ツール・ド・フランス 2017 第4ステージ
今日も200km越えの平坦ステージ。あの水で有名な、ヴィッテルがゴールです。
さあ!今日こそは!!逃げができるまでのアタックの攻防を見ようではないか!!
そして、アクチュアルスタートと同時に、集団から一人の選手が飛び出す。
まず飛び出したのは、ワンティ・グループゴペールの、ギヨーム・ヴァンケイスブルク!
そして…………。
……………。
………えっと。
今日、逃げ一人?
誰も追わないし、集団も許してるしで、アクチュアルスタートとほぼ同時に決まってしまいました。
……もしかして、逃げがなかなか決まらないことの方が、グランツールのスプリントステージでは珍しいのか?
結局、ヴァンケイスブルクが一人っきりでひたすら逃げ続けます。
メイン集団は、とってもスピードを緩め、タイム差は10分近くまで広がります。
こうなると、私たち視聴者は、別の戦いが始まります。
そう、寝落ち。
ものすごくくだらないんだけど、いろいろ試した結果。
画面に選手のインタビューとか映ったときに「ばるでー!」「ぐらいぺるー!」とか、その選手の名前を呼びながら画面に向かって手を振るのが、一番眠気がとんだ。
コロロンは、ねむけが 5 さがった。
むなしさが 8 あがった。
レースは、ヴァンケイスブルクがずっとずっと逃げ続け、100km前後くらいからだったかな、集団はほんとうにじりじりじりじり、すこぉしずつタイム差を詰めだすようになります。
なんていうの。ダルマさんが転んだで、どんなに鬼が掛け声をながーく発していても、絶対に一歩しか鬼に近づかない子みたいな感じ。
全然近づいてきてる気がしないのに、ちょっと目を話すと、思ったより近づいてる、みたいな。
残り50km地点の中間スプリントも、37km地点にある4級山岳も、当然ヴァンケイスブルクが1位通過ポイントをとっていきます。
メイン集団の中で、中間スプリントをとったのはデマール。二番手がサガン、その次がグライペルでした。
残り23kmを切って、ようやくようやく、ヴァンケイスブルクと集団との差が約1分になりました。
逃げ切りは無理だろうけれど、ここまで一人きりでずっと走り続けるって、ものすごいね。
残り20kmを切って、タイム差は約30秒になりました。
集団コントロールは、カチューシャ・アルペシン。
残り17km。
タイム差、約10秒。
あれ?まだ集団の先頭、縦一列じゃないんだな。
残り16.7km。
ここで吸収。お疲れ様ヴァンケイスブルク!!
CUBEの青いロードバイク、ものすっごく印象に残った。
それから、一気に位置どりがはじまります。
モビスター、ボーラ、アスタナ、エフデジ、スカイ……。
総合系の危険回避目的のチームと、今日のステージ優勝を狙っているスプリンターを擁するチームと、両方が入り乱れているようです。
ロット・ソウダルはちょっとだけ後ろめの場所を陣取ってます。
……クイックステップがあんまりでてこない。
このパターンのとき、クイックステップ強いんだよな。残り4kmくらいで出て来て、一気に前にスプリンターを連れていくの。
残り10km。
位置どり、というか、各チームトレインは作ってるんだけど、そこまでスピードでばちばちって感じはまだしません。
道が狭いのもあるのか、嵐の前の静けさという感じ。
残り8kmくらいで、ぐぐっと速度感が増し、残り6kmくらいにはコフィディスもまた出て来ました。
ディレクトエネルジー、バーレーンも出て来ました。
まだクイックステップは堪えている……。
残り3km。
コフィディスがすごくがんばってて、この時点でもうアシストがいなくなりなりました。
……ブアニって、単騎でいくイメージないんだけど。
そしてスピードがあがったままカーブを曲がっていくのですが、
ここで集団中盤で落車!!?
かなりの選手が巻き込まれ、完全に集団が途切れました。
残った主たるスプリンターの選手たちにも戸惑いが見えますが、気を取り直してまた位置どりを開始していきます。
ただ、キッテルはいない……。落車に巻き込まれたか、もしくはその後ろにいたか。
先頭はもう残り700m。
ロットがでました。二番手がグライペル。その後ろがクリストフ、ブアニ、サガン、デマールの順で、全員ゴール向かって右端に縦1列。
そこからスプリントがかかり、ブアニ以下がざざっとどんどんゴール向かって左側にひろがっていきます。
ここでもまた落車!
カヴェンディッシュ、デゲンコルブとあとUAEの選手も一人巻き込まれます。
残された選手はそのままスプリントして、道のほぼど真ん中を走っていたデマールが勝利。
エフデジのアルノー・デマールがステージ優勝。
サガンが2位でクリスロフが3位でした。
落車であたまいっぱいで、リプレイ見てもあんまり最後のスプリントの状況が頭に入ってこない。
どうやら落車のときのリプレイを見るに、
横いっぱいに選手が並んで、その際道路の一番右端、ゴール向かってだと左側にいたのが、ペーター・サガン。
カヴェンディッシュはその後ろにいて、ほぼ隙間のないサガンの右手側からあがろうとして、サガンに接触。サガンは、ガードしようと思ったのか、それともカヴに接触されてバランスを崩したのかは不明ですが、右肘を押し上げる。カヴェンディッシュは、ただでさえ狭く隙間がないところ通ろうとしていたので、そのままとなりのコース壁にぶつかって落車。
落車したカヴェンディッシュに乗り上げる形でデゲンコルブとあとUAEのスウィフトも巻き込まれた、というできごとだったようです。
こっちの落車も気になるけど、もう一つ手前に起きた大きな落車のリプレイも映して欲しいのですが……。
これだけほとんど映らないってことは、あの落車で大きなダメージを負った選手はいないということでしょうか……。
サガンはゴール後、すぐにディメンションデータのチームバスのところへ行ったようです。
(最初、謝りにと書きましたが、様子を見に行ったのか謝罪に行ったのかわからないので、書き直しました)
カヴェンディッシュは、肩と手を痛めていて、病院に向かったというツイートが、ディメンションデータの公式アカウントから出ていました。
4賞ジャージは、
マイヨ・ジョーヌはスカイのゲラント・トーマス。
マイヨ・ヴェールは、本日勝利したエフデジのアルノー・デマール。
マイヨ・ア・ポア・ルージュは、キャノンデール・ドラパックのネイサン・ブラウン。
マイヨ・ブランはピエール・ラトゥールでした。
ポイント賞だけが変更で、あとは変わらずでしたね。
ちなみに敢闘賞は、当然といえば当然の、ワンティ・グループゴペールの、ギヨーム・ヴァンケイスブルク!
これは、手放しで喜べました。
このあと、どうやらサガンは、30秒のペナルティタイムという裁定が一度下されたようですが、
でもそれもまた変更するかも、みたいな情報が流れてて、さらにそれにプラスして、スプリントのポイントも、マイナス80が決定したようです。
(今日の2位取り消しでマイナス30、危険走行のペナルティでマイナス50)
厳しいととるか、甘いととるか。
私は正直「これは失格になるかも……」と思っていたので、ああ、走れる裁定にしたんだ、と思いました。
サガンは総合狙ってないから、タイムのマイナスペナルティの意味ほぼないので、総合タイムと順位だけで矛を収めるにはちょっとカヴの怪我が大きそうだし、上空からの映像でサガンが右ひじを上げた動きの直後にカヴがバランス崩しているのが世界中にながされているし、でもサガンは現世界チャンピオンで大人気で今回連続マイヨ・ヴェールの記録に挑戦中でもあるから、その辺考えるとこの判断は妥当、というか、まあサガンに対してならこうするしかないよなあ、という感覚です。
これは、まだ二年くらいしかロードレースを見ていない私の、まったくもって個人的な感覚なのですが。
「世界チャンピオンが、肘で押して他の選手に大きな怪我させて、ツール失格」も
「世界チャンピオンが、肘で押して他の選手に大きな怪我をさせるも、ほぼお咎めなし」も、どっちも自転車界として避けなきゃいけない印象だと思うのですよ。
(本当に肘でわざと押したかどうかじゃなくて、客観的にどうとらえられるかの問題)
だから、「明らかに明確な、本人の目指す目標の勝敗に関わるペナルティ。でも明日からも走って勝負に参加してOK」なら、まあ、それしかないよね……と思いました。
もともとルールブックに、この場合はどうするとかって明確に載っていたとしても、どの場合にどれを適用するかは、結局現場判断だしなあ。
去年の12ステージのフルームが自転車を置いて走った行為だって、ルール通りなら、救済措置があるどころか、自転車を完全においていくのは失格なんじゃなかったっけか。
まあ、なんだかんだ書いたところで、
こればっかりは、数時間後にアップされるであろう、現地へ取材に行かれているプロのロードレース関係者の方々の、レポートや所感を早く知りたいです。
私がいろいろ考えを巡らせたところで、所詮は知識もなく現場もしらない、ただの素人の戯言なので。
でも、正直なところサガンへの裁定の是非よりも、怪我をした選手の状態の方が気になります。
みんな、明日走れるのだろうか……。
追記: これをアップした直後、サガン失格になった模様……。
そうか……。
一度、明日からもサガンは走れそうだと思っていただけに、それは、さすがに、ショックだ……。