コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

アークティックレースがつぼすぎて。

アークティックレース・オブ・ノルウェー
直訳すると、「ノルウェーの北極圏レース」

8/10から始まった4日間のステージレースです。
UCIワールドツアーじゃないから、そこまで知っているチームや選手が出ていないし、各チームの人数も少ないから、言ってしまえば地味なレース。

ただ、私にとっては、レース展開よりも心惹かれるものが溢れすぎてて、つぼすぎて通常のレースの楽しみ方ができないレースです。


名前の通り、ノルウェーの中でも特に北の地方で行われているレースなのですが、まず、画面に映るその世界の雰囲気が普段見慣れたヨーロッパのレースと違う。


たぶん針葉樹林がほとんどだから、もう山の緑が!!濃い!!微妙に薄暗く濃い!!
なぜかはよくわからないのですが、全体的に色彩がグレイがかっているというか、パステルカラーがいない。

でもだから雰囲気まで暗いかっていったらそんなことはなくて、どことなく静謐な場所を走っているような空気感がちょっとあって、見慣れないその感じがとってもいいのです。


私、自転車レースの風景って、正直そこまで重要視してなくて、
「あー。ひわまりだー」「古城かー」とかそんくらいで、あとはコースとか斜度とか横風区間かとかそんなとこしか注目してなかったんだけど、
アークティックレースは、先頭とプロトンとのタイム差よりも、画面に映し出される風景の方にこころひかれる、不思議なレースです。



しかし、色彩は夏のこの時期にもかかわらずちょいと暗めなのに対し、レースを彩る観客の皆様のテンションが、逆に爆発しております。
別に選手に対して危険なことをやっているわけではないのです。
ただ、なんというか、内側に向かって爆走中!

パラグライダーで空からふってきたり、真昼間に花火打ち上げ続けていたり(煙しか見えなかった)、湖畔すれすれを「あーああー」みたいにロープで滑ってみたり、ママチャリに選手とかぶらない番号のゼッケンつけてプロトンの脇を走ってみたり、一瞬「なぬ!?」って止まってしまう応援がたくさん。

イタリアやベルギーやオランダみたいに、応援の爆発する方向性が、選手に強引に話しかけたり、背中おしたりとかじゃない、かといって、ツールみたいに「この機会に目立ってやるんだ!」っていう、レースに興味なさそうなのとも違うのよ。

なんていうのかな。
子供の運動会に張り切りすぎて、映画製作のスタッフかき集めたお父さんみたいな!
方向性はあっているし愛もわかるんだけど、なんか変な方面に爆発してないか!?いやでも迷惑かけてないから別にいいけど!
みたいな。


そして、中継に入る現地紹介は、ほぼ自然。
ほぼ壮大な大自然の地形。

いやいいんだけどさ!大自然でこころ洗われるからいいんだけどさ!
画面右手で選手たちが一生懸命自転車漕いでて、左手では珍しい地形の滝が「ガガガガガ」って流れてて、なんだかあの、どう受け取っていいかわからないというか!!
ノルウェーって自然豊かで素敵でしょ?」って感じじゃなくて「自然は厳しいぞ!!」って感じでどーん、って映るから、なんか「わー素敵☆いってみたーい☆」っていうよりは、「恐れ入りましたぁ!」って気持ちになる。
第2ステージでは軍用っぽい飛行機もうつってました。
飛行機かっこいいから好きだよ!好きだけどね!ぶっちゃけ飛行機が飛びながら、ががーって荷物入れるとこの扉とか開いたら、自転車レースじゃなくてそっちのが気になるよ!



極め付けは、昨日の第2ステージ。

最後の方に、周回コースに入って3周しておわるステージだったのですが、
その周回コースのとこ、飛行機の滑走路だったのですよ。

あんまりにも広すぎて、逃げ集団がどこへ逃げていいのかわからなくなってた。

先頭の選手、両手をひろげて「どうすりゃいいんだ」状態で、慌ててレース運営側のバイクが前にでて誘導。
遅れて滑走路に入ってきたプロトンは、道のど真ん中に中途半端な大きさにまとまったままですすんでいく。スイミーみたい。

そして2周目に入るとプロトンが逃げの最後の追撃にかかるために時速60kmくらいで追いかけるのですが、
傍若無人なまでにだだっぴろい滑走路コースの中で、延々と縦位一列に伸びるメイン集団!
こんなに広いのに!!広いのに!!
そして、コースが大きすぎて、進む感覚がわからなくなり、なんだかスピードがめちゃくちゃ遅く感じる目の錯覚。

そして、プロトンの後ろからやってくる、きっちり滑走路のどまんなかを、等間隔をあけて走るチームカーの列。
マリオカートのPC操作キャラみたいだよ!!
絶対にインコース走らないのね!!

そして何より、
山岳賞のジャージがノルウェーサーモン柄!!
腕が鱗模様。副賞も、ノルウェーサーモン!!
もうだめだ。シャケが山登り速いんだとか思ったら、よくわかんないけどもうとにかくひたすら面白い。


お国柄なのか、地方色なのかはよくわかりませんが、今日を含めて残り2日も、とってもとっても楽しみにしています。




しかし、滑走路の中の雰囲気、だれもかれも「どうしていいかわからないから、とりあえず頑張ったら不思議な形になったよ」みたいな印象、どっかで見たな……。

……。

あ。
ハンマーシリーズだ!!


そうだよ。いいこと考えた。
ハンマーチェイス、滑走路でやればいいんだ!

こんだけ普段のレースの常識かっ飛ばした感じで広かったら、いっくらでもチームごとにトレイン組めるよ!!

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