コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ジロ・デ・イタリア 2017 第9ステージ

今日は、最後が厳しい1級山岳ブロックハウスの登りゴールの日です。
一応この1級山岳としての登りは残り13.6kmからはじまるのですが、登り自体はその10km手前から始まります。
ただ、大事なのは、総合勢のタイム差をつける日ってところです。
つまり、逃げに総合争いに入りそうな選手が入らなければ、逃げ切りの可能性もある日。


逃げ切り勝利を目指して、9人の逃げが決まります。
昨日に続いて、アスタナのルイスレオン・サンチェスが入ってる……。
で、このまま逃げていくかと思いきや、この逃げへの合流を目指して、さらに3人の追走集団ができます。
そこにはいっていた、キャノンデール・ドラパックのエース。ピエール・ローラン。
総合表彰台は厳しいけれど、でももとも登りが得意な選手。


これによって、大幅にレース運びがかわります。
「ピエール・ローランきたら逃げ切っても絶対かてないから、こっち来させるなぁぁ!!」
と、全力で逃げる逃げ集団。

「まてぇぇぇぇx!」
とおいかける、追走集団。

「ローランを逃げ仲間に入れないなら、逃げぶっつぶすぞぉぉぉ!!」
と、猛烈にメイン集団のスピードをあげるキャノンデール

これで、逃げとメイン集団がだいたい3分差前後で、そして全体的に結構なスピードで、レースがすすんでいきます。
なんじゃこの展開。

でも結局、90kmでローランは逃げに追いつきました。
「ふう、これで一安心」
と、メイン集団の牽引をやめるキャノンデールの選手達。
これで、逃げとメイン集団とのタイム差が開くかと思いきや、
なぜか集団前方に揃ったモビスター。


「今日は、ステージ優勝はうちのエースがとりにいきます」
と宣言するかのように、タイム差を開かせず、逃がさないための牽引をはじめます。


そして、じわじわと、タイム差を縮めていきます。

残り40km。
1分半。

残り35km。
タイム差1分。
このじわじわ感がこわい……(笑)

残り30km。
45秒。

残り25km。
20秒。

ここで、前の逃げ集団から「このままで終われるかぁぁ!!」とばかりに、アタックがかかります。
ロットのマルチンスキー、CCCのトラトニク、そしてピエール・ローラン!
他の逃げていた選手は、集団に吸収されました。

でも、この最後の逃げ集団。タイム差5秒だよ。


残り23km。
ここで、逃げが全員吸収されました。メイン集団はまだモビスターがひいていきます。

残り15km。
さあ、もうとっくに登っているけど、いちおうコースマップでは、そろそろ1級山岳に入ります。
ほとんど平坦な区間がなく、ずっと厳しい勾配の坂が続いていく予定。
登りですが、各チームなんとなくトレインができて、道いっぱいにひろがっている状態。

が、ここで大落車発生!!
集団がみちいっぱいに広がるなか、バイクが道の端に停車していて、それを避けられずに集団の左端の方を走っていた選手たちが、軒並みバランスをくずして倒れていく!!

サンウェブの後ろにいた、スカイの選手が特にたくさん巻き込まれてしまいました。
あっ!ランダとゲラント・トーマス!?スカイ両エース巻き込まれてる!!
オリカのアダム・イェーツもいる!

ランダとイェーツは体制をととのえてそれぞれ走り出しましたが、ゲラント・トーマスは、なかなか立ち上がれません。

一方、メイン集団ではモビスターが集団を引き続けています。
バーレーンメリダも、その次くらいに続いています。

すこしでも遅れを取り戻そうと走る、オリカのイェーツ。そのまた後方に、ランダ。アシスト二人とも、アシストの選手と一緒です。

そしてその後方で、ゲラント・トーマスが走りだしました!
アシストをつれずに、一人で走っています。


残り11km。
トーマスが、ひとまずランダのところまでたどり着きました。
でも逆にランダはあきらめて、速度をおとしていきます。
トーマスは、ランダをひいて走っていたスカイのアシストの選手たちと合流します。

ジャージぼろぼろで、両肘から血がでているけど、でも、ゲラント・トーマスは諦めてない。

残り9km。
トーマス、トップのメイン集団とは2分39秒差です。
メイン集団では、ユンゲルスが遅れだします!


残り8km。
先頭集団は、11人になりました。
アシストが残っているのは、モビスターのみ。しかも、2人も残っている。アナコナとアマドール。
他はキンタナ、バーレーンのニバリ、エフデジのピノー、トレックセガフレードのデュムラン、トレックのモレマ、アージェードゥーゼールのドメニコ・ポッツォヴィーヴォ、そしてロット・NLユンボのクライスバイク、ヤングライダー賞の可能性もあるカチューシャ・アルペシンのザッカリンとキャノンデール・ドラパックのフォルモロ。


残り7.5km。
ザッカリンとフォルモロが集団から遅れだしました!

残り6.7km。
アシストが二人残っていた状態で、キンタナが単独アタック!!
ニバリとピノーがついていきます!

追いついて、今度はピノーがいった!キンタナがおいます。
ニバリは、腰を上げずにそれを後ろから追っていきます。
もっかいピノー!キンタナが追う。ニバリもついていく。

つぎはキンタナが大きくアタック!
追うニバリは、ペースを変えません。

キンタナは、ペースを変えながらの登りがうまく、去年のブエルタもこれでコンタドールのペースを崩していた気がします。
ニバリはあえてなのか、自分のペースをかえることなく、でも離されることなくついていきます。

残り5.3km。
またキンタナがでる!
ニバリが追う。真後ろにつくピノー。

それを16秒差で追う追走が、モレマとポッツォヴィーヴォとデュムランです。
クライスバイクは遅れました。

ゲラント・トーマスは、先頭と2分23秒差です。


残り4.7km。
またキンタナが飛び出します!
ニバリここでもまだシッティングを崩しません!ニバリの後ろに張り付くピノー。

もう一回キンタナがアタック!
間をあけて、さらにキンタナがアタック!!
業を煮やした感じで、こどはピノーがニバリの前に出て、キンタナを追いはじめます。

残り4km。
キンタナと、ピノー&ニバリのタイム差が、約10秒!

残り3.5km。
ピノーが、ニバリを置いて一人でキンタナを追いかけていきました。
これでもニバリはまだダンシングしません!そのまま、少しずつ遅れていきます。


残り3.2km。
ニバリのところに、モレマとデュムランが追いつきました。ポッツォヴィーヴォは遅れてしまった模様。
そして、ニバリを抜かしていく!?
ニバリ!!?どうした!!?


残り3km。
キンタナが単独先頭。
二番手は22秒差でピノー。


残り2.5km。
ピノーにモレマとデュムランが追いついてきました!
キンタナとのタイム差は、約30秒。


残り2km。
ピノーがスピードをあげます。
一旦、モレマとデュムランが置いていかれましたが。でもまただんだん追いついていきます。

残り1.5km。
先頭キンタナ。
約30秒遅れて、ピノーとモレマとデュムラン。
そこから約20秒くらい遅れてニバリ。

残り1km!
キンタナがトップ、追走は、ピノーとデュムラン。モレマは遅れた?
タイム差は27秒。

残り500m。
キンタナは下りへ。
一瞬くだって、そのまま最後の登り!
だれも追いついてきません。

モビスターのナイロ・キンタナ、ステージ優勝!

続いてゴールした2位のピノーが24秒差。その真後ろ、タイム差なしでデュムランがゴール。
ステージ4位になったモレマは40秒差くらいか。
そのあとにゴールしたニバリは、キンタナから約1分の遅れでした。


諦めずに登ってきた、ゲラント・トーマスは、約5分7秒の遅れでゴールしました。
トーマス……!!



今日のレースの結果をうけて、4賞ジャージが一部動きました。
マリア・ローザはモビスターのナイロ・キンタナの手に!
そして、マリア・ビアンアは、キャノンデール・ドラパックのダヴィデ・フォルモロがとりました!

ポイント賞はガビリアのまま、山岳賞もポランツェがキープです。


さあ、明日は休息日で、その翌日は、タイムトライアルです。
と、なると、気になるのは、サンウェブのデュムラン。
デュムランが現在、キンタナとは30秒差ですので、明日総合タイム1位になる可能性は十分あります。
……っていうか、キンタナはTTあんまり得意じゃないし、明日は勾配ゆるいTTだから、ほぼ間違いなく総合ジャージは他の人の手にわたるだろうな。


そんでもって、もうあと数時間後、月曜の朝からはツアー・オブ・カルフォルニアがはじまります!


……起きられるだろうか……?

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