コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2017 第8ステージ

今日はなんと逃げが21名!
今日は最後に1級山岳があって、そのあとくだってゴールなので、きっと総合勢が狙ってくるだとうと思っていたのですが、こんなにたくさんいるってことは、……逃げられると思っている選手が多いってことですよね?

逃げの中には、ボーラ・ハンスグローエのエース、ラファウ・マイカが入っています。
マイカが入ってるなら、メイン集団が逃すはずないだろう、と思いきや、マイカは今日のレース開始時点で、総合暫定1位のフルームから、すでに19分40秒遅れているので、総合争いは厳しいところ……。
あとは、注目どころとしては、クイックステップ・フロアーズのジュリアン・アラフィリップだと思います!


本日の見どころは、ラスト残り約7.2km地点のところから始まる1級山岳になると思います。
そこまでに、この大人数の逃げ集団内で、何か動きがおこるのか。


残り25kmくらいで、タイム差はまだ4分30秒くらいあったので、いよいよ逃げ切りが現実味を帯びて来ました。

残り21km。
メイン集団でボーラ・ハンスグローエのエマヌエル・ブッフマンとクリストフ・プフィングステンがささっとと前に飛び出しました。

ロット・ソウダルの選手がこれについていって、このアタックはまもなく吸収されるのですが、この逃げ集団の先頭はボーラが引き始めます。マイカのための攻撃開始って感じです。


残り12kmくらいからタイム差4分を切って来た中、残り11kmのところで、先頭集団でアタック!
アスタナのデヴリーゼが飛び出します!
これに、ボーラのブッフマンがついていく!


残り9.5kmで、デグリーズとブッフマンは、後ろの追走集団から役10秒のタイム差を得ました。

追走集団は逃げている2人を追っています。
ほぼ縦一列。速度があがっている……!


残り8km。
追走集団が逃げ集団をとらえます。っていうか、追走集団をひいてるの、ボーラのプフィングステンだ。
追走集団はこの一連のペースアップでかなり人数が減りました。
合流して先頭をはしりはじめたプフィングステン、仕事を終えてさがります。
交代して前にでたブッフマン!ガンガンペースをあげて引きはじめます。その引きに、ばらばらと脱落していく選手たち。
ブッフマンの後ろに控えるは、エースのマイカ!そしてその後ろにぴったりついているのは、アラフィリップ!

結局残ったのはこの3人だけ!

そして残り5.7km。
ブッフマンが仕事を終えた!
残ったのはマイカとアラフィリップ!
二人で先頭を交代しながら登っていきます。
しかし、後ろから、追いついてくる選手たちが現れます。
ディメンションデータのパウエルスと、UAEのポランツェ!!
けれど、この残り5.4km地点でマイカがアタック!置いていかれるパウエルスとポランツェ。またもやアラフィリップのみがついていく!
残り5.1kmくらいでもっかいいくマイカ!ついていくアラフィリップ!

一方、メイン集団でもアタック!
サイモン・イェーツ!クイックステップキャノンデールの選手が続きます。
デラクルスとウッズかな?
フルームは、集団中盤くらいにいるのか、スカイが集団の頭にいません。

残り4.8km!
またポランツェが追いついて来たところで、再度マイカがアタック!
またもやついていくアラフィリップ!置いていかれるポランツェ。
マイカももちろんすごいけど、ここまで完全に食らいついているアラフィリップも素晴らしい。


一方、メイン集団。
サイモンのところにコンタドールが追いついてきました!フルームは、集団中盤くらいに取り残されているのか?!
そして、コンタドールが先頭になって、飛び出した選手たちを引き始めました!
5km地点を通過していきます。
ただ、スカイもフルームを連れて、じわりじわりと距離を詰めて来ます。
けれど、今度はウッズがまたアタックしてスピードをあげます!コンタドールついていく!


残り4km。
山頂まで残り1km!
先頭はマイカとアラフィリップ。そしてまたまたまたポランツェが追いついてきました!帰って来たポランツェシリーズ!
しかし、こちらも再度のマイカアタック!
アラフィリップはついていく!ポランツェは、スピードはマイカたちほどあがらないけど、でもちょこちょこしながら諦めることなくついて来ます。


そのころメイン集団。
コンタドールたちに追いついて来たフルームが、単独でアタックを仕掛けます!
ぴったりついて行くチャベス。軽やかなダンシングでコンタドールもそこに続く!マイケル・ウッズも一緒です!


残り3.5km。
腰を上げ、どんどん速度をあげていくマイカ。
ラストが下り後の登り口調スプリントなので、なんとかアラフィリップを引き離したいマイカ。しかし、アラフィリップは完全にマイカにぴったりついています!

メイン集団では、再度フルームがアタック!コンタドールだけがついていく!チャベスは遅れる!

メイン集団が映っている間に、先頭の2名は山頂を越えて、下りにさしかかりました。


映像もどってメイン集団。
フルームが単独になっている!コンタドールどこいったの!?
フルームがそのまま単独で1級山岳を通過していきます。
この時点で、先頭は残り1,7km。タイム差は、1分35秒。
そして1級山岳山頂にさしかかった!

って、ああ!!
コンタドールきた!2秒差くらいで来た!!!
そして下りで横並びに!エース同士の勝負!!


そのころ先頭で異変が!
ぽ、ぽ、ポランツェが追いついてきたぁぁ!!
先頭集団は3人に!
フィニッシュ地点まではわずか500m!


大きなカーブを曲がって、フィニッシュ地点への坂に差し掛かった時点で、アラフィリップが一気に一人で飛び出した!もっっっのすごい加速!マイカもポランツェも全然まったくついていけない。

一気引き離してたアラフィリップ、最後のカーブをまがって後ろを振り返る。
ポランツェとマイカははまだ後方!

そして、アラフィリップが大きく右手で「よっしゃ!!」ってな感じで上げてから、両腕でガッツピーズ!
ステージ優勝は、クイックステップ・フロアーズのジュリアン・アラフィリップ!
2秒差で2位がポランツェ、3位がマイカでした。

さあ、こっちももうそろそろフィニッシュ地点になるぞ!
マイヨ・ロホ着用中のフルームと、コントドールが争いながら、フィニッシュへと向かっています。
残り200m。
ここでコンタドールがトレックのヘスス・エルナンデスと合流!?
逃げに入ってて、このタイミングでゴールしたんだ!

コンタドール、1秒でもフルームから奪おうと、ゴール手前でスピードをあげます。でもフルームも、1秒も渡すまいとついていこうとします。
結果、3人とも同タイム扱いでゴール。

他総合勢の二バリ、アル、そしてチャベスなどは、フルームやコンタドールから、17秒遅れてゴールしました。



なにこれ今日超おもしろかった。

残り5kmくらいから、「コンタドールぅぅぅ!!」とか「ポランツェェェェェ!!?」って部屋で叫びっぱなしでした。

すごかった!

4賞ジャージは、なにも動きませんでした。
マイヨ・プントスは、クイックステップ・フロアーズのマッテオ・トレンティン。マイヨ・モンターニャも変わらずキャノンデール・ドラパックのダヴィデ・ヴィレッラです。
スカイのクリス・フルームがマイヨ・ロホとマイヨ・コンビナーダをキープしています。
総合2位は、28秒差おくれで、オリカ・スコットのエステヴァン・チャベス
3位はバーレーンメリダの二バリで、41秒差となります。
ちなみにコンタドールは17位でした。フルームとのタイム差は、今日も一緒にゴールしたので変化なしの3分10秒です。


そして、今日、私の中のヒット。
アラフィリップの勝利インタビュー。

インタビュアーが英語で聞きます。
グランツールの初勝利。どうですか?」
それについて、答えようと顔をあげたアラフィリップが、言葉を紡ごうする一瞬前に、ふっと笑みをこぼしました。

完全にハートを撃ち抜かれた。

なんだこの破壊力。
惚れるよ。一発だよ。もはや好きだよアラフィリップ!!
今年は膝の故障で、ツール前後は走れていなかった中、ステージ勝利を飾ったアラフィリップ。
ほっとして、嬉しくて、そんな気持ちがまさにこぼれおちたような素敵な笑顔でした。
よかったねえ。アラフィリップ。

しかし、今回がアラフィリップのグランツール勝利というのが、たくさん活躍しているイメージがあったので、かなり意外でした。
それだけ、存在感のある走りをしているってことなのでしょうね!

あと、ポランツェがじわじわその存在感を高めてきています。
このブエルタ、どっかで思いっきり勝つんじゃないかなあ……。


そして、今日もきょうとて面白かったコンタドールとフルームのバトル!
下りでふたりが並んだときは、本当に迫力がありました。

もうこんな争いが見られるのも、このブエルタが最後なんだよなあ……。
毎日のようにこんなにスペクタクルな走りが見られて、もう嬉しくてしょうがないけど、それにつれて、日に日にコンタドールが引退するんだってことが、実感しはじめていて、なんとなく切ないです。

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