コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2016 第9ステージ

今日は、総合争い必死の、山岳ステージです。
そこで……ショックな出来事が……。


今日は、レース序盤で大きな逃げ集団ができました。
最初は40人くらいいて、中間スプリント狙いのサガン(ティンコフ)や、山岳ポイント狙いのティボ・ピノ(エフデジ)や、本日山岳ジャージ着用中のマイカ(ティンコフ)などもここにいました。

メイン集団は、マイヨ・ジョーヌを擁するチーム・スカイのコントロールです。


残り170km地点で、コンタドールがアタックをします!!
バルベルデもそれに続き、コンタドールバルベルデとともに、一旦逃げ集団に入ります。

しかし、それで現在総合5位のバルベルデが逃げ集団に入ったことにより、警戒したメイン集団のスカイが逃げを吸収しようと集団のペースをあげます。

逃げ集団をひくモビスターは、集団のスピードをあげるのですが、そこでコンタドールが遅れてしまいます。

サガンがなんとか引こうとするのですが、速度が出せず、結局サガンコンタドールをおいて逃げ集団に戻ります。
コンタドールは結局メイン集団に吸収されてしまいました。


最初の山岳。
ピノがとります。
これで暫定山岳賞。
2位通過はデヘント。山岳ジャージを着ているマイカは、3位通過です。

このまま、前方の逃げ集団は、そのまま逃げ続けます。
追うメイン集団は、ずっとスカイの牽引です。
メイン集団に吸収されたコンタドールが、何度も何度もチームカーを呼んでいます……。
ついていけてないのか……。


残り100km地点。
そのコンタドールが、バイクを降りました。

そして、カメラに向かって手をあげて、チームカーの助手席に乗りました。
コンタドール、ここでリタイアです。


次の1級山岳は、デヘントがとりました。2位通過がピノ。
マイカがちょっときつそうでした。

そのあとすぐの中間ポイントは、サガン
ポイントジャージを取り戻しにかかっています。
ただ、現在、マイヨ・ヴェールカヴェンディッシュには、まだ届きません。


その次の2級山岳ポイントは、デヘントがとりました。
すぐ次にある1級山岳は、ピノがとります。


これで、ピノは山岳ポイントが60ポイントです。
今日は、ゴールが超級山岳の頂上ゴールなので、今日優勝する選手の山岳ポイントが50ポイントもあります。
優勝者によっては、すぐに覆ってしまうので、ピノは油断できません。


残り24km。逃げ集団から降りてきたサガンが、メイン集団に合流しました。
この時点で、集団と先頭のタイム差は、約8分。
逃げ集団は、10人くらい残っています。
ランプレ・メリダルイ・コスタや、ジャイアント・アルペシンのトム・デュムラン、エフデジのピノ、ティンコフのマイカなどが残っています。


残り18km。
逃げ集団の中から、ランプレ・メリダルイ・コスタのアタック。
アスタナのディエゴ・ローザ、モビスターのアナコナが追います。
イアム・サイクリングのマティアス・フランクも追いついてきます。


残り14km。
ジャイアント・アルペシンのトム・デュムランが逃げ集団の先頭にたち、スピードを上げ始めます。
ルイ・コスタ、ローザ、マイカは、デュムラン率いる逃げ集団についていけません。
逃げ集団では、ピノがみんなに「まわろう!」っていうような声をかけていました。

この時点で、メイン集団とのタイム差は8分20秒。
逃げ集団の中から、優勝者が出そうですね。


残り12.6km。
デュムランのアタックです。
ピノやルイ・コスタなどが中心となって後を追います。


残り10km。
トム・デュムラン、未だ独走中。
追走集団との差は、53秒。
メイン集団との差は、約9分。

デュムラン、TTが強いし(オランダのTT王者)、追走集団は牽制し始めちゃってるので、デュムランがかなり有利です。


残り8.3km。
ルイ・コスタが追走集団から抜け出して、デュムランを一人で追いかけます。
デュムラン、コスタ、ピノ率いる追走集団、メイン集団、という順番に。

残り6km
追走集団にいたマイカが、ピノを振り切って前に行きます。
マイカはコスタに追いつき、二人で回ってデュムランを追いかけます。
でも、デュムランには、なかなか追いつきません。

残り5.5km。
先頭は、独走中のデュムラン
続いてマイカとルイ・コスタが44秒差です。
それを追うのが、ピノと、モビスターのアナコナです。
メイン集団では、スカイがペースをあげました。


雨が降りはじめました。
っていうか、雹が降っています。
今、7月なんだけど!?


残り4km。
デュムランとマイカ&コスタの差は、約42秒です。
逃げ切れるか……?

しかし、雨とか雹がすごいです。なのに、でも、お客さん10人に一人くらいしか、傘をさしていません。
ヨーロッパの雨の基準がわからない。



残り2.7km。
動きがあったのは、メイン集団。フルームがアタック!
しかし、モビスターのエース、キンタナがピタリと後ろについていく!
BMCのリッチー・ポート、エティックス・クイックステップダニエル・マーティンが遅れてその後ろからついていきます。


残り2km。
デュムランがまだ独走中。
追走の二人とのタイム差は、42秒差から変わりません。

メイン集団では、今度はダニエル・マーティンのアタック!フルームがチェック。
今度はリッチー・ポートがアタック!またまたフルームがチェック。
今度は、トレックセガフレードのエースのモレマがの攻撃!またまたフルームがチェック。
全員で、フルームを疲れさせる作戦でしょうか。
それとも、フルームが意地になっているだけ……?


一方、先頭ではいよいよデュムランが、大きな雹が降る中、フラム・ルージュを通過します。
そして、ものすごい雹の中、デュムランの勝利が決まりました。

遅れて、2位はルイ・コスタ。最後に競り負けて、マイカは3位でした。
ピノは6位。結果本日の山岳賞をとりました。


そのころ、メイン集団。
未だにバウク・モレマ、リッチー・ポート、ダニエル・マーティンが順々にアタックをしかけ、ことごとくフルームがチェックにいきます。


ついにメイン集団が残り1km地点を過ぎました。
リッチー・ポートが先頭。真後ろにフルーム、その後ろがキンタナです。


残り300m。
アダム・イェーツが行きます。フルームがチェック。キンタナはずっとフルームの後ろから離れません。

そのまま、イェーツ先頭で、集団勢がゴールに入って行きました。


マイヨ・ジョーヌは、フルームがキープです。
今日の敢闘賞は、ステージ優勝したデュムランがとりました。


そして、最後に、コンタドールのリタイア直後のインタビューがありました。
コンタドールは、今日、朝から熱があったそうです。
「走ってはみたけれど、調子があがらなくて、レースを続けることができなかった」と……。


私は、去年のシーズンのほぼ終わり頃からロードレースを見始めたので、コンタドールの過去の様々な勝利を、ほとんど見ていません。
けれど、そんな「今年のレースをちょっと見たことある」くらいの私にとっても、
コンタドールは、ヒーローなんです。


ロードレースのことを、ほとんど知らない私にも、ロードレース関係で仕事をされている様々な方々がいろんな場所で発信している情報から、コンタドールがすごく素敵で、魅力的な選手かは伝わってきます。
みんなが尊敬していて、みんながファンで、冷静にレース状況を見ながら、熱い走りをしていて、リーダーで……。


だから、いろんな方々が「僕はコンタドールのファンです!」って言い切っちゃうようなコンタドールの走りを、今年のツールでは目に焼き付けるんだって、そう思ってました。


そんな風に考えていたからなのか、
リタイアは、仕方のないことだとわかっていても、とてもショックでした。


今日は序盤にアタックをしていたので「初日や二日目の落車のダメージ、少しずつよくなっているのかな」って、勝手に思っていましたが……本当はギリギリのところで走っていたんだなと思いました。


落車しても、怪我しても、今日まで走り続けたコンタドール
いつものリズムカルなダンシングがほとんどできなくて、集団からどんどん遅れるコンタドールを見るのは、正直少し辛かったです。だけど同時に「負けないでくれ」って思っていました。


足ほぼ捻挫しているような怪我の状態で、微熱まであって、厳しい山の登りで、
その状況下で、コンタドールはアタックをしていたんですよね。
本当に本当にショックだったし、悲しいけれど、
コンタドールはできる限り限界まで戦っていたってことを、忘れないでいようと思います。


コンタドールは、リタイアする瞬間も、悲しい顔や悔しい顔を一切見せずに、
口元に小さな微笑すら浮かべて、カメラに向かって手をあげました。
自分がどれだけ影響力をもっているか、自覚している人の振る舞いだと思いました。
やっぱり、ヒーローです。


幸いというかなんというか、コンタドールは今シーズン限りと表明していた引退を、撤回してくれました。
どうかどうか、怪我をちゃんとなおして、絶好調のコンタドールの勝利シーンを、見ることができますように……。



嗚呼。

それでもなんだか、力が抜けてしまった……。
走りを期待している選手が、怪我でリタイアしていく姿って、こんなにショックだったんだ。

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