コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことやレース観戦仲間ができるまで(希望)を記すブログ(注:私はレース走りません)

映画「パンターニ」 感想

映画「パンターニ」を見てきました。
www.pantani.euro-p.info

ドキュメンタリーなのも、パンターニが最後どうなるかも知っていたので、ものすごく落ち込んでもいいと思って見に行ったのですが、「凹んで動けなくなる」というダメージを受ける作品ではありませんでした。


マルコ・パンターニを全く知らない身からすると、見るまではどうしてこんなにパンターニに人気があるのかよくわかりませんでした。
この映画を見たからといって、それが「わかった!」ってわけでもないのですが、ただものすごく魅力的だったということはわかりました。
でも、いざ言葉でって言われても、うまくできないのですね。
だから映画にしたのだなとも思います。

前半の山場は、事故ったあとのパンターニの様子。
パンターニは、レース中車と接触し、足を複雑骨折してしまいます。
足に固定のための金属が刺さったまま、松葉杖をついて歩くパンターニ
リハビリ中の映像には、自然と涙がこぼれました。

映画の後半は、ずっとドーピング関係の内容でした。
映画に映る映像の字幕では、少なくとも一度も、パンターニは「ドーピングなんてしていない」とは言いません。
映画を見ていて、ああ、やっぱり、
そういう時代だったんだな、って思いました。
それで終われるのは、私がこの頃のロードレースを一切見ていないからなのかも知れません。

100人の人からの絶賛も、
1人の「本当はみんなお前のこと裏でこう言ってるんだ」って言葉で、すべてが敵になります。

追い詰められて、
パンターニは若くして亡くなってしまいました。

とても印象的だったのが、ほぼ優勝確実になっていたジロのレースの最中に、ドーピング検査で二週間の出場停止処分になってしまった時の話。
絶望して部屋にこもるパンターニは、こう言ったそうです。
「本物のヤク中が、どんなものか見せてやる」
パンターニは、それで、コカインに手を出してしまいます。

ここが、なんだか、
伝説の男パンターニが、私と同じような人間だったって、感じた箇所でした。



どうにか助けられたのではって意見もあるだろうけど、
この時代に、繊細で大胆で強いパンターニが生まれてしまった時点で、どうしようもなかったのかっとも思います。

ただ。
生きててほしかったな。

例えば、ジロ・デ・イタリアで出発前の選手に声かけてたり、
ツール・ド・フランスの表彰式に、ゲストで現れるパンターニの姿を見てみたかったなと思う。

一度、チクリッシモかなにかのフェイスブックで、
レース前かなんかに、現役時代のチポリーニパンターニが肩を組んでカメラに写っている写真を見たことがある。

あんな光景を、おじいちゃんになった二人で見たかったな。

でも、あそこまで絶望したパンターニが、どうしたら救われたのかを考えるのを放棄している時点で、こんなことを考える資格はないのかも知れないとも思う。

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