コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ジャパンカップサイクルロードレース 2016

クリテリウム翌日の、ジャパンカップ
自分なりに、一つ決めたことがありました。

優先順位を決めて、欲張らない

結局、前日もやもやしたのって、自分が今日何をしたかったのかが、あやふやだったからかなって思ったのです。
選手を見たい、写真もとりたい、レースの状況も知りたい、餃子も食べたい、自転車グッズも欲しい、でも落ち着いてレースを見たい、エトセトラエトセトラ。
限られた時間と慣れない初めてのジャパンカップっていう状況では、すべてを選べるわけがないのです。

だから、自分にとって大切な条件の優先順位を決めました。


①レースの状況や戦況を知りたい
結局、私が一番ロードレースで好きなことは、これなのではないかなと思ったのです。
②ゴール間近の、選手のスプリントを見たい。
③式典系(スタート前のインタビューと、表彰式)は見る。

とりあえず、この条件を優先順位順に守って、あとは野となれ山となれ、ということにしました。


そして、朝9時前。
バスが、会場のスタート/ゴール地点に着いたので、とりあえず、ゴール前付近のコース把握に努めます。


が、ここでまず迷子。

ブースとコースとただの道路がどういうライン取りなのかがわからず、しばらくぐるぐるしているうちに、目の前をクネゴ(ニッポ・ヴィーニファンティーニ)や、マヌエーレ・モーリや新城幸也(共にランプレ・メリダ)が通り過ぎて、あわあわしている間にスタート前サインが始まりました。

結構あせりました。


どうしよう。
スタート前サインは見たい、特にワールドチーム、中でもBMCだけは絶対に見たい(クリテリウム前のパレードランで、BMCのパフォーマンスが一番面白かったから)。でも、この間に、もう観戦場所をこの間に取りに行った方がいいのではないだろうか。でも、見たい。見たい。
よし。
とりあえず、スタート前サイン見てから、観戦場所決めよう!

そんなわけで、スタート前サインはきっちり最初から最後まで見ました。


それから観戦場所を探しにいったのですが、ちょうどこのスタート前サインが終わるタイミングで、ゴール前100mから75mくらいまでのコースが、確定したのですね。
ここまでの時間では、柵がなかった場所に、柵ができはじめたのです。

ちょうどたまたまそのタイミングで柵の前に、一人分だけスペースがありました。
柵を置くか置かないかの直後だったので、本当に偶然でした。
大丈夫かな、これ、スタート終わったら通路になるのでは?とか思ったけれど、ここで迷っても仕方ないと思って、折りたたみ椅子を広げたのですが、実際には通路じゃなくて、このタイミングで道を塞がれて作られたコースの沿道でした。
結果的に、メインステージの声はしっかりと聴こえる、中継の大きなスクリーンも見える、そしてゴール手前80mくらいの、最前列で見る事ができました。

……初観戦でこれは、ほぼ奇跡的だったのではないかなと。

私。自慢ですけど。
運だけはいいんです。(笑)


実は、私、今回雨具いっさい持ってきませんでした。
いろんなツイートとかブログとか見ると、「ジャパンカップに雨具必須」ってほとんど全部書かれていたのですが、
「1年365日中、300日は雨と言われている屋久島に行ったときだって、3日間ずっと晴れたんだ!ジャパンカップもきっと晴れる!!」
って、賭けに出ました。

本当に、晴れた。快晴。
よかった。


そんなこんなで、レースがスタートしました。
最初、4人の選手の逃げが決まり、トレックセガフレードプロトンに蓋をし始めたのですが、そこからさらに2人抜けて、4人の逃げ、追走集団2人、メイン集団、の並びになりました。

しかし、この追走2人が逃げの4人になかなか追いつけず、1周終えてゴール付近まで戻ってきた時、約40秒くらい離れていました。
結果的に、この2人のうち、1人がちぎれ、もう1人の選手だけが前にあがり、5人の逃げになります。

そのうち1人は、今日で引退を表明している、ブリジストンアンカーの井上選手でした。
また、この5人の中に、一人だけワールドチームのブレシェル(キャノンデール・ドラパック)が入りました。

レースはこの状態で、しばらく落ち着きます。
メイン集団は、スカイ、トレック、オリカ、とかがコントロールして、2分〜2分半くらいで保ってました。


私は、1周目が終わったときに、ブースをいろいろ見ようと思い、移動を開始。
でも、あんまり欲張るとよくないと思ったので、どんなメーカーやブランドが出展しているのかを見て、あとカンチェラーラが来ているかだけ見ようと思いました。

それで、遠くからすごく勢いのあるMCが時折聞こえて来る、トレックブースに行ってみました。

カンチェラーラが、セガフレードブースでバリスタしてました。

そのあと、グッズ販売のところでサイン会みたいな感じになったので、勢いでDVDのジャケットにサインをもらって、そのまま退散しました。
すごい人だったし、優先順位はレース状況!って決めていたので、長居はしない!


観戦場所にもどってもう1周くらい見て、今度は早めにご飯を調達しようと思い、フードエリアへ向かって、即決で食べ物を購入して、また観戦場所に戻り、今度は早めのご飯を食べながらレースを見ます。
このあたり、メインステージでは、ガールズケイリン選手のトークショーとか、ディメンションデータのボアソン・ハーゲンのトークショーとか、弱虫ペダル作者の渡辺先生のトークショーとかがありました。


食事が終わってしばらくレースを見ていて、「そうだ、まだレースが落ち着いてるし、ゴールポイントより向こうの、坂きついとこちょっとだけ見てみよう」と思い立ちました。

で、ちょうど歩き始めてメインステージの前通りかかったときに、
サプライズっていうか、気が向いたからって感じで、カンチェラーラがメインステージに登場。
トークショーが始まったので、足をとめてみていました。


一番記憶に残ったのは、「ワールドツアーになるために、ジャパンカップに必要なものはなんだと思いますか?」という質問。
カンチェラーラの答えを要約すると「大きなスポンサー。お金。そしてそれで、もっと多くのワールドチームを呼び込むこと」でした。

冷静に、性格に物事を見ている人なのだなあって思いました。
綺麗事いっても仕方ないものね。
あくまでも、プロスポーツ。ヨーロッパの方が、その感覚は強いのかもしれないですね。

カンチェラーラのトークショーが終わったので、ちょっとだけ歩いて坂を登り、ちょうど補給エリアに来たので、補給シーンを観戦。

それから、JsportsブースでDVDとカレンダーを買って、また観戦場所に戻りました。
もう十分状況は楽しんだので、あとはもうレースに集中!!


逃げが崩れだしていて、いつの間にか4人になっていました。
そこから井上が脱落し、逃げは3人に。
まだブレシェルが残っていたので、もしかして、前待ち作戦?とかちょっとだけ期待しましたが、そういう展開にはなりませんでした。

ここまで落ち着いていたメイン集団も活性化し、逃げとのタイム差も縮まって来ていました。

逃げでは、残っていた宇都宮ブリッツェンの堀が遅れ、ブレシェルとキナンサイクリングのガルシアのみになり、それもやがて吸収。

そして、登りでブリッツェンがトレインを組み、集団の先頭にたち、ちょっとしてからチーム右京のプジョルが強烈なアタック!

それについていく形で、4人の先頭集団ができます。
そこからちょっと離れて追走集団があり、さらにその後ろにも集団が、というように、バラバラになります。


そして残り1周に入るところで、ランプレ・メリダの選手がアタックをして、一人抜けた状態で私の前を通り過ぎていきまいた。
てっきり、新城選手だと思っていたので
「ユキヤー!!……じゃない」
っていうとても失礼な応援になってしまったことを、心のそこから反省しています。
ペティッリだったそうです。


そして、その状態で大きな登りに入っていきますが、ここで、キャノンデールのヴィレッラがものすごいアタックを仕掛け、二番手以下を引き離します。

ヴィレッラを追う数名のグループ、さらにその後ろにもう一つの追走グループ、という形で、下りに入っていきます。

ヴィレッラのアタックがすごいので、下りが終わって、後ろの二つのグループがどれだけ綺麗に回れるかが勝負です。

しかし、下り終わって、微妙な牽制がはじまってしまいました。
完全にスピードが遅くなる牽制じゃないけど、背後の選手を気にしながらの追い上げです。

一方、ヴィレッラもまた、かなり背後を気にしていました。
ただ、勢いは衰えなかった!
1km切って、全然後ろが来てなかったあたりで、観客はヴィレッラの勝利をほぼ確信している感じでした。

そのまま逃げ続け、やがて本人も勝利を確信した様子で、両手をあげてゴール!
優勝はキャノンデールのヴィレッラでした!!強かった!!
続いて、オリカ・グリーンエッジのユールイェンセンが、追走集団を抜け出して2位!
そのすぐ後ろから、二人で3番を争ってスプリントをしたのは、ランプレ・メリダのマヌエーレ・モーリとオリカ・グリーンエッジのロバート・パワー!
買ったのは、パワー!!
オリカが2、3位を取りました。
すぐ後ろから、5位プジョルと6位になったピーターズ(SKY)。
モーリがすっごく悔しそうでした。


そして、続々とほかの選手がゴールしていき、そのすべてを見守って、やがてコース開放です。
とたん、ヌーの大移動みたいにすごい人の群れにもみくちゃにされます。
最初はわからなかったのですが、バスが混むから表彰式を見ないで帰るかたが結構たくさんいるのですね。

一方、ゴールした選手たちは、そのまま各自のブースに行って、サイン会が始まります。
ファンサービス、すごい……。
私は、表彰式を優先することを決めていたので、そのままメインステージが見えるところに移動し、表彰式を見ました。

総合1位から3位までの3人の、シャンパンの掛け合いが、ものすっごく楽しそうでした。

バスまで時間が余ったので、トレックブースに寄って、別府の最後の締めのあいさつを聞き、セガフレードのエスプレッソを飲んでから、バスに乗って東京に帰りました。



えっとね。
楽しかった。

うん、今日は楽しかったです。
レース展開を把握しながら、レースを見ることが、私にとっては大きいんだってことがわかりました。

そして、ジャパンカップって、お祭りなんだなって思いました。
たくさん見所があって、楽しいことがあって、目移りしていると終わっちゃうので、目的を明確にしてないと、誘惑に負けて何しに来たのかわからなくなっちゃうなって思いました。


ちゃんと楽しめてよかったです。
なんだか、自分でほっとしました。

そんな感じの、初ジャパンカップでした!

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