コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2016 第15ステージ

はじめて見た、こんな展開。

アクチュアルスタートを切って、いつものように逃げ集団が決まるかと思いきや、なんと、コンタドールがアタックして、先頭の逃げ集団に入りました。
さらにそれにキンタナが続いた結果、逃げ集団に、現在総合6位のコンタドール(ティンコフ)と、総合1位のキンタナ(モビスター)が入るという展開!!
これ、メイン集団っていうの?逃げ集団っていうの?
14人の先頭集団です。うち、ティンコフが3人、モビスターが3人。ほかに、山岳狙いのエティックス・クイックステップのビランビッラ、ディメンションデータのフライレ、エフデジのエリッソンドなどが入っています。


慌てて、フルーム自らこの集団を追いかけますが、追いつけず離れてしまいます。
そして、先頭集団から、約1分くらい遅れて第2集団が形成されます。総合2位のフルーム(スカイ)、総合3位のチャベスと4位のイェーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ)がここに入ってしまいました。ちなみに、バルベルデ(モビスター)も先頭の逃げに加わらず、ここにいます。
この集団、なんとスカイのアシストが、ロペスガルシアの1人しかいません。
その後ろの第3グループに、スカイのアシストが取り残されてしまったのです。
スカイトレインが崩壊している。フルーム、ピンチ!!

だいたい、大きく3つの集団に分かれたあたりで、第2集団でモビスターがアタックを始めます。
……な、なんで!!?これ、フルームが先頭においついたら、モビスターこの作戦の意味ないじゃないか!
慌てたように、モビスターを第2集団のオリカのアシストの選手が追いかけますが、追いつくと、モビスターの選手のアタックがとまります。
数回、その繰り返し。
これは……撹乱中?


一方その頃先頭集団。
キンタナ、コンタドールも含めて、14人全員で綺麗に先頭交代をして全力で、逃げ……逃げって言うのか?!まあとにかく逃げています!!


残り83km。
スカイのアシストが、6人(ロペスガルシア以外全員)取り残されていた、後ろの第3集団。
コンタドールやキンタナの先頭集団から、現在5分近く遅れているこの集団。
なんとかフルームに追いつこうと、この集団の先頭で頑張っていたスカイのアシストの皆様。
なんということでしょう。
あ き ら め ま し た 。
ひくのやめましたー!!フルームに追いつくの諦めました〜!!

フルーム、アシストがロペスガルシア一人のみで、残りを戦わなければならなくなりました。
フルームとしては、他のチームのアシストの皆さんに頑張って第2集団をひいてもらうか、自分で頑張って追いつく以外に手段がなくなりました。
この第2集団に、前述のチャベス&イェーツ以外に、総合7位のサミュエル・サンチェス(BMC)や総合9位のスカルポーニ(アスタナ)がいるので、一応、ひいてくれそうなチームはいます。


残り67km。
先頭のキンタナ、コンタドールから、第2集団は2分20秒離されています。
第2集団、メインでひいているのは、スカイのロペスガルシアと、アスタナ。
……オリカがひかない理由が、よくわかりません。


残り59km。
タイム差、2分50秒。地味に、タイム差が増えています。
そして、第2集団で、アスタナが先頭をひくのをやめました。
ロペスガルシアの一人引き状態です。
一方、先頭は14人まだみんなで綺麗にまわっています。


残り55km。
スカイのロペスガルシアが、先頭から離脱してしまいました!もう第2集団からも離脱です。
ここでやっとオリカが第2集団を引き始めました。
クリス・フルーム、本日アシスト0!!


残り50km。
第2集団をひいていた、ケウケレール(オリカバイクエクスチェンジ)が力尽きて離脱しました。
オリカのアシストは、これで残り1人になってしまったみたいです。
先頭との差は、2分43秒。


残り42km
先頭が、二番目の山頂を通過しました。
一方そのころ、第2集団ではオリカのハウスンが離脱しました。
なんと総合4位のサイモン・イェーツ(オリカバイクエクスチェンジ)がひきはじめます。
イェーツは一気にペースをあげたので、第2集団の人数が減りました。


残り38km。
第2集団は、2つ目の山岳の下りに差し掛かったのですが、ここで総合7位のサンチェス(BMC)が前に出てきました!金のシューズを煌めかせ、一気に先頭との差を詰めていきます。
なんというバイクの倒しかた!なんという下り方!!サムエル・サンチェスすっごいかっこいいい!!
3分近くあったタイム差が、一気に2分切るまでに縮まりました!!


残り31km。
あれ、第2集団、引く人がいなくなってしまいました。
チームメイトが前にいる選手ばっかりになって、一旦だれもひかなくなってしまったのです。
それでも、絶対に自分でひかないフルーム。しばらくして、アスタナがまた数名前にでて引き始めました。
……フルーム、絶対に引かないんだな。
ここで、焦らず慌てず、自分の勝負所まで力を残す判断をするって、すごい精神力だと思います。


残り28km。
先頭集団と、第2集団との差は、約2分30秒です。んーむ。サンチェスが下りで縮めたタイム差が、また戻ってしまいました。
先頭はスプリントポイントに差し掛かり、ティンコフのロブニーが1位通過、コンタドールが二番手をとりました。
コンタドール、2秒のボーナスタイム、ゲットです。


残り24km。
モビスターのフェルナンデスが、先頭集団から離れました。仕事を終えて、缶コーラをチームカーから受け取ります。お疲れ様!!
先頭集団は、これで13人になりました。


残り20km。
先頭と第2集団との差は、2分10秒差です。
第2集団は、アスタナのアシストが、ゼイツ一人になってしまいました。


残り14.5km。
先頭集団が、最後の1級山岳を登り始めました!タイム差は、約2分15秒。


残り13km。
第2集団を長い間ひいていた、アスタナのゼイツが下がりました。
今度は、アスタナのルイス・レオン・サンチェスが、第2集団をひいています。


残り12km。
先頭集団から、キャノンデールのモゼールが、離脱しました。先頭集団は12名!


残り11km。
タイム差が1分55秒になりました!
先頭集団では、ちょっとローテーションがまばらな感じになってきています。
もう疲れてるよね!そりゃね!!


残り10km。
先頭集団は、モビスターとティンコフが引いています。
第2集団との差は、1分50秒。ルイス・レオン・サンチェスが縮めています!


残り8.4km。
先頭より、カストロビエホ(モビスター)とトロフィモフ(ティンコフ)が仕事を終えていきました。
フライレもきれました。
先頭集団は、キンタナがひいています!!

残り7.5km。
第2集団が、誰がひくのか、牽制をしちゃっているような、変な間がうまれるようになりました。
これは、フルーム、ちょっと大変だぞ!!


残り6.3km。
先頭集団は、まだキンタナがひいています。
タイム差は、2分5秒。


残り5.8km。
ようやく第2集団で、フルームが先頭にたちました!その後ろには、バルベルデがついています。
チャベス……どこだろう?まだこの集団にいるはずなのですが、しばらく姿が見えません。
先頭集団では、一回先頭交代をしたそうにしていたキンタナですが、他の選手が牽制をはじめたので、また先頭に戻って引き始めました。


残り4km。
バルベルデがアタック!フルームに追わせて疲れさせる作戦です!
でも、全く反応しないフルーム。フルームがそのまま集団に埋もれていくので、バルベルデはすぐにアタックをやめます。
キャノンデールやアスタナが前に出て、またフルームが先頭から下がりました。


残り3km。
タイム差は、2分4秒。
この時点で、先頭集団は8人になっています。
まだ、ずっとずっと先頭を引き続けているキンタナ。
一方フルームは、第2集団の後方に下がってしまっています!


残り2.5km。
第2集団でアタックがかかり、スカルポーニ、サンチェスらが前に行きますが、フルームが遅れています!
もはや、フルームがいるのは、第3集団になってしまいます!


残り2.3km。
先頭が、3人になりました!
キンタナ、ブランビッラ、コンタドール

まだキンタナが先頭を引き続けています!


残り1.7km。
キンタナがアタックしました!!ブランビッラがついていきます。
コンタドールはついていけません。

残り1km。
キンタナが、先頭!真後ろについているブランビッラ。
コンタドールはエリッソンドに抜かれました。17秒差。
キンタナとフルームは、2分25秒差です。

残り500m。
まだキンタナが前!ぴったり後ろにブランビッラ!
ってか、キンタナすごすぎです!!


残り150m。
ここでようやく、ブランビッラがキンタナの後ろから飛び出してアタックしました!!
キンタナは、追いません。

ブランビッラが優勝!
2位がキンタナです。

キンタナの引き、本当にすごかった!!

3位はフェリーネ(トレックセガフレード
4位はエリッソンド。
5位はデラクルス(エティックス・クイックステップ)。
6位がコンタドールです!。1位から、34秒差です。

それからちょっとして、キンタナから1分45秒くらい遅れて、オリカのチャベスがゴールしました!
フルームさらに遅れてゴールです。キンタナから、2分30秒ちかく遅れてしまいました。


そして、総合タイム。
1位は、キンタナ!
2位のフルームは、キンタナから3分37秒のタイム差になりました!
3位をギリギリ守った、チャベス。フルームとは、20秒差です。
4位は、昨日より2つ順位をあげたコンタドールチャベスとは5秒差。
5位が、サイモン・イェーツ。4位のコンタドールから1分2秒差をつけられています。


……すごいレースでした。
あんな前半に、スカイのアシストが機能しなくなるとは、まったく思いもしませんでした。
落車が起きたからでも、調子が悪かったからでもなく、ほぼ戦術のみで、こんなに総合タイム差が動くとは……。
キンタナが総合優勝に対して、かなり有利になった印象はありますが、ただ、たった1日でいろんなものがひっくりかえるのを見ると、まだまだ何が起こっても、おかしくないですね!

ブエルタは、なんというか、見ているこちらも忙しいレースですね(笑)

Amazon.co.jpアソシエイト