コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

世界選手権 男子エリートロードレース 2016

いよいよ、来てしまいましたね。この日が。
来年のアルカンシエルを着る選手が決まる日が……!!


そんなこんなで、暑いカタールの日差しの中、257.5kmの長いレースがスタート!!

レース序盤に、7人の逃げが決まります。



逃げ集団とメイン集団との差は、10分〜11分前後で落ち着きます。
平地にもかかわらず、かなりスピードは遅めでした。
逃げは、タイム差がだいたい決まるまでは、時速38kmくらい。メイン集団が時速28km。
すごく暑いのと、風が強いのだと思います。一回表示出た時は、気温36℃でした。


しかし。
悲しいくらい、お客さんいない!!
……暑いからかな。


ゆったりなので、メイン集団内の選手は軒並みチームカーに氷をもらいに行ったりしています。
あと、オンボードカメラの映像で集団の様子を流してくれていました。

グライペルが、ものすごく大きい水か氷の入った感じの容器を背中に入れていました。
あと、サガンのヘルメットがかっこよかったです。
あれは、スロバキアの国のモデルなのかな。ちょっと欲しい。
そういえば、もうサガンアルカンシェルモデルはもう見られないかも知れないのですね。

サガンは、今日優勝可能性がないわけじゃないですが、今日は登りが本当にない平坦ステージってことを考えると、ライバルが多すぎるとの、チームの人数が少ないなあという感じです。

世界選手権は、国別に、出場できる人数枠が違います。
ベルギーや、オランダ、スペイン、イタリア、イギリス、オーストラリアなんかは、9人。
対して、スロバキアは3人だけなのですね。

出場選手の人数が国によって大きく違いがあり、しかも平坦で風が強いレースなので、アシストの風よけとしての役割がとても大切なレースになる可能性が高いので、人数を揃えられる国が、とても有利なレースです。

ただ、もちろん先日のパリ〜トゥールみたいに、ゴール直前のアタックが決まったりする場合や、もっと手前からの大きな逃げが決まる可能性もありますし、
そういやサガンは、普段から一人でできるもん戦法で、どこかのチームのエースの真後ろについて、他チームのエースをアシスト代わりにしてしまう場合も多かったですね。

なんだ!こうやって冷静に書いていくと、全然サガン可能性あるじゃん!!
個人的には、ベルギーのボーネンか、コロンビアのガリビア、そしてドイツのグライペルが有力かなと思っています。


先頭が残り180km切ったあたりで、急に集団がいきなりスピードをあげます!
平地でスピードあげて、集団の分断をはかっています。
斜めに先頭交代をしている……。
横風作戦だ!!イギリスが中心か!?
なんとその速度、平均時速、73km!!

………………………………え?
これ、平地…………。


どうしよう。自分の見たものが信じられません。

これで大きく集団がわかれ、オーストラリアのカレイブ・ユアンなどが大きく遅れてしまいました。
オランダのデュムランも、このタイミングでなんとパンク!!大きく遅れをとります。
これで一気に先頭とのタイム差は、170km時点で5分30秒まで縮まります。


で、次にこの別れた集団の1番目の集団を、ベルギーがものすごい勢いで引いていきます。
だいたい、この集団は30人程度でしょうか。サガンがいるのは確認できました。カヴェンディッシュも残っています。
あとは、ベルギーのボーネンやヴァン・アーベルマート、イタリアのベンナーティやヴィヴィアーニ、オランダのテレプストラ、ノルウェーのボアソンハーゲンとクリストフ、オーストラリアのマイケル・マシューズもここに残ったようです。

この後ろに、だいたい40秒遅れて次の集団があり、そこにグライペルやフランスのブアニ、イギリスのベン・スフィフトがいます。
新城もこのあたりにいるようです。別府はこの後ろの集団!

そんななか、第2かその後ろくらいで追いかけていたコロンビアのガリビアが落車!
そして、リタイアすることに。
うわあ、そんな!!?


残り、150km。
先頭集団は6人。
その1分20秒後ろに、サガンボーネンがいる第1集団、29人。そこから50秒くらい遅れて、グライペルがいる第2集団です。
ここに、同じくドイツ勢のキッテル、デゲンコルブもいる模様。


残り145km。
逃げ集団が、サガンボーネンがいるグループに吸収されました!


残り135km。
サガンボーネンがいる先頭集団から、約1分遅れて、1つ目の追走グループ。
先頭集団で一番人数が多いのは、ベルギーで6人です。トム・ボーネンや、ストゥベン、ヴァン・アーヴェルマートとかがいます。次に多いのが、イタリアかな?ヴィヴィアーニ、ベンナーティなど、4人。
かなりレースが動いた感じがするのに、まだ130km以上あるとかなんかもう信じられない……。


残り125km。
先頭集団とその後ろの第1追走集団は、約1分10秒差です。
ただ、若干先頭集団の方がスピードが速く、じりじり差が開いている感じです。


残り115km。
先頭と、その後ろの第1追走集団との差は、1分になりました。
一応ちょっと縮まりました。
先頭集団も、その後ろの第1追走集団も、時速はだいたい45km前後です。
追走集団の勢いから見て、このタイム差で泳がせているっていうより、本当に追いつかないのだと思います。

そのうち、先頭集団が、補給地点に入りました。
ちょうどこのとき、先頭集団の一番前に、サガンがいて、補給の様子が映っていました。
スロバキアは、一応先頭集団にサガン含めて2人いるのですが、自分で補給を受け取る様子のサガン

しかし、サガンサコッシュを受け取り、中を見ようとした瞬間サコッシュの紐が切れました。

一瞬、サガンが手元見ながら「……」ってなってました。

私、とくに誰かを応援はしてなかったのですが、俄然サガンに頑張ってほしいと思いました。
サガンがんばれ!!くじけるな!!


そういえば、街中になっても、お客さんほとんどいません。
妨害の可能性はないんだけれども、これはこれで、寂しい。



残り100km。
先頭と第1追走集団とのタイム差。
1分20秒。
差が開いている〜!!!


そうこうしている間に、続々リタイアが決まります。
本日後半は、周回レースになるので、ある程度のタイム差があると、強制的にリタイアになってしまうようです。
オーストラリアのカイレブ・ユアン、イギリスのカミングス、オランダのトム・デュムランなどが続々リタイア。

残っているのは、先頭集団、第1追走集団、そしておそらく別府がいると思われる、第2追走集団だけになってしまったようです。


残り86km。
先頭と第1追走集団との差は、約1分45秒。
先頭と第2追走集団との差は、大体5分半くらいでしょうか。

このあたりで、トニー・マルティンがリタイア。
マルティンは、別府と同じ第2追走集団にいたようなのですが、諦めたのか、体調が悪かったのか。いずれにしても、ドイツがより不利な展開に。


残り80km。
先頭と第1追走集団との差は、約1分50秒です。
現在、先頭集団は26人。
ベルギー6人、イタリア4人は変わらず。


残り68km。
先頭と第1追走集団とのタイム差、2分10秒。
ううむ。差が開くばかり。
どうやら、第1追走集団に、ベルギーの選手がいて、集団を押さえにかかっているようですね。

「集団おさえる?一人か二人で、大勢の集団を、どうやって?」って首を傾げているあなたのために。
えっと、たぶんやり方はいくつかあると思うのですが、
例えば、押さえたい集団の前の方にいて、先頭交代でまわる面々に入る。
そして、自分が先頭になるとスピードを遅くしたりとか、あと、これは紳士協定としてあんまやらないらしいのですが、先頭交代のメンツに入って二番手や三番手にいるときに、先頭の人がスピードをあげても、わざと切れてついていかないとか、ってすると、うまく後方集団のスピードがあがらなくて追走がうまくいかない、みたいな方法があるのですね。


大きなステージレースだとあんまり見ない気がするので(総合エースが逃げに入る展開が少ないから、押さえっていう形は少ないのかも)、グランツールしか見てないとあんまりどうやるのかわからないかもしれないのですが、ワンデイレースだとたまに見る気がします。去年のロンバルディアでも、アスタナがこれで後方を押さえて、ニバリが勝ってました。

ただ実際にこれやると、結構集団の空気がイライラしだす気がします。(そりゃそうか)

あ。
デゲンコルブぷち切れた。
押さえにかかってるベルギーのデブシェールに、自分の水ぶっかけた。

…………ほらね。


残り50km。
タイム差は、約2分。


残り42km。
キッテル、そして、デゲンコルブ、リタイア……。
デゲンコルブ、限界まで引いていたんだろうなあ……。
落車したわけでもないのに、ほぼ倒れてました。動けなくなってた。
……熱中症……?

タイム差は、約2分45秒。


残り38km。
タイム差、3分10秒。
デゲンコルブが抜けて、一気にタイム差が開きました。
……逆にどれだけデゲンコルブが献身的に追走してたかがわかる……ちょっと切ないです。


残り約30km。
先頭集団でひいていた、ベルギーのケウケレールが仕事を終えました。リタイアです。
先頭はこれで、25人。
先頭と第1追走集団とのタイム差は、約3分20秒。


残り22km。
ついに、第2追走集団が、強制リタイアに。
先頭から約10分タイム差がついていたため、時間切れです。別府もここでリタイアになります。フミー!!

よって、残っているのは、先頭集団と、追走集団の二つの集団のみ!!
たぶん60人くらいです!

……か、過酷。


残り17km。
先頭集団と追走集団とのタイム差は、約3分25秒。
平坦ステージで通常のレースだと、大体1分追いつくのに10kmかかると言われます。
ということは、もう、先頭の25名の中から優勝が決まるのでしょう。


残り15.2km。
さあ、残りラスト1周です!
先頭は25人。追走は3分40秒遅れ。

さあ、先頭集団の中から誰が最初にしかけるか!
先頭を引くのは、ベルギーのナーセン、ストゥイベンが中心です。


残り10km。
スピードあがって一列棒状!
これ、こっからどうするのかな。
この人数で、人数残っている国がトレイン組むのか……?でも、3人以上いるのって、ベルギー、イタリア、ノルウェーの3カ国しかないよね。位置取り、関係あるんだろうか……?
考えてみれば、このくらいの人数で、平坦で先頭集団の中から優勝者争いってあんまり記憶にないです。


残り8km。
先頭をひいていたベルギーのナーセンが引くのをやめて最後尾に。
先頭はストゥイベン。


残り6km。
ベルギーのストゥイベンが仕事を終了!


残り5.5km。
イタリアのベンナーティ、仕事を終えて先頭手段を離れました!


残り5.2km.
ここでテレプストラがアタック!!しかしすぐに捕まります。


残り2.5km。
なんかスピードが落ちて集団がひし形になったなあと思ったら、ここでオランダのトム・レーザーのアタック!!
結構離れた!!後ろ、牽制始まったか!!?

しかし、残り1km切って、一列になって追いかけてきた集団に捕まりました!
そのまま陣形はゴールスプリントへ!
トレインの先頭はまずイタリアチームが前に二人!三番手にボーネンさん。その後ろがマイケルマシューズか。となりにカベンディッシュ。アシストいない?そのさらに後ろに、サガンがいるのか?結構後ろです。

イタリアは、コース右側からニッツォーロが発射!
しかし先にスプリントを開始したボーネンの方が伸びがいい!!
すると、トレインの中ではなくマイケルマシューズの隣あたりに位置していたカベンディッシュが、どんどんスピードに乗せてきます!風よけがなくても速い、カベンディッシュ!
ところが、スプリント開始時は2ラインくらい後ろにいたはずのサガンが、ニッツォーロのさらに右側から、一気に上がってきました!!

そして、そのままボーネンを交わしコース中央に駆け抜けて、カベンディッシュも抜いて、
なんとサガン優勝!!!!

うそだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?!!!?

ちょっと、う、え、そ、えええええ!!!?
そんなことってあるの、あるの、いや、もうあったんだ、えと、えと、えっと!

ペーター・サガン、2年連続、世界選手権優勝!!

本当に画面の前で叫んでしまいました。
こんなことってあるのですね。
確かに「今日はサガンを応援しよう」って思ったけど、最後に完全に普通のスプリントになった時点で、これはもうカベンディッシュのものかと思っていたのです。
だから、本当に、見ているものが信じられなかった!!
サガン、普通に全員ぶっちぎってアタックもなんも関係なくスプリントで駆け上がって優勝しました!
かっこいい!!超絶かっこいい!!


2位は、イギリスのマーク・カベンディッシュ。
3位は、ベルギーのトム・ボーネンでした。

ちなみに、新城幸也は、35位!

ペーター・サガン
ヨーロッパチャンピオンで、今年のUCIワールドツアーのランキング1位で、それで世界選手権優勝でしょう。しかも、2連勝でしょう。

なんか、夢でも見ているような気持ち。
現実感がないくらい、すごいものを見た。

本当におめでとう、サガン!!


そんな、サガンが、日本に来るんだね……。
サガンは、さいたまクリテリウムに、来るんだね…………!!!
嗚呼。嬉しい。


2年連続、世界選手権優勝かあ。
サガンモデルのアルカンシェルグッズ、レディースでも何か出ないかな。
こうなりゃ、サガンモデルのメンズのヘルメット買って、オブジェとして壁に飾っておこうかな。

もう、とにかく、サガンはすごい!!

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