コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ツール・ド・フランス 2019 第2ステージ と ツールカフェ

今日はチームタイムトライアルでした!
第一走者チームがなんとイネオスで、めちゃくちゃ速いタイムを出して、ずっと一位の座に君臨していました。

サンウェブやカチューシャもいいタイムで走るのですが、どちらも約6秒イネオスに届かず。
ずっとイネオスがホットシートに座りつづけます。

タイムトライアルのタイムは、そのまま総合タイムに影響をあたえるので、総合上位を狙う選手は絶対に今日遅れられないはずなのですが、ミッチェルトンでは、サイモン・イェーツがトレインについていけず離れてしまいます。
背番号的には、アダムがエースですが、サイモンだってもちろん総合上位狙える選手。
調子悪いのでしょうか。長いレースなのに、こんなに初めから調子悪そうだと、心配です。


個人的には、地元のベルギーチームであるドュクーニンク・クイックステップが来るだろうと思っていて、実際にいいところまで行ったのですが、イネオスのタイムを抜くか抜かないかめっちゃくちゃ微妙なところで、最終的にタイム差は0.82!

い、一秒ないよ……。
僅差のフィニッシュが続きます。



しかし、最終走者チームが魅せてくれました。

なんと、ユンボ・ヴィスマが、暫定1位のイネオスのタイムを20秒上回ってゴール!!

おおおお!!圧勝!!
テウニッセン、チームのトレインから遅れずにフィニッシュしてたので、マイヨ・ジョーヌをキープです!!


イネオスは、2時間近くずっとホットシートに座ってましたが、最後の最後でひっくり返されてしまいました。
……これ、チーム全員、走り終わってから2時間休めてないんだよね。
そういうのって、今後のレースに影響ないのかしら。


チームTTを終えての、各賞ジャージは、以下のとおり!

総合1位 マイク・テウニッセン(ユンボ・ヴィスマ)
ポイント賞 マイク・テウニッセン(ユンボ・ヴィスマ)
山岳賞 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(CCC)
新人賞 ウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)

新人賞のヴァンアールトは、現在総合順位2位。
昨日がスプリントステージでほとんどタイム差がつかなかったので、今日のチームタイムトライアルのタイム差を受けて、総合1位から5位までみんなユンボの選手になりました。

明日は、再びスプリントステージです。
テウニッセンは、昨日のボーナスタイムと今日のタイムで、他のチームの選手よりも30秒くらいタイム差を稼いでいます。
トラブルなく集団でフィニッシュしたら、明日もまだマイヨ・ジョーヌをキープできる可能性は高いですね……!



さてさて。
レース感想ついでに、先日行ってきたツールカフェのお話でも書こうかなと思います。

もともと、開幕後に友達と一緒にツールカフェでライブビューイング観戦する予定も立てていたのですが、
なぜか先週、突然暴力的な量の甘いものが食べたくなって「そういやツールカフェに豪華なワッフルの写真があった」と思って、ツール開幕前に一人で行ってしまいました!

ツールカフェ
www.jsports.co.jp


ツールカフェは、ツール公式の期間限定のカフェです。
いろんな公式グッズとか売ってます。

渋谷の駅からすぐのところにあるのですが、建物の中の構造がややこしくて、なかなかたどり着けませんでした。お店は四階にあるのですが、辿り着くコツは、二階にいかず、一階にある四階にとまるエレベーターを探すことです!

……あ、いや、まあ、私が見つけられなかっただけで、二階にもちゃんと四階に着くエレベーターかエスカレーターあったかも知れないのですが……。


お店の壁は、入り口と反対側の一面が窓で全面ガラス張りなのですが、窓の向こうがフットサル場かなんかになっていて、インドアな私はなんだか場違いな気がして外を見られなかったので、景色がどうだったかはわかりません。

ツールをイメージしたメニューは、食事系が三種とベルギーワッフルが一つ、あと飲み物が数種類ありました。
壁に大きなモニターがあって、そこにレース映像が映ってました。
私が行ったときは、まだ開幕前だったので昨年の映像が流れてました。
音は聞こえなかったんだけど、それは開幕前だったからなのかな?

ツール系のメニューを頼むと、銀の不透明なビニールの袋に包まれた、コースターが貰えます。
紙製だけど、想像していたものよりも結構しっかりしたコースターで、なんだか特別なもの感がありました。
絵柄は10種類。ランダムでもらえるらしいです。
ちなみに、もらえるのは1人一枚です。複数オリジナルメニュー頼んでも、たかさんもらえるわけではありません。1来店につき、1人一枚。
……コンプリート、めちゃくちゃむずいね。

じっさい実際に来たベルギーワッフルは、ワッフルの上にこれでもかっ!てくらい(注:個人的な感想)、バニラアイスと、ナッツの入ったチョコムース的なものがのっていて、そこに自分でチョコソースをえいえいっ!とたっぷりかける形式でした。

見た目よりも実際に食べた方がボリューミーでした。
暴力的なまでに甘いものを食べたかった気持ちは存分に満たされました。


ツール系以外にも、普通のメニューもありそうでした。
コースターは最大で1来店につき一枚しかもらえないので、ツールイメージのメニューを一つ頼んだら、あとは普段のメニューの中から純粋に好きな食べ物頼むのもありだなと思いました!
ほとんどの日は、レース中継が20時台後半なので、仕事終わりに晩御飯食べなら観戦が無理なく出来そうです。


グッズコーナーでは、去年の総合優勝者、ゲラント・トーマスのサイン入りの写真やジャージを売ってました。あとは、マグカップとか、ぬいぐるみとか、クリアファイルとか、いわゆるグッズも売ってました。
でも、一番欲しいと思ったグッズは、水曜日に行くと先着でもらえる自転車のキーホルダーだったので、お金で解決できませんでした。


ちなみに、ホームページ情報によると、電話での予約もできるみたいです。
「この日ちょうど東京出張だから絶対に行きたい!!」
みたいに決めてる方は、あらかじめ予約しちゃうのもいいかもしれません。

ツール・ド・フランス 2019 第1ステージ

ツール・ド・フランス初日!!
2019年は、ベルギーよりスタートです。

現地の気温は、25度くらいとのこと。
ちょっとあったかい、穏やかな気候だそうです。

解説の浅田さんのコメントで初めて知ったのですが、
ベルギーって別に一年中天気荒れてるわけじゃないんだね。
そうか。春しかベルギーの映像見ないから、私知らないんだな。

でも、やっぱり山はないので本日はほぼ平坦ステージです。
出発地点でたくさんイベントをこなし、ベルギー自転車界の英雄エディ・メルクスさんの姿をいっぱい見てから、スタートしました。


すぐに、逃げがきまります。4人。

マッズ・ウルスシュミット(カチューシャ)
ナトナエル・ベルハネ(コフィディス
クサンドロ・ムーリッセ(ワンティ・ゴペールサイクリングチーム )
グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(CCC)


ををう、ヴァンアーヴェルマートが入った……。

ツールのような大きなレースで、がっちがちの平坦ステージで逃げを決める選手っていうのは、
大抵ステージ勝利にからまなそうな選手になることが多いです。
スプリントステージでの逃げ切り勝利っていうのは現実的に難しいから、勝つための逃げじゃなくて目立ってスポンサーにアピールするための逃げなので、
勝つことがお仕事じゃない選手が行くんですね。

でも、ヴァンアーヴェルマートはそういう選手ではないのだが……。

ただ、忘れてました。
今日、山岳あるんですよ。山岳ポイントもらえるのです。
3級山岳と4級山岳が序盤に一つずつありますが、初日なので、今日3級山岳で1位通過した選手が、山岳賞ジャージをもらえるのです。
その3級山岳は、レース始まって約43km地点にあるカペルミュール
毎年春にみてる、ツール・デ・フランドルにでてくる石畳の坂ね!!

フィニッシュ近くでもないから、おそらく集団は逃げを捕まえにはこない。
今日の逃げてる選手の中から、本日の山岳ジャージをゲットする選手が生まれるのです。


で、実際に3級山岳にやってきます。

最初に飛び出したのはベルハネ!
まだ坂がきつくなる手前から一人離れていきます!
それを、先頭切って追うヴァンアーヴェルマート!

あっという間につかまえて、そのまま自身が先頭で坂をあがっていきます。
上がればあがるほど、どんどん狭くなる坂!
どんどん、どんどん、どんどん…………え、ちょ、まじで狭いんだけど。
これ集団来たら大丈夫か?

しかも、高いところから見てる観客が興奮して道路に手に持ってた何か落としたりしてる。
ちょーこわい。

その中を、ヴァンアーヴェルマートがじわじわとスピードをあげながら登っていきます。
狭くなるにしたがって、横から刺されないようにどんどんスピードがあがっている気がします。

ベルハネが最初に離れ、つづいてウルスシュミットが力尽きた。
最後まで残ったのは、ヴァンアーヴェルマートと同じベルギー人のムーリッセ!
でも、一度もアーヴェルマートよりも前に出ることはできません。

ヴァンアーヴェルマート、3級山岳1位通過!!2ポイントゲット!!
ムーリッセは1ポイントゲットです。
あっという間に次の4級山岳、こちらはムーリッセが1位通過で1ポイント。

合計ポイント数は2ポイントで二人とも同じですが、
その場合よりランクの高い山を制した方が上なので、カペルミュールを制したアーヴェルマートが本日フィニッシュすれば、無事山岳賞ジャージをゲットできます!

集団は逃げから2分5秒くらい遅れてカペルミュールにやってきますが、狭いけど別に混乱とかは起きなかったみたいです。
フィニッシュ地点近くじゃなくってよかった……。
30km手前くらいの、位置どり合戦始まる直前とかにここ通ったら、ものすごいことになってたよ。



さてさて。
このまま4人の逃げで落ち着いてフィニッシュまで向かうのかと思いきや、ヴァンアーヴェルマートは早々に逃げをやめて集団に戻りました。

ツールには敢闘賞があります。
敢闘賞っていうのは、めちゃくちゃ簡単にいうと、「一番がんばったり、活躍したり、盛り上げたりしたで賞」みたいなもんです。
その日のレース展開にもよりますが、逃げている選手の中から選ばれることが多いです。
つまり、ヴァンアーヴェルマートは、山岳賞をとるために逃げていたのであって、敢闘賞はいらないようです。

まあ、これからまだまだツールは先長いですし、ヴァンアーヴェルマートはステージ狙う可能性の高い選手ですから、力を温存したのもあるのでしょう。たぶん。


逃げは、3人に減った状態で、レースは進んでいきます。
このまま行くかと思いきや、残り70km近くの中間スプリント獲得を目指した、ペーター・サガンを擁するボーラ・ハンスグローエが、細い石畳の道でぐっとスピードをあげて、集団は分断。
そのまま先頭グループはスピードをあげて、中間スプリント手前で逃げを吸収。
中間スプリントは、マイヨ・ヴェール争いに参加する選手たちのスプリントになりました。

先頭通過は、ボーラのペーター・サガン
次点が、バーレーンメリダの、ソンニ・コロブレッリ。
3位通過が、ヴァンアーヴェルマート。今日は出番が多いです。続いて、マイケル・マシューズ、マッテオ・トレンティン、の順番です。


スプリントが終わって、集団の先頭は落ち着きます。

なんか、結構集団が三つくらいに大きく別れていたので、このタイミングでどっか総合狙いのチームが後続を引き離す作戦とかやるかなって思ったのですが、ありませんでした。
ベルギーだからって、いつでも横風吹いてて、横風分断作戦ができるわけではない。


残り60kmを切ったところで、コフィディスの選手が一人飛び出します。
ステファヌ・ロセット。
この単独の逃げにより、一旦集団がおちついて、この状態がしばらく続きます。

残り35kmくらいから、ロット・スーダル とチーム ユンボ・ヴィスマとドゥクーニンク・クイックステップが集団の先頭でじりじりタイム差をつめはじめます。
ベルギーとオランダのチーム。
そうね、今日勝って、いいとこみせたいもんね!!

残り30kmで、タイム差は約1分25秒。
残り25kmで、タイム差1分15秒くらい。
残り18kmで、まだ1分。
ロセット、がんばってる。

が、しかし、タイム差が1分を切ってちょっとしたころに、メイン集団で、アスタナのエースのフグルサングが落車!!

それほど間をおかずに再び走り出しますが、右こめかみからかなりの出血をしています。
アスタナのアシストも前から順々に4人くらい降りてきて、フグルサングを集団に戻そうとします。
フグルサングの後ろには、一緒に転んだユンボ・ヴィスマのトニー・マルティンバーレーンメリダのダミアーノ・カルーゾもついていきます。

残り15km。
先頭はロセットが単独です。
45秒差でメイン集団。
そのさらに45秒うしろに、フグルサングのグループです。


残り10km。
ロセットと集団とのタイム差は約10秒。
ロセット、もっと早く捕まるかとおもったけど、かなり頑張ってます。
フグルサングは治療中。まだ集団には追いついてないですが、追いつくよりも先に、ドクターカーで手当てしてます。

残り9.5kmくらいで、ロセットは吸収されました。
ほぼ同じタイミングで、フグルサングも集団の後方に追いつきました。

集団は、一見、落ち着いた感じにみえます。
あんまり位置どり激しくしていない感じです。
……ツールなのに、珍しい……。

残り7km。
いきなりカルフォルニアばりに道が広がった!!確かにこんなに広いなら、位置どりいらないや!!
各チーム、思い思いのラインどりです。
でも、そのあとのカーブで、一気に位置どりが激しくなります。
でもまたそのあと大きい道に戻ってくると、またトレインがいっぱい横並びにでてきます。
トレインたけのこ。

4km。
大きい道からまがった瞬間に道が狭くなるので、位置どりが激しいっていうか危ない!!

ボーラ、イネオス、ロットあたりが、交互に先頭を争っています。
カチューシャもきた!!

残り2km!
また道がひろくなってみんな前にきた!!
ドゥクーニックがここでようやく前にあがってきました!いつも最後の最後までトレインつくんないよね!

しかし、残り1.4kmで、落車!!!
前から30人くらいのところで落車があり、道を塞ぐ形になったので、人数が絞られました。
しかも、フルーネウェーヘンが落車してる!!?

先頭に残された選手たちだけで、スプリントの形に入っていきます。

残り500m。
リケーゼが先頭であげる!
あげてあげてあげて、ふりかえる!!
そこにいたのは、チームメイトのヴィヴィアーニじゃなくってサンウェブのマシューズ!
ヴィヴィアーニは後ろに下がっちゃってました。

残り300m。リケーゼが後ろ振り向いてやめちゃったので、その後ろに付いていたマシューズが、先頭に出されてしまったようなかたちに!
これで行くのは早すぎるという判断なのか、マシューズはまだスピードをあげず、後ろに続く他のチームの選手たちもまだマシューズを抜かず、一旦牽制みたいな感じになります。
マシューズの後ろには、サガンがぴったりと控えています。
そこから、じわじわとスピードをあげつつ、まず動いたのは、バーレーンのコロブレッリ!!後ろから上がってきた!
ちょうどコロブレッリが隣に来たあたりで、同様にサガンもスピードをあげ、マシューズの左手側からサガンがマシューズをぬき、さらにそのサガンの隣にコロブレッリが並びます。
でも、サガンの方が速い!コロブレッリがじりじり離されていく!
これは優勝はサガンに決まったかと思った、そのとき!!

コロブレッリのとなりから、大回りをして突如としてサガンの隣にあがってきたユンボ・ヴィスマの黄色いジャージ……!
え、ちょ、だれ!!?フルーネウェーヘン転んでたよね、一体誰!!?

そして、そのユンボの選手とサガンが、ほぼ横並びでフィニッシュ!!
どっちも手をあげない!どっちも懐疑的な顔してる!!
どっちだ!!??

そして、映像での判定の結果。

勝ったのは、ユンボ・ヴィスマのマイク・テウニッセン!!
てうにっせん!!?
あなた、テウニッセンだったのね!!?
何が起こったのかわからんかった。まったくもってノーマーク。
でもよくよく映像を見ていたら、残り300m切ったタイミングで、チームメイトがテウニッセンを引き上げていた。
フルーネウェーヘンを失ったあの距離から、チームで戦略立て直して勝った。
ユンボすごい!そしてそこからスプリントを制したテウニッセンもすごい!!
テウニッセンおめでとう!!!


2位はボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
3位はロット・スーダルのカレブ・ユアン
4位がディメンションデータのジャコモ・ニッツォーロ。
5位が、あれ、さっきサガンと競り合っていた気がしたバーレーンメリダのソンニ・コロブレッリでした。


そんでもって、各賞ジャージ!!

総合1位のマイヨ・ジョーヌと、ポイント賞のマイヨ・ヴェールはテウニッセン。
山岳賞ジャージは、CCCのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート。
新人賞はロット・スーダルのカレブ・ユアン
敢闘賞は、最後に一人逃げをしていた、コフィディスのステファヌ・ロセットでした。


初日から一筋縄ではいかないですね!
フグルサングとフルーネウェーヘンは、落車の影響が心配です。


明日はチームタイムトライアルです。
総合タイム差に響くから、総合狙うチームは、ばっちばちでくるでしょう。
たのしみ。



あー。しかし。
ものすっごく書きやすい。なんだこれ。
この記事の一つ前、全日本選手権を観戦したときの感想文書いたんですけど、写真とかいっぱい載せたからか、ものすっごく大変でした。
この記事の3倍くらいの文章だけど、かきあげるの10倍くらい時間かかってる気がする。
現場にいて、その様子を文章にするってめちゃくちゃ大変なんだなと、なんか改めて実感。
まあ、でも、現地で感じたことを残しておくことも何か意味があるかもって思ったから、それはそれでいいんだけども。


よーし!
明日からも、気楽にツールみて、気楽に感想かいていくぞー!!おー!!

2019年 全日本サイクルロードレース 男子エリート

普段なかなか日本のレースには出場しない、ワールドチームの新城幸也選手や別府史之選手も出場し、そんでもってコースが実際五輪でも使用予定の富士スピードウェイで行われた、2019年全日本選手権サイクルロードレース

わたくし、コロロン 、今回初めて全日本のロードレースを現地観戦して参りました!!

ということで、その模様とレース内容についての感想文を書きたいと思います。


さてさて。
まず。全体を通して言うと。

おてんきがぐっずぐずでした!!!
大変だったとか辛かったっていうより、マジめんどくさいよあんた!!って感じ!!
「山の天気は変わりやすい」とはいうけど、女心よりもコロコロかわります。
雨が降ったりやんだり晴れたり降ったり、合間に霧が出たり入ったり。
もしかしたら天候によっては、レース時間の短縮や変更もあるかなと思っていたのですが、御殿場付近では強風と大雨でも、富士スピードウェイあたりでは不安定なだけでそんなにひどくはなかったので、予定通り9時にスタートしました。


私がシャトルバスで会場についたのが、スタートの5分前くらいで、スタートの瞬間には間に合いませんでした。パレードスタートが開始された選手を追ってスタートした、去りゆくチームカーが見えました。
メインスタンドのたてものの後ろあたりで待っていたら、そのうち選手たちが現れました。

集団のまま、選手が現れました。
でも若干分裂していて、第一集団、第ニ集団って別れていました。
第一集団の中に最近私が動向を見守って応援している雨澤選手が見つけられなくて、一緒にいた観戦の先輩に「雨ちゃん見つけられなかったのですが、いましたか!!?」と騒いだ次の瞬間くらいに、第二集団が来て、そこに雨澤選手がいました。
なんかこれからあと200kmあるのに、私こんなテンションで大丈夫だろうかってちょっと思いました。

第二集団がぬけたあろ、ぱら、ぱら、と、すでに集団のペースから脱落した選手たちがやってきます。
今日は10.8kmのコースを21周するコースなので、遅れた選手はバンバンタイムアウトになってしまうことが予想されます。
おそらくこの選手たちはもうまもなくタイムアウトで切られてしまうのでしょう。
あとでマップをみたら、この時点がだいたい始まって6kmくらいのところでした。
パレード区間がどこまでだかわからないのでアクチュアルスタートから何kmかはわからないのですが、あっという間。


選手を見送って、スタンド建物の横の金網で待っていると、遠くに選手がちらっと見えて、また道が見えなくなって消えて、またちょっと待っていると、今度はスタンドの遠くの方からフィニッシュ地点を通り、次の周回に入った選手たちがやってきたのが見えました。さっき目の前で見た選手たちの、おそよ4km先を見てるってことです。
それを見送ると、また遠くに選手がちらりと見える。

今日のコースは、八の字を半分に折りたたんだみたいな、全周5kmの輪っか二つみたいなコースでした。
だから、もぐらたたきみたいに、こっちに選手が現れたと思ったらあらあんなところにもう先導車が、みたいに、見晴らしのいい観戦場所からだとほぼずっと選手たちの様子がみられるようでした。

だいたい1周、17分くらいで戻ってくるとのこと。
さっきと同じ、メイン会場の裏のコースで選手を待ちます。
やってきました!!
ここが、逃げがあったかどうだか覚えてないのですが、さっきの先頭集団と第二集団が、なんとなくじゃなくってはっきり分かれてしまってました。
加えて、主だったエース選手がみんな前の集団にいます。

ちなみにこの後ろの集団の方に雨澤選手がいました。

すぐさまさっきの金網に移動。
しばし待って、選手がやってきます。

上から見ると、何が起きてるかよくわかります。
人数がたくさん入っている先頭集団。
それを追う、先頭集団よりも一回り小さい第二集団。
その後ろに第三集団らしきものがあって、うしろが、ぱら、ぱら、と置いていかれた選手たち。

第二集団はちゃんと先頭交代をしているのですが、それよりも、前に出よう出ようと位置どり合戦状態になっている第一集団の方が人数が多く勢いがあり、
加えてこのとき横風がものすごく強くて横風状態。
足がありそうな選手が、第二集団から飛び出して前にブリッジかけようとしているような様子が見えました。

逃げがきれいにできるまでは、落ち着かなそうだなあ。


金網の前から移動して、メイン会場にあるスタートリストを確認しました。
とりあえず、気になってる選手だけ番号を確認しようと思って、目で記憶。
このあたりに、たくさん出店も出てました。

メインスタンドの方も入ってみて、おっきな画面にレース中継映像が流れているのを確認したりして、また外にでます。

メインスタンドっていうのは、いわる富士スピードウェイの客席があるとこなのですが、客席から外に出るとき、そこにドアがあるわけじゃなくて、そのまま外なんですよ。
例えばコンサートホールとかだと、防音の扉があって、ホールがあって、ホールの扉あけて、それでやっと外に出られると思うのですが、
この会場は、その防音の扉がなくて、ホールがなくて、そのまま外って感じです。屋根付きの野外劇場のようなものをイメージしてもらえると、わかりやすいかもしれません。

だから、スタンドから外に出たり入ったりするのが、しょっちゅうでも、あんまり気にならない感じです。
メインスタンドで観戦すると、裏に飛び出していけば1周で二回ちかくで観戦できてお得だなって思いました。
ただし、階段昇降運動はかなりの負担になりそうですが。


外のメインスタンドの裏で、三周目の選手たちを待っていると、マトリックスの安原選手が一人で逃げてました。
けれど、すぐ後ろに集団が迫っています。
集団の先頭は、シマノの入部さんでした。
え、入部さん!?エースだよね!?と、ここでちょっとびっくりしました。
メイン集団の中で、雨澤選手と佐野選手がとなりあっていたので、ここで初めて今日の佐野選手を認識!
まだレースはじまったばっかりで目がスピードになれてないので、なかなか選手の認識ができません。

スタンドエリアで観戦するのは、レース終盤にしようと思って、そのまま歩いて、コース沿いに歩いて行きました。選手たちと逆の向きに、コース脇を遡って歩いていく感じです。

実際私はこの日、このコース上フィニッシュ地点まで残り4kmのエリアから、遡って残り7kmのエリアまでをうろうろ観戦するのですが、
ちょっとこの実際に目でみた区間だけ、どうなってるか先に書いておきます。

遡って7kmくらいのところは、選手たちにとって下りになっています。
くだってくだって、下りの終わりがほぼ90度のカーブになっていて、そこから直線の登りになります。
直線の登りをすぎると右にまがるカーブがあり、そのカーブを過ぎると今度は左まがりのカーブからの下り直線があります。
下り直線を終えて、こんどは登りにはいるのですが、その登り始めあたりがちょうどフィニッシュ地点まで残り6kmくらいです。
その先に小さなトンネルがあって、大きくゆるやかに左にむかってまがりながら、選手たちはずっとずっと登っていきます。
カーブが終われば、今度は直線です。
ただし、ここも半分くらいまでゆるやかな登り。この直線のど真ん中あたりが、残り5km地点で、ここから登りではなくまったいらになります。
その先に大きく右にまがるカーブがあるのですが、ここがだいたいメインスタンドの真裏。
今、入部さんを見かけたのが、この大きなカーブ地点です。

このコースにそって、まずは直線を歩いて行きます。じわじわ下っていく道を歩いていきます。
選手にとってはまっすぐな、じわじわ上りですね。

1kmくらいのんびり歩いていると、4周回に入った選手たちがやってきました。

安原さんの逃げは捕まっていたかどうかは、あんまり覚えてません。新しい逃げが、できかけていたくらいだったかもしれません。メイン集団が若干ばらばらしていた感じでした。
そこから少し遅れて、めちゃくちゃ苦しそうな佐野選手が他2名くらいと上がってくるのが見えました。

選手たちを見送ってからしばらく歩いて、先ほどの直線にはいる直前のカーブ付近に着きました。
カーブがあると何がいいって、遠くまで見通せることです。

5周目の選手たちがやってきます。今度はしっかり逃げができていました。
10人です。

主だった国内コンチネンタルチームがみんな1名ずつ入れて、うちブリッツェンが2名。
それを、54秒差でメイン集団が追いかけます。
メイン集団の先頭は、トレックの別府選手!

確かに、追いかける理由がある選手が、この逃げだとほぼ単騎で来てる海外勢と、あと愛三くらいしかいない……。

とても見やすい位置だったので、次の周回もここで観戦することにしました。

6周目。この1周回の間に逃げが一人減って9人になりました。

それを追う、追走。

……あれ、シマノに、ブリッツェンに、ブリジストンの選手が多数。
みんな逃げにチームメイト入れてるのに。
と、その後ろから猛然と追い上げるユキヤ。


ひさびさに見たからか、それともフォームとか体型が変わったのか、見ても「あれ、新城選手ってこんな走り方だったっけ?」って思って、なかなか認識できませんでした。



後ろからさらに3人続いて、

その後ろに続く大集団の先頭(ちょうど写真は先頭交代しようとしたところ)にフミ。

そうか、新城幸也選手と、別府史之選手を置いていきたいってことなのか。

ちなみに、同じく単騎出場の雨澤選手、小林海選手もこのフミの集団にいます。

この周回を見送ってから、次の観戦場所へ。
この先にトンネルがあるのですが、遠回りしてそのトンネル手前のところで観戦することにします。


メインエリアから2km近く歩いたこのエリアであっても、ほぼずっと解説の音声は聞こえました。
ただ、スピーカーの数が多いので、市役所の放送みたいにあっちこっちからタイムラグがある音声が聞こえるため、集中しないと内容は聞き取りにくいという難点はありました。
ちなみに、この時点で、マトリックスの佐野選手がすでにリタイアしていることがわかりました。


7周目。
さて、やってきたメイン集団。

先ほどの逃げは潰されていました。
先頭は、シマノの中井選手。二番手につけているのが、ブリッツェンの鈴木譲選手です。

シマノのエース、入部さんは集団前方。
ブリッツェンのエース、増田さんはそのちょっと後方。


ユキヤはさらにその後ろで集団の真ん中くらい。
フミはさらにその後ろです。

ちょっと集団から離れかけた場所に、まりの。

さらに数秒遅れて、次の集団ができています。

そして、それからさらに遅れて、一人やってくる雨澤選手。

めちゃくちゃ写真はとれたけど、そんなことは重要じゃないんだ!!
雨澤さん……!!調子取り戻せてないのか……!
ちなみに、雨澤選手はこの6km先の次のスタート/フィニッシュポイントにて、自転車を降りたようです。


単騎出場も雨澤選手を応援していた私はちょっと落ち込みましたが、
でも、まだまだレースは続きます。
次は、さらに歩いて、その先のくだりゾーンにて観戦です。
下りなので迫力はありますが、速すぎて選手は一瞬で通り抜けてしまう区間です。

すると、この8周目で一人の選手が逃げてきました。
ブリジストンの、徳田選手!
若干の間をあけて、それを一人で追走する、ブリッツェンの阿部選手!
それをシマノ率いる集団が追って行きます。


選手たちを見送ってから、草っ原のカーブを歩いて、直線登りゾーンに出ます。
一般観客が使用していい駐車場の前の直線の上りなので、ここでみている方もけっこういらっしゃいました。

ここの真ん中くらいで、9周目の選手たちがやってきます。
先頭は、先ほどから一人で逃げていた、ブリジストンの徳田優。
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追走していたアベタカは吸収されたようで、集団はシマノのコントロール下にありました。
シマノの黒枝咲哉選手が先頭です。
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ちなみにこの次のスタート/フィニッシュ地点で、レースに残っている人数は56人でした。

最初に説明したように、この直線を上りの先には、ほぼ90度のカーブがあって、その直前は下りです。

登ったり下ったりして、くだりの先にはほぼかならずカーブがあるので、毎回毎回あがったスピードを落とさなければならないコースです。
つらい。


さて。下ってすぐの大きな90度カーブで、10周目の選手たちがくるのを待ちました。
先頭は一人逃げの徳田さんのまま。

タイム差1分30秒くらいだったかな、メイン集団が現れます。
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ものすごく綺麗にシマノトレイン、ブリジストントレイン、ブリッツェントレイン、キナン、愛三と並んでいます。
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その後ろに、マリノ。
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さらに数人後ろに、ユキヤ、フミ。
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選手たちを見送ってから、もうちょっと先の、フィニッシュエリアまで残り7kmの地点まで歩きましたが、あんまり先に行くとフィニッシュシーンが見られないので、先に進むのはやめて引き返すことにしました。

もう一度、さっきのきれいなトレインが見えた、カーブのところに戻ります。

11周目。選手がやってきました。
先頭は徳田さんのまま。約3分くらい後に、メイン集団が現れます。
集団を引いていたシマノトレインの中に、ブリッツェンのアベタカが混じってました。

と、ここで、先ほどまでブリッツェントレインの中にいた鈴木譲選手が、集団の最後尾に現れます。
さらに、集団から若干遅れて、同じくブリッツェンの掘選手。
あれ?さっきまで余裕だったのに。

どうやら、岡選手にパンクのアクシデントがあり、そのフォローに入っていた模様です。



てくてく歩いて、さっきの草原からの下り坂あたりで、12周回目の選手がやってきます。
タイム差は若干縮まって、2分30秒くらいになってました。
集団は、相変わらずシマノとアベタカがコントロール


さらに歩いて、先ほども観戦していた、トンネル手前の坂区間で待ちます。

13周目。
徳田選手が来ました。
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タイム差2分10秒で、メイン集団です。
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アベタカが率いていて、シマノトレインのあとにブリッツェンが続きます。
フミがそのすぐ後ろに上がってきていました。
その後ろにブリジストントレインがあるのですが、ここにはユキヤがいました。
二人とも、集団の中での位置がだんだん前に上がってきている気がします。
単騎という意味では同じ立場のマリノは、もっと後ろの方。チームメイトが少ない選手が、ざわざわいるあたりです。

ワールドチームの2人の位置が変わっている……。
なんか、ぞわぞわします。
逆に、マリノ、そこでいいのかな?
マリノ選手も、単騎参戦だから、戦略としてはフミやユキヤと被るはずだと思うのだけれど。


続いての周回。14周目。
タイム差表示1分12秒のバイクを確認後、徳田選手が現れます。

そしてメイン集団。
アベタカが引いているのですが、なんか、フミが列を離れている。
って、え?こっちくる?
ちょ、フミが来る!!!

と、慌ててのけぞった瞬間にとったのがこの写真。
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フミが、サイドから、ぐぐいっと、この集団を置いていっちゃいました!
目の前すぎて写真ぶれた!けど、めちゃくちゃアベタカが警戒しているのがわかりますこの写真。

ちなみに、もちろん観戦時、選手に万が一にもぶつかることのないよう、コースに身を乗り出したりはしてませんし、混んでもないので、コース脇ギリギリに立ってもいません。
だから、その場に踏みとどまっても全然何も問題はなかったのですけれど、
なんか、フミがね。静かに速かったのです。
サドルから腰もあげてないし。
だから「あれー、フミが列をはなれ…………ちょ、早っ!もうこっち来た!!」みたいな感じで、びっくりしたのです。


すぐに2人くらいの選手がチェックに向かいます。ブリジストンと、あとブリッツェンもチェックに向かった気がします。
フミはシッティングのまますいーって行っちゃったけど、追いかけていった選手はダンシングしてました。
ちなみに、ユキヤは集団真ん中くらいの位置のまま。とくに動きなし。
マリノもほぼ同じ位置にいます。


しかし、あと、約70kmちょいくらい残っているこの段階。
逃げもまだ捕まえていないこの状態。
……フミは、何の意図があって戦いをしかけたのか。

定石でいえば、逃げを最後までほっといて、最後に捕まえるっていうのがサイクルロードレースですが、
全日本みたいに各チームの戦力が違うと、あんまりセオリー通りにはいきません。

もし、ブリジストンの徳田選手の逃げが潰れて、再びレース序盤みたいな、各チームの選手が入った逃げができたら、圧倒的に不利なのは、フミやユキヤたち、単騎で参戦している選手。

それを避けるために、アタックかけて、集団のスピードをあげて、アシスト選手たちを振り落とす、ってことをやろうとしているのでしょうか。
ブリッジで徳田選手と一緒にいこうとするには、ちょっとタイミングが悪いし。

そうえいば、フミやユキヤ、マリノなど、単騎で戦っている選手たちにとって、チーム戦略が使える国内チームに所属している選手たちのチーム戦術が脅威っていうのはわかるのですけれど、
例えば、フミやユキヤは、お互いをどれくらい脅威だと思っているのでしょうね。
もっというと、国内チームのアシストを削ることと、単騎で参加してる強い選手の足を削ることでは、どっちの方が重要だと判断しているのでしょう。

……でもなあ、何にせよ。残り70km。
たとえばこのアタックが、ユキヤを振り切るためのものだとしたら……いや。リスク高すぎる気がする。
みたいなことを悶々と考えたり、一緒に観戦していた人たちと話したりします。
ちょー楽しい。夢のような時間です。

あと、確かこの周回で、シマノの野寺監督に声援を送ったら、
右手で左耳に携帯をあてて通話をしながら、左手でハンドルを握りつつ、そのまま左手で声援に手を振ってくれるという、不思議な技を見せてくれました。
何がどういう動きになっているのかよくわからなかったけど、カッコよかったことだけは確かです。


再び移動して、トンネルの反対側にまわります。
歩くと遠回りですが、選手たちからすると、さっき私たちが見ていた位置の20mくらい先、くらいな感じでしょうか。

そして、見えてきた先頭。15周目です。
逃げが崩れて、先頭が変わってました。

先頭から、石橋学、別府史之、早川朋宏、ここからブリッツェントレイン、阿部嵩之、鈴木譲、岡……と続きます。
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明らかに、集団の動きがさっきまでとちがっていて、レースが終盤に向けて動いていることを肌で実感しました。

そうすると、我々観客はどうするか。
どの周回から、フィニッシュ地点で観戦するかの選択を迫られるのです……!!!

絶対にフィニッシュはフィニッシュ地点で見たかったので、この時点で私はメインスタンドに向かって移動を開始しました。
途中、先ほど周目を見た、見やすい上りカーブで一度待機します。


16周目。
逃げができています!
右京とブリッツェン!ブリッツェンは岡!!
右京は誰かわからなかった!ごめんなさい!
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ものの数秒でメイン集団。若干お見合い状態。
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フミもユキヤもマリノも、集団前方に上がってきています。
ブリッツェンの増田さんも前の方にいました。

選手たちを見送ってから、またスタンドまで近づきます。
直線のエリアあたりで、17周目の選手たちがきました。

さっきと先頭が変わっている!単独先頭!!
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124、紺野さん!
そのすぐ後ろから、猛烈な勢いでアタックをかけているユキヤを筆頭に、もうバラバラになった選手たちが追い上げていきます!
もはや、どのチームもトレインなし!
つーか、こうやってアタックでバラバラに崩れていくのをみると、ツールで鉄壁のトレインを守り続けたスカイってやっぱりすごいチームだったんだなとか思います。


ほぼ同じ位置にて、続いて18周目。
逃げができている。
しかもさっきよりも、後続をきちんと突き放した、3人の逃げが。
それを先頭で弾くのは、
小林まりの!!!
マリノ〜!!!?
さっき位置どりがうまくいってないのかなとか思ってごめんなさい大変申し訳ない失礼しました!!
単騎で出場して、この場面でこの逃げに乗ってるって、素晴らしい!!!
残りの2人は、右京の小石選手と、そんでもってユキヤ!
ここまで、フミと比べると、若干動きがまだなかったけれど(比較の問題ね)、ここぞというときに出てくるタイミングはやっぱりさすが!!
ユキヤは問答無用で強いし、マリノはU23のTTチャンピオンだし、小石選手も去年の全日本TTで3位で、今年4位!
独走力のある3人の逃げだから、このままフィニッシュ地点まで逃げ切ってもおかしくない!!

その後ろから追走しているのが、
シマノ入部、ニッポ伊藤、ブリッツェン増田、ブリジストン窪木、右京横塚と続きます。
……こっちもTT強い選手入ってるな。

ただ、フミがこの辺りにいない……!?
フミはこの後ろの集団。


この観戦エリアが、ほぼスタンド近くだったので、スタンドのはじっこの方から、この18周目の終わり頃を、フェンス越し観戦。
すると、あれ!!?さっきの逃げが潰れてる!
あわあわしながら、スタンドの中心部へと近づいていきます。
そろそろ行かないと、フィニッシュに間に合わない!!

この辺、どこまで見て移動するかの、瀬戸際です。


19周目。
スタジオすぐ後ろのコーナーで観戦。残り25kmくらいのところになるのかな?
先頭が、来ました!

さっきと違う!!!
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右京の横塚さん、シマノの入部さん、そんでもってバーレーンのユキヤ!!
おおっと!!感情が追いつかないぜ!!
ただ、入部さんが入っていたことにテンションがあがるあがる!!
だって、今日シマノあれだけずっと引いてたんだもん!
このためだよね!入部さんが、ここぞというときに勝負できるようにするためだもんね!!
横塚さんも、以前プロ観戦者への道っていうイベントで、来歴とかを聞いたことがあるので、なんとなく親近感!
そんでもって新城幸也選手!!
やっぱりすごい!!
なんか、パラレルワールドとかで、今回の全日本が何回も存在してそれぞれ違う選手たちが残っているっていう複数通りの逃げがあっても、全部の逃げの組み合わせの中に入っている気がする!!


そして、結構タイム差をつけて後続集団!
追走の先頭は、フミ単独!ただし、数秒後ろにほぼ縦一列の後続集団が続きます。
フミが後ろを振り向きながら走っていたので、後続に戻って協調しているのか悩んでるのか!?

さあ。いよいよ、レースも終盤に入っていきます。
メインスタンドに入り、階段を降りてさらにさき。
完全に、コースのとなりまで降りられます。
残り50m地点のあたりに観戦場所を定め、ここでフィニッシュまで動かず観戦することに。

中継画面のいっぱいあってよく見えます。


さあ、残り約21km。
もうすぐ20周目に入ろうという段階の選手たち。

先頭はユキヤ、入部、横塚の3人!
ユキヤが先頭です!
客席側近くを、すごいスピードで走り抜けていきました。

それから1分以上あいて、続いてきたのはマリノ!そして愛三の草場選手!
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その後ろから、3名。うち一人がブリッツェンの……あれ、増田さんじゃない!!譲さん!!?
増田さんはその後ろの4人の選手の中に入ってました。
譲さんと増田さんの位置が入れ替わってる!?

ただ、譲さんのいる位置には、シマノの湊選手が。
そして、増田さんのいる位置には、右京の選手が一人入っています。
こうなると、それぞれ人数は少ない上に、協調したくない選手が一人ずつ入っているから追いかける側は不利。

マリノと草場さんは二人だし、
そして、横塚選手の走りはあまり見たことないのですが、
入部選手、そして新城幸也選手は、こういう場面で協調せずに牽制してしまうような選手ではありません。

実際に、会場の映像を見ても、3人で協調して逃げを確実なものにしようとする気迫が見て取れます。
かなり、この3人での優勝争いが濃厚になった気がします。


次の周回。21周目。
鐘がなります。ラストの周回です。
残り、約11km。

だんだんと霧が出てきました。
まるで19世紀のロンドン。霧の都
その真白い空間から、先頭の3人が現れます。
ユキヤ、横塚くん、入部さんの順。
一瞬なので、苦しそうかどうかはわかりません。
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さっきよりはコース中央寄りですが、それでも十分こちらに近い。
後続の選手たちは、反対側寄りなのですが、逃げの3人だけどちらかというと客席寄りをはしってるのですよね。
手前のコーナリングの位置が違うのか?
二回ともユキヤがこの区間の先頭を引いているので、ユキヤがそういう位置どりをしているのでしょうか。

追走は、1分12秒差でまず5人。草場さん、伊藤さん、マリノ、湊さん、譲さん。
そのさらに30秒ほど後ろから、増田さんと紺野さんの2人。
それからさらに30秒うしろに、6人の選手がきます。
さらに50秒後ろに、5人。
フミはまだ来ない。

結局フミは、先頭から6分以上遅れて、一人でやってきて、そのまま最終周の鐘の中、最後尾者として、霧の中に消えて行きました。



さあ、タイム差的に先ほどから変わっていませんでした。
このまま行けば、この3人の中から勝利者が決まるでしょう。
後続にマチューが出場してたらまだわからないけど、マチューは出てないからな!


ただ、このまま3人でのスプリントにはならないだろうと思っていました。
絶対に誰かアタックをかけて振り落そうとするだろうと。

で、漠然と思ったのですよ。

これ、絶対に誰かがアタックをかけるけど、こらえきれずにアタックかけた人が負けるなって。

なんでって聞かれると、もうこの時は直感だったので、説明に窮するのですが……。

今となって考えてみると、
なんというか、長距離のレースでここまでくると精神力の勝負みたいなところを感じるところがあって。

3人で最後まで行くって怖いじゃないですか。
アタックかけて、置いていきたいじゃないですか。
もちろん、そうできたらそれはそれで素晴らしい勝利なのですけれど、
レースを本当にすぐ横で見ていて、この3人の中でそれができるくらい明らかに余裕の選手がいるようには、見えなかったんですよね。


となると、この状況下で、一番最初にアタックをしかける選手がいたら、それは状況を見て勝てるって思った選手じゃない、勝利を焦って賭けに出てしまう選手だって。

だから、誰かが焦って仕掛けるっていうその状況がくるまで、強靭な精神力で冷静にじっと待てる選手が、勝つんじゃないかなって。

……。
で、ですね。


そう考えていた直後に、レース先頭の三人を映していた中継映像の中で、アタックがおきました。
しかけたのは、
ユキヤだったのです。

そして、
このアタックに横塚選手は遅れ、入部選手はついていきました。


この様子を見るまで、三人の逃げを見ると、新城幸也選手が勝つ可能性が高いのではないかと思っていました。
たった一人で、レース中盤までそれなりの位置を守りつつ、終盤近くの逃げに二回乗れる、レースに対する大局観と圧倒的な強さ。
でも、ここで新城幸也選手が、誰よりも先に協調を崩してアタックをしかけ、そしてそれに対処してついていくことができた入部さんの走りを見て、
これは、入部さんが勝つかもしれないと思いました。


新城選手の走りは確かに圧倒的です。
でも、ここで入部選手を引き離せるほどの差はなかった。
そして、ここまで耐えて耐えて耐えて耐えられる、入部さんはものすごく強靭な精神力で、自分が勝てる可能性が訪れる瞬間を、冷静に待てているということなのです。


新城選手を先頭のまま、2人はフィニッシュ地点まで進んでいきます。
若干離れた位置に、横塚さん。


アタックをしかけ、それによって入部さんを引き離すことができなかったユキヤに残された選択は、アタックを繰り返してなんとか入部さんを引き離すか、もしくは前に出された状態のまま、スプリントで入部さんを上回るかの2択です。
入部さんは、ただこのままユキヤについていって、最後にスプリントで刺す。これだけです。

入部さんは、横塚さんに追いつかれるかも知れないことは、もう考えなくてもいいのです。
横塚選手が追い上げてきても、入部さんが自分でひかないと追いつかれるって判断するよりも前に、ユキヤがひいてしまうでしょう。
だって、もうユキヤは、入部さんよりも堪えられないことを、さっき露呈してしまっているのです。

別に、ユキヤの精神力が弱いと言ってるわけではありません。
スポーツは、肉体だけでも、精神だけでも勝てません。バランスです。
針に糸を通すような勝利の瞬間を待つ精神力が必要なのは、その瞬間を待たないと勝てない選手だけ。
力技で圧倒して勝てるなら、必要な精神力はまた別のものです。
言い換えると、ユキヤは入部さんよりも強いから、入部さんほど堪える精神を鍛える必要そのものがなかったはずなのです。

だから、この状況下でこの2人が残った以上、
ユキヤは力技で、
そして入部さんは、勝てるための一瞬をギリギリまで待って堪えることで、
それぞれの戦い方で勝利に向かって走り続けるしかないのです。



残り1km。
カーブで、新城選手が再度しかけました。
入部選手を引き離すための、とどめのアタックです……!

いくら駆け引きだなんだって言ったところで、それを引きちぎる足があれば勝てるのがロードレース!
けれど、入部さん、引き離されません!!

ユキヤを先頭に、二人は最後の直線に入ります。


私も、画面を見るのをやめました。
霧に隠れ、隣の観客のかげに隠れた、コースの奥。
そこから、私の目の前に飛び出してきたのは。

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入部さん……!!

その後ろから続くユキヤ……!
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けれど、残り50mでこの差はもう覆らない……!!

2019年全日本選手権優勝は、
シマノレーシングの、入部正太郎選手!!!!

この瞬間、私は去年の全日本を思い出しました。
2018年の全日本選手権
出場している選手の中で一番強いって思われるほど、全日本に標準を合わせて完璧に仕上げてきたのに、勝てなかった入部さん。
かなり後方から、それこそ去年のマチューばりに追い上げて、でもそれでも4位だった入部さん。
実力的には一番強かったかも知れないと評されたとしても、勝てなければ、その評価に意味はないということを、たぶん嫌というほど思い知らされたことでしょう。

けれども、そうやって報われなくても。
入部さんは、決して投げ出すことなく、今年もちゃんと一つ一つ積み上げて、この全日本に挑んだのだということが、感じられるレースでした。
だからこそ、勝てた。
ものすごいことだと思います。


そして、入部さんがそんな素晴らしい選手だからこそ、シマノレーシングの選手の方々は、入部さんが優勝争いに絡める展開にするために、チーム一丸となって今日のレース展開を作り出したのだなと思いました。
そして、そういうチームを作ることのできた、野寺監督もまた、素晴らしい監督だと思いました。


でも、それは勝った入部さんや、シマノのチームの方々だけに言えることではありません。

骨折からの復帰して、一人でレースに臨んで、終盤にあれだけの素晴らしい走りを見せて、2位に入った新城選手。

それに、レース終盤近くまで、絶対的な王者としてレースの動きを左右していたのは、別府史之選手でした。

最後、別府選手は最終完走者として、フィニッシュ地点に戻ってきます。
そして、フィニッシュ地点を超えるとすぐに、その場で自転車をおり、観客に向かって手をふってから、一礼しました。

その瞬間は、観客すべてがフミのものでした。
フミの一挙手一投足を、会場が見て反応していました。



最後、3位に入った横塚さんも素晴らしかったし、
フミやユキヤと同じように不利な状況にも関わらず、その一つ前の大逃げに入ったマリノもすごかった。

いろんなところに、たくさんのヒーローがいました。
勝利を目指して戦った、全ての選手とスタッフの方に、お疲れ様でしたと伝えたいです。

そして、勝った入部さん。

入部さんが勝ったのは、勝つために積み上げてきたものがいっぱいいっぱいあったからだと思います。
それは、ただ足の力だけじゃなくて、精神力もそうだし、チームメイトや監督からの信頼もそうだし、たくさんたくさんあったから、今年の勝利が入部さんのもとに来たのでしょう。

心から、おめでとうございます。




そして、毎度毎度の繰り返しになりますが、
これは、現場でレースを見ていた、一ファンの勝手な感想です。
私はこう受け取ったというだけで、レース展開の解釈について、間違ったことや、とんちんかんなことを書いてしまっているかもしれません。


…………だってさ。
私、レース中にとってたメモ、『54秒』って、たったこれだけだったのよ!!?
なんで5周目のタイム差だけ記録してんのか意味わかんないんだけど!!!もっと他に書くことあっただろうが自分!!!

ということで、
すごい長いレースだったにも関わらず、ほぼ自分の記憶力と自分でとったブレまくりの写真データに頼り切った感想文ですので、「こんなレースだったのか」ではなく、「こんな感じで見てる人いたんだねー」って感じで受け取ってもらえたら幸いです。
正確さを求めてはいかん。

長いレースでしたが、最初から最後まで、展開がどうなるかわからなくて、楽しかったです。むしろ、長いから楽しかった。
また来年も、現地観戦したいなって思いました。

おしまい!!!

ちぃぃぃまぁぁぁぁ!!!!

2019のジロ。第18ステージ。

今日は、逃げが3人だし、スプリンターステージだし、まあ捕まるだろうなっておもって見ていました。

ちなみに逃げの3人は、
アーゼードゥーゼルのニコ・デンツ。
バルディアーニCSFのミルコ・マエストリ
NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネのダミアーノ・チーマ。

でも、残り10km切ってもなかなかタイム差が1分から縮まらなくて、あれ、もしかしたらもしかするのかもって思いだして。

残り3kmで30秒あって、ほぼ確信にかわりました!!
これは、いける!集団にマチューがいたら無理だけど、いないから大丈夫!!逃げ切れるぞ!!


って思ったら、ここまで協力していた3人のうち、デンツが2人を置いて一人飛び出して行ってしまった!!?
ちょっと早くないか!決断早過ぎないか!!


置いていかれた2人が頑張って追いついて、また牽制しそうになったけど、いやいやまだだめだって思ったのか、またまた3人で回り始めました。

でもさっきよりも先頭交代のペース早いね。


残り1km切ったら、もう蛇行蛇行蛇行で、いっきりスピードを落として牽制しまくる先頭3人。

とたんに、さっきまでなかなか追いつけなかったのが嘘のように後ろに迫る集団。


ねえ決断ここだよ!そろそろいくタイミング決めないともう吸収されちゃうよ!!

ってなったら、デンツがいった!!きっと決断力の男なんだな!!
しかしフィニッシュが遠い!
デンツを抜いて前にでるマエストリ
しかし、その二人のラインから離れるようにして、チーマがスピードをあげた!

チーマの後ろにつこうとするマエストリ、その後ろにくらいついていくデンツ。

しかし、チーマが速すぎて一瞬で2人が置いて行かれます。
その直後、2人は、集団からスプリント合戦を開始したスプリンターたちに吸収されていく!

たった一人残ったチーマ。
もう残りは25メートル!!
チーマのすぐ後ろにアッカーマンが入るが、もうチーマを抜きにかかれるだけの距離はない!!


そして!!
NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの、ダミアーノ・チーマが!!!
逃げ切りでのステージ優勝!!!!



ちぃぃぃぃまぁぁぁぁぁ!!!

すごいすごいよ!!
今日までチーマ逃げまくってて、毎日ダゾーンつけると
「あ、ニッポにげてる。チーマだ」
「あ、今日もチーマだ」
「今日もだ」
「今日のチーマは……逃げてるな」
みたいな印象になってました。

そんな、逃げまくってたチーマが、逃げ切りで勝ったっていうのが、そして、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの選手がステージ勝ったっていうのが、嬉しい!!
別にどこのチームの選手が勝ったって嬉しいんだけど、
なんだこれ!うれしい!
チーマおめでとう!
ニッポもおめでとう!!

ツアー・オブ・ジャパン 2019 いなべステージ

前日に引き続き、TOJツアー・オブ・ジャパン)の、第3ステージである、いなべステージを観戦してきました!

まずはお宿の選び方から。
今回も選択肢としては、桑名、四日市、名古屋のどこかで宿を取ろうっていう感じでした。
一番近いのは桑名、ホテルの選択肢が多くてより東京に近いのが名古屋、同じくホテルの選択肢が多く、比較的京都寄りの位置にあるのが四日市

ただ、レース当日の移動を考えると、四日市と名古屋だったら、翌朝の移動距離としてはそんなに変わらなかったのですよね。
そして、京都駅からの移動を考えると、名古屋の方が楽だったのです。
名古屋からだと、桑名のホテルよりも30分くらい早起きしないといけない感じでしたので、あとは桑名と名古屋のホテルの価格やら駅からのアクセスを鑑みて、結局名古屋に宿をとりました。

名古屋駅前にはホテルがいっぱいあるのですが、翌朝、近鉄で行くことは確定だったので、近鉄名古屋駅に近いホテルを選びました。


そんでもって、レース当日。
名駅から西桑名駅への乗り換えを、事前に動画で予習したにもかかわらず、駅が改装工事中でまったく役にたたなくて、もう電車出るよ!って瞬間になんとか駅に飛び込み、スイカで入ろうとしたら電子マネーが使えず、窓口で慌てて切符買ってそのあいだ電車にまっててもらって、なんとかレース会場行きの電車に飛び乗りました。
これ逃したら、次の電車まで50分またないといけないのでひやひやでした。

ちなみに、電車内のTOJのポスターには、「名古屋駅から1時間!」ってうたってましたが、実際に名古屋駅からレース会場に向かった私の所用時間は約1時間半でした。


地元の高校生とかの通学の時間帯とかぶっていたようで、結構この電車が混んでいました。
レース会場最寄り駅についたのは、8:30頃。

そこから歩いて3分くらいのところに、チームカーとかピットエリアがありました。
パレード開始が9:20の予定だったので、昨日よりは余裕を持って着きました。

まだ選手たちも余裕があるのか、サインとか写真とかに応じてくださっている選手の方もいらっしゃいました。
そして、現地で会った観戦仲間のみなさんが背中を押してくれたおかげで、雨澤選手に、今回作った応援グッズにサインをいただくことができました!


サインに応じてくれてる雨澤選手。

今回、応援ボード作るときに、日本語で名前を書くか、アルファベットにするか迷ったのですが、
せっかく海外チームに所属したのだから、雨澤選手のチームメイトや監督が「あ、雨澤選手のファンが◯◯って書いてる応援ボード作って来た」ってわかるものにしようと、あえてぱっと見で認識しにくくても「Takeaki」と書いたボードを作りました。
そしたら、雨澤選手がサインに応じてくれているときに、私のボードを見たグストの選手の方々が「タケアキ〜タケアキ〜」って声かけてて、雨澤選手がそれに笑って答えているシーンとかもあって、ああやはりアルファベットで作ってよかったって思いました。

「応援してます、がんばってください」とだけお伝えして、そそくさと離れました。雨澤選手はやっぱり人気で、次々にファンが来てサインしてもらったり握手してもらったりしていました。

それから、ちょっと場所を移動して、パレードコースのちょうど曲がるところに待機して、パレードがはじまってから写真をとりました。
チームカーとかきたときは、写真を撮らずに手を振りました。
まだレース自体がスタートしてないので、各チームカーのスタッフの方もリラックスしていて、みなさん手を振り返してくれたり、リアクションとってくれました。
実はあんまりパレードスタートって興味なかったのですが(←基本、戦術と展開を肌で感じるために観戦に行く人)、いわばパレード走行の最中って、レースと逆で、選手やスタッフの方々が「今日はこーゆー人たちが見にきてるんだ」って私たち見ている観客をゆっくり確認できる場でもあるのかなー、って思いました。

あと、このパレードスタートを待っているときに、地元の方々が道で同じように待っていて、
「ぼく、毎年見てるんですよー」
「わたしも。これ、本会場の方行くと本当に全然スピード違うのよねー。子供はもう、そっち行ってるわ」
みたいな、いろんな世代の方の会話聞いてると、なんかレース主催者側でもない私がうれしくなっちゃって、思わず涙ぐんでしまいました。



パレードスタートを見送り、もともとの予定ではシャトルバスでフィニッシュ地点があるメイン会場に向かうつもりだったのですが、知り合いの方が車で来ていて、乗せて行ってくださるとのことだったので、お言葉に甘えてその方の車で会場に向かいました。
車の中で、スマホで中継映像を見て、レースの状況を確認していたところ、落車の映像が飛び込んできました。

3人。
ガードレールからその向こうに落ちそうになっている落車でした。
うち、一人が、マトリックスの佐野淳哉。

佐野さん!?

佐野さんは、ガードレールにもたれかかるようにして右肩を押さえてしゃがみこんでいて、とても痛そうでしたが、映像ではしばらくしてまた自転車に乗った姿を確認しました。


逃げは、できかけて潰れる、を繰り返していたように記憶しています。

そうしているうちに、メイン会場に到着。
到着してすぐに、選手たちがすぐ近くを走っていきました!
昨日と同じパターン!

選手を見送り、やってくるチームカーに手を振っていると。
その車列の最後を走っていた一台の車が、私たちのすぐそばで止まりました。
マトリックスのチームカーです。
そして、中から、
佐野さんが出てきました。

佐野さんは、リタイア、ということです。


佐野さんは、痛みに顔をゆがめ、動くのも、歩くのも大変そうでした。
右肩が痛むのか、サイクルウェアを脱ぐのもままならず……。

佐野さんは、とても好きな選手です。
いつだって応援したくなる、とても魅力的な、尊敬している選手です。
その、大好きな選手の一人である佐野さんが、目の前で、落車の痛みに苦しんで、リタイアしてしまっているっていう状況が、なんというか、衝撃でした。

いつだって元気をくれて、殺伐としているときには癒しをくれて、
落ち込んでいるときには、私も佐野さんのようにがんばろうって思わせてくれる、そんないろんな嬉しいことを私に与えてくれる佐野さんが、目の前で苦しんでいるというのに、私は声をかけることすらできないのです。

目の前で、大好きな選手の物語の一つが、無情にも閉じられていく……。
当たり前のことだけれども、我々ファンは、その物語の傍観者にすぎないのです。

そんなことを、もやもやと考えました。



あんまり見ていても邪魔なだけですし、移動してフィニッシュエリアを確認しに行きました。

いなべのフィニッシュエリアは、かなりきつめの斜度で形成された丘の下にある設定です。
だから、最前列でなくても、丘の上にいればフィニッシュの瞬間が確認できるという、とても見やすい地形のステージでした。
さらに、コースはフィニッシュ地点をすぎてから、ゆるやかで短い上り坂を登って丘の頂上と同じ高さまであがり、そのまま丘のすぐ後ろの道を走っていくので、
丘の一番上から見ていれば、遠くからフィニッシュエリアにやってくる選手を眺めることができ、
そこからフィニッシュ地点も確認ができ、
さらに選手を見送ってから後ろを振り返れば、またさっき見送ったばかりの選手が走って行るのが見られるという、なんかもう「こんな見やすくていいの!?」っていう見やすい、ステージでした。

なるほど。
知人がみんな、いなべをおすすめするわけです。

だいたいの位置を確認してから、食事を確保し、今度は一番のぼりのきつい区間に向かうことにしました。

ちなみに、会場で売ってた蕎麦が、こういう場所で食べられる蕎麦と思えないほど美味しかったです。
あと、いなべはお茶の産地でもあるらしく、会場で茶っぷりんって名前で売られていたプリンも一つ買いました。
プリンは8種類くらい売ってて、どれを買ったか名前を覚えてないのですが、とにかくその買ったプリンがめっちゃくちゃ美味しかったいです。

いなべ、食のレベルに関しては、個人的に文句ないステージです。


そこからえっちらおっちら歩いて、登りに向かいました。
途中、選手がやってきたので上りの途中で立ち止まって応援しました。
逃げてる選手と、それを追いかける集団って構図だったのですが、逃げが、ぱら……ぱら……ってきたので、逃げのことはよく覚えてません。
なぜか、まりのが逃げに入っているはずだって思って、まりの選手の応援うちわを用意していたのですが、まりの選手は見つけられませんでした。
ただ、メイン集団では、集団前方に、リュブリャナ・グストが3人隊列を組んであがってきていて、うち最後尾が雨澤さんでした。
あ、これ、グストが動くんだ!って思いました。

そして、また集団が過ぎてしばらくして後ろの方から、マトリックスの安原選手がやってきました。
安原選手は、昨日の京都ステージめちゃくちゃ逃げてたから、その疲れが今日にでたのかなと思いました。
この時点で遅れてしまったら、タイムアウトの可能性もでてきます。
「がんばれー!」って声をだしながら、でもこの時点でここまで遅れていたら厳しいんじゃないかって、冷静な私もどこかにいました。
でもそのとき、一緒にいた観戦仲間が安原選手の背中にかけた「明日も走ってよー!」という応援の声に、
はじめて、リタイアというものに、ひやりとした感覚を覚えました。

マトリックスは、今日佐野さんのリタイアが決まっているので、今日だけで2人も失うとなると、かなり大変になる。
まず私にあったのは、その意識でした。
でも、それだけじゃなくて、
ステージレースだから、今日リタイアしたら、もうこの先のステージに、その選手はいないのですよ。
明日、あるかも知れない物語が、一つ消えるか消えないかの瀬戸際が、今、そこにあるのです。

国内だと、TOJほど長いステージレースってないから、
ほぼリタイアしかかっている選手に対して応援するのって、もう仕事終わっているのにがんばれっているのって違うんじゃないかって思って、手だけたたいて、声をかけないことが多いのですが、
このTOJのリタイアはそういう意味じゃないんだって、ここで初めて、ちゃんと認識しました。
次、まだ諦めずに戻ってきてくれたら、ちゃんと名前を呼んで応援しようって思いました。


そこからしばらく登って、どうやら一番きついエリアのあたりに辿りつきました。
ここまで登るのに、2回くらい「これ、私道の反対側にころがりおちるんじゃないか?」って不安になるくらい足場が大変な感じだったので、小さい子を連れて、登りの方にくることはおすすめしません。
実際にいませんでしたが。

そこに座りこんでしばらくすると、また先頭の選手がやってきました。
一人。エミール・ディマ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)
そしてそれからしばらくして、また一人。ペア・クリスティアンミュンスターマン(ザワーランド)

逃げが一人、追走が一人、そのあとがメイン集団という展開のようです。
そして、メイン集団がやってきます。
この場所が、坂が一番きつい箇所らしく、速度がゆっくりになるので、かなり選手の判別がつきやすかったです。


増田さん。


まりの選手。


って、あれ?さっきあがってきてたグストが前方にいません。
しばらくして、雨澤選手を集団の後方に見つけました。
また昨日と同じこのくらいの位置に戻ったのか……。

が。
なんか違和感。


あ、雨澤選手の自転車に、ナンバーのプレートがついてない!?

ただ、怪我をしている様子はありませんでした。
パンクか何かの機材トラブルで一度下がったのでしょうか?

こういった小さい情報は、現地でも手にはいりません。
どうしたんだろう。


集団が行って、チームカーが来て、そしてまたしばらくして、安原選手が来ました。
今度は、「安原さーん!がんばれー!」って言えました。


それからしばらくして、残り3周となった、先頭がやってきました。
先ほど、それぞれで逃げてた二人が合体していました。


先頭のふたり。


しばらくしてメイン集団があらわれます。
先頭は、マトリックスマンセボ
思わず、複数の観客から「おお!」と声があがりました。
集団の前の方に、有力な選手が何人もいます。


真ん中あたりにいた、中根さん。


そして、雨澤選手は、集団の後方にいました。
鼻のあたりから下の顔面を血だらけにして。


……………………え?

ちょっと待っていったい何が起こってるの?
自転車が交換されてて、次きたとき血だらけってことは、マシントラブルじゃなくって、
落車?落車が起きたの?

公式にもチームにも、どこにもこれにまつわるツイートがあがっていません。
状況だけみたら、雨澤選手の血の位置とか、鼻のあたりにティッシュがあったことから、鼻血って可能性もあるのですが、私も去年顔面から落車したとき、顔に傷はほとんどついてないけど鼻血がめちゃくちゃ出たことがあったので、落車して鼻血が出てるってことも考えられます。

いや、っていうか、このタイミングで自転車のトラブルと体のトラブルが何の相関もなく現れるってありえるか?


しかし、そろそろフィニッシュが近づいてまいりました。
山から降りて、フィニッシュ地点に向かわなければなりません。

足元に気をつけながらくだっていると、安原選手がやってきました。
先ほどよりもかなり遅れています。
ちなみに、安原選手、遅れてはいますが、最後尾ではありません。少し離れた後ろに選手が一人いました。
この周回だったか、その前の周回だったかで、一緒にいた観戦仲間の一人が、「まだわからんあきらめるなー!」てきなことを言っていたような気がしました。
なぜか私が元気でて、そうだよ、まだわかんないよ!って思いました。


山を降りて、メインの観戦場所に戻ります。
ここで、絶対に買うと決めていた、中部ステージ限定のTOJ羊羹を購入していると、いち早くコースをチェックしていた観戦仲間から「雨ちゃん、遅れた!」の声が。
慌ててフィニッシュ手前300mくらいのところが見える場所に駆け寄ると、集団から遅れた数人の選手がちょうど目の前をすぎたところでした。その中に雨澤さんもいます。
コースのレイアウト上、丘を走ってから一瞬くだって登りにはいるのですが、その下る箇所ならまだ間に合うと、来た道を一部引き返し、ダッシュで走り上りの麓へもどります。
が、今日もまた間に合わない!!

とりあえず全力で走りながら「雨ちゃん、がんばれぇぇ!!!」と声をはりあげる私。
昨日に引き続きいうけど、まず私ががんばれ。
特に羊羹買うタイミングをがんばれ。

選手を見送ってから、またたった今走った道をもどり、フィニッシュ地点と同じたかさの道沿いで観戦するか、それとも会場にきたときに確認した、フィニッシュエリアを見渡せる丘の上で観戦するかを悩み、結局状況が見たいから、と丘の上で観戦することにしました。

と、ここで、さっき、安原選手の後ろにいた小柄な選手の姿が見えました。

あれ、安原さん、まだ来てない……。
リタイアしてしまったの……?

そのときです。
フィニッシュエリアのはるか遠く、家々や木々がならぶ街並みの中に、ちらりと、一人で走る安原さんの姿がみえました。

よかった、まだ走ってる。


ただ、見えるのは見えるのですが、まだまだ遠いです。
コース距離にして、まだ500mくらいあります。

でもね、でもね。見えるんです。
一人で諦めずにがんばって走っている姿が見えるのです。

一瞬だけ、周囲から浮くかなってためらったのですが、
なんかもういいやって思って、
一緒にいた観戦仲間と一緒に「安原さーん!」「ダイキー!」「がんばれー!」と腹筋使ってさけびました。
遠いけど、障害物ないから、きっと声が届くだろうと思ってさけびました。

一回、まわりがシーンってしました。
あ、浮いたかな、やっちゃったかなって思いました。

すると。
安原さんが近づいてくるにつれて、応援の声がさざなみのように聞こえてくるのです。
会場のみんなが、安原選手を応援しているように感じました。


その中を、安原選手が通過していきます。あと、2周です。
丘の頂上にいたので、すぐに後ろを向いて、2周目にはいったばかり安原さんを応援して送り出しました。

あと、約30kmの一人旅……。


しばらくして、レース先頭がやってきました。

デュマ、単独。
集団はすぐ後ろにいて、ほぼ捕まっているとみなせる状態でした。

その状態で、最終周回に入ります。


でも、この集団に雨澤選手がいない。

やがて、集団から遅れた、山本選手が単独でやってきます。

でも、雨澤選手はまだ来ない。

それからしばらくして、グルペットがきました。
そうやくここに、雨澤選手の姿を発見しました。
丘の後ろのところでみたとき、血がさっきよりも一層ひどくなってました。
あああ……。

そして、そこからまた何人かの選手を見送ってから、安原選手がやってきました。
その背後に、ぴったりとつく、最後尾の車両。もしくは、回収車の車両。すみません。どっちか覚えてないです。
覚えてないのですが、今度は、遠くから見えても応援できませんでした。

あまりにもその車が背後ぴったりについているので、このフィニッシュ地点ちかくのチームピットエリアにこのまま回収されてしまうのか、
それともまだレースを続けさせてもらえるのかが、わからなかったからです。もう目の端に、逃げていた先頭の姿も遠くに確認できてました。
祈るような気持ちで、安原選手の姿が応援の声とともに近づいてくるのを見つめました。


そして。
チームピットエリアの入り口を……。
…………過ぎた!!
鐘もなりました。ラスト一周を告げる鐘です。
まだ走れるんだ!!

さあ私の腹筋今が出番だ!舞台で鍛えた発声練習の成果を発揮しろ!!!


と。
冷静に考えれば、昨日あれだけ逃げてた安原さんが序盤でこんなに遅れている時点で、体調が悪かったのだろうし、
別にツアー・オブ・ジャパンを途中でリタイアしたからって死ぬわけじゃないし、
それこそ例えば今日リタイアしてこのあと走らないことで体がリフレッシュされて次のレースでいきなり勝っちゃうみたいなことだってあるかも知れないわけで、
だから、何がなんでもこのレースを完走してもらわないといけない訳はないんですけど。


なんでですかね。
漫画とかでたまにある、崖から今にも落ちそうな友人の手を掴んで、「あきらめるな!」って言ってるあんな気持ちだったんですよ。
こっちが手を離したら死んでしまう的な。
で、この最終周に入ったときに、自分から崖の淵をがしって掴んだのが見えたような、そんな気持ちになったのです。
ああ、もう大丈夫かも知れないって。



そして、あっという間に先頭が来ます。

さっき逃げが潰されてから、そこからアタックがかかったみたいで、出て来た2人。
先頭が、アダム・トーパリック(ザワーランド)。その後ろにぴったりついたベンジャミン・ヒルリュブリャナ・グスト・サンティック)。


すでにもうスプリントしてるのか、スピードがはやい!!
残り200m。
トーパリックの後ろについてたヒルが、スプリントの状態でじわじわと距離をつめてきました。そして、ぎりっぎりのところで抜いた!!!

優勝は、リュブリャナ・グスト・サンティックのベンジャミン・ヒル!!
スプリント強かった……!!迫力すごい!!

すぐにメイン集団がやってきます。
気持ち的には、もう怪我せずゴールして!!みたいな感じで、誰が3位とか見てなかったです。

それから、丘の上からおりてコース横に戻り、遅れていた選手が戻ってくるのを待ちました。

しばらく待って、雨澤選手が戻って来て、ほっとしました。
それからまたしばらく待って、しばらく待って、何人か通過して、しばらく待ちました。

大丈夫。
まだ回収車きてない。
だから大丈夫。大丈夫。


そして、やっと遠くに見えた、安原選手の姿。

よかった。


会場、みんなで拍手です。
もうちょうど表彰式が始まる瞬間に、フィニッシュ。


そんなこんなで、表彰式の内容を結果だけ耳で聞いて、
会場に来てた美味しい珈琲屋さんのカフェオレを飲んで、
ちょっとだらだら感想とかを話したりしてから、会場を後にしました。

このあとも、シャトルバスは表彰式直後と、その1時間ちょいあとくらいに一本あったのですけれど、またまた観戦仲間の方にアクセスのいい駅まで送っていただいて、家路につきました。



以上!!いなべステージの感想でした!!
この日、東京の家に帰ってから、疲れ果てた状態でレポート途中まで書いていたのですが、何せジロで初山さんがまた逃げてたものだから集中できず、途中で書くのやめちゃって翌日もありえないくらい寝ちゃって、レース終わった翌々日の今日、ようやく書き終わったという次第。

なので、かなり自分の記憶に頼って書いてしまっているので、
「あれ?自分がみたレースの映像と違う」「記事と展開ちがくない?」ってあったら、ごめんなさい、私の記憶がちょっと改変されちゃってるのかも知れません。
私の記憶の中の、2019年のいなべステージ、だと思ってください。

あと、どうやら雨澤選手は、レース中の落車とかが原因で血が出ていた、とかではなかったみたいです。
自転車が交換されていたのも、落車とかではなさそうですが、どちらも、レースから数日たった現在でもどっかから公式な情報が出たわけではないので、確かなことはわからないです……。




あと、いなべと京都、観戦に行くならどっちがいいかっていう話をしようと思うのですが。


んー……。
マジでいなべ見やすいんだけど、
人にすすめるなら、京都かな……。

私、レース観戦について、今年こう決めています。
『東京以外のレース会場には、もしレースが中止になっても後悔しないレース会場にしか行かない』
レースだけを目的にすると、レース展開が微妙だったり、暑過ぎたり寒過ぎたりで観戦が大変だったりすると、めちゃくちゃがっかりしちゃうじゃないですか。
楽しみたくて観戦にいくのに、ちょっとリスクが高すぎると思うのですよ。

いなべは天候が良ければ大変見やすく楽しいレース会場なのですが、
京都と比べるとアクセスがとっても大変なので、完全に1日がかりになります。

京都は、レースのあと京都市内観光ができちゃうタイムスケジュールなので、もし何かレースを楽しめない事情があっても「まあいいや」って切り替えが楽にできそうだなと思うのです。


ただ、私個人でいうなら、いなべ来年も行きたいです。
茶っぷりん、あと三種類くらい食べたかった。
あと、おそば美味しかった。
プリン好きな人はいなべ後悔ないよ。
悪天候でレースが50kmくらいで終わったら、私、駅近くのお店の茶っプリン片っ端から買いにいく。後悔しないわ。


あと、めちゃくちゃ二日間風強かったのですが、
ドローンはすごい強風で木々がざわざわしてても、違う次元にいるかのように空中に泰然と漂って映像を撮ってました。こやつ、できる………!!

ツアー・オブ・ジャパン 2019 京都ステージ

ツアー・オブ・ジャパン 2019 京都ステージを現地観戦してきました!

TOJは、基本レース開始時間が朝早いし、アクセスが大変なところでやる場合が多いので、参考のため、前泊したお宿から書いていきます。

京都ステージの宿の選択肢としては、アクセスのいい京都駅周辺に泊まるって方法と、レースエリア近くに泊まるって方法の二択で考えました。
京都ステージの特設ページには、開催地市内のお宿紹介のページもあったので、今回は、その中で駅からの徒歩距離が近いところを選びました。

http://suisyun.jp/matsuiyamate/
松井山手駅 水春

スパ施設にホテルつけました!みたいな宿でした。
基本一日中スパ施設だけでのんびりできる構造に、ホテルの自分の部屋があるって感じなので、めちゃくちゃ居心地よかったです。
館内が土足じゃないってだけで、あれだけリラックスできるとは……!
露天風呂入り放題、リラックスコーナーでは漫画読み放題、ロビーではグランドピアノの自動演奏、とかで、なんかもーほとんど部屋にいなかったです。

で、そうやって、前日に心身ともに完全に弛緩した状態で、翌朝宿を出て、スタート地点へと向かいました。

通常のバスの時刻表を調べると、たどり着ける時間のが1本しかなくて、結構ひやひやしていたのですが、前日に調べ直したら20分ごとに最寄駅からの臨時バスが出ていることがわかって、それにのってスタート地点へと行きました。

あ!
ちなみに、この路線バス移動が、レース会場行くまでと、終わって駅まで出るまでに結局計3回もあったので、降車時の手間を省くためにも、交通系電子マネーカードは、朝にそこそこちゃんとチャージしてから一日をスタートすることをお勧めします!



私がパレードスタート地点についたのが、パレードスタートの30分くらい前だったかな?
半分くらいの選手がすでに出走サインを終えている状態でしたが、何チームかはサインの様子を見ることができました。

そこから、パラードランまでにいろいろとセレモニーがあり、選手はスタート位置についた状態でそれが終わるのを待ちます。

スタートを待っている雨澤選手の姿。


パレードランがスタートしたのを見送り、そこから再び路線バスに乗って、アクチュアルスタート地点に向かいます。
わたし、ツールとかみたいに、パラードランからそのままスタートするのかと勘違いしていたのですが、(途中の脇道にゲストライダーがそれて、そこからコミッセールが旗振ってスタートだと思ってた)、そうではなくて、アクチュアルスタート地点で全選手が一旦止まり、そこから改めてスタート切ってました。

そのアクチュアルスタートを見おくると、今度はフィニッシュ地点に向かわなくてはいけません。
シャトルバスが来るのを待ち、シャトルバスに乗って約30分。
このバスに乗っている間に、逃げが決まります。
全部で8名。
安原 大貴(マトリックスパワータグ)、アドリアン・ギロネット(インタープロサイクリングアカデミー)、エイデン・トゥーベイ(チーム・ブリッジレーン)、入部 正太朗(シマノレーシングチーム)、 フィリッポ・ザッカンティ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、アルチョム・オヴェチキン(トレンガヌ・INC.・TSG・サイクリング・チーム)、岡本隼(愛三工業レーシング)、ヴィクトル・ポトチュキ(リュブリャナ・グスト・サンティック)です。
しかし、岡本とポトチュキはしばらくしてこの逃げ集団から切れてしまいます。


先頭が6人になり、2周目(正しくは2.5周目)が終わろうとするちょうどこのタイミングで、私の乗っていたバスが、フィニッシュ地点へと到着しました!

ちょうどフィニッシュ地点一つ前のカーブのところで、逃げグループを見ることができました。
入部さんの名前を叫ぶ私。

そのあとにやってくる、逃げてる選手の所属する各チームカーに手を振って、しばらくするとメイン集団がやって来ました。

ここまで、バスに乗っていた間はとぎれとぎれの映像の情報で、どこが集団牽引してるのかわからなかったのですが、やって来たのは、ものの見事なブリッツェンのトレイン!!

そうだよね!
逃げに誰も入ってなくて、リーダーチームだもんね!そりゃそうなるよね!

タイム差はこの時点では、全然気にしていませんでした。


そのあと、出店をひやかして美味しそうなものを購入してから、今度はコース下見がてら、すこし見通しのいいところに移動します。


ちなみに、フィニッシュ300m手前くらいから、テクテク道沿いにフィニッシュ地点に向かって歩いてみた感じの感想。

坂じゃん。

歩いてて「ああ、まあ坂だけど、いちいち口にするほどないじゃん?」って思いながら歩いてると、なんか地味に疲れる、くらいの微妙な上り坂。

ただ、今日はものすごい強風。

「フィニッシュ」のバナーが、とりはずされるくらいの風でした。


フィニッシュ地点を過ぎて道沿いにすすむと一瞬だけ下るのですが、そこからまたじわじわと、今度はふっつーの登り道になっていきます。

その登り道を登っている途中で、今度は4周目に入った、逃げグループがやってきました。

またまた入部さんに声援を送りながら、ふとここで疑問が。

シマノのエースは、入部さんのはずです。そして、シマノはオリンピック代表として入部さんを入れたいと思ってるはずです。
今回のTOJは、当然UCIレースですから、チームとしては、総合で入部さんを入賞させて、UCIポイントが欲しいはずだし、そんでステージだって勝たせたいはず。

一人、チームの誰か逃げに入れたいのは、わかります。今のブリッツェンの状態になるのを避けるため。追わなくてよくするため。

……でも、なぜ、他の誰かじゃなく、エースのはずの入部さん本人が、逃げに入っているのだろうか。
たしかに風は強く、フィニッシュ地点は追い風が吹いていたから逃げに有利な要素はあるのだけれど、でも、逃げ切りできる感じのステージか……?


んーむ。
と、首をひねってると、集団がやってきました。
相変わらずブリッツェンが頑張ってひいてます。
縦一列で集団が登って行くので、速度はそれなりですが非常に選手の判別がしやすい!


……。
え、一列棒状?
そんな狭い道でもないのに?

……まあ、まだしばらくあるから、いいや。ここで展開について悩むのはやめよう。


もうすこし登って、画面があるところに行きました。
中継のおっきい車じゃなくて、普通の大きいテレビみたいなもので、観戦者が見られるように置いてくれてました。

基本的に画面にはバイクカメラの配置の関係なのか、いつも逃げグループが映っていて、集団の様子がわかりません。

しばらくして5周目に入った、選手たちがやってきたので、またまた逃げてる入部さんに声援をおくります。
しばらく待って、今度は集団。

集団が来た時は、わたしはひたすら去年このステージで勝利した、雨澤選手を探していました。
雨澤選手の応援ボードも作って持って行ってたのです。

ちなみに、実はこちら、リバーシブルでして、裏は去年のジャパンカップのときに作った、これです。

で、この場所で、これを掲げる準備をしていたら、近くにいた、このボードの文字を覗き込んだ地元の方がいいました。

地元の人「あれ、この名前って、去年ここ勝った選手じゃない?」
私「そうですそうです!!この人が勝ちました!」
地元の人「今回も出てるの?」
私「出てます!!」

おそらく、普段サイクルロードレースの情報を追っている方ではなくて、地元だから見に来てくださっている方だと思うのですが、それでも雨澤選手の名前をご存知でした!


ああ、勝たなきゃ意味がないって、こういうことなのかって思いました。
いくらいい走りをしても、勝たなきゃ、残らないし、伝わらない。
でも逆に言えば、勝てば、知らなくても残る場合があるのです。


メイン集団を見送ってから、そろそろフィニッシュ地点に近いところで観戦しようと、登ってきた道を今度は降りていきます。

坂をくだりきったところで、道に沿わずに直進しました。
すると、フィニッシュ地点の手前2kmくらいのところに出ます。

えーと、
この日のコースは、例えるなら、電球を平らにしたみたいな形を想像してみてください。

その電球の、ソケットにつける、くるくる回す一番底面のど真ん中がフィニッシュ地点。
私がいたのが、そのくるくる回すとこの左側上はじよりも、ちょっと電球のガラス面にいったところ。
そこからガラス面にそって下側にもどり、くるくる回す部分に接した時点で道沿いに進むのをやめ、ガラスとくるくる部分の間を通り、ショートカットして、反対側のくるくるの右端とガラス部分の境にきた感じです。

だから、さっき見送った周回の、終わり頃が見られるという訳。


さあ、ここで、現地応援のお楽しみ!
自分でやろうタイム差測定!!

というわけで、電柱を頼りに、逃げグループとメイン集団のタイム差を計ってみました!

あと、一枚も走ってる選手の写真をとってなかったので、ここでちょっとだけパチパチ。

遠いけど、リーダージャージきてる岡くんとか、増田さんとか。

集団真ん中あたり、佐野さんとかマンセボとか、オーちゃんとか。

雨ちゃん。


そんでもって、自己計測結果。
逃げと集団とのタイム差。
約1分20秒。

えーと。
残りだいたい18kmくらいで、アップダウンコース、かつ強風。
で、集団のコントロールは、あいも変わらずブリッツェン。
ナショナルチームの選手の姿は、ブリッツェントレインの中にたまに見えるけど、キナンやリュブリャナ、それにジョッティあたりの、逃げに選手を入れてないチームが、集団を牽きにでようとする様子はない。


…………あれ?逃げ切り、ありえる?

あ、いやいや。ここで集団から、今まで動いてないチームの選手がアタックとかして、前の逃げに追いついたりって可能性もまだある……。

と、ここでスタッフの方が親切に「次、反対側ですよー!」と教えてくれました。

そうです、今来た道を戻れば、最終周回に入ったばかりの選手を見られるのです。

慌てて戻りましたが、私が反応して振り返ったときには、すでに逃げてる選手が過ぎたところ。

メイン集団には間に合いたい!とはしりましたが、ああ!若干たりない!

とりあえず、走りながら遠くを走り去る選手に向かって「がんばれー!!」と応援の声をあげましたが、いや、私こそ頑張って走れよって自分にすごい突っ込みました。

結局沿道までたどり着かずに、ぜはぜはしてると、一人集団から遅れたニッポの選手。

……………中根さんに見えたのは、気のせいか?


あとでご本人のツイッター確認したら、この直前にパンクしてしまった、とあったので、たぶん中根さんだったのだと思います。


ここからは、また電球にたとえると右側のくるくる部分付け根あたりにもどり、そこからコースに沿ってフィニッシュ地点を目指して歩きながら、ラストの観戦場所を決めました。

途中、スマホで確認すると、逃げでアタックがかかり、先頭が2人になったことに気づきます。
入部とザッカンティ。
そこに、くずれた逃げグループから追いついてきたトゥーベイが加わり、3人に。


…………。
いや、ちがう、そうじゃなくて。

まだ、逃げてる?!?


残り5kmくらいで、集団とのタイム差は、30秒くらい。


ええー!ギリギリっ!逃げ切りか、集団が追いついてのフィニッシュか、どっちだ?!


でも、このタイム差が縮まらず、この3人が先頭で、フィニッシュ前の直線に入って行きます!


これは、去年に引き続き、日本人の京都ステージ優勝行けるか?
っていうか、入部さんの、逃げ切りステージ優勝が決まるか!?


残り、約200m!

目の前を三人が通り過ぎて、さあ誰が勝ったか、現地実況に耳を済まそうとしたその直後、こんどは集団先頭が登場!
すぐ近くまで追いついていた!

不意打ちすぎて誰が集団の頭にいるのかわからず、後方だけ写真をパチリ。

すごいブレたので載せませんが、中根さんと雨澤さんが写っていたので、集団と一緒にフィニッシュできてたことにほっとしてました。

そして、ようやく耳が会場の音声を認識。


勝ったのは、
ブリッジ・レーンの、エイデン・トゥーベイ!
入部さんは、2位。
ザッカンティが3位でした。

「コーナーを曲がったところでは3番手だったエイデンが」という実況のアリーさんのフレーズが、なんだかちょっと印象に残りました。
中継映像とかは牽制とかの様子わかるけど、ぶっちゃけ現地では、ラストの駆け引きについては、中継画面にへばりついて見られる位置で観戦しないとわからん!!


と、まあ、

こんな感じが、京都ステージ、現地で見てきた私目線のレースの模様でした!


スタートしてからの、スタート地点からフィニッシュ地点の観戦場所移動中が、どうしても情報が手薄になるので、ここをどう過ごすかだなぁと思いましたが、まあでも、私みたいにひたすら展開を追いたい人は少ないと思うので、そこはあまり気にせずに。


基本的にバス移動って普段あんまりしないので苦手なのですが、
京都ステージは、バス停に係の人が立っていてくれてる場所が多かったので、来る前までに抱いていたほどは、不安感がない状態で観戦できました。


表彰式が終わって、一番早く来た、駅行きのバスに乗って駅まで出て、そこから電車に乗って京都駅についたのが、だいたい14:40前後でした。
お寺か神社か、もしくはお城か、市内で一つ観光して帰るのにちょうどいいくらいの時間でした。

実際に私は一箇所、前から行きたかった神社にお参りして、駅ビルで早めの晩御飯食べ終わって、そこで時計見たら17:30くらいでしたので。


レース観戦には、旅の要素があった方が楽しいなぁと思う今日このごろなので、そういう意味でも、京都ステージは大満足でした。



さてさて!
わたし、明日のいなべもいくので、本日は名古屋のホテルに泊まってます。


本当は、なんとか月曜日中にこのステージレポートという名の感想文を書き上げて寝たかったのですが、
まあ、スマホで書いてるから、どうしても書くスピード遅いのは仕方ない。


宿の位置の関係で、明日の方が朝早いので、ちゃんと起きられますように!

おやすみなさい!

全部マチューが持って行きました。

アムステルゴールドレース2019。
最後20kmくらいで、フグルサングとアラフィリップが順調に逃げてて、その後ろでクヴィアトとトレンティンが追走とかしてたから、まあ今日もアラフィリップだろうって思ってぼーっと見てたら、

最後の最後に、

猛烈な勢いで後ろからあがってきたコレンドン・サーカスのマチュー・ファンデルプールが後ろに抜いていったたくさんの元追走選手を引き連れたままフィニッシュ地点直前で先頭グループに追いついて、そのまま前にいたフグルサングもクヴィアトもアラフィリップも全部スプリントで抜いて勝った。


…………ごめん、私も書きながら、「何書いてんの?」って感じがひしひしする。
でも、事実なんだよ……。


どうやら、最後の5km、マチューずっと誰かの後ろにつかずにがんがん先頭に追いつこうと走ってたららしいです。


すごすぎて、とりあえずなんか書こうって思ったんだけど、
「え、これなに?」って感覚が消えなくてまともに文章になんない。

セオリー無視した圧倒的な勝利でした。
漫画ならもはやギャグ回にしかならんよ!!

私がここ数年でこつこつ積み上げてきた、「ロードレースの展開の見方」をブルドーザーでどっかーんって崩された感覚です。


マチュー。すごすぎる。
もっと見たい。

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