コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

次回予告風な香港出発前日の様子。

ハンマーシリーズ香港の2日前!
いよいよ香港出発前日!

だというのに、昨日の朝から体調が突然悪化したコロロン!
会社を早退して寝込んでしまった!?

サイン色紙を買いに行く余裕すらなくなったこの状態で、果たして明日、わたしは無事に空港にたどり着き、飛行機に乗れるのでしょうか?!
そんでもって、ちゃんと初海外ロードレース観戦を楽しめるのか?!



乞うご期待!!




……………しくしくしくしく。
会社で先週からものすごい勢いで風邪が流行ってたので、注意はしていたのですが、ほんと、まじでなんでこんなタイミングで……。

とりあえず、ギリギリまで横になる。
荷造り終わってないけど、横になる。

がんばれ、明日の自分!!

ボドナール、ハンマー香港来ないってよ。

昨日、ハンマーシリーズの公式ツイッターにて発表された、ボーラ・ハンスグローエのスタートリスト。

ボドナールがいなかった!!!!!!
うわぁぁぁぁぁん!!(泣)


2018年ハンマーシリーズ最終戦の香港は、ハンマースプリントと、ハンマーチェイスしかやらない、ハンマーシリーズのレースです。
つまり、スプリンターかTTスペシャリストしかこないんじゃないかな?って思っていました。

だから、
私、
勝手に、

きっとボーラ・ハンスグローエは、マチェイ・ボドナールが出ると信じていたの!!!


昨晩、ボドナールは出ないとわかって、かなりショックを受けて落ち込んでました。
来ないとわかって初めて、どれだけボドナールのレースを生で見られるって楽しみにしていたのか思い知りました。



まあ、別に事前情報が出てたわけじゃないし、
あくまでも私が勝手に「きっとボドナールは出るはずだ!」って信じていただけなので、仕方ないのです。


くすん。
でも他にもいろいろ選手は来るもんね!
ハンマーを見られることに変わりはないんだから、現地のレース観戦を楽しもう!

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2018 最終ステージ

長かった三週間のレースも、いよいよ最終日です。
今日は、昨日の時点で総合優勝を決めたサイモン・イェーツが属するミッチェルトン・スコットのジャージの色が変わっていました。
黄緑色の部分が、すべてブエルタの赤い色になっているのです。

……トレック・セガフレードと同じ色使い(笑)。

ほんのちょっとカメラが遠ざかると、見分けつきませんでした。
まあ、お祭りみたいなもんだしね、最終日は。

周回コースに入る時、今日限りで引退するディメンションデータのイゴール・アントンが、一人単独で先頭に出て走り始めました。
バスク人の選手。35歳。
ファンへのお別れを告げる走りです。

中間スプリントの直前で吸収され、いよいよレースがスタートします。

なお、複合賞で逆転の可能性がギリギリ残っているアスタナのロペスは、別に冒険していませんでした。


なので、今日注目すべきはただ一点!!
最終日の平坦ステージを制するのは、果たして誰なのかというところ!

残り7kmで、そこまであった逃げを吸収し、バーレーンメリダ、ボーラ・ハンスグローエが集団を牽引します。

残り6km。
先頭はスカイ、二番手BMC、その後ろにロットNLユンボあたりがいます。

残り4kmで、クイックステップや、エフデジ、それにサンウェブとかも前方にあがってきました!
つーかまあ、ほとんど全部のチームが、今日の勝利を狙ってるんだな!最終日だしね!そうだよね!


残り2km。
ここでメイン集団を引くのはキックステップ!
ちなみに速度はほぼ時速70kmです。
ロット・ソウダルも上がってきました。
っていうか、トレックがんばらないと!!

残り1km。
まだクイックステップが先頭です。
しかし、ヴィヴィアーニの姿が見えないのか、クイックステップの選手が混乱して徐々に離れていきます。


そしてスプリント!
アシスト選手がまだわらわらしている中、最初に先陣を切ったのは、ロットNLのダニー・ファンポッペル!
しかし他のスプリンターたちも一気にスプリントを開始し、ファンポッペルを中心に、左右に展開!
ずらっと5人がならんだ状態になります。
ゴール向かって右から、ヴィヴィアーニ、セロー、ファンポッペル、ニッツォーロ、そしてサガン

しかし、ヴィヴィアーニが圧倒的な速さで、みるみるほかの選手を引き離す!!


ステージ優勝!
クイックステップ・フロアーズのエリア・ヴィヴィアーニ!!

自分のチームのトレインを使わず、単独他のスプリンターの後ろに位置どって、優勝しました!強い!!
そして、2位がボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
3位が、トレック・セガフレードのニッツォーロでした。



そんでもって、正式に確定した順位がこちら!
マイヨ・ロホ(総合優勝) ミッチェルトン・スコット サイモン・イェーツ
2位 クイックステップ・フロアーズ エンリコ・マス!
3位 アスタナ ミゲル・アンヘル・ロペス
マイヨ・プントス(ポイント賞) モビスター アレハンドロ・バルベルデ
マイヨ・モンターニャ(山岳賞) ロット・ソウダル トーマス・デヘント
マイヨ・コンビナータ(複合賞) ミッチェルトン・スコット サイモン・イェーツ

そして、ブエルタ全ステージを通しての総合敢闘賞はトレック・セガフレードのバウケ・モレマでした。

モレマの総合敢闘賞納得!!すごく納得!
ステージ優勝はできなかったけれど、モレマのガッツのある逃げで、いっぱい盛り上がったもの!!



……これで、2018年のグランツールは全て終わってしまいました。
なんだか、さみしいなあ。
ロスっていう言葉を使う喪失感じゃなくて、またひとつ終わっちゃったんだっていう、寂しさのが強いです。

昨年のブエルタは、コンタドールが開始前から引退を表明していたこともあって、ブエルタの3週間が、大きな一つの映画かドラマっていう感じがしてました。

今年のブエルタは、去年とは違って、毎日が一話ずつのオムニバス形式の小説みたいだなーって思ってました。
ついでに、ジロとツールと合わせて三部作で、最終巻がブエルタっていうシリーズもの。
そして、ブエルタの最終話で、ジロから密かに張っていた伏線と、プロローグである昨年のブエルタから張っていた伏線がすべて回収されて、サイモンが優勝、マスが総合2位で20ステージ勝って新人賞!みたいな感じ。

うん、今年のブエルタもいい話だったね。

ぬうー!
まだ世界選手権もロンバルディアも残ってるし、何より自分で現地観戦する予定のハンマー香港とジャパンカップサイクルロードレースも残っているのに、この寂しさはなんだろう!

そのうち慣れるのかなー。
それとも、10年くらい観戦を続けてもこのままかなー。
慣れたい気もするし、慣れたくない気もしますね。

まあ、とりあえず、寝てから考えよう。
おやすみなさい!

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2018 第20ステージ

今日は、総合争い、そして山岳賞争いの日です。


逃げには、デヘントとモレマが入り、山岳賞の行方はこの2人のうちのどちらか、という感じになります。
他にも、今日逃げ切り勝利を狙う、マイカやデラクルスが入り、他にも総合争いの前待ち作戦をするアシストの選手とかもいっぱい入って、たくさんの選手が入った逃げです。


残り50kmくらいで、逃げとメイン集団のタイム差は1分くらいだったかな……?

前の集団では、デヘントが着実に山岳ポイントを貯めていくのですが、残り3つの山岳をのこした時点で、デヘントは前にいるのをやめ、遅れ出します。
前方に残り続けたのはモレマ!
ただし、今日のステージで23ポイントとらないと山岳賞ジャージはとれないので、かなり厳しい争いです。


結構人数いた先頭集団ですが、
メイン集団は、アスタナがずんずんスピードをあげて、かなり人数を減らし、残り38kmでそのまま先頭のアスタナ勢がアタックをかけます!
アスタナのアシスト選手が2人と、現在総合5位のミゲル・アンヘル・ロペスの3人が飛び出します!

同時に、いっぱいいた先頭集団では4人の先頭集団ができていました。スカイのクヴィアトコウスキーとデラクルス、そしてトレック・セガフレードのバウク・モレマとボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカ
しかし、クヴィアトコウスキーが遅れて行き、先頭は3人になります。


やがてモレマが遅れて、先頭はマイカとデラクルスの2人に。
けれど、残り34kmで、前から遅れてきたたくさんの選手をくっつけたまま、ロペスが前に追いついてきました!
ちなみにもうアスタナのアシスト選手は誰もいません!ここまで連れてきてくれた選手も、前から下がってきて前を引いてくれた選手も、すべていなくなりました!
あのに、もう、すぐ後ろ、ほんとに見えるすぐ後ろにメイン集団が迫っていて、結局全部一緒になります。
ここまで引き上げたのは、現在総合1位のサイモン・イェーツの双子の兄弟、アダム・イェーツ!
アダム、アスタナがアシスト選手2人以上ががんばって開いた差を、ほぼ一人で追ってなかったことにした!!
アダム強い!!さすが!!

そして役者がそろった状態で、1級山岳を通過!
ロペスが前にでましたが、モレマが根性で差し、1位通過します!
これで、モレマ、山岳賞まで、あと13ポイント!

そして下りにはいったところで、今度はモビスターのキンタナが飛び出した!!

下り終わった、残り約20km。
ロペスが一人でアタックして、前で一人逃げてたキンタナに合流します!
そして、二人で協力して走り出しました。
キンタナ、現在総合5位のロペスを助けると、チームメイトで総合2位のバルベルデに迫ってきちゃうと思うんだけど、いいのかな……。
なんとかサイモンを動かす要素がほしいのか、それとも同郷のロペスを3位にさせたいのか。
メイン集団は、またミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツが引きます。


残り17km、ここでついに、メイン集団から現在総合1位のサイモン・イェーツががアタック!!
ここに、現在総合4位の、クイックステップ・フロアーズのエンリコ・マスがついてきた!!!


残り13km。
サイモンとマスが、前に追いつきました!
これで、先頭は4人です。
現在総合2位であるモビスターのバルベルデや、3位のロットNLユンボのクライスヴァイクがいる後ろの集団は、25秒差。ここは10人くらいいます。

先頭では、キンタナは最後尾に身を潜め、先頭交代はサイモン、ロペス、マスが回ります。

なお、現在、総合2位のバルベルデからのタイム差は、3位クライスヴァイクが20秒差、4位のマスが37秒差、5位のロペスで51秒。
なので、この時点での暫定総合順位は、マスとクライスヴァイクの順位が入れ替わっています。


残り7km、ここででキンタナが先頭集団を離れました。スピードを緩め、後ろからくるバルベルデがいる追走集団に合流し、引きはじめます。

先頭では、マスとロペスがちょっとだけ前にでて、サイモンが離れます。
サイモンは、ついていけずに遅れたというより、見守っているような、余裕さがあります。

残り5.5kmで、先頭の2人とバルベルデ集団とのタイム差は約50秒。
この時点のタイム差だと、暫定2位はマス、そして暫定3位がバルベルデかロペスか、という感じです。


残り4km。
先頭はマスとロペスが交互に引きます。
12秒くらい遅れて、単独でサイモン・イェーツ。
ちなみにサイモンは、総合タイムでマスとから2分15秒リードしているので、まだまだ総合優勝には余裕があります。

その40秒くらい後ろの追走グループで、バルベルデが、離されます!!
ついていけない!!
っていうか、このグループ、キンタナが引いているんだけど!キンタナの引きについていけずに、バルベルデが遅れている!

あ、キンタナが引くのやめて待った。


残り3km。
バルベルデがいなくなった追走グループでは、クライスヴァイクが引いています。残っているのは、エフデジのピノと、EFドラパックのウラン。サンウェブのケルデルマンも残っていましたが、遅れだします。
このグループは、すでに先頭の2人から1分近く離されています。
そして、バルベルデはすでに、ここから40秒近く遅れています。
キンタナがなんども後ろを振り返って、バルベルデのペースを見ながら、アシストを続けます。

残り2km。
先頭は依然2人のまま。
17秒遅れて、サイモン・イェーツ。
その約40秒後ろの追走では、ウランがアタックしました!ピノがすかさずその背後をとりますが、ここまでがんばって先頭を引き続けたがクライスヴァイクがついていけない!っていうか、クライスヴァイクこの展開多くないか!?


さあ、とうとう残り1km!
サイモンは、まだ先頭から25秒くらい後ろにいるので、勝利はロペスがマスの2人の手に委ねられました。
ロペスがさりげなーいアタックをしますが、マスは離れません。

残り600m。
先頭2人、どっちも前に出ようとしません。
スピードがおちて、お互いのタイミングをはかっています。
ほぼ隣に並びました。
じわじわとフィニッシュまでの残り距離を縮め、残り125mで、マスがいきました。
すかさずロペスもふむ!
しかし、マスの方が若干前のまま!そのままカーブに差し掛かる!
インコースからロペスが行こうとするが、それより一歩先に出ているマスがそれを許さない!ロペスが一瞬おくれる。
カーブが終わって、ロペースが巻き返し距離を詰めようとするが、マスも追いつかせない!
そしてマスが勢い良く、両手をあげた……!!

クイックステップ・フロアーズのエンリコ・マス!
ステージ優勝!!そんでもって、ほぼ総合2位確定!!!

マスすごいすごいすごい!!!
だって、クイックステップはスプリンターのヴィヴィアーニのための布陣で、マスの総合のためのアシストなんてほぼいなくて、他の選手がめっちゃ協力なアシストを助けありきでの総合争いをくりひろげる中で、ほぼ一人でそこに張り合ってたんだよ!!
それに、去年、このブエルタの20ステージで、コンタドールの最後の勝負で、コンタドールのアシストをしちゃってたマスが、その翌年、同じブエルタの同じ20ステージで、今度はステージを取るなんて……。
こんな選手、好きにならずにどうしろと言うんだよ!!

2位は、マスに負けてしまって、めちゃくちゃ悔しそうなロペス。
そして、3位は、これでほぼ総合優勝を決めました、サイモン・イェーツが笑顔でフィニッシュラインに入ってきました。

その後ろからやってきた、ピノとウランは、白熱した争いをフィニッシュ前の登りで繰り広げます!
ピノが先着で4位。ウランが5位。
そのあとにサンウェブのケルデルマンが入ってきて、6位。
そして、ようやくここでやってきました、昨日まで総合3位だった、クライスヴァイク。マスとロペスのフィニッシュから、1分15秒遅れてのフィニッシュです。
バルベルデはさらにおくれて、3分9秒遅れのステージ10位。



これで、ブエルタ2018における総合順位がほぼ確定しました。

総合1位。マイヨ・ロホ。
ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ!!

1分46秒差の2位が、今回のブエルタでずっと素敵な走りをし続けて、どんどんファンを増やし続けた、クイックステップ・フロアーズのエンリコ・マス!
2分4秒差の3位が、今日マスには負けたけれど、初めてなりふりかまわない走りを見せて、巻き返して総合表彰台にあがることができた、アスタナのミゲル・アンヘル・ロペス
2分54秒の4位が、今日一気に順位とおとしてしまった、ロットNLユンボのステフェン・クライスヴァイク。
そして、4分28秒差の5位が、モビスターのアレハンドロ・バルベルデでした。


その他の賞。
ポイント賞は、モビスターのアレハンドロ・バルベルデ
複合賞は、総合に続いての受賞、サイモン・イェーツ。
山岳賞は、守りました。ロット・ソウダルのトーマス・デヘント。
モレマは、今日根性で1級の10ポイントとったあと、遅れてしまったので……。
モレマ、今回のブエルタ、惜しいステージいっぱいだったなあ……。


最初の2週間かっとばして、最後の週で突然調子をくずして、あっという間に総合表彰台から姿を消してしまって、嵐のようだったジロから一転。サイモン、慎重に慎重に駒をすすめて、はじめてグランツールを制しました!
今年の失敗を、今年中に取り返すことができて、とってもよかった!
サイモン、おめでとう!!!

あと、もう一回書くけど、総合2位のエンリコ・マス、好きだ!


明日は、いよいよラストステージ。
ステージ勝利争いはあると思うのですが、ポイント賞争いは……起きないですね。
ポイント賞2位のサイモンと、ポイント賞1位のバルベルデとのポイント差は27ポイントなので、明日サイモンがステージ優勝しないと、ここは逆転しないので、それは事実上不可能です。明日の平坦ステージで、スプリンターが、がんばらないわけないもん。
そんでもって、スプリンターで一番ポイントが高いサガンのポイントは、99。明日、中間スプリントもステージも1位をとったとしても、プラス30ポイント。バルベルデの131ポイントには届きません。

あー、でも複合賞争いは起こる可能性があるのかな。
複合賞は現在、9ポイントでサイモンですが、2位が11ポイントのロペスです。
明日は山はないし、総合ももう動かないだろうから、動くのはポイント賞のみ。そして、ポイント賞では、ロペスはサイモンと1ポイント差の3位です。
複合賞のポイントは、総合、ポイント賞、山岳賞の順位をポイントにし、その合計が低い方がいい、というもの。
なので、明日、ロペスがサイモンよりもスプリントポイントを2ポイント以上多くとって、なおかつ明日ステージ勝利を争うであろうスプリンターたちのポイントが大幅に動き、ロペスとサイモンとの間に3人以上ポイントをもった人が間にはいれば、二人の順位が3つ以上開くので、ロペスは複合賞をゲットできるのです。

……でも、ポイント差的に、現在のサイモンのポイント103を超える可能性がある、73ポイント以上持っている総合じゃない選手って、ボーラのサガンクイックステップのヴィヴィアーニとBMCのトゥーンスしかいないな。他の総合系の選手が、わざわざロペスのためにフィニッシュのスプリントする可能性はほぼないだろうし、そんでもって、明日ロペスがとったポイントとサイモンのポイントとの間に、ちょうどこの3人がいる可能性ってめちゃくちゃ低くないか?

うん、複合賞もまずうごかない気がする。


ってことは、4賞は今日でほぼ決定でしょう!!

よし、明日はステージに集中してみるぞ!!



……。


去年の、あのコンタドールの最後のステージ勝利から、もう一年が経ったんだね。
なんだか、もう一つシーズンが一周したなんて、信じられない気持ちがあるな……。

逃げ切った!!

平坦逃げ切った!!平坦逃げ切った!!
ブエルタで、グランツールで、平坦ステージで、3人しかいない小さな逃げで最初から最後までで、それで逃げ切った!!!

今日の、ブエルタ・ア・エスパーニャ2018の第18ステージ、まあこれは最後吸収してスプリントだなー、とかって思ってたんだけど、
なかなかいい逃げっぷりだけど、きっと残り300mくらいで吸収されちゃうんだろうなーって思ってたけど、
逃げ切ったんだよ逃げ切ったんだよ!!!!

ロット・ソウダルのイェーレ ・ワライスが逃げ切って勝ったんだよ!!

3人だった逃げは、ブルゴスBHのイェツ・ボルが途中で脱落して、最後の最後まで逃げてたのは、ディメンションデータのスヴェンエリック・ビストラムとワライスの2人でした。

そしたら残り1km切って後ろにメイン集団がいる状態で、ワライスが完全にビストラムの後ろにぴったりついて、離れないのですよ。

ビストラムが、めちゃくちゃ焦ってるのが手に取るようにわかって、こう、後ろにワライスいるけどもう後ろからメイン集団きてるよ行くしかねえ!!って感じで、後ろにワライスをくっつけたままぐんぐん最後のスプリントに入っていったのですよ!!

そしたらメイン集団からは、ロングスプリントでサガンがものすごい勢いで後ろからバビューンッ!!って迫ってきて、
そこまで待って待って待ってから!!ワライスが飛び出してビストラムとのバッチバチのスプリントを制してステージ優勝!!

フィニッシュ地点を通り過ぎるまで、何がどうなるかまったくわからない展開でした。

うわあびっくりした!
今日は最後エーススプリンターの争いだと思ってたから、「ぬあ逃げ切った!!?」みたいな、意表を疲れた感じでした。


ちなみに今、ジャージはこんなんね。
マイヨ・ロホ サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)
マイヨ・プントス アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)
マイヨ・モンターニャ トーマス・デヘント(ロット・ソウダル)
マイヨ・コンビナータ アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)

逃げの帝王であるデヘントが、もしかしたら最後まで山岳ジャージを切られる可能性も出てきて、きゃわきゃわしちゃうね!!デヘントは、ツールに続いて、ブエルタでも晩御飯シリーズやっててほっこりするね!!

それはさておき。


何事も、ギャップが激しいほど惹きつけられるとはいうけれど、逃げ切りが決まるわけないって思ってたステージで、逃げ切ったときの予想を裏切るこのギャップはすごいね!びっくりしたね!

私今日はまったくブログ書くつもりなくて、一度もメモとかもとることなく、ただただぼけーっと見てたんだけど、フィニッシュした瞬間に思わずパソコンでブログ画面表示させてたよ。

よかったよかった。魅了あふれるステージだった。うんうん。

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2018 第14ステージ

みなさま無事ですか?
楽しくブエルタ観戦できる環境にいますか?
もう日本はアトランティスになるんじゃないかって不安になるような今日この頃ですが、被災された方も、遠方で心配しながらじりじりしている方も、このブログにきたときくらい、楽しくレースの話を読んでってくださいね。


先日の第12ステージで、総合1位のマイヨ・ロホは、ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツから、コフィディスのヘスス・エラダに移動しました。
本当はこの12ステージ、ほとんどレポート書き上げてたんだけど、先頭グループのフィニッシュ直後に、フィニッシュ地点のすぐ先に立ってたオーガナイザーのプレス担当者に選手たちがぶつかって、スカイのディラン・ファンバーレがかなり大きな落車をしました。

ブログを書くなら、この落車に触れない訳にはいかないと思ったのですが、状況的にもすごくひどい落車なのに、なんでか私がかくと「おっちょこちょいなあわてんぼうのおじさんとかわいそうな選手たち」みたいになってしまって、ぜんぜんシリアスな状況が伝わらなそうだったので、ファンバーレの怪我の状況次第で後からアップしようって思ってました。

そして、そのファンバーレは、今日の14ステージをスタートしませんでした。
リタイアです。
だから、12ステージのレポートはあげません。
…………しかし、あの落車でリタイアなんて……。
ただ映像でみてただけの私ですら悔しくてもやもやするのに、スカイの関係者やバールレは本当に怒り心頭だろうなあ……。


そして始まった、本日の第14ステージ。
逃げは6人です。
スカイのミカル・クヴィアトコウスキー。
ロット・ソウダルのトーマス・デヘント。
EFドラパックのマイケル・ウッズ。
BMCのニコラス・ロッシュと、ブレント・ブックウォルター。
バーレーンメリダのイバン・ガルシア。
豪華だね!


タイム差は、だいたい2分半から3分でキープしながらレースが展開していきます。
途中の山頂フィニッシュは、誰もあらそわず、すべてスムーズにデヘントがとっていきました。

残り45kmで、メイン集団をバーレーンのニバリが引いているためか、イバン・ガルシアがさがり、先頭集団が5人に減ります。
このまま5人でまだしばらく逃げ続けると思いきや、二つ目の1級山岳を超えたあと、先頭グループでデヘントがメカトラで止まりました。

すぐに走りだしたのですが、この時点でメイン集団と逃げのタイム差が2分を切っていたので、逃げ集団もデヘントを待ちません。

残り40kmで、先頭4人。追走のデヘントが約35秒遅れ。先頭から1分45秒後ろにメイン集団です。
それぞれ全力で下っていきます。

残り39kmで先頭グループのウッズが落車!!
急なカーブがあって、その途中から大きな木のかげになって、かなり明暗が変わる箇所でした。
ただでさえ危険な下りの急なカーブに、その明るさの落差で、距離感が若干くずれたのでしょうか。
約40秒後にデヘントがそこを通りかかったときに、オフィシャルカーの人が笛ふきながら「ここあぶないー!!」みたいな合図をしていて、デヘントがかなりスピードを落としてそのカーブを下っていました。
そのときにはウッズがいなかったので、もう走り出してはいるようです。


残り35km。
先頭は三人。
クヴィアトコウスキーとロッシュとブックウォルター。
10秒後ろに、先ほど落車してすぐに復帰したウッズ。
さらにその40秒後ろにデヘント。
ニバリが先頭でがんがん下っているメイン集団は、さらにその40秒後ろくらいにいます。
どんどんメイン集団が迫って来ています。

残り30km。
メイン集団、先頭からのタイム差が50秒を切りました。
ニバリの下りはやっぱりすごいな!
下りが終わって、かなり人数がへっていまます。逃げていたウッズを吸収しました。
続いて、ウッズを抜いてて前を走っていた、デヘントも吸収です。

これで、逃げはトップの3人のみになりました。

なお、本日マイヨ・ロホを着ているコフィディスのヘスス・エラダは、先頭から1分45秒くらい遅れています。

そして、ニバリグループはじりじり先頭集団とのタイム差を詰めています。
反対に、じわじわタイム差が開いていく、マイヨ・ロホグループ。


残り26km。
先頭グループで、ブックウォルターが遅れました。これで、先頭はクヴィアトとロッシュの2人です。
しかし、すでに20秒後ろにニバリが率いるメイン集団が控えています。
マイヨ・ロホはもういないけれど、多分このニバリが率いるグループにいる選手の誰かが、今日のレース後の総合1位をとると思うので、ここがメイン集団です。

残り25km。
ロッシュが遅れました!
これで、先頭は単独でクヴィアトコウスキーただ一人!!


残り23km。
先頭はクヴィアトコウスキー。
50秒後ろに、メイン集団。
……一人なのに、どんどんタイム差が開いているのですが……。
クヴィアトって、数日に一度「やっぱりこの人すごいな!」って思わせてくれる選手ですね。

残り20km。
クヴィアトコウスキーが、単独でくだってます。
クヴィアトコウスキーの下りは、なんか、限界に挑戦!!!みたいな下りです。
今日だけなのか、それともいつもなのかわからないのですが。
なんだろう。派手だ。
カーブに合わせた体重移動の動きが、かなりギリギリまでこらえてから大きく移動するからそう見えるのかな。
決して大柄な印象のある選手じゃないのですが、前に誰かがいたら「どけどけーい!!」っていう感じの、迫力のある下りです。

しかし、このありえないくらいのクヴィアトコウスキーの下りにもかかわらず、
メイン集団がこの下りでどんどんタイム差を詰めて来ている……!

だれだ!このメイン集団の下りを引いてるの!
たぶんニバリな気はするのですが、メイン集団の前からの映像が映らないので確証が持てません。

そして、このみんがみんなガンガン行こうぜ状態の下り区間で、ディメンションデータのメインチェスが落車!!
道路から外れて落ちてしまったみたいで、よろよろとした感じで森の中から道路に戻ってきていました。
とりあえず歩けてはいました。

残り11km。
逃げているクヴィアトコウスキーもメイン集団も下りを終えました。
タイム差は、約30秒。
なお、スカイで一番総合タイムのいい現在12位のデラクルスは、このメイン集団から遅れてしまっています。

残り8.5km。
タイム差が20秒を切りました!
ニバリがここで仕事を終えました。
アシストをやろうがエースをやろうが、実力ある選手っていうのは、かっこいいんだなっ!!


残り6km。
クヴィアトコウスキーが登りにはいりました!!
……いや、公式の高低表だと、まだ登らないはずなんだけど、どう見てもクヴィアトの走り方見る限りこれ登り。

残り5km。
クヴィアトコウスキーが吸収されました!これで、逃げはいなくなります!
メイン集団の先頭はボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカです。
そして、クヴィアトが、マイカの後ろに入った!!

…………。
……………………え?

あんだけ一人でずっと逃げてて、このメイン集団の速さに二番手でついていけるの!?
どんだけすごいんだクヴィアトコウスキー。

残り4km。
モラールがピノを引っ張ってアタック!!
一緒にモビスターのリカルド・カラパスとEFドラパックの選手が一人がついていく!!
つーか、ここから坂の斜度がえげつなさすぎる!だから残り4kmからが登りってしてたのか!スペインの坂の定義って、どうなってるんだ!!

つづいて、ロットNLユンボのステフェン・クライスヴァイクが先頭にでた!!
ちなみに斜度は19パーセント!最大17パーセントの坂のはずなんだけど、もう気にしちゃだめ!

そして、クライスヴァイクがじわじわと後続との差をひらいていきます。
カラパスとバルベルデがちょっと間をあけてついていきます。

残り3km。
ヨン・イサギレと、トニー・ギャロパンが遅れていく!!
ヨン〜!!ニバリがあんなに頑張ったのはきっとあなたのためだから、まだ負けないでがんばってー!!

そして、クライスヴァイクがペースをあげた!!
後ろでは、カラパスがさがり、バルベルデが単独。ほんのちょっと間をあけて、後続を率いてミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツが迫っています。

残り2.5km。
後ろが迫ってくると、ペースをあげてまた少し離すクライスヴァイク。
すこしだけ離れた後ろにバルベルエで。
その後ろで、サイモンの横からクイックステップ・フロアーズのエンリク・マスが飛び出しました!!
一人で、バルベルデのところまでおいかけていきます。


残り2.3km
クライスヴァイクにバルベルデとマスが追いついた!
その後ろから、サイモンとモビスターのナイロ・キンタナ、アスタナのミゲル・アンヘル・ロペスも追いついてきました。
EFドラパックのウランがこの攻防についていけずに、若干遅れています!!


残り2.1km
今度はキンタナがアタックしました!すかさずロペスがついていく!!
しかし、残り1.7kmのところで後ろから、クライスヴァイクを先頭にバルベルデ、サイモン、ピノ、マスが追いついてきました。
これで、先頭は7人。

残り1.5km。
もう一度キンタナがアタック!!再度ロペスもついていく!!
今度はさっきよりも速いぞ!さっきのは様子見のアタックだったのか!

後ろでは、クライスヴァイクが先頭で追っていますが、そのすぐ後ろについているのがバルベルデなので、先頭交代は期待できません。バルベルデはキンタナのチームメイトなので、クライスヴァイクに追いついてほしくないはずだからです。

しかし、サイモン・イェーツが一人でそこからとびだしていった!
すかさずクライスヴァイクの背後から離れたバルベルデがチェックに向かう!バルベルデの背後についてピノもいく!遅れてマスとクライスヴァイクも続いていく!

残り1kmで、後ろからみんなサイモンに追いつきました。また7人になった!
砂埃が舞う!!!

……なんで砂埃が舞う?
人が多すぎるのか、それとも舗装が真ん中だけで周辺に砂が多いのか。

そして残り700mでこのグループの先頭になったサイモンが、静かにスピードをあげてじわじわと単独先頭になりました!そのまま一人で差をつけていく!
キンタナが追い、またそれにロペスが続きますが、しかしかなり離れた!
バルベルデピノがキンタナとロペスのところまでなんとか追いついたところで、ロペスがいった!!
先頭のサイモンにおいつこうとペースをあげます!バルベルデがチェックしている。
逃げるイェーツ!
ロペスとバルベルデがほぼ横並びで追いかける!!二人に遅れたキンタナとピノ
ちなみに気づいたら完全に未舗装。まごうことなき未舗装の坂。
そして、カーブを曲がりフィニッシュのゲートが見えた時点で、イェーツが後ろを振り向いた。
後ろで、必死の形相で登って来ているバルベルデとロペス。
しかし、追いつける距離ではない……!
正面に向きなおったサイモンは、すでに笑顔。

両手を大きく広げて、フィニッシュ!!
ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ、ステージ勝利!!
2位はアスタナのミゲル・アンヘル・ロペス。3位はモビスターのアレハンドロ・バルベルデ
この2人は、サイモンから2秒遅れでフィニッシュです。
エフデジのティボ・ピノが、5秒差の4位。後半あれだけの猛攻をしたモビスターのナイロ・キンタナは、最後ついていけずにタイム差7秒の5位。
ロットNLユンボのステフェン・クライスヴァイククが11秒差で6位。クイックステップ・フロアーズのエンリク・マスが7位でサイモンから19秒差でした。

サイモンがステージ勝利をしたことで、最後の4kmの攻防は、力と力のぶつかり合いというよりも、頭脳戦だったのだなあと思いました。
サイモン、確かに最後まで残ってたけど、走り方を見る限り、勝負どころでおいていかれないギリギリのラインで走って、ここぞというところまで待っていた気がします。
キンタナとロペスが飛び出した時も、先頭引いておいかけてたのずっとクライスヴァイクだったし。

……そういう意味で、クライスヴァイクは、結構不器用な走りかたをしますよね。
クライスヴァイクが勝つのって、完全に力技で勝てる状況下のときかなーって気がします。
正反対のイメージなのが、私の中ではロペス。
まだ総合優勝を狙えない若い選手だからこそかもしれないけど、白熱した勝負ほど、つねにじーっと待ってる。


そして、総合順位!
総合1位!!ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ!
2位は、モビスターのアレハンドロ・バルベルデで20秒。3位も同じくモビスターで、47秒差のナイロ・キンタナ。
4位は、アスタナのミゲル・アンヘル・ロペスで、イェーツとのタイム差は1分23秒。
5位が、ステフェン・クライスヴァイク
ポイント賞と複合賞は、モビスターのバルベルデ!!
山岳賞は、まだコフィディスのルイス・マテマルドネスがキープしましたが、2位のデヘントとの山岳ポイント差が10ポイントまで縮みました。

そして敢闘賞。文句ないね!スカイのミカル・クヴィアトコウスキー!!

いよいよ、総合争いが白熱してきましたね!
明日が終わったら、もうその次は休息日で、その次は第3週。
今週がレース以外の大きな事件がいろいろありすぎたからかもしれないけど、なんかあっという間ですね。
サイモンは、今年のジロの教訓を生かして、このマイヨ・ロホをキープできるのでしょうか。
あと、山岳賞のマテマルドネスが今日とても調子がわるそうなのが気になってます。

明日も、山がいっぱいあるステージです。
たくさんあるのに、三分の一くらいの山は、山岳ポイントがつきません。
ただ、きついだけです。
明日はきっと、「なんでこの坂にポイントつかないんだ?」って、多くの人がモニターを見ながら首をかしげることになるでしょう。
私もかしげるでしょう。
ブエルタだからね。

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