コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ミラノ〜サンレモ 2017

ミラノ〜サンレモ
歴史ある、5大クラシックレース・モニュメントのひとつ。
その中でも、一番最初にあるレースで、別名、春を告げるレース。
スプリンターの夢。

えっと。
見るの、大変でしたね!!!!(笑)
私は結局、今回はイタリア語のストリーミング放送で見ていました。raiっていう、イタリア国営放送の公式サイト。日本時間の夜10時くらいから、インタビュー番組がはじまってたので、そのまま見てました。
イタリアでのTV放送をそのままウェブ上で流してストリーミング放送をしているようで、見逃しても巻き戻せないし普通に現地のCMが入るのですが(国営放送でもCMは入るらしい)、映像が綺麗でした。


映像が届いたのは、だいたい残り115kmくらいからでした。
逃げは10人。
タイム差は約5分10秒くらい。
うち、5人がイタリア人です。
キャノンデールだけが、2人逃げ集団に入れました。

その後ろに、ほとんどの選手がいる大っきなメイン集団。
こないだまで、横風でちぎれまくった集団ばっかりをパリ〜ニースで見ていたので
「そうだ!メイン集団って、いっぱいいたんだ!」
っていう、新鮮な気持ちになりました。
集団のコントロールは、昨年の優勝者、デマールを擁するエフデジです。

だんだんタイム差をつめて、残り105kmで、約3分30秒差。
……10kmで、1分40秒を詰めている……。
プロトン(集団)のペースが速いのかな。


残り100km。
タイム差2分21秒です。
メイン集団は、クイックステップ・フロアーズが引いています。
今日はクイックステップ・フロアーズのエースは、ガリビア、かな?

クイックステップも、エフデジも、逃げには誰もチームメイトを入れていないので、結構、定石どおりの展開です。


だぞーんは日本語解説がないので、今回ほぼはじめて実際のロードレースの映像見たっていうような人で「逃げ集団の人たちって、そもそも何で逃げてるの?」っていう感覚になった人向けに、レース観戦歴2年に満たない私でもわかる範囲で丁寧に説明しますと……。

サイクルロードレースは、成績は個人につきますが、戦略としてはチーム戦になります。
そして、速度が速いので、風をうけて走ると、とっても疲れてものすごく不利になるスポーツです。

だから普通に考えたら、少ない人数で走る前方に行った、逃げ集団の人たちは、ものすごく不利になります。
後半のメイン集団の方が人数が多く、先頭を交代すればそれほど風の抵抗を受けて走る時間が少なくてすむから、後ろの集団の選手の方が疲れないし、追いつかれてしまう可能性がとっても高いのです。

でも、この第一集団に誰かが入っているチームは、追いかけなくっていいのです。
なぜなら「もし集団がおいつかなければ、先頭にいる仲間が勝ってくれるはず」という戦略になるから。
逃げ切った方が、優勝争う人数少ないですしね。

そうすると、たとえメイン集団が大人数でも、実際にその集団の先頭にたって引かなければならないチームは、チームメイトが誰も逃げられなかったチーム、になるのです。

となると、どうなるか。

もしメイン集団が逃げ集団に追いついたとしても、集団をひくためにいっぱい走って疲れたアシストがみんな疲れちゃったチームと、一人は逃げに入ってたから疲れてたけど、他の選手はみんな力を温存していた選手。

どっちが有利かは、明らかですね?逃げに入っていたチームです。
だから、逃げ集団っていうのができるし、成立するのです。


もちろん、これは一例です。私が最初に覚えた、一番わかりやすいスプリントステージの展開で、他にもいろんなパターンがあります。
逃げに入ってても「おれ絶対にこいつにゴールスプリントでは勝てないよ!」っていう感じの選手が逃げ集団にいたら、集団に飲み込まれてエーススプリンターに任せた方がチームが勝つ確率高いので、逃げ集団にいても全力で逃げない選手がいたりするし、
ワンデイレースじゃなくてステージレースだと、総合順位が関わってくるので、総合順位をあげたいチームとステージ勝利の方が大事なチームで、逃げをそのままほっとくか、何がどうなっても追いつかないといけない!とかの判断がかわるし、
逃げ集団にチームメイトを入れていても「めっちゃうちのエース調子いいから、絶対勝てる!」って集団ひくチームもいるし、
「ここで飛び出して逃げたら俺の足なら勝てる」って逃げて、本当にかっちゃう場合もあります。
いろんな戦略があります。

そんな感じで、いろんな思惑が重なって、逃げ集団っていうのができるし、これがあるからこそレースが面白くなるのです。

今できている逃げは、最後まで逃げ切ってやるっていうよりも、その後の戦略のための、いつか吸収されるための逃げだと思います。長い距離のレースだし。


さてさて。話を戻しまして。


残り70km。
ボーラ・ハンスグローエも引き始めました。ここのチームも逃げてないからね!
タイム差は、2分30秒くらいです。

しばらくこのタイム差を守っている気がするので、このままいくのかなー。


残り64km。
タイム差は2分くらいです。
詰めてるな。ちょっと、ほんとにちょっとずつ。


残り47km。
タイム差1分20秒。
……思ってたより、タイム差詰めるタイミングが速い……。
何キロで吸収するつもりなんだろう。


残り45km。
ここで、メイン集団からアーゼードゥーゼルのグジャールが動きました!
一人メイン集団から飛び出します!
先頭集団、グジャール、メイン集団の順番に。

残り40km。
逃げ集団とグジャールとの差は約1分。そこから15秒遅れてメイン集団です。


残り39km。
逃げ集団とグジャールとの差は、50秒。そこからメイン集団は20秒。
……いや、グジャールのすぐ後ろにいますね。タイム差間違いかな。グジャールは吸収されました。
レース展開、戻る。
ただ、タイム差だけが詰まっている。

残り38km。
逃げとメイン集団との差は、約50秒。
ちょっとずつ、逃げ集団から選手が脱落していきます。
現在、逃げ集団に残っているのは、8人。

残り35km。
また一人脱落。
逃げ集団は、7人に。
メイン集団は、クイックステップの引きです。……速い。あっきらかに速い。

残り34km。
今度はメイン集団、カチューシャが引き出しました。
カチューシャの本日のエースは、クリストフですね!
もうほぼトレイン状態?集団前方にカチューシャの選手がけっこうあがっているようにが見えます。

残り32km。
タイム差34秒!!
メイン集団は、またクイックステップの牽引!
その後ろに、バーレーンメリダのトレインが控えています。

残り30km。
タイム差約30秒。
ずっと海沿いを走っているのですが、横風の陣形にはなっていません。
海風は、そんなに強くないのかな。

残り29km。
タイム差20秒!
集団の先頭は、左右二つに分かれています。
片方はカチューシャ、もう片方はブアニを擁するコフィディス

残り27km。
タイム差0秒。
……でもまだちょっと逃げてる。本当は5秒くらいかな。
もうメイン集団では、ゴールに向けての位置取り合戦が始まっています。

ここで、先頭の中からガスパロムのロブニーがアタック!!
二人だけついてきますが、結局そのまま吸収されます。


残り25km。
吸収がおさまるとほぼ同時に、集団から数人が飛び出した形で、また小さな逃げ集団が形成されます!
その中から、ロット・ソウダルのティム・ウェレンスが先頭に飛び出しました!
アンドローニジョカットリ・シデルメクのカッタネオだけがついていきます!


残り24km。
カッタネオとウェレンス、吸収されます。
集団は、サンウェブのひき。
あの、ひげは、ゲシュケだ!!?ゲシュケー!


残り20km。
サンウェブの引きは終わり、メイン集団の引きは、UAEエミレーツになっています。
そのまま、下り坂へ!!

残り18km。
ここでアタック!!
ロット・ソウダル、トニー・ギャロパン!!!
そこに、クイックステップ・フロアーズのフィリップ・ジルベールが続いた!!

ここに数人が続き、まだ小さな集団ができます。

メイン集団は、ボーラ・ハンスグローエが、サガンのために差を詰めにかかっています!

残り16km。
先頭はボーラ・ハンスグローエ。
そのすぐ後ろにサガン
……え、ちょっと前にいくの早すぎない?
と、どんどん後ろからボーラの選手が合流して、サガンの前に3人のアシストがつきました。
すぐそのとなりから上がってくる、エフデジのトレイン。

続々とトレインが完成しては前にあがってきます。
今度はBMCとトレック・セガフレードが前へ!
でもボーラは下がらず!


残り13km。
先頭集団でトレインを作るのは、BMCとUAEエミレーツ
きた!クイックステップ・フロアーズがあがってきた!!

残り11km。
集団の先頭はクイックステップのまま。
ボーネンが引きます!!!

残り10km。
先頭はトレック・セガフレードのトレイン!その後ろにエフデジのトレイン。
その隣から、一気にスカイのトレインがあがってきました!
アシストが4人!?いっぱい残していたぞ!

残り8km。
ここでサンウェブの選手がたった一人でスカイの前に出る!

……トム・デュムラン!!?
これは、アタック?アタックなの?
ほんのちょっとずつ差をあけては、振り向いて詰めさせ、また開けては、詰めさせています。

スカイのアシストを疲れさせるのが目的?
なるほど。
TTスペシャリストだと、一番前に出て「ほらほら、いっちゃうよー。いいのー。僕一人で行かせたらおいつけないよー」っていう、端から見てると「一人でいくの寂しいのかな……」って思っちゃうような、楽しいアタックが成立するのね!
そうこうしているうちに、デュムラン吸収。

この時点で、残りは約6.3km。

ここでペーター・サガンが単独アタックしたー!!!
スカイの選手とクイックステップの選手がおいかけます。追いかけてるの誰だ、わかんない。
他の選手は、引き離される……!


残り5km。
先頭はサガン
映像で名前がでました。
サガンの後ろについたクイックステップの選手が、アラフィリップ?!!そしてその後ろのスカイは、クヴィアトコウスキー!!?
この並びを崩さず、下っていきます。


残り3.7km。
後続との差は、11秒!らしい!(イタリア語の実況より)


残り2.5km。
タイム差でた!16秒!
サガン、クヴィアト、アラフィリップの順番!!


残り1.7km。
サガンとクヴィアトで先頭交代回りだす!
でもアラフィリップは後ろから出ない!
出ないのか、出られないのか!個人的には出られないんじゃないかと思うけど果たして!

残り1km。
タイム差18秒。
牽制したら一瞬でおいつかれる!

残り800m。
サガンを先頭に、逃げている3人は大きなカーブを二つまがります。
それぞれ後ろを確認しつつ、でも並びはくずれず、サガン、クヴィアトコウスキー、アラフィリップの順。

さあもうラスト!!
サガンがほんのちょっと後ろのクヴィアトと差をつけた状態で、スプリント突入!。

でもその差をつめていくクヴィアト!その後ろにぴったりついていくアラフィリップ!
クヴィアトがサガンの左から上がっていく!!そのさらに左からアラフィリップ!
ゴール向かって左からサガン、クヴィアト、アラフィリップ。
でもアラフィリップがちょっと届かない!
クヴィアトがあがる……!

ゴール!だれも手を上げない!
でも、これは、スカイのクヴィアトコウスキーの勝利だ!!
サガン2位!!
アラフィリップが3位です!


うわああ!
サガンがアタックしたときは、もうサガンに決まった!って思うほど、勢いがありましたが、それを追いかけて行ったのがクヴィアトコウスキーとアラフィリップだとわかった瞬間、鳥肌が立ちました。
最後、すごかった。

前半と後半が、違うレースかって思うくらい、残り45km切ったくらいから、ずっとハラハラしてました。


人によって感想は違うかと思いますが、
盛り上がった後半よりも、ぼーっと見ている前半の方が、特に、日本語の実況や解説が恋しかったですね。
普段から、飽きさせないように、いろいろ考えてくれているんだなって、こういう形でミラノ〜サンレモを見て、改めて実感しました。

さあ。
今度はフランドルか。
……ミラノ〜サンレモは、まだ比較的わかりやすいレース展開だったけど、フランドルはどうだろうか。
不安。でもがんばって見る。

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