佐野淳哉選手!!

エスケープを読んでから、佐野選手の走っているレースを見るのは初めてだったので、「佐野さんだ!本に出て来た、あの佐野さんが走るんだ!」っていう気持ちでした。
わくわくして待っていると、スタートした佐野選手が見えました。
走る前に、チームバスのところにいた佐野選手もお見かけしていたのですが、そのときよりも、ふた回りくらい大きく見えます。
ものすごい威圧感。
増田選手から受けた気迫を、細い日本刀のようなと例えるならば、佐野選手の走りが持つそれは、どっちかっていうと大砲とか、巨大なボーリングの玉が襲って来たようなそんなイメージです。
ぜったいによけられない。全方位的な、迫力。
うまく言えないけど「生き物として絶対にかなわない」っていう本能的な感覚がありました。
絶対に強い。

これまた応援するのを忘れて一瞬で去って行く佐野選手を見送りながら、思わず「はやい……」と声が漏れました。
実況で流れてくる佐野選手のタイムも、暫定1位の阿部選手や2位の増田選手と同等くらいのいいペース。
そして3周目で強烈な速さで追い上げ、最終的なタイムは20分00秒!はっや!!
暫定1位が、佐野さんになります。

次に気になるのが、現全日本TTチャンピオンの、ブリジストンアンカーの⻄薗良太選手!
西薗選手の走りは、迫力とか勢いじゃなくて、とにかくひたすら「きれいで速い」。
ものすごく美味しいラーメンとか食べた時に、何も思わずあっという間に食べちゃって、「あれ?もうない……あ。美味しかった」ってあとから気づくことがあったりするじゃないですか?
そんな感じで、さっと現れて、さっと横を過ぎ、さっといなくなって「……え、もう?……はやい」って感じでした。

正直観戦中の印象だと、西薗選手と佐野選手と、どっちがはやいかわからなかったです。
そして、西薗選手の計測結果。20分9秒!暫定2位!佐野選手が1位をキープ!

西薗選手が走り終わったときには、もう全ての選手が走り出していたので、各選手の1周目の走りを見て「ああ、これは佐野選手が勝ったんだ」って80パーセントくらいの感覚で思いました。
最後の選手の3周目まで見送ってから、折りたたみ椅子をしまって、表彰会場へと向かっていたのですが、ちょうどその途中、マトリックスのチームカーが見えた位置で、全選手が走り終え、佐野選手の優勝が決まりました。
佐野選手はマトリックスのチームカーのところにいて、決まった瞬間とっても喜んでいる様子が見えました。


ああそっか。
私はさっき、もう佐野選手の優勝は確実だって思ったけど、今が、優勝が決まった瞬間なんだ。
私は今、優勝した瞬間の、選手の喜びを生で見たんだ。

胸がいっぱいになりました。


そのあと、すぐに表彰式の場所に移動しました。

やがて、表彰が始まります。
3位の選手から順に名前を呼ばれて壇上に上がり、賞状は優勝した選手から順に受け取っていました。
佐野選手は、賞状を受け取る前に、このDVDを足元にセットしていました。

いそいそとDVDをマイクスタンドに立てかけている姿は、走っていたときの鈍器のような迫力は微塵もなくて、なんだか改めて「選手の集中力ってものすごいんだな……」というようなことを思いました。
とにもかくにも、圧巻の走りでした。素晴らしかった。

最後、表彰台の選手たちの写真をとったら、周りのカメラのフラッシュの影響で偶然佐野選手だけ、ピンスポあたったみたいに輝いてました。
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最後まで輝いていた佐野選手。
おめでとうございます!

表彰式がおわったのが、16時過ぎて、最終バスの集合時間が16:15だったので、がんばったら間に合ったのですけれど、天気もよかったのでそこから最寄駅まで4km歩いて帰りました。
行くのは結構大変な渡良瀬タイムトライアルだったけど、見に行ってよかったなって思いました。



そうそう。
今回、観戦に際して、本当にめっちゃくちゃ役に立ったものがありました。

これ、スプレータイプの日焼け止めなんですけど、虫が苦手な天然アロマ精油が配合されているので、しっかりと使ったら本当に虫に刺されなかった!!そして日焼けしなかった!!
近くに寄って来た芋虫が、私がこれを自分の手足に使ってたら逃げてったもん。

私、実は、TOJを見に行ったときに、日焼けがひどくて火傷になって水ぶくれができて観戦の数日後病院に行ったので、観戦時の日焼け対策は必須なんです。
これは、日焼けどめと虫除けスプレーがこれ一本で済むので、外でじっと選手がくるのを待つロードレース観戦には、かなり便利だと思います。
おすすめ。


まあそんなこんなで!
次のレース観戦は、いよいよジャパンカップの予定です!
楽しみです!

でもあと一週間でブエルタが終わっちゃいます。
コンタドールのアタックが見られるのも、あと一週間です。
あ、もう、泣きそう……。

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