ユアン、強し……。
シーズン1番最初の、ワールドツアー、ダウンアンダーが終わりました。
ラストステージも、ユアンがステージ優勝。
ユアン、強すぎる……!!
ダウンアンダーのスプリンターステージ、全部とったよ。
っていうか、
ダウンアンダー、ステージ優勝したの全員オーストラリア人だよ!!
(ユアンとリッチー・ポートしかステージとってない)
いやあ。
すごかったな、ユアン。
最後、「すがた見えないなー」とか思ってても、かならず選手かきわけてあがってきて、ステージとってくんだもん。
サガンも、3ステージくらい、ユアンに続いて2位をとっていましたね。
……去年、正直、ダウンアンダー以外で、ユアンの印象ってほぼないんですよね……。
今現在、スプリンターで、強い選手っていうと、ぱっと浮かぶのはこの3名です。
マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)
アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)
マルセル・キッテル(クイックステップ・フロアーズ)
ユアンも、脚質はスプリンターだと思うのですよね。
小柄だから、山も、純スプリンターの中では登れるタイプの選手だとは思うのですが、でも、登りスプリントゴールでゴールを競える、パンチャータイプではない、と思っています。
で、この3名は、今回、ダウンアンダーには出ていないのですね。
だから、確かに今回ユアンはめちゃくちゃ活躍したけれど、他の強豪スプリンターがそんなに出てないからなあって見方もあるかと思うのですよ。
ただ、サガンが出ていた今回のダウンアンダー。
元世界王者のペーター・サガンは、基本的にはパンチャーの選手と言われています。
パンチャーって、ええっと、登れるスプリンター、みたいな感じです。
瞬発力とか爆発力に優れてて、ちょっとした登りなら、ぐぐっと一気にアタックかけて登れちゃうし、スプリント勝負もできるけど、純スプリント勝負だとスプリンターには負けるし、厳しい山だとやっぱりクライマーには全然敵わない、みたいな。
ただ、去年のツールとか世界選手権とか見てるとわかるのですが、サガンはパンチャーの中でもちょっと別格な選手でして、
スプリント勝負でもいわゆる超一流のスプリンターに勝てちゃうようなスプリントをすることもあるし、山岳でもツールの2級山岳くらいならクライマーに混じってすいすい登れちゃうっていう、すごい選手です。
例えるなら、アクションRPGゲームとかで、主人公が1周目の能力値引き継いだ状態で始めた2周目みたいな。
ロードレースは、ただ単純にスプリント能力が高い順にステージ順位がつくような単純なものではありません。
アシストの位置取りとか、レース展開とか、ゴール直前のトレインの状態とか、誰の後ろについているかとか、誰のとなりから追い上げるかとかで、結果がかわってしまう繊細なものでもあります。
今回気になるのは、サガンが2位、ユアン1位が続いたってことです。
サガンは、スプリント能力もさることながら、自分のアシストが他のスプリンター選手よりも少なくても、うまく位置取りをして勝ってしまう、ひとりでできるもん!な選手なのです。
だからサガンは、他のスプリンターの選手に比べて、「自分のチームがうまくトレインを組めたかどうか」が、そこまで勝利の要素に絡まない選手なのではないかと思っています。
自分のチームがうまくトレインを組めたらそこにのるし、できなかったら一人で別のスプリンターの後ろにつけばいいから。
そのサガンが出ていて、ユアン1位、サガン2位のステージが複数あるってことは、
ユアンのスプリント能力+オリカのアシストトレインの位置取り力が、どのステージでもサガン+ボーラ・ハンスグローエを上回ってたってことなのかなと。
どこのスプリントでもサガンに勝てるってことは、
今年のユアンは、
グライペル、キッテル、カヴェンディッシュに匹敵するってことでは!?
あ。でも。
強豪スプリンターが出ていない≒そのスプリンターの一番のアシストをつとめる選手も出てない
ってことだから、トレインの位置取りがうまくいかなければ、いくらユアン本人のスプリント力が高くても、そうそう結果は出せないか……。
それに、オリカはチャベスがいるから、グランツールとかだとアシストはチャベスのための選手が多くなるだろうし、どっちかっていうとエースの総合順位よりステージ勝利数のを重視する布陣で組むロット・ソウダルやクイックステップやディメンションデータとかとはまた、状況が違う……。
しかも、今年から、グランツールの出場人数、9人から8人に減るんだっけ。
うーむ。
そう考えると、グランツールで活躍できるスプリンターって、スプリント能力以外に、どこのチームに属しているか、とかも、結構重要なんだなー。