ブエルタ・ア・エスパーニャ 2016 第15ステージ
はじめて見た、こんな展開。
アクチュアルスタートを切って、いつものように逃げ集団が決まるかと思いきや、なんと、コンタドールがアタックして、先頭の逃げ集団に入りました。
さらにそれにキンタナが続いた結果、逃げ集団に、現在総合6位のコンタドール(ティンコフ)と、総合1位のキンタナ(モビスター)が入るという展開!!
これ、メイン集団っていうの?逃げ集団っていうの?
14人の先頭集団です。うち、ティンコフが3人、モビスターが3人。ほかに、山岳狙いのエティックス・クイックステップのビランビッラ、ディメンションデータのフライレ、エフデジのエリッソンドなどが入っています。
慌てて、フルーム自らこの集団を追いかけますが、追いつけず離れてしまいます。
そして、先頭集団から、約1分くらい遅れて第2集団が形成されます。総合2位のフルーム(スカイ)、総合3位のチャベスと4位のイェーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ)がここに入ってしまいました。ちなみに、バルベルデ(モビスター)も先頭の逃げに加わらず、ここにいます。
この集団、なんとスカイのアシストが、ロペスガルシアの1人しかいません。
その後ろの第3グループに、スカイのアシストが取り残されてしまったのです。
スカイトレインが崩壊している。フルーム、ピンチ!!
だいたい、大きく3つの集団に分かれたあたりで、第2集団でモビスターがアタックを始めます。
……な、なんで!!?これ、フルームが先頭においついたら、モビスターこの作戦の意味ないじゃないか!
慌てたように、モビスターを第2集団のオリカのアシストの選手が追いかけますが、追いつくと、モビスターの選手のアタックがとまります。
数回、その繰り返し。
これは……撹乱中?
一方その頃先頭集団。
キンタナ、コンタドールも含めて、14人全員で綺麗に先頭交代をして全力で、逃げ……逃げって言うのか?!まあとにかく逃げています!!
残り83km。
スカイのアシストが、6人(ロペスガルシア以外全員)取り残されていた、後ろの第3集団。
コンタドールやキンタナの先頭集団から、現在5分近く遅れているこの集団。
なんとかフルームに追いつこうと、この集団の先頭で頑張っていたスカイのアシストの皆様。
なんということでしょう。
あ き ら め ま し た 。
ひくのやめましたー!!フルームに追いつくの諦めました〜!!
フルーム、アシストがロペスガルシア一人のみで、残りを戦わなければならなくなりました。
フルームとしては、他のチームのアシストの皆さんに頑張って第2集団をひいてもらうか、自分で頑張って追いつく以外に手段がなくなりました。
この第2集団に、前述のチャベス&イェーツ以外に、総合7位のサミュエル・サンチェス(BMC)や総合9位のスカルポーニ(アスタナ)がいるので、一応、ひいてくれそうなチームはいます。
残り67km。
先頭のキンタナ、コンタドールから、第2集団は2分20秒離されています。
第2集団、メインでひいているのは、スカイのロペスガルシアと、アスタナ。
……オリカがひかない理由が、よくわかりません。
残り59km。
タイム差、2分50秒。地味に、タイム差が増えています。
そして、第2集団で、アスタナが先頭をひくのをやめました。
ロペスガルシアの一人引き状態です。
一方、先頭は14人まだみんなで綺麗にまわっています。
残り55km。
スカイのロペスガルシアが、先頭から離脱してしまいました!もう第2集団からも離脱です。
ここでやっとオリカが第2集団を引き始めました。
クリス・フルーム、本日アシスト0!!
残り50km。
第2集団をひいていた、ケウケレール(オリカバイクエクスチェンジ)が力尽きて離脱しました。
オリカのアシストは、これで残り1人になってしまったみたいです。
先頭との差は、2分43秒。
残り42km
先頭が、二番目の山頂を通過しました。
一方そのころ、第2集団ではオリカのハウスンが離脱しました。
なんと総合4位のサイモン・イェーツ(オリカバイクエクスチェンジ)がひきはじめます。
イェーツは一気にペースをあげたので、第2集団の人数が減りました。
残り38km。
第2集団は、2つ目の山岳の下りに差し掛かったのですが、ここで総合7位のサンチェス(BMC)が前に出てきました!金のシューズを煌めかせ、一気に先頭との差を詰めていきます。
なんというバイクの倒しかた!なんという下り方!!サムエル・サンチェスすっごいかっこいいい!!
3分近くあったタイム差が、一気に2分切るまでに縮まりました!!
残り31km。
あれ、第2集団、引く人がいなくなってしまいました。
チームメイトが前にいる選手ばっかりになって、一旦だれもひかなくなってしまったのです。
それでも、絶対に自分でひかないフルーム。しばらくして、アスタナがまた数名前にでて引き始めました。
……フルーム、絶対に引かないんだな。
ここで、焦らず慌てず、自分の勝負所まで力を残す判断をするって、すごい精神力だと思います。
残り28km。
先頭集団と、第2集団との差は、約2分30秒です。んーむ。サンチェスが下りで縮めたタイム差が、また戻ってしまいました。
先頭はスプリントポイントに差し掛かり、ティンコフのロブニーが1位通過、コンタドールが二番手をとりました。
コンタドール、2秒のボーナスタイム、ゲットです。
残り24km。
モビスターのフェルナンデスが、先頭集団から離れました。仕事を終えて、缶コーラをチームカーから受け取ります。お疲れ様!!
先頭集団は、これで13人になりました。
残り20km。
先頭と第2集団との差は、2分10秒差です。
第2集団は、アスタナのアシストが、ゼイツ一人になってしまいました。
残り14.5km。
先頭集団が、最後の1級山岳を登り始めました!タイム差は、約2分15秒。
残り13km。
第2集団を長い間ひいていた、アスタナのゼイツが下がりました。
今度は、アスタナのルイス・レオン・サンチェスが、第2集団をひいています。
残り12km。
先頭集団から、キャノンデールのモゼールが、離脱しました。先頭集団は12名!
残り11km。
タイム差が1分55秒になりました!
先頭集団では、ちょっとローテーションがまばらな感じになってきています。
もう疲れてるよね!そりゃね!!
残り10km。
先頭集団は、モビスターとティンコフが引いています。
第2集団との差は、1分50秒。ルイス・レオン・サンチェスが縮めています!
残り8.4km。
先頭より、カストロビエホ(モビスター)とトロフィモフ(ティンコフ)が仕事を終えていきました。
フライレもきれました。
先頭集団は、キンタナがひいています!!
残り7.5km。
第2集団が、誰がひくのか、牽制をしちゃっているような、変な間がうまれるようになりました。
これは、フルーム、ちょっと大変だぞ!!
残り6.3km。
先頭集団は、まだキンタナがひいています。
タイム差は、2分5秒。
残り5.8km。
ようやく第2集団で、フルームが先頭にたちました!その後ろには、バルベルデがついています。
チャベス……どこだろう?まだこの集団にいるはずなのですが、しばらく姿が見えません。
先頭集団では、一回先頭交代をしたそうにしていたキンタナですが、他の選手が牽制をはじめたので、また先頭に戻って引き始めました。
残り4km。
バルベルデがアタック!フルームに追わせて疲れさせる作戦です!
でも、全く反応しないフルーム。フルームがそのまま集団に埋もれていくので、バルベルデはすぐにアタックをやめます。
キャノンデールやアスタナが前に出て、またフルームが先頭から下がりました。
残り3km。
タイム差は、2分4秒。
この時点で、先頭集団は8人になっています。
まだ、ずっとずっと先頭を引き続けているキンタナ。
一方フルームは、第2集団の後方に下がってしまっています!
残り2.5km。
第2集団でアタックがかかり、スカルポーニ、サンチェスらが前に行きますが、フルームが遅れています!
もはや、フルームがいるのは、第3集団になってしまいます!
残り2.3km。
先頭が、3人になりました!
キンタナ、ブランビッラ、コンタドール!
まだキンタナが先頭を引き続けています!
残り1.7km。
キンタナがアタックしました!!ブランビッラがついていきます。
コンタドールはついていけません。
残り1km。
キンタナが、先頭!真後ろについているブランビッラ。
コンタドールはエリッソンドに抜かれました。17秒差。
キンタナとフルームは、2分25秒差です。
残り500m。
まだキンタナが前!ぴったり後ろにブランビッラ!
ってか、キンタナすごすぎです!!
残り150m。
ここでようやく、ブランビッラがキンタナの後ろから飛び出してアタックしました!!
キンタナは、追いません。
ブランビッラが優勝!
2位がキンタナです。
キンタナの引き、本当にすごかった!!
3位はフェリーネ(トレック・セガフレード)
4位はエリッソンド。
5位はデラクルス(エティックス・クイックステップ)。
6位がコンタドールです!。1位から、34秒差です。
それからちょっとして、キンタナから1分45秒くらい遅れて、オリカのチャベスがゴールしました!
フルームさらに遅れてゴールです。キンタナから、2分30秒ちかく遅れてしまいました。
そして、総合タイム。
1位は、キンタナ!
2位のフルームは、キンタナから3分37秒のタイム差になりました!
3位をギリギリ守った、チャベス。フルームとは、20秒差です。
4位は、昨日より2つ順位をあげたコンタドール、チャベスとは5秒差。
5位が、サイモン・イェーツ。4位のコンタドールから1分2秒差をつけられています。
……すごいレースでした。
あんな前半に、スカイのアシストが機能しなくなるとは、まったく思いもしませんでした。
落車が起きたからでも、調子が悪かったからでもなく、ほぼ戦術のみで、こんなに総合タイム差が動くとは……。
キンタナが総合優勝に対して、かなり有利になった印象はありますが、ただ、たった1日でいろんなものがひっくりかえるのを見ると、まだまだ何が起こっても、おかしくないですね!
ブエルタは、なんというか、見ているこちらも忙しいレースですね(笑)