コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

ボドナール、ハンマー香港来ないってよ。

昨日、ハンマーシリーズの公式ツイッターにて発表された、ボーラ・ハンスグローエのスタートリスト。

ボドナールがいなかった!!!!!!
うわぁぁぁぁぁん!!(泣)


2018年ハンマーシリーズ最終戦の香港は、ハンマースプリントと、ハンマーチェイスしかやらない、ハンマーシリーズのレースです。
つまり、スプリンターかTTスペシャリストしかこないんじゃないかな?って思っていました。

だから、
私、
勝手に、

きっとボーラ・ハンスグローエは、マチェイ・ボドナールが出ると信じていたの!!!


昨晩、ボドナールは出ないとわかって、かなりショックを受けて落ち込んでました。
来ないとわかって初めて、どれだけボドナールのレースを生で見られるって楽しみにしていたのか思い知りました。



まあ、別に事前情報が出てたわけじゃないし、
あくまでも私が勝手に「きっとボドナールは出るはずだ!」って信じていただけなので、仕方ないのです。


くすん。
でも他にもいろいろ選手は来るもんね!
ハンマーを見られることに変わりはないんだから、現地のレース観戦を楽しもう!

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2018 最終ステージ

長かった三週間のレースも、いよいよ最終日です。
今日は、昨日の時点で総合優勝を決めたサイモン・イェーツが属するミッチェルトン・スコットのジャージの色が変わっていました。
黄緑色の部分が、すべてブエルタの赤い色になっているのです。

……トレック・セガフレードと同じ色使い(笑)。

ほんのちょっとカメラが遠ざかると、見分けつきませんでした。
まあ、お祭りみたいなもんだしね、最終日は。

周回コースに入る時、今日限りで引退するディメンションデータのイゴール・アントンが、一人単独で先頭に出て走り始めました。
バスク人の選手。35歳。
ファンへのお別れを告げる走りです。

中間スプリントの直前で吸収され、いよいよレースがスタートします。

なお、複合賞で逆転の可能性がギリギリ残っているアスタナのロペスは、別に冒険していませんでした。


なので、今日注目すべきはただ一点!!
最終日の平坦ステージを制するのは、果たして誰なのかというところ!

残り7kmで、そこまであった逃げを吸収し、バーレーンメリダ、ボーラ・ハンスグローエが集団を牽引します。

残り6km。
先頭はスカイ、二番手BMC、その後ろにロットNLユンボあたりがいます。

残り4kmで、クイックステップや、エフデジ、それにサンウェブとかも前方にあがってきました!
つーかまあ、ほとんど全部のチームが、今日の勝利を狙ってるんだな!最終日だしね!そうだよね!


残り2km。
ここでメイン集団を引くのはキックステップ!
ちなみに速度はほぼ時速70kmです。
ロット・ソウダルも上がってきました。
っていうか、トレックがんばらないと!!

残り1km。
まだクイックステップが先頭です。
しかし、ヴィヴィアーニの姿が見えないのか、クイックステップの選手が混乱して徐々に離れていきます。


そしてスプリント!
アシスト選手がまだわらわらしている中、最初に先陣を切ったのは、ロットNLのダニー・ファンポッペル!
しかし他のスプリンターたちも一気にスプリントを開始し、ファンポッペルを中心に、左右に展開!
ずらっと5人がならんだ状態になります。
ゴール向かって右から、ヴィヴィアーニ、セロー、ファンポッペル、ニッツォーロ、そしてサガン

しかし、ヴィヴィアーニが圧倒的な速さで、みるみるほかの選手を引き離す!!


ステージ優勝!
クイックステップ・フロアーズのエリア・ヴィヴィアーニ!!

自分のチームのトレインを使わず、単独他のスプリンターの後ろに位置どって、優勝しました!強い!!
そして、2位がボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
3位が、トレック・セガフレードのニッツォーロでした。



そんでもって、正式に確定した順位がこちら!
マイヨ・ロホ(総合優勝) ミッチェルトン・スコット サイモン・イェーツ
2位 クイックステップ・フロアーズ エンリコ・マス!
3位 アスタナ ミゲル・アンヘル・ロペス
マイヨ・プントス(ポイント賞) モビスター アレハンドロ・バルベルデ
マイヨ・モンターニャ(山岳賞) ロット・ソウダル トーマス・デヘント
マイヨ・コンビナータ(複合賞) ミッチェルトン・スコット サイモン・イェーツ

そして、ブエルタ全ステージを通しての総合敢闘賞はトレック・セガフレードのバウケ・モレマでした。

モレマの総合敢闘賞納得!!すごく納得!
ステージ優勝はできなかったけれど、モレマのガッツのある逃げで、いっぱい盛り上がったもの!!



……これで、2018年のグランツールは全て終わってしまいました。
なんだか、さみしいなあ。
ロスっていう言葉を使う喪失感じゃなくて、またひとつ終わっちゃったんだっていう、寂しさのが強いです。

昨年のブエルタは、コンタドールが開始前から引退を表明していたこともあって、ブエルタの3週間が、大きな一つの映画かドラマっていう感じがしてました。

今年のブエルタは、去年とは違って、毎日が一話ずつのオムニバス形式の小説みたいだなーって思ってました。
ついでに、ジロとツールと合わせて三部作で、最終巻がブエルタっていうシリーズもの。
そして、ブエルタの最終話で、ジロから密かに張っていた伏線と、プロローグである昨年のブエルタから張っていた伏線がすべて回収されて、サイモンが優勝、マスが総合2位で20ステージ勝って新人賞!みたいな感じ。

うん、今年のブエルタもいい話だったね。

ぬうー!
まだ世界選手権もロンバルディアも残ってるし、何より自分で現地観戦する予定のハンマー香港とジャパンカップサイクルロードレースも残っているのに、この寂しさはなんだろう!

そのうち慣れるのかなー。
それとも、10年くらい観戦を続けてもこのままかなー。
慣れたい気もするし、慣れたくない気もしますね。

まあ、とりあえず、寝てから考えよう。
おやすみなさい!

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2018 第20ステージ

今日は、総合争い、そして山岳賞争いの日です。


逃げには、デヘントとモレマが入り、山岳賞の行方はこの2人のうちのどちらか、という感じになります。
他にも、今日逃げ切り勝利を狙う、マイカやデラクルスが入り、他にも総合争いの前待ち作戦をするアシストの選手とかもいっぱい入って、たくさんの選手が入った逃げです。


残り50kmくらいで、逃げとメイン集団のタイム差は1分くらいだったかな……?

前の集団では、デヘントが着実に山岳ポイントを貯めていくのですが、残り3つの山岳をのこした時点で、デヘントは前にいるのをやめ、遅れ出します。
前方に残り続けたのはモレマ!
ただし、今日のステージで23ポイントとらないと山岳賞ジャージはとれないので、かなり厳しい争いです。


結構人数いた先頭集団ですが、
メイン集団は、アスタナがずんずんスピードをあげて、かなり人数を減らし、残り38kmでそのまま先頭のアスタナ勢がアタックをかけます!
アスタナのアシスト選手が2人と、現在総合5位のミゲル・アンヘル・ロペスの3人が飛び出します!

同時に、いっぱいいた先頭集団では4人の先頭集団ができていました。スカイのクヴィアトコウスキーとデラクルス、そしてトレック・セガフレードのバウク・モレマとボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカ
しかし、クヴィアトコウスキーが遅れて行き、先頭は3人になります。


やがてモレマが遅れて、先頭はマイカとデラクルスの2人に。
けれど、残り34kmで、前から遅れてきたたくさんの選手をくっつけたまま、ロペスが前に追いついてきました!
ちなみにもうアスタナのアシスト選手は誰もいません!ここまで連れてきてくれた選手も、前から下がってきて前を引いてくれた選手も、すべていなくなりました!
あのに、もう、すぐ後ろ、ほんとに見えるすぐ後ろにメイン集団が迫っていて、結局全部一緒になります。
ここまで引き上げたのは、現在総合1位のサイモン・イェーツの双子の兄弟、アダム・イェーツ!
アダム、アスタナがアシスト選手2人以上ががんばって開いた差を、ほぼ一人で追ってなかったことにした!!
アダム強い!!さすが!!

そして役者がそろった状態で、1級山岳を通過!
ロペスが前にでましたが、モレマが根性で差し、1位通過します!
これで、モレマ、山岳賞まで、あと13ポイント!

そして下りにはいったところで、今度はモビスターのキンタナが飛び出した!!

下り終わった、残り約20km。
ロペスが一人でアタックして、前で一人逃げてたキンタナに合流します!
そして、二人で協力して走り出しました。
キンタナ、現在総合5位のロペスを助けると、チームメイトで総合2位のバルベルデに迫ってきちゃうと思うんだけど、いいのかな……。
なんとかサイモンを動かす要素がほしいのか、それとも同郷のロペスを3位にさせたいのか。
メイン集団は、またミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツが引きます。


残り17km、ここでついに、メイン集団から現在総合1位のサイモン・イェーツががアタック!!
ここに、現在総合4位の、クイックステップ・フロアーズのエンリコ・マスがついてきた!!!


残り13km。
サイモンとマスが、前に追いつきました!
これで、先頭は4人です。
現在総合2位であるモビスターのバルベルデや、3位のロットNLユンボのクライスヴァイクがいる後ろの集団は、25秒差。ここは10人くらいいます。

先頭では、キンタナは最後尾に身を潜め、先頭交代はサイモン、ロペス、マスが回ります。

なお、現在、総合2位のバルベルデからのタイム差は、3位クライスヴァイクが20秒差、4位のマスが37秒差、5位のロペスで51秒。
なので、この時点での暫定総合順位は、マスとクライスヴァイクの順位が入れ替わっています。


残り7km、ここででキンタナが先頭集団を離れました。スピードを緩め、後ろからくるバルベルデがいる追走集団に合流し、引きはじめます。

先頭では、マスとロペスがちょっとだけ前にでて、サイモンが離れます。
サイモンは、ついていけずに遅れたというより、見守っているような、余裕さがあります。

残り5.5kmで、先頭の2人とバルベルデ集団とのタイム差は約50秒。
この時点のタイム差だと、暫定2位はマス、そして暫定3位がバルベルデかロペスか、という感じです。


残り4km。
先頭はマスとロペスが交互に引きます。
12秒くらい遅れて、単独でサイモン・イェーツ。
ちなみにサイモンは、総合タイムでマスとから2分15秒リードしているので、まだまだ総合優勝には余裕があります。

その40秒くらい後ろの追走グループで、バルベルデが、離されます!!
ついていけない!!
っていうか、このグループ、キンタナが引いているんだけど!キンタナの引きについていけずに、バルベルデが遅れている!

あ、キンタナが引くのやめて待った。


残り3km。
バルベルデがいなくなった追走グループでは、クライスヴァイクが引いています。残っているのは、エフデジのピノと、EFドラパックのウラン。サンウェブのケルデルマンも残っていましたが、遅れだします。
このグループは、すでに先頭の2人から1分近く離されています。
そして、バルベルデはすでに、ここから40秒近く遅れています。
キンタナがなんども後ろを振り返って、バルベルデのペースを見ながら、アシストを続けます。

残り2km。
先頭は依然2人のまま。
17秒遅れて、サイモン・イェーツ。
その約40秒後ろの追走では、ウランがアタックしました!ピノがすかさずその背後をとりますが、ここまでがんばって先頭を引き続けたがクライスヴァイクがついていけない!っていうか、クライスヴァイクこの展開多くないか!?


さあ、とうとう残り1km!
サイモンは、まだ先頭から25秒くらい後ろにいるので、勝利はロペスがマスの2人の手に委ねられました。
ロペスがさりげなーいアタックをしますが、マスは離れません。

残り600m。
先頭2人、どっちも前に出ようとしません。
スピードがおちて、お互いのタイミングをはかっています。
ほぼ隣に並びました。
じわじわとフィニッシュまでの残り距離を縮め、残り125mで、マスがいきました。
すかさずロペスもふむ!
しかし、マスの方が若干前のまま!そのままカーブに差し掛かる!
インコースからロペスが行こうとするが、それより一歩先に出ているマスがそれを許さない!ロペスが一瞬おくれる。
カーブが終わって、ロペースが巻き返し距離を詰めようとするが、マスも追いつかせない!
そしてマスが勢い良く、両手をあげた……!!

クイックステップ・フロアーズのエンリコ・マス!
ステージ優勝!!そんでもって、ほぼ総合2位確定!!!

マスすごいすごいすごい!!!
だって、クイックステップはスプリンターのヴィヴィアーニのための布陣で、マスの総合のためのアシストなんてほぼいなくて、他の選手がめっちゃ協力なアシストを助けありきでの総合争いをくりひろげる中で、ほぼ一人でそこに張り合ってたんだよ!!
それに、去年、このブエルタの20ステージで、コンタドールの最後の勝負で、コンタドールのアシストをしちゃってたマスが、その翌年、同じブエルタの同じ20ステージで、今度はステージを取るなんて……。
こんな選手、好きにならずにどうしろと言うんだよ!!

2位は、マスに負けてしまって、めちゃくちゃ悔しそうなロペス。
そして、3位は、これでほぼ総合優勝を決めました、サイモン・イェーツが笑顔でフィニッシュラインに入ってきました。

その後ろからやってきた、ピノとウランは、白熱した争いをフィニッシュ前の登りで繰り広げます!
ピノが先着で4位。ウランが5位。
そのあとにサンウェブのケルデルマンが入ってきて、6位。
そして、ようやくここでやってきました、昨日まで総合3位だった、クライスヴァイク。マスとロペスのフィニッシュから、1分15秒遅れてのフィニッシュです。
バルベルデはさらにおくれて、3分9秒遅れのステージ10位。



これで、ブエルタ2018における総合順位がほぼ確定しました。

総合1位。マイヨ・ロホ。
ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ!!

1分46秒差の2位が、今回のブエルタでずっと素敵な走りをし続けて、どんどんファンを増やし続けた、クイックステップ・フロアーズのエンリコ・マス!
2分4秒差の3位が、今日マスには負けたけれど、初めてなりふりかまわない走りを見せて、巻き返して総合表彰台にあがることができた、アスタナのミゲル・アンヘル・ロペス
2分54秒の4位が、今日一気に順位とおとしてしまった、ロットNLユンボのステフェン・クライスヴァイク。
そして、4分28秒差の5位が、モビスターのアレハンドロ・バルベルデでした。


その他の賞。
ポイント賞は、モビスターのアレハンドロ・バルベルデ
複合賞は、総合に続いての受賞、サイモン・イェーツ。
山岳賞は、守りました。ロット・ソウダルのトーマス・デヘント。
モレマは、今日根性で1級の10ポイントとったあと、遅れてしまったので……。
モレマ、今回のブエルタ、惜しいステージいっぱいだったなあ……。


最初の2週間かっとばして、最後の週で突然調子をくずして、あっという間に総合表彰台から姿を消してしまって、嵐のようだったジロから一転。サイモン、慎重に慎重に駒をすすめて、はじめてグランツールを制しました!
今年の失敗を、今年中に取り返すことができて、とってもよかった!
サイモン、おめでとう!!!

あと、もう一回書くけど、総合2位のエンリコ・マス、好きだ!


明日は、いよいよラストステージ。
ステージ勝利争いはあると思うのですが、ポイント賞争いは……起きないですね。
ポイント賞2位のサイモンと、ポイント賞1位のバルベルデとのポイント差は27ポイントなので、明日サイモンがステージ優勝しないと、ここは逆転しないので、それは事実上不可能です。明日の平坦ステージで、スプリンターが、がんばらないわけないもん。
そんでもって、スプリンターで一番ポイントが高いサガンのポイントは、99。明日、中間スプリントもステージも1位をとったとしても、プラス30ポイント。バルベルデの131ポイントには届きません。

あー、でも複合賞争いは起こる可能性があるのかな。
複合賞は現在、9ポイントでサイモンですが、2位が11ポイントのロペスです。
明日は山はないし、総合ももう動かないだろうから、動くのはポイント賞のみ。そして、ポイント賞では、ロペスはサイモンと1ポイント差の3位です。
複合賞のポイントは、総合、ポイント賞、山岳賞の順位をポイントにし、その合計が低い方がいい、というもの。
なので、明日、ロペスがサイモンよりもスプリントポイントを2ポイント以上多くとって、なおかつ明日ステージ勝利を争うであろうスプリンターたちのポイントが大幅に動き、ロペスとサイモンとの間に3人以上ポイントをもった人が間にはいれば、二人の順位が3つ以上開くので、ロペスは複合賞をゲットできるのです。

……でも、ポイント差的に、現在のサイモンのポイント103を超える可能性がある、73ポイント以上持っている総合じゃない選手って、ボーラのサガンクイックステップのヴィヴィアーニとBMCのトゥーンスしかいないな。他の総合系の選手が、わざわざロペスのためにフィニッシュのスプリントする可能性はほぼないだろうし、そんでもって、明日ロペスがとったポイントとサイモンのポイントとの間に、ちょうどこの3人がいる可能性ってめちゃくちゃ低くないか?

うん、複合賞もまずうごかない気がする。


ってことは、4賞は今日でほぼ決定でしょう!!

よし、明日はステージに集中してみるぞ!!



……。


去年の、あのコンタドールの最後のステージ勝利から、もう一年が経ったんだね。
なんだか、もう一つシーズンが一周したなんて、信じられない気持ちがあるな……。

逃げ切った!!

平坦逃げ切った!!平坦逃げ切った!!
ブエルタで、グランツールで、平坦ステージで、3人しかいない小さな逃げで最初から最後までで、それで逃げ切った!!!

今日の、ブエルタ・ア・エスパーニャ2018の第18ステージ、まあこれは最後吸収してスプリントだなー、とかって思ってたんだけど、
なかなかいい逃げっぷりだけど、きっと残り300mくらいで吸収されちゃうんだろうなーって思ってたけど、
逃げ切ったんだよ逃げ切ったんだよ!!!!

ロット・ソウダルのイェーレ ・ワライスが逃げ切って勝ったんだよ!!

3人だった逃げは、ブルゴスBHのイェツ・ボルが途中で脱落して、最後の最後まで逃げてたのは、ディメンションデータのスヴェンエリック・ビストラムとワライスの2人でした。

そしたら残り1km切って後ろにメイン集団がいる状態で、ワライスが完全にビストラムの後ろにぴったりついて、離れないのですよ。

ビストラムが、めちゃくちゃ焦ってるのが手に取るようにわかって、こう、後ろにワライスいるけどもう後ろからメイン集団きてるよ行くしかねえ!!って感じで、後ろにワライスをくっつけたままぐんぐん最後のスプリントに入っていったのですよ!!

そしたらメイン集団からは、ロングスプリントでサガンがものすごい勢いで後ろからバビューンッ!!って迫ってきて、
そこまで待って待って待ってから!!ワライスが飛び出してビストラムとのバッチバチのスプリントを制してステージ優勝!!

フィニッシュ地点を通り過ぎるまで、何がどうなるかまったくわからない展開でした。

うわあびっくりした!
今日は最後エーススプリンターの争いだと思ってたから、「ぬあ逃げ切った!!?」みたいな、意表を疲れた感じでした。


ちなみに今、ジャージはこんなんね。
マイヨ・ロホ サイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)
マイヨ・プントス アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)
マイヨ・モンターニャ トーマス・デヘント(ロット・ソウダル)
マイヨ・コンビナータ アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)

逃げの帝王であるデヘントが、もしかしたら最後まで山岳ジャージを切られる可能性も出てきて、きゃわきゃわしちゃうね!!デヘントは、ツールに続いて、ブエルタでも晩御飯シリーズやっててほっこりするね!!

それはさておき。


何事も、ギャップが激しいほど惹きつけられるとはいうけれど、逃げ切りが決まるわけないって思ってたステージで、逃げ切ったときの予想を裏切るこのギャップはすごいね!びっくりしたね!

私今日はまったくブログ書くつもりなくて、一度もメモとかもとることなく、ただただぼけーっと見てたんだけど、フィニッシュした瞬間に思わずパソコンでブログ画面表示させてたよ。

よかったよかった。魅了あふれるステージだった。うんうん。

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2018 第14ステージ

みなさま無事ですか?
楽しくブエルタ観戦できる環境にいますか?
もう日本はアトランティスになるんじゃないかって不安になるような今日この頃ですが、被災された方も、遠方で心配しながらじりじりしている方も、このブログにきたときくらい、楽しくレースの話を読んでってくださいね。


先日の第12ステージで、総合1位のマイヨ・ロホは、ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツから、コフィディスのヘスス・エラダに移動しました。
本当はこの12ステージ、ほとんどレポート書き上げてたんだけど、先頭グループのフィニッシュ直後に、フィニッシュ地点のすぐ先に立ってたオーガナイザーのプレス担当者に選手たちがぶつかって、スカイのディラン・ファンバーレがかなり大きな落車をしました。

ブログを書くなら、この落車に触れない訳にはいかないと思ったのですが、状況的にもすごくひどい落車なのに、なんでか私がかくと「おっちょこちょいなあわてんぼうのおじさんとかわいそうな選手たち」みたいになってしまって、ぜんぜんシリアスな状況が伝わらなそうだったので、ファンバーレの怪我の状況次第で後からアップしようって思ってました。

そして、そのファンバーレは、今日の14ステージをスタートしませんでした。
リタイアです。
だから、12ステージのレポートはあげません。
…………しかし、あの落車でリタイアなんて……。
ただ映像でみてただけの私ですら悔しくてもやもやするのに、スカイの関係者やバールレは本当に怒り心頭だろうなあ……。


そして始まった、本日の第14ステージ。
逃げは6人です。
スカイのミカル・クヴィアトコウスキー。
ロット・ソウダルのトーマス・デヘント。
EFドラパックのマイケル・ウッズ。
BMCのニコラス・ロッシュと、ブレント・ブックウォルター。
バーレーンメリダのイバン・ガルシア。
豪華だね!


タイム差は、だいたい2分半から3分でキープしながらレースが展開していきます。
途中の山頂フィニッシュは、誰もあらそわず、すべてスムーズにデヘントがとっていきました。

残り45kmで、メイン集団をバーレーンのニバリが引いているためか、イバン・ガルシアがさがり、先頭集団が5人に減ります。
このまま5人でまだしばらく逃げ続けると思いきや、二つ目の1級山岳を超えたあと、先頭グループでデヘントがメカトラで止まりました。

すぐに走りだしたのですが、この時点でメイン集団と逃げのタイム差が2分を切っていたので、逃げ集団もデヘントを待ちません。

残り40kmで、先頭4人。追走のデヘントが約35秒遅れ。先頭から1分45秒後ろにメイン集団です。
それぞれ全力で下っていきます。

残り39kmで先頭グループのウッズが落車!!
急なカーブがあって、その途中から大きな木のかげになって、かなり明暗が変わる箇所でした。
ただでさえ危険な下りの急なカーブに、その明るさの落差で、距離感が若干くずれたのでしょうか。
約40秒後にデヘントがそこを通りかかったときに、オフィシャルカーの人が笛ふきながら「ここあぶないー!!」みたいな合図をしていて、デヘントがかなりスピードを落としてそのカーブを下っていました。
そのときにはウッズがいなかったので、もう走り出してはいるようです。


残り35km。
先頭は三人。
クヴィアトコウスキーとロッシュとブックウォルター。
10秒後ろに、先ほど落車してすぐに復帰したウッズ。
さらにその40秒後ろにデヘント。
ニバリが先頭でがんがん下っているメイン集団は、さらにその40秒後ろくらいにいます。
どんどんメイン集団が迫って来ています。

残り30km。
メイン集団、先頭からのタイム差が50秒を切りました。
ニバリの下りはやっぱりすごいな!
下りが終わって、かなり人数がへっていまます。逃げていたウッズを吸収しました。
続いて、ウッズを抜いてて前を走っていた、デヘントも吸収です。

これで、逃げはトップの3人のみになりました。

なお、本日マイヨ・ロホを着ているコフィディスのヘスス・エラダは、先頭から1分45秒くらい遅れています。

そして、ニバリグループはじりじり先頭集団とのタイム差を詰めています。
反対に、じわじわタイム差が開いていく、マイヨ・ロホグループ。


残り26km。
先頭グループで、ブックウォルターが遅れました。これで、先頭はクヴィアトとロッシュの2人です。
しかし、すでに20秒後ろにニバリが率いるメイン集団が控えています。
マイヨ・ロホはもういないけれど、多分このニバリが率いるグループにいる選手の誰かが、今日のレース後の総合1位をとると思うので、ここがメイン集団です。

残り25km。
ロッシュが遅れました!
これで、先頭は単独でクヴィアトコウスキーただ一人!!


残り23km。
先頭はクヴィアトコウスキー。
50秒後ろに、メイン集団。
……一人なのに、どんどんタイム差が開いているのですが……。
クヴィアトって、数日に一度「やっぱりこの人すごいな!」って思わせてくれる選手ですね。

残り20km。
クヴィアトコウスキーが、単独でくだってます。
クヴィアトコウスキーの下りは、なんか、限界に挑戦!!!みたいな下りです。
今日だけなのか、それともいつもなのかわからないのですが。
なんだろう。派手だ。
カーブに合わせた体重移動の動きが、かなりギリギリまでこらえてから大きく移動するからそう見えるのかな。
決して大柄な印象のある選手じゃないのですが、前に誰かがいたら「どけどけーい!!」っていう感じの、迫力のある下りです。

しかし、このありえないくらいのクヴィアトコウスキーの下りにもかかわらず、
メイン集団がこの下りでどんどんタイム差を詰めて来ている……!

だれだ!このメイン集団の下りを引いてるの!
たぶんニバリな気はするのですが、メイン集団の前からの映像が映らないので確証が持てません。

そして、このみんがみんなガンガン行こうぜ状態の下り区間で、ディメンションデータのメインチェスが落車!!
道路から外れて落ちてしまったみたいで、よろよろとした感じで森の中から道路に戻ってきていました。
とりあえず歩けてはいました。

残り11km。
逃げているクヴィアトコウスキーもメイン集団も下りを終えました。
タイム差は、約30秒。
なお、スカイで一番総合タイムのいい現在12位のデラクルスは、このメイン集団から遅れてしまっています。

残り8.5km。
タイム差が20秒を切りました!
ニバリがここで仕事を終えました。
アシストをやろうがエースをやろうが、実力ある選手っていうのは、かっこいいんだなっ!!


残り6km。
クヴィアトコウスキーが登りにはいりました!!
……いや、公式の高低表だと、まだ登らないはずなんだけど、どう見てもクヴィアトの走り方見る限りこれ登り。

残り5km。
クヴィアトコウスキーが吸収されました!これで、逃げはいなくなります!
メイン集団の先頭はボーラ・ハンスグローエのラファウ・マイカです。
そして、クヴィアトが、マイカの後ろに入った!!

…………。
……………………え?

あんだけ一人でずっと逃げてて、このメイン集団の速さに二番手でついていけるの!?
どんだけすごいんだクヴィアトコウスキー。

残り4km。
モラールがピノを引っ張ってアタック!!
一緒にモビスターのリカルド・カラパスとEFドラパックの選手が一人がついていく!!
つーか、ここから坂の斜度がえげつなさすぎる!だから残り4kmからが登りってしてたのか!スペインの坂の定義って、どうなってるんだ!!

つづいて、ロットNLユンボのステフェン・クライスヴァイクが先頭にでた!!
ちなみに斜度は19パーセント!最大17パーセントの坂のはずなんだけど、もう気にしちゃだめ!

そして、クライスヴァイクがじわじわと後続との差をひらいていきます。
カラパスとバルベルデがちょっと間をあけてついていきます。

残り3km。
ヨン・イサギレと、トニー・ギャロパンが遅れていく!!
ヨン〜!!ニバリがあんなに頑張ったのはきっとあなたのためだから、まだ負けないでがんばってー!!

そして、クライスヴァイクがペースをあげた!!
後ろでは、カラパスがさがり、バルベルデが単独。ほんのちょっと間をあけて、後続を率いてミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツが迫っています。

残り2.5km。
後ろが迫ってくると、ペースをあげてまた少し離すクライスヴァイク。
すこしだけ離れた後ろにバルベルエで。
その後ろで、サイモンの横からクイックステップ・フロアーズのエンリク・マスが飛び出しました!!
一人で、バルベルデのところまでおいかけていきます。


残り2.3km
クライスヴァイクにバルベルデとマスが追いついた!
その後ろから、サイモンとモビスターのナイロ・キンタナ、アスタナのミゲル・アンヘル・ロペスも追いついてきました。
EFドラパックのウランがこの攻防についていけずに、若干遅れています!!


残り2.1km
今度はキンタナがアタックしました!すかさずロペスがついていく!!
しかし、残り1.7kmのところで後ろから、クライスヴァイクを先頭にバルベルデ、サイモン、ピノ、マスが追いついてきました。
これで、先頭は7人。

残り1.5km。
もう一度キンタナがアタック!!再度ロペスもついていく!!
今度はさっきよりも速いぞ!さっきのは様子見のアタックだったのか!

後ろでは、クライスヴァイクが先頭で追っていますが、そのすぐ後ろについているのがバルベルデなので、先頭交代は期待できません。バルベルデはキンタナのチームメイトなので、クライスヴァイクに追いついてほしくないはずだからです。

しかし、サイモン・イェーツが一人でそこからとびだしていった!
すかさずクライスヴァイクの背後から離れたバルベルデがチェックに向かう!バルベルデの背後についてピノもいく!遅れてマスとクライスヴァイクも続いていく!

残り1kmで、後ろからみんなサイモンに追いつきました。また7人になった!
砂埃が舞う!!!

……なんで砂埃が舞う?
人が多すぎるのか、それとも舗装が真ん中だけで周辺に砂が多いのか。

そして残り700mでこのグループの先頭になったサイモンが、静かにスピードをあげてじわじわと単独先頭になりました!そのまま一人で差をつけていく!
キンタナが追い、またそれにロペスが続きますが、しかしかなり離れた!
バルベルデピノがキンタナとロペスのところまでなんとか追いついたところで、ロペスがいった!!
先頭のサイモンにおいつこうとペースをあげます!バルベルデがチェックしている。
逃げるイェーツ!
ロペスとバルベルデがほぼ横並びで追いかける!!二人に遅れたキンタナとピノ
ちなみに気づいたら完全に未舗装。まごうことなき未舗装の坂。
そして、カーブを曲がりフィニッシュのゲートが見えた時点で、イェーツが後ろを振り向いた。
後ろで、必死の形相で登って来ているバルベルデとロペス。
しかし、追いつける距離ではない……!
正面に向きなおったサイモンは、すでに笑顔。

両手を大きく広げて、フィニッシュ!!
ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ、ステージ勝利!!
2位はアスタナのミゲル・アンヘル・ロペス。3位はモビスターのアレハンドロ・バルベルデ
この2人は、サイモンから2秒遅れでフィニッシュです。
エフデジのティボ・ピノが、5秒差の4位。後半あれだけの猛攻をしたモビスターのナイロ・キンタナは、最後ついていけずにタイム差7秒の5位。
ロットNLユンボのステフェン・クライスヴァイククが11秒差で6位。クイックステップ・フロアーズのエンリク・マスが7位でサイモンから19秒差でした。

サイモンがステージ勝利をしたことで、最後の4kmの攻防は、力と力のぶつかり合いというよりも、頭脳戦だったのだなあと思いました。
サイモン、確かに最後まで残ってたけど、走り方を見る限り、勝負どころでおいていかれないギリギリのラインで走って、ここぞというところまで待っていた気がします。
キンタナとロペスが飛び出した時も、先頭引いておいかけてたのずっとクライスヴァイクだったし。

……そういう意味で、クライスヴァイクは、結構不器用な走りかたをしますよね。
クライスヴァイクが勝つのって、完全に力技で勝てる状況下のときかなーって気がします。
正反対のイメージなのが、私の中ではロペス。
まだ総合優勝を狙えない若い選手だからこそかもしれないけど、白熱した勝負ほど、つねにじーっと待ってる。


そして、総合順位!
総合1位!!ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ!
2位は、モビスターのアレハンドロ・バルベルデで20秒。3位も同じくモビスターで、47秒差のナイロ・キンタナ。
4位は、アスタナのミゲル・アンヘル・ロペスで、イェーツとのタイム差は1分23秒。
5位が、ステフェン・クライスヴァイク
ポイント賞と複合賞は、モビスターのバルベルデ!!
山岳賞は、まだコフィディスのルイス・マテマルドネスがキープしましたが、2位のデヘントとの山岳ポイント差が10ポイントまで縮みました。

そして敢闘賞。文句ないね!スカイのミカル・クヴィアトコウスキー!!

いよいよ、総合争いが白熱してきましたね!
明日が終わったら、もうその次は休息日で、その次は第3週。
今週がレース以外の大きな事件がいろいろありすぎたからかもしれないけど、なんかあっという間ですね。
サイモンは、今年のジロの教訓を生かして、このマイヨ・ロホをキープできるのでしょうか。
あと、山岳賞のマテマルドネスが今日とても調子がわるそうなのが気になってます。

明日も、山がいっぱいあるステージです。
たくさんあるのに、三分の一くらいの山は、山岳ポイントがつきません。
ただ、きついだけです。
明日はきっと、「なんでこの坂にポイントつかないんだ?」って、多くの人がモニターを見ながら首をかしげることになるでしょう。
私もかしげるでしょう。
ブエルタだからね。

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2018 第9ステージ

今日は、休息日前にどっでーんと現れた、めちゃくちゃしっかりした山岳ステージです。
超級山岳フィニッシュの日です。
「さあ、動け総合!!」ってルビが振ってあるようなステージです。


逃げは結構序盤で決まります。
ツールの平坦ステージほどすんなりじゃないけど、「ああー、いっちゃった。もういっか」みたいな感じでした。

ロット・ソウダルのトーマス・デヘントが中心となってにげて、そのまま逃げが決まりました。
逃げのメンバーは11人です。
毎日こつこつと山岳ポイントを貯めている、コフィディスのルイス・マテマルドネスや、トレック・デガフレードのバウク・モレマ!
それから、先日ステージ優勝した、ディメンションデータのベンジャミン・キングなんかが入っていました。

レース中盤にあった山岳ポイントは、全てマテマルドネスが1位通過しました。
着実に山岳ポイントを貯めています。


この逃げが、山岳ポイントとかでは若干動きが見られるものの、それ以外はずっと全員で協調して逃げ続けます。


動いたのは、先頭の逃げ集団が、残り30km地点にさしかかったあたりでした。
集団とのタイム差8分45秒。
トーマス・デヘントがアタックをしかけます!
これについていくことができたのは、4人。
ディメンションデータのベンジャミン・キング、トレック・セガフレードのバウク・モレマ、BMCのディラン・トゥーンス、カハルラル・セグロスエレヘアーのルイス・ギリェルモ・マス。

ワンテンポ遅れて、後ろからカチューシャのレト・ホレンシュタインが追いつき、これで、先頭は6人のグループになりました。


残り24km。
追走からさらに3人追いついてきました。
コフィディスのルイス・マテマルドネス、ブルゴスBHのジーザス・エズケラ、ロットNLユンボのトム・レーゼルもう一度、先頭集団は9人になります。

残り21km。
またデヘントがスピードをあげて、逃げグループをバラしにかかります。
先頭とメイン集団とのタイム差は約7分。


残り20km。
先頭は7人に減りました。
デヘント、モレマ、キング、トゥーンス、ギリェルモ・マス、ホレンシュタイン、そしてマテマルドネス。

残り19km。
また先頭でアタックがかかります。
ギリェルモ・マスが抜け出し、キングがそれを追いかけて飛び出していきました。
デヘントやモレマたち、他の先頭のメンバーは、特に追わずに逃がしました。

残り18km。
先頭は狭い石畳の登りに入っていきます。
ギリェルモ・マスが遅れて、先頭はキングが単独になりました!
それを、後ろからデヘントを先頭にして5人追走グループが追いかけて来ます。

残り16.5km。
メイン集団では、アスタナが全力で引いています。
みるみる詰まる、先頭と集団とのタイム差。6分30秒。

ただ、キングは一人で快調に走っていきます。
……キング、いいなあ。
さっき抜け出したタイミングの良さといい、石畳の坂で淡々とはしっている感じとか、なんか、いいな。

残り13.5km。
先頭は依然として単独でベンジャミン・キング。すっごい狭い下りを、がんがん一人でくだっています。
ギリェルモ・マスを吸収した6人の追走集団が、1分10秒後ろでそれを追っています。
その後ろに、先頭争いについていけなかった逃げの選手たちが2組2人ずついて、その後ろがメイン集団です。
メイン集団はキングから約6分12秒後ろにいます。

キングは単独でフィニッシュまで辿りつけるかな……。

追走グループの中だとは、超級山岳のような厳しい山岳では、モレマが突出して登れる選手だと思います。
グランツールの山が厳しいステージとかで、もう各チーム総合エースがその腹心クライマーしか残ってないよ!みたいな場所で、確実に残り、さらにアタックをしかけるような選手ですから。
でも、そこまで実績があると、みんながモレマの動向を見守ってるので、マークが厳しいのかもしれません。


残り10km。
先頭のキングと追走グループ6人との差は、1分30秒です。差が開いています。

残り9km。
追走から、ギリェルモ・マスがさりげなーく抜け出しました。
モレマが先頭で追います。ですが、追い切ることなくすぐに別の選手に先頭を交代します。
モレマ、この展開だと動き方が難しくのかな……。

あ。
でも、行った!モレマが行った!完全に飛び出して行った!
マスまで追いついてから一度振り向き、そのままスピードをあげて単独でキングを追いかけて行きました!!

3速から5速にギア入れたみたいに、あっという間に追走グループを置いていきます。


残り7.5km。
キングとモレマとのタイム差は、1分17秒。ぐんぐんタイムが縮まる。

残り7km。
先頭は依然単独のキング。若干ペースが落ちています。
約1分遅れて、モレマ。
モレマに置いていかれた追走の選手たちは、モレマから約35秒くらい離されています。
メイン集団は、キングがら約6分後方にいます。バーレーンメリダが引いていますが、スカイやボーラなんかも前に出て来て集団牽引を交代しています。

残り6km。
キングとモレマのタイム差は約50秒。
モレマも追走の勢いは若干落ちています。でもガッツの迫力はなんか、もう、すごい。
キングはかなりきつそうです。斜度が10〜12パーセントみたいな箇所で、ふらふらしながら登っています。
お腹すいてふらふら、じゃなくて、坂の傾斜がきつすぎてスピード出せなくてふらふら、な感じです。

残り5.5km。
キングとモレマのタイム差は、約40秒。
キングと集団のタイム差は、約5分。集団は、今はボーラが引いています。
モレマも登りきつそうですが、キングと比べると、体の重心が縦にしっかり通ったまんまです。
きつい登りをのぼっているのに、左右への体の振り方も、なんかきれい。
集団では、現在マイヨ・ロホを来ているモラールが遅れていきました。

残り5km。
先頭のキングと追っているモレマのタイム差が、30秒に縮まりました!
メイン集団は、今度はボーラのマイカが引いています。
モラールはすでに、メイン集団から30秒おくれています。

残り4km。
モレマを映すカメラが、同一画面上にキングの後ろ姿を捉えました!
タイム差は28秒!
なお、メイン集団とのタイム差は4分30秒になりました。
メイン集団ではまだボーラが引き続けています。
そして、牽引しているマイカが、スピードをあげた……!?
気づけばメイン集団の人数も、かなり減っていました。30人くらいでしょうか。

残り3km。
キングとモレマのタイム差は、20秒です!
メイン集団ではマイカが引くのをやめ、先頭は一瞬モビスターが引くように見えましたが、スカイのクヴィアトコウスキーが出て引き始めました。
しかしすぐにモビスターに先頭がかわります。そして先頭にでたモビスターのカラパスが、スピードをあげる!
続いてロットNLが先頭に出て引きはじめます。
単独アタックほど派手じゃないですが、他チームの有力な選手を振り落とすような地味な攻撃が続いています。

残り2km!
キングとモレマのタイム差は、19秒。さっきから縮まっていません。
キングは淡々とペダルを漕ぎ、時折振り返ります。走りが安定して来ました。
モレマは、焦ってる気持ちが走りに出ている感じがします。

残り1km。
キング、走りは淡々としてますが、表情はかなりきつそうです。
モレマは、ダンシングを続けていますが、もっときつそうです。
タイム差は、25秒!?
モレマが遅れている……。

残り500m。
キングの表情に、笑顔が見え始めました。
何度も後ろを振り返ります。

残り100mでもう一度振り返るキング。
勝利を確信し、右手をあげて、それから天を指し、両手を広げてガッツポーズ。
それから頭をかかえ、そしてもう一度右手を高くあげる。
ディメンションデータの、ベンジャミン・キング、2勝目!!!
あの状況下で、単独で走りきった!!そんで勝った!逃げ切った!!
すごーい!キングすごーい!!

そして、モレマがフィニッシュ地点にやって来ます。
何度もうな垂れるように頭をさげて、キングから48秒遅れてフィニッシュしました。
ステージ2位。トレック・セガフレードのバウク・モレマ。
今日も追いつけなかった……。なんだか切ない。
でもモレマの走りすきだよ。
苦境に負けず、いつだって全力で戦ってる走り、好きだよ!
今年のブエルタのどっかのステージで、モレマのガッツが報われてほしい……。



一方、私が半分その存在を忘れていたメイン集団では、ケルデルマンが飛び出していました!!
ぴったりはりついて追いついているのはキンタナ!
そして、アスタナのロペス、バーレーンのヨン・イサギレ、EFドラパックのウランがついてきています。
遅れてサイモンが付いてくる!

ちなみに、その前に逃げていたBMCのトゥーンスがいます。

残り200m。ケルデルマンとロペス若干ほかの選手よりも前にいます。二人でスプリントです。
トゥーンスに続いて、アスタナのロペスが先行してフィニッシュ地点に入りました!ステージ4位です。
続いて、フィニッシュでケルデルマンを刺したキンタナが5位、続いて6位ケルデルマン。
3秒間をあけてウラン、さらに3秒遅れてヨン・イサギレ、さらにさらに3秒後ろからサイモン・イェーツがステージ9位でフィニッシュしました。
バルベルデはサイモンから15秒遅れてフィニッシュです。
また、ボーラのブッフマンが、バルベルデからさらに4秒遅れてフィニッシュしました。


今日の結果をうけて、総合1位のマイヨ・ロホのジャージは、ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツに移動しました。
2位は、1秒差でモビスターのアレハンドロ・バルベルデ
3位は同じくモビスターのキンタナ、14秒差です。
4位が、本日若干遅れてしまった、ボーラ・ハンスグローエのエマニエル・ブッフマン。16秒差。
ブッフマンから1秒遅れの5位が、バーレーンメリダのヨン・イサギレでした。


ポイント賞と複合賞は、モビスターのバルベルデ
山岳賞は、コフィディスのルイス・マテマルドネスが順調にキープし続けています。
敢闘賞は、カハルラル・セグロスエレヘアーのルイス・ギリェルモ・マスでした。


今日のステージで、大きく総合が動いて、有力な優勝候補の人数が絞れてくるかとおもったのですが、なんだか総合優勝争いの団子状態がさらに詰まった感じになりましたね。
総合1位から10位までで、タイム差48秒だよ。
もっとこう、がっつーんと3人くらいがタイム差稼ぐかと思ってました。

うーむ。正直今年のブエルタ、9ステージまで終わってるのに、誰を軸に総合が動いていくのか、私にはまったくわからんぞ。
今のところはバルベルデ?確かに強いんだけれど、でもなんか、ステージ優勝量産型で、総合争いの中心かっていうと、なんか違うような気がする……。

混戦模様のブエルタ
なのに、ポイント賞、複合賞、山岳賞は今のところほぼ安定している不思議。

明日の休息日をはさんで、レースは二週目に突入していきます。
二週目になれば、さすがにもっと総合優勝争いは絞れてくるかな。
逆に来週の日曜日、もっと総合のタイム差がキュッと縮まってたらどうしよう。
とりあえず、笑おう。

ブエルタ・ア・エスパーニャ 2018 第8ステージ

今日は平坦ステージです。
そう言いつつ山ばっかりだったりするときもあるのですが、今日はちゃんと平坦っぽい展開でレース終盤まですすんでいきました。
最後までじゃないよ。終盤まで。


逃げは3人でした。
カチューシャ・アルペシンのティアゴ・マシャド。
ブルゴスBHのホルヘ・クベロ。
エウスカディバスクカントリー・ムリアスのエクトル・サエス
そしてこの逃げの選手たちを、お手本のような、逃げをギリギリで吸収するタイム差でメイン集団が追っていました。

残り20km地点で、タイム差は約2分。
平坦ステージにおいては、プロトンは10kmで1分タイム差を縮められるっていうのが大体の基準なので、集団のコントロールがしっかり効いている印象です。

残り13.5km。
タイム差約45秒。

残り10km。
タイム差は36秒。
残り5kmくらいで捕まるかな。
メイン集団は、トレック・セガフレードクイックステップ・フロアーズ、ボーラ・ハンスグローエあたりがひいていました。

残り7kmで逃げの3人からカチューシャのマシャドがアタックしました!
残りの2人はすぐにメイン集団に吸収されます。
逃げ切りはコース内容的にもタイム差的にもかなり難しいと思うのですが、目指せ、敢闘賞!

残り5.8kmで、マシャドが吸収されました。

集団は、各チームのトレインが前に出ている印象です。
エフデジ、アスタナ、アーゼードゥーゼルあたりのトレインが前の方います。

残り4.6km。
ロット・ソウダルのベノートとカンペナールツがアタック!?ボーラのポストルベルガーがチェックし、そのままそのアタックからつづくように、集団がたてに伸びたような形になります。
吸収しつつ、その勢いをつかって集団の速度をあげたような感じでしょうか。

残り2km。
縦にのびていた集団が一旦丸くなりました。
ペースが遅くなったというより、どんどんみんな上がってきています。
サガンが一人で前の方にきて、微妙にうろうろしています。

残り1km。
ロットNLが集団の先頭で、ゲートを通過しました。
しっかりとした登りです。
そして、とても狭い箇所を抜けてヘアピンカーブを通過!
まだ先頭はロットNL!
残り500mでボーラ・ハンスグローエの選手が先頭にたちました。
続いて残り300mくらいから、バーレーンメリダのイバン・ガルシアが先頭へ!
その後ろについたのが、ボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
サガンの後ろがトレック・セガフレードのニッツォーロ、続いてロットNLユンボのファンポッペルと続きます。
後続を引き離すかのように進行方向を左右に振りながら走るガルシアを先頭に、縦に伸びた集団がくねくねしながらフィニッシュを目指す。
ふと、ニッツォーロのとなりに緑のかげが。
マイヨ・プントスのジャージ。
……バルベルデ!?

そのとき、残り100mでついにサガンが動いた!
道路の右側、ガルシアの左手側からガルシアを抜いて、先頭に踊りでる!
サガンの反対側からガルシアを抜いて上がって来たのは、バルベルデ
サガンは道路右側から左へ、バルベルデは逆に左側から右に入っていき、残り75mでサガンが手前の状態で二人がクロスする!
フィニッシュ地点も向かって右がバルベルデ、左がサガン
二人が並び、後ろに他のスプリンターが見える。
けれど残り25mでバルベルデが前にでた!

ステージ優勝!モビスターのアレハンドロ・バルベルデ
2位がボーラ・ハンスグローエのペーター・サガン
3位がロットNLユンボのダニー・ファンポッペル。

バルベルデすごい。
すっっっごく強い。

今日のサガンは、正直勝っちゃうと思った。勝てるサガンだなと思ってた。
そのサガンに、バルベルデ勝っちゃった。
今大会のブエルタ、2勝目です。強いなー!!

そんでもって、総合の成績。

総合1位は、変わらずエフデジのリュディ・モラールのまま!
2位は、今日勝った、モビスターのアレハンドロ・バルベルデ。タイム差は37秒。
3位は、ボーラ・ハンスグローエのエマヌエル・ブッフマン。48秒差。
4位は、ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツ。51秒。
5位が、昨日勝った、アーゼードドゥーゼル・ラ・モンディアルのトニー・ギャロパンで、39秒となってます。
スカイのクヴィアトコウスキーは、タイム差1分6秒差の6位です。

ポイント賞と複合賞は、どちらもモビスターのアレハンドロ・バルベルデ
ちなみに、ポイント賞の2位はペーター・サガンです。
いや、でも、ブエルタのポイント賞は、ツールよりも山よりなポイントのつき方するからな。
山岳賞は、コフィディスのルイス・マテマルドネス。
そして敢闘賞は、ブルゴスBHのホルヘ・クベロでした。
んむー。マシャドじゃなかったかー。


今日、レースが終わってから、ロット・ソウダルのトーマス・デヘントがレース後すぐにツイートをあげてました。
レースの平均スピードと、平均気温の数値が一致してたって。
41だったって。

……あついレースだね、ブエルタは!


明日は、かなりしっかりした山岳ステージで、超級山岳ゴールです。
確実に総合が動く日ですね。
ただ私は、明日は夜飲み会があるだろうから、最初からは見られなそうです。残念。
距離も長いから、スプリントポイントあたりまでは総合が動かない気もするのですが、ブエルタだとたまに、序盤で集団が二つに割れて、総合優勝候補同士が逃げと集団に別れて戦うパターンがあるから、油断できません。

まあ、なにはともあれ、
明日は今日よりも涼しいレースになるといいのになと思います。

41度って。風呂じゃん。

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