コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2017 第15ステージ

今日は、スタートして28.5kmから1級山岳があり、ちょいと標高高めのところを走ってたら、ガクっとさがってまた1級登って下るステージです。
うまく説明できないけど、私はコースの高低表を見た瞬間、「……ピラミッド群?」って思いました。


最初10人のアタックができますが、その中に入ったサンウェブのバルギルががんがんペースをあげていき、この逃げが半ば崩壊しかけならが1級山岳を通過します。もちろんトップはバルギル。
次の3級山岳もバルギルがとり、逃げは離れたりくっついたりして、5人になりました。

そして、それを追いかける追走集団。
本日中間スプリントが欲しいサンウェブのマイケル・マシューズ、あと赤い彗星ことトニー・マルティン。トレック・セガフレードのバウク・モレマ、いつものロット・ソウダル、トーマス・デヘントとかがいる追走ですが、これが追いかけて来て、先頭に合流。
28人の先頭集団対メイン集団の構図でレースが進んでいきます。


中間スプリントはマイケル・マシューズが安定のゲット。
ちなみに2位通過はトーマス・デヘント。

そして1級山岳への登り口へと向かっていく下りの途中の、残り67km地点で、カチューシャ・アルペシンのトニー・マルティンがすうっと先頭に躍り出て、そのまま一人で前にいってしまいます。


慌てる後続。
でも誰も全然追いつけない。

タイムトライアル世界王者って、凄まじい。

逃げている選手の中で、総合順位を脅かすタイムの選手がいないのもあって、メイン集団を牽引しているスカイも積極的に追わず、タイム差的にほぼ、今日は前にいる28人の選手の中から決まりそうです。

ただ、先頭を単独で走り続けるマルティンは山岳の選手ではありません。
ので、1級山岳に入るとどんどん差が縮まっていきます。

先頭残り40km。

その頃、メイン集団では、ここまでずっと集団を引いていたスカイにかわり、アーゼードゥーゼルがいきなり集団の先頭に出て引き出しました。
ああ!フルームが遅れている!?
でもなんとかおいつくスカイ軍団。

でもそこからしばらくして、フルームが止まりました!
パンク!!

先頭をガンガンひいてる、アーゼードゥーゼルは気づいているのかいないのか、オリヴェル・ナーゼンが先頭でガンガンあげてしまっています。
スカイは、エナオがフルームをまってあげていきます。
ちょっと先にキリエンカも待ってて、フルームたちを引いていきます。

パンクきっかけでアタックしたなら「おいおいおい!!」なんですけど、すでに攻撃中に起こったトラブルなのであれば、それを待たなきゃいけない、とはならないようです。
相手の不運につけこんじゃわけじゃないからだろう、と私個人としては解釈しています。

フルームたち、チームスカイはなかなか追いつけません。キリエンカが仕事を終え、もうニエベしかない。
キンタナはアーゼードゥーゼルの集団から遅れて、後ろから追いついてきたフルームグループの後ろについていきます。
アーゼードゥーゼルまだがんがんひいています。


残り34km。
ニエベも離れた!!
フルーム自分で追いつこうとあげていく!あ。もうキンタナがいなくなっている。

アーゼードゥーゼルの先頭はヴュイエルモー!
そしたらランダが下りて来ました!
ランダがフルームを連れていきます。

33km切って、フルームはバルデやアル、コンタドールのいる集団に追いつきました。
ちょっとほっとした。


そのころ、先頭ではマルティンを追い抜いたバルギルが単独で先頭にたっていました。
バルギルがガンガンいきますが、後ろからトニー・ギャロパンが追いついて来ます。
その後ろも続々と追走の選手が迫って来ています。

ここの1級山岳は、またバルギルがとりました。
追走もどんどん追いついてきたところで、その中から下りで、トレック・セガフレードのバウク・モレマがアタック!
まだ残り30kmあるのに、飛び出していきました!!

先頭残り16km。
モレマと後ろの追走の選手達とのタイム差は43秒!
そしてモレマが本日最後の山岳である4級山岳の登りに入っていきます。

残り14km。
追走ではログリッチェがアタックをかけていきます。
ついていくバルギル。

残り13km。
モレマが4級山岳ポイントを通過!
約20秒遅れて、バルギル、ログリッチェが山岳ポイントを通過していきます。
そこに、トニー・ギャロパンとディエゴ・ウリッシも合流します。
単独モレマVS追走4人組!

残り9km時点で、タイム差は19秒です。

その頃メイン集団では、4級の登り途中で、オリカのサイモン・イェーツが単独アタックをしかけます。
間を置いてから、スカイのランダが先頭に出てペースをあげていきます。
そしてイェーツを吸収してそのままみんなで下っていきます。
今度はメインチェスがアタックしますが、これも収まります。


先頭残り7km。
モレマと追走4人のタイム差はまだ19秒から動かず。

メイン集団ではダニエル・マーティンがアタック!
みんなお見合いしてちゃんと追いかけず、このアタックが成功!
一人抜け出していきます。

残り3km。
まだモレマ単独!
後ろの4人、びみょーに、びみょーに仲がよくない!回ってはいるものの、ぎくしゃくさが完全に速度に影響が出ています。

残り2km。
タイム差10秒!

残り1km!
モレマ、まだ一人!後ろの選手からはまだモレマの姿は見えない距離!
モレマは一切振り向かずに踏み続けます。

残り300m切ってから、ようやく振り向くモレマ。それから、何度もなんども振り向くモレマ!

勝利を確信して、両手をあげ、いったんおろし、もう一度振り向く。
それから、今度はしっかりとした、ガッツポーズ!

トレック・セガフレードのバウク・モレマ、ステージ優勝!!
19秒おくれて、ウリッシ、ギャロパン、ログリッチェ、そこから4秒遅れた5位がバルギルでした。


そのころ、ダニエル・マーティンは前にいた、逃げだった選手たちに合流しました。
すると、そこにいた、ロット・ソウダルのトーマス・デヘントが先頭にたって、マーティンを引きだします!
デヘントの次は、サンウェブのゲシュケも手伝います。
垣間見える、ダニエル・マーティンの人望。

残り500m切っても、ゲシュケがマーティンに話しかけて、最後また引いてくれ、デヘントもささっと前にでて、同一集団のタイムをちょっとだけ稼ぎます。


その14秒後方から、フルームを先頭に各チームエースが戻って来ます。
でもそこに、キンタナの姿はありません。キンタナはフルームたちから、4分近く遅れてのゴールとなりました。


そんなわけで、ジャージは誰も動きませんでした!
マイヨ・ジョーヌはフルームで、マイヨ・ヴェールはキッテルで、山岳賞ジャージは今日どんどん山岳ポイントを重ねたバルギル、新人賞ジャージはサイモン・イェーツ。
そして、敢闘賞はみんな納得のバウク・モレマ!
それと、総合順位で6位だったダニエル・マーティンが、ランダを抜いて5位になりました。


モレマ、ずっとずっと後ろを振り向かずに、ただひたすら前だけを見て一人踏み続けていた姿が印象的でした。
かっこよかった。

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