コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2017 第9ステージ

本日はクイーンステージです。一番大変な日と言い換えても特に間違いではないステージです。
具体的に言うと、山岳がたくさんあって、
2級、3級、3級、超級、超級、スプリントポイント、4級、超級、そこから下ってゴールです。

もう凄すぎてわけわかめ
ついでに雨まで降って来てて、もうぐっしゃぐしゃ。


レースが始まって早々に、デマールがまず集団から遅れていき、アシストを二人連れて苦行の旅が始まります。
先頭は、ロット・ソウダルのティム・ウェレンスがいい感じで先頭にいたのですが、ピノが追いついて来て最初の2級はエフデジのティボ・ピノがゲット。
このあとアタックがかかりまくり、40人くらいの先頭集団、後ろにメイン集団というかたちになります。
そして、次も3級もピノがゲット。

そのあとに下りがあるのですが、ここで落車が発生!
ロット・NLのエース、ロベルト・ヘーシンクと、一昨日逃げに乗っていたUAEのマヌエーレ・モーリがリタイア。
ヘーシンクは背中か腰かどっかの痛みを訴えてリタイアで、モーリは、倒れてからずっとずっと呻いていました。
脱臼のようです。


先頭は、次の3級山岳を通過し、ここはロット・ソウダルのトーマス・デヘントがとりました。
このあと先頭は超級山岳に向かってあがっていきます。
このあたりでアスタナのルツェンコや、モビスターのヘスス・エラダが落車。
でも、元々どこにいたんだろう?


超級は、最初にまずキャノンデールのピエール・ローランが飛び出し、次にピノーやロットNLのログリッチェがアタック。
最終的にログリッチェ以外は諦めて、最初の超級山岳はログリッチェが制し、下りに入って行きます。

この下りのちょい手前で、メイン集団にいたアーゼードゥーゼルがアタックをしかけて、ものすごいスピードで下っていきます。
そしてここで、スカイのゲラント・トーマスが落車。
トーマス!!?嗚呼、ジロに続いて。
そして、数分後、リタイア発表。
とーますぅぅぅぅ!!!(泣)
この落車に巻き込まれたのか、ボーラ・ハンスグローエのマイカも落車です!

あっちでもこっちでも落車しまくってて、
もともと誰がどこにいて今どの集団がどうなってんのかわけわかんないよ!!


登りに入るとアーゼードゥーゼルのところにメイン集団が合流。
総合エース勢はほぼみんな、このメイン集団に残っています。

先頭は7人くらい残ってましたが、これも崩れて最終的に2人になります。
ワンウェブのワレン・バルギルとロット・ソウダルのティシュ・ビノート。

残り93km。
メイン集団で、コンタドールも落車!
登りだからスピードは出てなさそうで、すぐに走り出します!観客が次々に背中を押す!

一方先頭の二人は超級山岳を通過!
先頭通過はバルギルです!次がビノート。


そしてまた下りに入ります。
この下りで、追走が3人追いついて、先頭は5人になります。
バルギル、ビノートと、ログリッチェ、そしてトレック・セガフレードのバウク・モレマ、アーゼードューゼルのアレクシス・ヴュイエルモー。

その後ろから、トレックのパンタノや、アーゼードゥーゼルのバークランツ、モビスターのベタンクール、サンウェブのマイケル・マシューズ、ロット・ソウダルのトニー・ギャロパン、コフディスのナバーロら6人が追っていて、その後ろにメイン集団がいます。

メイン集団はスカイのクヴィアトコウスキーが先頭でひいています。


残り68kmくらいで、先頭集団に、さっきの追走の6人と、サンウェブのゲシュケが追いついて来ました。
これで先頭は12名。

メイン集団では、モビスターのキンタナが、自転車を変更していました。
メイン集団に戻れるよう、各チームカーが引き上げてくれます。
……アシスト選手は、メイン集団には残っていないのかな?


ゴールまで、先頭は残り57km。
メイン集団とのタイム差は、3分35秒。
両方とも平坦になっています。
スカイのクヴィアトコウスキーが、TTポジションの姿勢のまま、コカコーラの缶をあけてました。
器用だな!


残り55km。
スプリントポイントまで残り1km。
サンウェブのマシューズが、「行かないよね?よね?」ってロット・ソウダルのギャロパンに確認をしています。
ゲシュケ、マシューズ、ギャロパン、バークランツだけが、先頭集団から飛び出して縦一列にならぶ形。

そしてマシューズが、スプリントポイントを1位通過。
つづいて、ギャロパンとバークランツが通過しますが、そのまま二人で先に前に行ってしまいます。


残り50km。次の4級山岳に向けてそれぞれ登って行きます。
先頭が2人。ロット・ソウダルのトニー・ギャロパン、アーゼードゥーゼルのヤン・バークランツ。
追走10人が43秒差くらいで後ろにいます。
メイン集団は、先頭と3分30秒差くらいです。
4級山岳は、バークランツがとりました。


残り40km。
先頭は依然2人です。
追走は約1分遅れています。サンウェブしかひいていません。
メイン集団は、先頭から3分15秒後ろにいます。
と、ここでサンウェブのマイケル・マシューズが追走グループから離脱しました。

まあ、マシューズはスプリントポイントのために頑張ってたからね!
お疲れ様!あとは怪我せずに今日ゴールしてね!


メイン集団は、スカイが5人、BMCとアーゼードゥーゼルが4人ずつ、アスタナ3人。
モビスターはやはりキンタナが一人だけです。トレックもコンタドール一人かな。

残り36km。
追走からゲシュケが切れました!
これで追走は8人に!
一方メイン集団では、ずっとずっとひいていたクヴィアトコウスキーが仕事を終えました。
集団をひくのは、スカイのエナオモントーヤ
他にも、山岳系の選手が、どんどんメイン集団から千切れていきます。


残り34km。
追走グループから、モレマのアタックがかかっています。
あ、追走グループから、モビスターのベタンクールがいなくなってる。

先頭では、ギャロパンがアタック!バークランツは追えません。
ギャロパン、単独先頭!

一方、追走先頭にいたモレマに、サンウェブのバルギルが追いついて来ました。
そしてそのまま遅れていたバークランツ、ギャロパンのところまで追いつきました!
モレマはがんばってるけど、ついていけてないです。

バルギル、一気に抜きました!
単独先頭!

モレマがちょっとだけペースをあげておいかけていきます。



そのころ、メイン集団ではアルーがアタック!キンタナがついていく!その後ろにポート!
と、同時にフルームがメカトラ!?


どうやら、フルームがメカトラで手をあげてチームカーを呼んだときに、それをかいくぐってアルーがアタックをしかけた模様。
ちょっと行ったところで、この集団は止まります。
ポートやマーティンあたりが「いや、アルー、これはちょっとだめでしょ」って言って、止めた感じです。
アルー、なんかいらいらして、ハンドル叩いてます。いや、でもイライラするとこじゃないよ。

フルームが追いついてきてから、改めてフグルサングがメイン集団からアタックして行きました。


残り30km。
先頭は、バルギルが単独です。
それを追いかける、モレマとバークランツが、約1分後方。
その35秒後ろにフグルサングで、そのさらに20秒くらい後方にメイン集団です。
先頭はスカイ。エナオは仕事を終えて、スカイのミケル・ニエベがひきます。

ベノートがモレマとバークランツをぬいて、2番手になります。
続いて、フグルサングも追いついてきました。


残り28km。
先頭はバルギル。
二番手はベノート。1分遅れ。その後ろがフグルサング

メイン集団では、コンタドールが遅れていく!


そして、生き残った総合勢の中で、アルがアタック!ポートがすぐについて、抜いて行く!
ポート、フルーム、キンタナ、アル、ウラン、バルデ、ダニエル・マーティン、サイモン・イェーツがついていきます。
スカイはニエベもランダも切れていきました。



残り27km。
ダニエル・マーティンがアタック!フルームがチェック!
続いてポートがアタック!フルームがチェック。
そして一旦落ち着いてから、今度はフルームが自らアタック!
ポート、ウラン、バルデがついていく。ちょっと遅れたアル、マーティン、そしてキンタナ。

フルーム、一気に前にいたフグルサングに追いつきました。
先頭のバルギルとのタイム差は40秒!
マーティンとアルは追いついてきました。
ダニエル・マーティンは、アタックのタイミングがいつも秀逸なので好きな選手です。頑張れ!
キンタナはその25秒くらい後ろにいます。
コンタドールは、フルームから約2分後方です。


先頭のバルギル、山頂まで残り400m。
30秒後ろに、フルーム率いる総合勢が迫っています。

タイム差を多少つめますが、でもまだ後ろは追いついてきません!
サンウェブのバルギル、今日最後の超級山岳を1位通過!
20秒後ろから、メイン集団が迫ります。
フグルサングが先頭ですが、通過とほぼ同時に、クイックステップダニエル・マーティンがアタック!!

マーティンが先頭で下っていきます。

と、ここで落車!!
ダニエル・マーティンとリッチー・ポート!!
先にポートが道から落ちて、その衝撃で回転しながら体だけ集団の真ん中に突っ込んでダニエル・マーティンの自転車を巻き込み、マーティンも落車してしまったようです。
マーティンは自転車確認してからまた再スタートしましたが、ポートは立てません……。

メイン集団では、バルデがどんどん他の選手を抜いて、先頭に立ちます。

先頭バルギル。10秒差でバルデ。そのさらに10秒後ろに、フルーム、アルー、ウラン
フグルサングはちょっと遅れていましたが、下りが終わって追いついてきました。
フルームが「回ろう!」というように声をかけ、4人でバルデを追いかけていきます。


残り12km。
バルギルにバルデが追いついてきました!
バルギルはちょっと待っていたみたいです。
フランス人二人、協調してすすんで……いかない。

バルデ、バルギルを置いて一人で行きました!!

一方、メイン集団ではウランがメカトラ!
後輪のギア変速ができなくなってます。マビックカーを呼ぶも、直せずに結局そのまま走って行く!


残り10km。
フルームたちとは、タイム差約30秒。
バルギル、フルームたちと合流です。

残り8km。
先頭バルデ!20秒後ろに、フルーム、フグルサング、アルー、ウラン、バルギル。
バルギル以外の4人で回っています。バルギルは最後尾から動きません。

残り5km。
バルデとフルームグループとのタイム差は12秒。
フルームたちの1分10秒後ろに、キンタナやマーティンの姿を見えだしました。

残り4km。
タイム差14秒。

残り3km。
タイム差10秒。

残り2km。
バルデ吸収!
先頭は6人になります。

フグルサングが先頭でスピードをあげました!
続いてウランが先頭にたちますが、一旦スピードを緩めます。

先頭はフルーム。
またスピードをあげました!
そのあとに牽制。

残り500m。
フグルサングがアタック!!
一旦引き離しかけたのですが、そこからウランがアタック!
隣にバルデが並んだものの、バルデはウランの後ろに下がります。
代わりにウランの左に並んだのは、バルギル!?
えええ!?残り10kmでフルームたちのグループに合流してから、ずっとローテーションに加わらずにいたのに、ここで前に出るの!?

ウランとバルギルがほぼ横並びでゴール!
そして、ゴールを過ぎ、手を上げたのは、バルギル!
ゴール後、感極まったかのように、涙をこぼすバルギル。

が。

ゴールの写真が出ると、先頭はウラン

ステージ優勝は、キャノンデール・ドラパックのリゴベルト・ウラン
最後の下りで目の前に転がりこんできたポートを紙一重でかわし、
残り12kmくらいからリアのギア一番重いやつ固定の状態から動かないというトラブルを抱えたまま、
それでもローテーションに加わり続け、最後は絶妙なタイミングでハンドルを投げたウラン
トラブル続きだった本日のステージ優勝者にふさわしい走りだったと思います!
おめでとう!ウラン

2位がサンウェブのバルギル。3位がフルーム。4位がバルデでした。


そして総合順位。
1位は変わらず、スカイのクリス・フルーム
ゲラント・トーマスはリタイアしたので、2位はアスタナのファビオ・アル。フルームとは18秒差。3位はバルデで、フルームとは51秒差となっています。

山岳ジャージは、今日超級山岳を2つとった、サンウェブのワレン・バルギル。
ポイント賞ジャージは、昨日とかわらずクイックステップ・フロアーズのマルセル・キッテル
新人賞ジャージは、オリカ・スコットのサイモン・イェーツがキープです。


今日は……。
見ていて、いろんなところで、後味の悪いレースでした。

フルームのメカトラが起こったのを確認してから直後にアタックして、他の選手に諌められてイライラしていたアルに対しては、明日以降のレースに関して「がんばれー!」と思える自信がありません。

ラストのバルギルも、1回でも先頭交代のローテーションに入っていたならともかく、ずっと最後尾から動かなかったのに、それで勝っても……と思ってしまいました。
すっごく勝ちたかったんだとは思うけど、そして勝たなければ意味がないのがスポーツの世界かもしれないけれど、でも手放しで「すごい、おめでとう」とは思えなかったな……。


それに何より、あまりにも落車や怪我をした選手が多すぎました。
これって、コースレイアウトの問題なのでしょうか。
それとも天候?もしくは、集団の走り方に問題があるの?



…………。
ハンマーチェイスは、楽しかったなあ……。

Amazon.co.jpアソシエイト