コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ジロ・デ・イタリア 2017 第21ステージ(最終日)

第100回ジロ・デ・イタリア最終日!
タイムトライアル!!

去年ほど体力的にきつくなかったからか、終わる前から微妙に寂しい……。
ああ、ジロが、ジロが終わってしまう……。

ちょっとセンチメンタルになっていると、事件が。

ゴール後の暫定1位の選手が必ず4位と表示されたり、
キリエンカの平均速度が83kmになっていたり、

ここにきて、イタリアっぽくなってきた!!(笑)

レースの方は、ロットNLユンボのヨス・ファンエムデンが暫定1位にたちます。
優勝候補の一人だった、2015のTTチャンピオン、スカイのキリエンカも届かず。
最後の最後で奇跡のTT勝利を……ってひそかに応援していた、アスタナのルイスレオン・サンチェスは23位。

私の中では、第100回ジロにおける個人的な総合敢闘賞は、サンチェスでした。
毎日のように逃げにのってステージ勝利を目指す姿に、いつしかレース中継が始まるたびに、最初にサンチェスの姿をさがすようになっていました。
ありがとう。



さあ、そしてエムデンが暫定首位のまま、いよいよ総合上位勢の疾走へと移っていきます。

新人賞争いが、ユンゲルスとイェーツ。
そして総合争いがデュムラン、ピノー、ニバリ、キンタナ。
もちろん、ザカリン、ポッツォヴィーヴォ、モレマも総合順位のジャンプアップを狙っています。


そんな緊張感が増していく中、
現在総合6位のポッツォヴィーヴォの走行前に、ジロの公式ツイッターがこんな投稿。


第100回ジロの優勝者をトロフェオ・センツァ・フィーネという名前のジロの優勝トロフィーに刻印する準備中。
そりゃ、決まった瞬間に刻印開始しなきゃ間に合わないんだけど、いざ画像で見ると結構衝撃。



総合上位は、3分ごとにスタート。
特に大きなトラブルなく、順々にスタートしていきます。

そして、いよいよ総合4位のデュムランから。
ばんばん飛ばしていくデュムラン。

さあ第一計測!デュムラン、エムデンと2秒遅れで通っていきます。

続いてやってきた、ティボ・ピノー。第一計測はデュムランと26秒差。ピノーとデュムランは昨日のステージ終わりで10秒差なので、この時点で、デュムランがピノーに逆転!

続いてニバリが第一計測!デュムランと17秒差。
ニバリとデュムランは昨日14秒差だったので、これもまたデュムランがニバリを抜いた形。
やっぱりデュムラン強い!!

キンタナの第一計測に着くまでの間に、ユンゲルスがゴールします。
暫定7位でゴール。エムデンとは54秒差。
イェーツとの総合タイム差が28秒あるので、イェーツが、エムデンとのタイム差が1分24秒までにおさまれば、イェーツが新人賞になります。

さあ、キンタナの第一計測です。ああ、でもやっぱりちょっと遅い!デュムランから31秒遅れで中間計測を通過。
ただ、総合タイムで、デュムランよりもまだ22秒余裕があります。
対ニバリに対しては、まだ25秒あります。

第一計測までで言うと、総合タイム順位は、キンタナ、デュムラン、ニバリ、ピノー。


一方、ゴール付近ではイェーツのゴールです。
でもスピードが落ちている……エムデンと2分28秒差でゴール。

この時点で、ユンゲルスのマリア・ビアンカが決定!!


やがて、今度は現在モレマがゴール。
エムデンから、1分46秒差。
その次のポッツォヴィーヴォは、エムデンから2分49秒差。
今日ついたタイム差は、1分3秒。昨日までのタイム差が、1分33秒なので、モレマ、逆転ならず!

続いてザカリンが、エムデンと1分49秒差でゴール。ポッツォヴィーヴォよりも速かったので、ここも順位はキープ。


そしてデュムランがゴール!
暫定2位。エムデンと15秒差です。

この瞬間、ずぅぅっと暫定トップの席で、無表情で座っていたエムデンが、ものすごく嬉しそうに顔を真っ赤にして立ち上がりました。
歓喜の瞬間。
こういうとこ見られるの、嬉しい。


さあ、残りの選手はどうなるか!!

まずはピノーがフィニッシュ地点へ。エムデンと、1分42秒差でゴール。
ザカリンよりもはやかったので、4位以上は確定。
そして、ピノーはニバリとは総合タイムが4秒差なので、ニバリのタイムがステージトップのエムデンよりも1分38秒以内だと、ニバリが表彰台確定です。

そしてニバリがゴール!タイムはエムデンと1分9秒差。
ニバリの表彰台が決定!あとはそれが2位か3位か。

さあ、最終走者のキンタナ。
画面に、デュムランの総合タイムとのタイム差カウントダウンが表示されます。
そのタイム表示以内でゴールをすると、総合優勝。過ぎたら、デュムランが優勝。


その表示が、残り1分のとき、キンタナが1km地点を通過しました。
途端に、緊張した顔でモニターを見守ったデュムランが、笑顔になりました。
もう優勝はほぼ確定ですが、タイム表示はつづきます。
そして、その数字が減っていきが0になり、消えました。

第100回大会 ジロ・デ・イタリア 総合優勝のマリア・ローザは、チーム・サンウェブのトム・デュムラン!!!
オランダ人、ジロ初優勝!! 


でもまだキンタナはゴールしてない!
全力で走るキンタナ!TT苦手なイメージだけど、かなり速度をあげています!

そして、ついにゴール!!
エムデンのタイムとは、1分39秒。キンタナ、堪えた!

モビスターのナイロ・キンタナが総合2位!!
そして、9秒差で、バーレーンメリダのヴィンセント・ニバリが3位!!

4位がエフデジのティボ・ピノー。
5位がカチューシャアルペシンのイルヌール・ザカリン。
6位がアーゼードゥーゼルのドミニコ・ポッツォヴィーヴォ。
7位がトレック・セガフレードのバウク・モレマ。

8位から10位が新人賞候補だった選手になります。
8位がクイックステップ・フロアーズのボブ・ユンゲルス。
9位がオリカ・スコットのアダム・イェーツ。
10位がキャノンデール・ドラパックのダビデ・フォルモロ。


そんな感じで、リーダージャージはこちら!

総合優勝 マリア・ローザ チーム・サンウェブ トム・デュムラン
ポイント賞 マリア・チクラミーノ クイックステップ・フロアーズ フェルナンド・ガビリア
山岳賞 マリア・アッズーラ チーム・スカイ ミケル・ランダ
新人賞 マリア・ビアンカ クイックステップ・フロアーズ ボブ・ユンゲルス


最終日TT っていうグランツールを見たのは初めてだったのですが、ハラハラしていつものグランツール最終日とは全然違う感覚でした。
出場選手も、ちょうどTTが得意な優勝候補が、初めてグランツールの総合優勝を狙いにきたデュムランっていうのが、またここまでレース展開を読めなくしたのだと思います。

いろんな偶然の結果!

ただ一つ残念だったのは、やっぱりアスタナの選手に、どっかで一勝して欲しかったです。
世の中そんなに上手くはいかないけど、でもロードレースってそういう、まるで物語のようなできすぎた出来事が本当に起こることがあるから、だから今日の今日まで、もしかしたらって気持ちを持ち続けていました。

もちろん、ぽっとでのサイクルロードレースファンの私よりも、ジロに出ていたアスタナの選手やスタッフの方々の方が、ずっとずっと「スカルポーニのために」って思って、レースをされていたのだろうなと思いますけれどね……。


なんか、ジロが終わった気がしないなぁ……。
きっと明日か明後日の夜に、「ああ、終わったんだな」って思うんだろうな。

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