ツール・ド・フランス 2016 第7ステージ
今日は、ピレネー山岳1日目。
最初ずっと平坦で、最後に1級山岳がある、山岳ステージです。
最後の最後に、大きな下りがあります。
本日は、レース序盤に、カヴェンディッシュやサガンなど、ポイント賞狙いと思われる選手たちが乗った、12人くらいの逃げができていたらしいです。
そこから、さらに集団からその逃げに乗ろうとした選手がいて、追走集団がうまれて、それが吸収されてまた別の人たちがアタックして逃げて……と、逃げが決まらず、高速でレースが展開していました。
残り109km地点で、やっと集団がアタックをやめて、逃げ集団が決まりました。
その人数、29人。
逃げっていうか、もはや第一集団。
現在マイヨ・ジョーヌのヴァンアーベルマートも、この逃げ集団に入っています。
他にも、有名どころがずらずら。
昨年ツールで1勝した、ジャイアント・アルペシンのゲシュケやディメンションデータのカミングス。
ツールで過去3勝してる、ディレクトエネルジーのシルヴァン・シャバネル。
現TT世界王者である、チーム・スカイのキリエンカ。
元TT世界王者、エティックス・クイックステップのトニー・マルティン、トレック・セガフレードのカンチェラーラもこの逃げにのっています。
そんでもって、こないだジロで総合優勝した、アスタナのニバリもこの集団の一員です!
フルームやコンタドールがいるメイン集団は、スカイのコントロール下におかれます。
最初の逃げにのっていたサガンやカヴェンディッシュは、こちらにもどってしまいました。
レース展開云々よりも、
今日は下りが多くて、下りのレース映像がいっぱい映るので、私はとても嬉しいです!
下り大好き!特に前からの映像が好き!
そして!
実は一回も前からちゃんと見たことなかった、カンチェラーラの下り映像が見られました!
トップチューブに乗る、クラウチングポジションから一切うごかず、最短距離で下りのカーブをまがっていくカンチェラーラ。
すっごい!!
ずっと、だいたい5分くらいのタイム差をつけて、第一集団は逃げ続けます。
お手本のような、綺麗な先頭交代。
その交代する選手の中に、マイヨ・ジョーヌがいることがなんだか面白いです。
残り約43km。
4級山岳ポイント。
ニバリがちょっと前にでて、山岳ポイントをとります。
そのままの勢いで、アタックをしかけるニバリ。
でもそのアタックは決まらず、かわりにキャノンデールのデュシエル、コフィディスのダニエル・ナバーロ、ディレクトエネルジーのブレシェルの三人が逃げをきめます。
元第一集団は、追走集団になって、そこから何人か逃げに追いつこうと抜け出し、でも追いつけず、みたいな関係が続きます。
しかし、タイミングを見計らって、カミングスが行きました!
あ、一人だけ速度がちがう。これは、追いつく予感がします。
ここで、今まで動かなかった、アーベルマートも追いかけに行きました!
それを見て、静観していたトニー・マルティンも続きます。
そこにみんな続く感じで、これで、追走集団全体のスピードがあがりました。
でも、ニバリはいきません。
……なんでだろう。
やがてカミングスは、トップの三人に追いつきます。
これで、逃げは四人に!
それを追いかける追走集団は、ヴァン・アーベルマートを中心に6人の選手が集まりました。
そこからさらに離れて、トニー・マルティンが戻っていった元第一集団。
しかし、そこから飛び出してきた、ニバリとゲシュケが、追走集団に追いつきます!!
追走集団は、これで8人になりました。
残り30km地点。
トップと、ニバリ属する追走集団の差は約15秒。
そこから20秒差で、トニー・マルティンやカンチェラーラが残った、元第一集団。
フルームらがいるメイン集団は、トップから約5分遅れています。
残り27km地点。
ここで、先頭の4人のグループにいたカミングスがアタック!!うまいっ!
カミングスって、まるでそこでアタックするのが決まっていたかのような、芝居の台本の筋書きをなぞるような、きれいなアタックを決めるイメージがあります。
これこそまさに、ベテランの勝負勘のなせる技ですな!
ニバリがいる追走集団は、カミングスに置いて行かれた三人を吸収していきます。
先頭交代を綺麗に繰り返し追走をしますが、カミングスは速いのです!
残り22km。
カミングスと追走集団の差は、約35秒。
カミングスとメイン集団との差は、約5分。
残り19km。
カミングスが、平均勾配6.5パーセントの一級山岳に入りました!
ニバリのいる追走集団との差は、約32秒。
追走集団も、上りに入ります。
途端、先頭でスピードをあげるニバリ!
11人いた追走集団は、一気にふるい落とされて、最終的に5人に減ります。
ヴァン・アーベルマート、残ってる!!
これは、本日マイヨ・ジョーヌをキープできる予感!
しかし、ニバリは勢いをゆるめず、アーベルマートはふるい落とされ、追走集団は3人になります。
残ったのは、アスタナのニバリ、コフィディスのナバーロ、オリカのダリル・インピーの3人です。
残り14km。
カミングスと、ニバリがいる追走集団の差は、22秒差です。
カミングス強い。
残り10km!
カミングスとニバリグループとのタイム差は、50秒差。
差が、開いている……。
これは、逃げ切り独走勝利になるのでは……!
一方の、メイン集団。
気づくと、ティボ・ピノーが遅れています。めちゃくちゃ調子が悪そうです。
さっきまで、メイン集団をエフデジがひいてたのですが、一気にメイン集団先頭から姿を消しました。
これは、総合勢からタイム差をとられてしまうのでは……!?
残り8km。
カミングスと追走の3人との差は、1分10秒です。
ここで、ナバーロがアタック!
すぐにインピーが続きます!
うああ!ニバリがついていけない!!?
残り7km。
1級山岳山頂、カミングスが1位通過です!
そのまま下りへ入ります。
1分差くらいで、ナバーロとインピーが山頂を通過していきます。
またちょっと経ってから、ニバリが4番手通過。
5番目に通過したのは、一人で頑張って走っていたヴァン・アーベルマートです。
残り2km!
カミングスの独走は続きます。
依然、ナバーロとインピーのグループとは、まだ1分タイム差があります!
残り1kmのフラム・ルージュを通過しました!
ゴール直前、大きく両手を広げて、カミングス見事な独走勝利!!
強い!カミングス強い!!27km独走!!
2位は、ダリル・インピー。3位はダニエル・ナバーロ。
ニバリは4位でした。
マイヨ・ジョーヌは、ステージ5位になったアーベルマートのキープが決定です。
ちょうどアーベルマートがゴールしようかというときに、ここで、メイン集団でトラブルが発生。
なんと、フラムルージュが落ちてきた!!
え、ちょ、あ、えええ!!?
そんなことあるの!!?
文字通りの、足止めです。完全にコースを塞ぐ形で、赤い巨大なバルーンがおちてきているのですが、空気が抜けきってるわけではないので、乗り上げてその上を走ることもできません。
仕方ないので、みんなそれぞれ、「よっこらしょ」と赤いバルーンを持ち上げて、その下をくぐっていきます。
なんだこの衝撃映像(笑)
気の抜けた感じで、メイン集団のみんながゴールして行きました。
まあとにもかくにも、カミングスの勝利で、ディメンションデータは、7ステージ中4勝目となりました!!
すごいチームです。
敢闘賞はニバリでした!
確かに!今日は、気づいたらニバリを中心に見ていた気がします。
明日は、ピレネー二日目です。
超級山岳に始まり、2級山岳が一つ、1級山岳が二つあり、山を下ってからゴールとなります。
明日も下りがいっぱいのステージです!!
楽しみ!!