コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2016 第10ステージ

休息日明けの第10ステージ。

みなさん、昨日はちゃんと寝ましたか?
コンタドールのリタイアのショックから立ち直りましたか?

私は、ホアキンの引退に衝撃を受けていました。
カチューシャのホアキン・ロドリゲスリオ五輪後に引退するそうです……。


ホアキン、すごい好きな選手です。
去年のさいたまクリテリウム。壇上でのあいさつのとき、一人だけポケットにメモ忍ばせていて、マイク持って日本語で「キョウハ、カチマス」って言ったのを聞いて、一気にファンになりました。
私の会社のPCのデスクトップ画面は、去年さいたまクリテで撮った、フルームとホアキンの走っている姿なんですが、今日は仕事中、パソコンのデスクトップ画面を見るたびに、目が潤みそうになりました。

うう〜。
ホアキンの走りを見始めて一年くらいしか経っていないのに、こんなにさみしいなんて。
ツールもリオも、がんばってねホアキン!!



さあ。
気をとりなおして、今日のツールです。休息日明けの第10ステージ!!
今日は、最初に1級山岳があり、そのあとぐぐい、っと降って、そのあとほぼまっすぐなステージでした。
逃げ切って勝つか、それとも最後集団スプリントバトルになるか、そんなとこが注目な日。


レースの頭は、逃げ合戦。
だいたい残り120km地点くらいで、最終的に15人くらいの逃げ集団で落ち着きました。

その逃げ集団の中でも、特に注目な選手の名前をあげると、
サガン(ティンコフ)、ニバリ(アスタナ)、ボアソンハーゲン(ディメンションデータ)、カミングス(ディメンションデータ)、ヴァン・アーヴェルマート(BMC)、ルイ・コスタ(ランプレ・メリダ)、シルヴァン・シャバネル(ディレクトエネルジー)、マイケル・マシューズ(オリカ・バイクエクスチェンジ)、トニー・ギャロパン(ロット・ソウダル)、ランダ(スカイ)などなど。


ええと。
豪華すぎてだれに注目していいかわかりません。

どうせだから、あと5人も書いておきます。
ダリル・インピー(オリカ・バイクエクスチェンジ)、ダーブリッジ(オリカ・バイクエクスチェンジ)、イサギレ(モビスター)、カルーゾ(BMC)、サミュエル・デュムラン(アーゼードゥーゼル)。
これで全員です。
一番人数が多いので、もしこのまま逃げ集団がゴールまでメイン集団に吸収されなければ、オリカのマイケル・マシューズがゴールでは有利かもしれません。


メイン集団は、誰も逃げにいれていないカチューシャや、マイヨ・ジョーヌのフルームをかかえるスカイ、イアム・サイクリングなどが牽いていました。
先頭の逃げ集団とメイン集団の差は、残り100km前後からずっと、6〜7分くらいです。



残り75km地点くらいにあった、中間スプリントポイントは、サガンが一人で、後ろを振り向きながら1位通過しました。
他の選手はまったく争う様子を見せませんでした。

この時点でサガンは、マイヨ・ヴェール(みどりジャージ)を、ディメンションデータのカヴェンディッシュから奪い返しました!


残り50km。
先頭と集団とのタイム差は、約5分。
メイン集団は、ボクレールを中心にディレクトエネルジーが引きます。
コカールの、優勝狙いのために追いつきたいって感じだと思われます。


残り24km。
先頭集団が、横風の影響を受けて、三つに分かれました!

サガン率いる先頭7名。オリカは三人ともここにいます。ボアソンハーゲンもここです。
間をおいて、ニバリ、ランダの2名。
最後が、ルイ・コスタやシャバネル、カミングスがいる6名。
メイン集団は4番目の集団となります。

サガンたち先頭と、メイン集団の差は、約4分。


残り21km。
三番目の集団が、ニバリとランダを吸収。
先頭7名、追走8名、メイン集団になります。
メイン集団も、分断が始まっています。


残り19km。
先頭のサガンたちのグループと、ニバリのグループの手段の差が、1分。
先頭とメイン集団との差は、約5分。
ほぼ、逃げ切り勝利は決まったと考えられるタイム差です。


残り14km。
先頭とメイン集団との差は、6分20秒。

先頭集団は依然7名です。
サガン、サミュエル・ドュムラン、ボアソンハーゲン、ヴァン・アーヴェルマート、そしてオリカが三連星、マシューズ、インピー、ダーブリッジ。

人数構成でいうと、断然オリカのマシューズが有利です。


残り12km。
先頭グループと、ニバリのグループのタイム差は、2分。
こうなると、おそらく先頭7名の中から優勝者が出ると考えて間違いないでしょう!

残り10km。
オリカのダーブリッジがひきまくってます。
そして、その流れのまま、上りへ。

残り8km。
ダーブリッジが下がって、サガンが行きます!
それを追って、オリカのインピーがサガンを抜いて先頭に出ます。

サガンがもう一度さりげなく前にでます。
インピーがアタックに行きます!追うサガン
インピーは、こうやって他の選手を疲れさせて、マシューズの勝利を有利にしようというチームプレーなのです。

残り7km。
サガンが先頭です。二番手マシューズ、三番手ボアソンハーゲン。


残り6km。
またサガンが一気にペースをあげて、下りがスタート!!
さあ、きたれ、サガンタイム!!

と、ここでなんと、ボアソンハーゲンがサガンを抜かして行きました!

サガンは落ち着いて対処します。吸収!

残り3.2km。
インピーが行きます!!
サガンが追う、次がマシューズ。ボアソンハーゲン。デュムラン。ヴァン・アーヴェルマート。
サガンが、大変そう!追いまくり!

残り2.2km。
再度インピーがアタック!
でも、サガンを抜く前に先にチェックされました。

反応がはやすぎて、アタックがアタックもどきで終わります。


残り1.5km。
インピーが先頭です。
サガン、マシューズ、ボアソンハーゲン、デュムラン、最後尾から動かないヴァン・アーヴェルマート。

このままの並びで、残り1kmのフラム・ルージュを通過します。

残り、600m。
500m。まだインピー先頭。
400m。まだ、動かない……!

残り300m。
最後尾のアーヴェルマートがしかけます!
すぐさま、インピー以外の全員が反応!

アーヴェルマートとボアソンハーゲンがいい感じで二人前で並びます。一度ここにならびかけたサガンは、一旦後ろに下がります。
その間に、アーヴェルマートの右からマシューズが!!
マシューズの後ろからサガンが追ってきます。
ここからサガンがまた追い上げるのですが、マシューズのが速い!!

マイケル・マシューズが優勝です!!

完全なるチーム戦略勝ち。
マシューズ本人の実力もさることながら、インピーとダーブリッジの献身の成果です。

ロードレースの面白さは、成績は個人につくのに、戦略はチーム戦として行うところにあると思っています。
それを証明するような、オリカの戦略がばっちりはまったレースでした!

2位は、サガン。3位はボアソンハーゲンです。
最後までまったく前に出ずに、ステージ優勝を狙いに狙いまくっていたアーヴェルマートは4位でした。


サガンは、今日、カヴェンディッシュに38ポイントの差をつけて、マイヨ・ヴェールをゲットしました!
カヴェンディッシュも本当にスプリントは速いけれど、サガンは登りも速いので、スプリントポイントが山岳を超えた先にあるようなコースが存在する以上、マイヨ・ヴェール争いにおいては、サガンが断然有利だなあと思うのです。

そして、敢闘賞もサガンでした!
一番引いて、チェックにも行っていましたからね。
言い換えれば、一番戦ってたってことですから!たぶん。



ちなみにメイン集団は、みんなでなかよく一斉にゴールしていました。
よって、マイヨ・ジョーヌは変わらず、スカイのクリス・フルームのままです。
現在山岳賞のピノもメイン集団にいたのですが、逃げ集団に山岳ポイント争いに今日参加できるようなポイントの選手がいなかったので、ピノが昨日に引き続き山岳賞です。



明日は平坦ステージ。
その次は超級山岳ゴール設定になっている、モンヴァントゥー。
パンターニが走った最速タイムが、未だ破られていない山です。

モンヴァントゥーも楽しみだけど、
私は、そろそろなんだかTTが見たいぞ!!
TTは、モンヴァントゥーの翌日の、第13ステージです。
あと三日。あと三日……!!

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