コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

本のお返しに本。

こんばんは。
ツールが終わって、みなさん如何お過ごしですか。

私はとりあえず、しっかりと寝ました。(笑)
それと、ちょうどこのタイミングで、友人がすすめてくれた本があったので、それを読んでいました。

『何者』作:朝井リョウ 

何者(新潮文庫)

何者(新潮文庫)

映画化された作品なので、知っている人も多いでしょう。
就活にかかわる大学生の話です。
読みやすい話だったので、読み始めて一日のうちに読み終わりました。

ザ・青春、というよりは、就活の独特の時代にのみ特化したような話です。
手探りで真っ暗なくせに、不安も武装の一つにしなきゃ戦えない、社会にでる一歩手前の、あの不安定な仲間意識。
最初から妙にぴりぴりした感覚のある小説だったのですが、最後まで読んで、「ああ、なるほどな……」ってなりました。
で、そのあといろんなシーンを思い返して、「ああそっか!」「だから不条理劇!」とかあとから布石に気づく感覚。うまいなーって感じです。

普段本をそれほど読まないような学生が、一番読んだ時の衝撃が大きかもしれません。
先入観がない状態、というか「この展開のときはこうくるよなー」みたいな、今まで培ってきた読み手としての経験値のない状態で読みたかった!
でも、そこそこ本を読む人たちにも、衝撃以外のいろんな形で納得させる感じの小説でした。




でね。
この本を教えてくれたお返しに、私からは、この本を友人にすすめました!

サクリファイス (新潮文庫)

サクリファイス (新潮文庫)

サクリファイス』作:近藤史恵

ロードレースを見るようになってからこの小説の存在を知って読んだのですが、
いや面白かった!面白かったのですよ!
ジャンルとしては、スポーツ+推理ものだと思うのですが、私はそのスポーツの部分、ロードレースのことを書いている部分がとても好きです。
推理の部分か嫌ってことじゃなくて、スポーツも部分が魅力的すぎるってことね。

主人公は日本の自転車プロチームに所属している山岳系のアシスト選手なのですが、
レースで走っているときの主人公の心理描写がすっごくすっごく惹きつけられて、自分が走っているような気持ちになるのです。
推理ものだから、どうしてもずっとレースでうきうきわくわくっていう感じにはなりませんし、読後感もスッキリ!ってタイプの作品ではないです。
でも、ロードレースのわくわく感は、いっぱいいっぱいある小説なのです。

ロードレースをよく知らない人が読んだ時、どういう評価になるんだろうと思っていたのですが、こないだ本屋大賞の昔の受賞作とか調べていたら、この作品、実は2008年本屋大賞で2位だったそうではないですか!

じゃあきっと、ロードレースを知らない人にすすめても大丈夫だろう!!
と、いうわけで、これを友人にすすめました。


読んでくれるといいなー。
ついでに、ロードレースも好きになってくれるといいなー。
もっとついでに、レースを見に行くようになってくれると、なおいいなー。


そんな、希望的観測な日々。

ツール・ド・フランス 2017 第21ステージ 最終日

三週間続いたツールも、いよいよ最終日です。
基本的に、ツール・ド・フランスの最終日のステージは、総合タイム争い、リーダー賞争いを行わない慣例があります。
ステージだけの争いになることがほとんどです。

ですので、周回になるコースに入るまでの約50kmくらいは、アクチュアルスタートが切られてからも全員なごやかムードです。
乾杯したり、地元のオフレドは親戚のとこまで走って行って、自転車おりて話したり、
アーゼードゥーゼルのゴチエはなんとツール中継を通して公開プロポーズ!
その後ろでキャノンデールのローランが何か叫びながら手でハートマークつくってました。仲良し!

最終日は、いわゆる平坦の周回ステージになります。
ですので、基本的にステージを狙ってくるのはスプリンターになります。
優勝候補としては、ポイント賞ジャージ着用中のサンウェブのマイケル・マシューズ。
去年と一昨年、このシャンゼリゼでステージ優勝をしている、ロット・ソウダルのアンドレ・グライペル
トレック・セガフレードのジョン・デゲンコルブ、バーレーンメリダのソンニ・コロブレッリ、そして、地元フランスのコフィディスのナセル・ブアニあたりが有力でしょうか。

ちなみに、逃げ切り勝利は結構難しいらしいです。
なんてったって、へーいたーん。


さあ、残り55kmを切り、逃げのアタックがはじまります。
逃げたい選手が多いので、次々逃げては捕まっての繰り返しになります。

残り46kmで、逃げている選手は9人。
アスタナのルツェンコや、ディレクトエネルジーのシルヴァン・シャバネル、モビスターのエルヴィーティーとかが入っています。
メイン集団の牽引は、サンウェブのゲシュケ!

残り40km。
バルギルがパンク!タイヤ交換のために止まります。
石畳だからなー。やっぱりパンク多いんかなー。

残り33km。
逃げとメイン集団とのタイム差は、約17秒。
集団の先頭は、ロット・ソウダルが引いています。


残り20km。
タイム差は14秒。残り3周!
ここら辺でグライペルが単騎でアシスト選手探して前にいると、調子いいんだけど、ううー。姿が見えん。

残り17km。
逃げ集団が割れそうな気配を醸し出し始めます。
メイン集団とのタイム差は10秒前後になってきます。

残り13.5km。
タイム差10秒。

残り12km。
メイン集団からトニー・マルティンがアタック!
ええ、まさか独走勝利狙いなの!?
さすがにメイン集団も慌ててペースをあげて追いかけます。

残り10km。
メイン集団が逃げている選手に追いついて、集団が一つになりました。

残り7.5km。
あれ。スカイが先頭をひいている。
クヴィアトコウスキーが先頭でひいている。
…………なんのために?

残り6.7km。残り1周!
ここでアスタナのデミトリ・グルージェフが飛び出した!
単独先頭!でも向かい風なのでちょっと逃げ切りは厳しいか!
一方、このツールで引退をするヴォクレールは、メイン集団を離れてゆっくりと最後の一周を走り始めます。

残り5.6km。
メイン集団からさらにアタック。クイックステップのスティバルとモビスターのズッタリン。
そこから、スティバルの単独の逃げになります!
メイン集団はバーレーンメリダの新城選手が引いて追いかける!

残り2.6km。
メイン集団はカチューシャの引きでスティバルに追いついた!吸収!

残り2km。
集団先頭はディメンションデータ、二番手がカチューシャ。

残り1km。フラムルージュ!
カチューシャ・アルペシンが先頭!

残り300m、ロットNLユンボのフルーネウェーヘンが先頭で、一気にスプリントが開始!
真ん中から上がってくるボアッソンハーゲン。
その背後につけているグライペル
そして、グライペルがボアッソンハーゲンの右手側から一気に上がって、ボアッソンハーゲンを抜く!
グライペルがすごい勢いであがっている!でも、フルーネウェーヘンがまだ前!

最終日のステージ優勝、ロットNLユンボのディラン・フルーネウェーヘン!
2位のグライペルが惜しかったー!
最後の追い上げ、一瞬もうこれグライペルがとったと思いました。
3位はディメンションデータのボアッソンハーゲンでした。


そして、そのメイン集団の中で、フルームも笑顔でゴールラインを通過。
4度目の総合優勝を確定させました。

そんなこんなで、今年のツール・ド・フランスの結果はこちら!
マイヨ・ジョーヌ(総合優勝) スカイ クリストファー・フルーム
総合2位 キャノンデール・ドラパック リゴベルト・ウラン
総合3位 アーゼードゥーゼル・ラモンデュエル ロメン・バルデ

マイヨ・ヴェール(ポイント賞) サンウェブ マイケル・マシューズ
マイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュ(山岳賞) サンウェブ ワレン・バルギル
マイヨ・ブラン(新人賞) オリカ・スコット サイモン・イェーツ
総合敢闘賞 サンウェブ ワレン・バルギル

フルームはツール総合優勝4回目!
ツール始まる前は、今年は難しいのではないかと思っていましたが、なんのその!って結果になりましたね!
やっぱり強かった!


さてさて。長かったツールも終わってしまいました。
明日以降、ツールロスはあるのでしょうかね。
去年よりもレース中継時間が長かったから、大変すぎて逆に起きないかな。
それとも、これだけ生活の長い時間を占めていたから、昨年よりももっと寂しくなるのでしょうか。


…………正直。
明日からのツールロスよりも、
ゴチエのプロポーズが気になってしょうがないのですが!!

まあとにかく!今日は、もうおやすみなさい!

ツール・ド・フランス 2017 第20ステージ

ぼどなぁぁぁぁぁるぅぅぅぅぅ!!!!!

サガンが失格になり、マイカのリタイアが確定したとき、「こうなったらボーラ・ハンスグローエはボドナールががんばるしかない。頑張れボドナール!まだTT残ってるから!」みたいなことをツイートしていた、コロロンです。

そしたら本当にやってくれたよ!
すごいボドナール!!


ボドナールの走行順は、比較的早めでした。
その直前まで暫定1位だった、キャノンデール・ドラパックのテイラー・フィニーのタイムを1分以上更新したタイムでゴール!

ボドナールのあとから、現世界王者のトニー・マルティンや、ボドナールと同郷で現ポーランドTTチャンピオンのスカイのクヴィアトコウスキーがゴールして行きますが、ボドナールのタイムを抜けない!
クヴィアトは1秒差で、暫定2位でした。

あと気になるタイムを出しそうなのは、コンタドールと、フルーム。

コンタドールはボドナールから21秒遅れでゴール。でもいいタイム!


そして、最終走者であるフルームが走り出すのですが、
ボドナールがステージ優勝できるのかが気になって半分忘れかけてたけどフルームにとってはステージ優勝と一緒に気になるのがマイヨ・ジョーヌ

……とは言ったものの、フルームはタイムトライアル得意だから、大きな落車でもない限り、総合1位は守れます。

総合での今日の注目は、2位のバルデと3位のウラン

バルデがは、もともとあんまりTT得意ではないのですが、第一中間計測地点で、すでにウランから19秒遅れ、この時点で総合2位と3位が入れ替わります。

バルデは調子が悪そうで、しまいには現在総合4位であるスカイのランダから逆転されそうなタイムになっていきます……。

対してフルームは絶好調。

フラム・ルージュではバルデの後ろに迫って来ます。

バルデはなんとか総合1秒差で、ランダに勝って3位!
そしてフルームのタイム。
ボドナールとのタイム差は、6秒!ステージ3位


そんなわけで、ボーラ・ハンスグローエのマチェイ・ボドナールがステージ優勝!!


ほんっっっとうによかった!

ボドナールは、ペーター・サガンが出ているレースには、ほぼ必ずいてサガンのアシストをしている選手です。
ということは、自分の成績のために走る機会がなかなかないと思うのですよね。
特にツールは、サガンはポイント賞をとるために連日動くので、ボドナールも当然そのための仕事をしなければならず、それこそ翌日のタイムトライアルのために力をセーブする、みたいな戦い方ができるはずないんです。

残念なことが続いた結果としてだけれど、それでも手に入れた機会だから、なんとか勝利をつかんでほしいと思っていたので、本当に良かった。

ボドナール!!!おめでとう!!!


そして、総合順位。
1位はスカイのクリス・フルームが守りました!
2位は、今日逆転、キャノンデール・ドラパックのリゴベルト・ウラン
総合タイム差は54秒!
ちなみに今日はウラン、ステージ8位でした。ウラン、タイムトライアル速いんだね。覚えておこう。
3位は、アーゼードゥーゼルのロメン・バルデ。フルームとのタイム差は、2分20秒でした。
バルデから1秒遅れて、4位がスカイのミケル・ランダ。
……1秒差でも、最終日は争わないものなんだろうか。

ポイント賞と山岳賞は今日はそもそもポイントがつかないので変わらず、マシューズとバルギル。
新人賞は、オリカ・スコットのサイモン・イェーツが守りました。


それと、スーパー敢闘賞(大会全体の敢闘賞)が決まりました。
サンウェブのワレン・バルギル!


一般の人の投票だと、もうダントツの圧勝でロット・ソウダルのトーマス・デヘントだったらしいのですけれど、結果としてバルギルになったようです。
ちょっと残念だけど、フランスのレースだからなあ……。



まあ何はともあれ。
とりあえずボーラが一勝できてよかった!
しかもそれが、いつも裏方に徹してがんばっているボドナールで、本当に本当に良かった!!

ツール・ド・フランス 2017 第18ステージ

私は何を見たんだろう。

今日のステージを見終わって今、そういう気持ち。


今日は逃げが51人という、最初っからまあ「この人数って逃げ?」っていう疑問からはじまったステージでした。
さらに3人追加で、最終的には54人。
この逃げから、要所要所で何人か飛び出して、吸収され、の流れが繰り返され、それをだいたい7分くらい後ろから追っているメイン集団、という感じでした。
そこから、最初の3級山岳では、ロット・ソウダルのデヘントが1位通過。
次の中間スプリントでは、バーレーンメリダのコロブレッリが1位通過。
その次の1級山岳ポイントは、アスタナのルツェンコがとりました。

その後もアタック、追いつく、集団形成、またアタック、みたいな流れがありつつ、
最終的には、残り15kmくらいで、逃げの中からアスタナのアレクセイ・ルツェンコが単独先頭に立ちます。
この時点で、メイン集団とは約4分16秒差。

そこからルツェンコが一人で逃げますが、後ろから追いついて来た、UAEのダルウィン・アタプマがルツェンコを抜き、単独先頭に立ちました。
また、ロット・ソウダルのトニー・ギャロパンもルツェンコを抜いて行き、単独2位になります。


メイン集団はスカイがずっとコントロールをしていたのですが、残り50kmくらいからは、アーゼードゥーゼルが前を引きスピードを上げていきます。そしてまた残り7kmを切ったあたりから、また集団の主導権はスカイの元にもどります。

先頭残り6.2km。
ここで、サンウェブのバルギルがメイン集団からアタック。
それに続いて、すかさずトレック・セガフレードコンタドールもアタックします!
今日もアタック!
コンタドールとバルギルは協調して、前からおりてきたモレマと合流します。
しかし、残り5.4km。バルギルがどんどんスピードをあげていき、さくさく先に行ってしまいます。


先頭残り4.8km。
メイン集団で、クイックステップ・フロアーズのダニエル・マーティンがアタック!が、すぐに追いつくメイン集団。
ここで、アスタナのアルがメイン集団から遅れ出します。


残り4km。
結局先ほどアタックして前にいったコンタドールも吸収されました。
そのあと、すぐです。
フルームが、ランダを一人で行かせます!
ランダが前に切り離されたような形から、がんがん一人で前に進んで行きます。
フルーム、自らメイン集団内でアシスト0状態にしました!

このレースも佳境の場において、「この場は一人で対処できる」という自信とその判断を下せる勇気。
鳥肌が立ちました。
「あとはいいから自分のために走れ」と送り出したかのように見えました。


そして、フルームが一人になったのを見て、アタックを繰り返すダニエル・マーティン
フルームが都度すべて対処するので、決定打にはなりません。
でも、それでも繰り返し自分で攻撃をしかけるところが、「ああ、マーティンの走りだなあ……」って思いました。


そして残り3km。
ここまでじっと抑えていた、バルデがアタック!
フルームがチェック!ウランはフルームについて行く。

けれど、マーティン以下他チームのエースの選手はついていけません。


前を走っていた、ロット・ソウダルのトニー・ギャロパンにバルデが追いつき、またそこにフルーム、ウランも追いついてきます。
そしたら、チームメイトでもないバルデを引くギャロパン。
フランス人ライン!?


そして、このタイミングで、ついにでた。
フルームのアタック!

バルデがチェックしますが、その猛烈な走りに、一気にバルデとウランが離されていきます。さっすが。

しかし、ウランがバルデの前に出た途端、じわじわその差が狭まり出します。
ウランが速いんだ!
やがて、ウランとバルデもなんとかフルームのところまで追いつきますが、この一連の攻防の結果、先ほど一人で前に行かせたランダのところまでフルームたち3人が追いつきます。



その頃、先ほど飛び出していったワレン・バルギルが、先頭でずっと逃げていた、UAEのアタプマに追いつきました。
アタプマ、必死でバルギルについて行きますが、残り1kmのフラム・ルージュを通過したあたりから、徐々に引き離されて行きます。

バルギル、単独先頭。
そして、そのままゴール!

サンウェブのワレン・バルギル。ステージ優勝!今大会2勝目!

そして続いてやってきたアタプマのすぐ後ろに、フルームグループがやってきます。
結局、アタプマが2位、バルデが3位、フルームが4位。ウランは2秒だけ遅れて5位でした。


そして総合順位。
マイヨ・ジョーヌは変わらず、スカイのクリス・フルーム
2位が、アーゼードゥーゼルのロメン・バルデで23秒差。
3位は、キャノンデール・ドラパックのリゴベルト・ウランで29秒差。

マイヨ・ヴェールはサンウェブのマイケル・マシューズ。
マイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュは、本日優勝したサンウェブのワレン・バルギル。
この二人、今大会、ホテルの部屋割りルームメイトらしいですね。
すごい部屋だ。

マイヨ・ブランはオリカ・スコットのサイモン・イェーツです。
そして敢闘賞は、UAEのダルウィン・アタプマでした!



今日は最後のイゾアール峠を登り始めたあたりから、もうあっちもこっちもそれぞれが自分の持ち味を生かしてすごい走りをしていて、群像劇を見ているみたいでした。
誰からも目が離せないような、そんなステージでした。

誰も彼もがすごすぎて、続々とみんながゴールをしていき、表彰式を見終わってからも、なんだかぼうっとしています。

これ、リアルタイムで、今フランスで行われたレースなんですよね。
実際にたった今、こんな風にそれぞれの生き様を映し出すかのような、素晴らしい走りをした選手が、本当にいるんですよね。
そんな当然のことが、どこか現実味がなくなってしまうくらい、すごいすごいステージでした。

ツール・ド・フランス 2017 第17ステージ

今日は最初っからは見られていないのですが、スタートから約20km走ったところで落車が発生してて、現在山岳賞のバルギルや、ポイント賞のキッテルが大幅に遅れていました。
ですので、今日の注目はまず、山岳賞やポイント賞で上位につけている選手たちの動向。

すなわち、山岳賞暫定3位のロット・ソウダル、トーマス・デヘント。
そして、ポイント賞第2位の、サンウェブ、マイケル・マシューズ。

二人とも、サンウェブが主導権を握った大きな逃げにとって、マシューズは中間スプリントをゲットします。
デヘントは最初の2級山岳こそ1位通過をマシューズに邪魔されながら、中間スプリントをすぎ、次の超級山岳を目指して逃げからさらに飛び出して行きます。
なぜかデヘントについていくマシューズ。
先頭2人、追走集団、メイン集団という形になります。


ここでメイン集団が動きました。
コンタドールがアタック!そしてそれを追いかけるキンタナ!
豪華な山アタック!
二人とも、総合争いでは大きく遅れているため、スカイも特に追いません。

が、キンタナは途中でついていけなくなり、メイン集団に戻ります。


コンタドールはそのまま前に行き、前から降りて来たアシストのミヒャエル・ゴーグルと合流。
そのままゴーグルにしばらく引いてもらい、ゴーグルが役目を終えてからまた一人であがっていって、モレマやパンタノがいる大きな追走集団に合流します。

先頭では、デヘントとマシューズが二人だったのが、ナバーロが合流し、マシューズが脱落していきました。
やがて来た超級山岳は、デヘントがきっちりと1位通過。

そのあと、迫り来るトレックのパンタノがコントロールする追走集団に、デヘントとナバーロたちは吸収されます。
パンタノが引き、その次はモレマがひき、着々とコンタドールステージ優勝のための布石をうっていくトレック・セガフレード

1級山岳は、山岳賞候補の一人である、ロットNLユンボのログリッチェが1位通過しました。

残り44kくたいのところで、ログリッチェがアタック!
コンタドールと、ディメンションデータのセルジュ・パウエルスのみがついて行きます。


UAEチームエミレーツのダルウィン・アタプマ、アーゼードゥーゼルのマティアス・フランクが追いついてきました。
ゴールまで、残り38kmくらいです。
なお、メイン集団とのタイム差は、約3分。
そこにさらに、コフィディスのナバーロがおいついてきたところで、パウエルスがアタック!
グリッチェがすぐチェックにいっておいつきます。

パウエルスが再度アタック!
今度は見逃すコンタドールグループ。パウエスルが単独先頭になります。


残り35km
ナバーロが遅れていきます。コンタドールがいる追走グループは4人に!
グリッチェが先頭で、パウエルスを追っていきます。
その後ろにしっかりとついているのは、軽やかなダンシングを繰り返す、アルベルト・コンタドール
そしてログリッチェ、パウエルスに追いつきました!
今度は、徐々にマティアス・フランクが遅れていきます。


そのころ、メイン集団ではこの人がアタック!
クイックステップ・フロアーズのダニエル・マーティン


と、ここで、先頭集団においてログリッチェがアタックです!
これが決まる!
グリッチェ、タイムトライアルスペシャリストなので、一人でがんがん山頂を目指していきます。


残り32km
今度は追走から、アタプマがアタックです!

そしてメイン集団。
さっきアタックして出て行ったダニエル・マーティンを、スカイのランダが引くメイン集団が再度吸収。
続いて今度はバルギルがアタック!山岳ポイント目指して進んで行きます。


そして今度はバルデがアタック!
フルームがチェックに。ウランがその後ろにぴったりとつきます。ランダとマーティンもついていきますが、アルがちょっと離されています。
一旦落ち着いて、みんな集合。
そして再度バルデ!アタック!さっきとまったくおんなじ。アルが再び遅れます。さっき飛び出していったバルギルのところまで追いついてきました。
また後ろからアルが追いついて来たところで、今度はダニエル・マーティンのアタック!
攻撃が止みません。


残り30km。
先頭はログリッチェ。1分遅れてアタプマ。その約30秒うしろが、コンタドールら追走集団。

残り28km。
メイン集団でまたまたまたバルデがアタック!
ああ!コンタドールのところまで、メイン集団が追いついてきました……。

そして超級山岳。先頭はもちろんログリッチェ。時点通過は、アタプマ。
3位通過は、メイン集団からあがってきたバルデル。
続いてコンタドールを先頭に、合流してきたメイン集団。



残り22km.
先頭、独走で下り中のログリッチェ。
フツームたちメイン集団は、その約1分30秒後ろです。


残り17km。
先頭はログリッチェ一人。
1分25秒差でメイン集団。フルーム、ランダ、ウラン、バルデ、バルギルの5名。
1分48秒差で、コンタドールダニエル・マーティン、メインチェス、アタプマ、マティアス・フランクによる、追走集団。遅れていたアルがここに追いついて来ました。
そこからさらに約30秒おくれて、イェーツ&パウエルスの二人です。


残り10km。
先頭ログリッチェは変わらず。
メイン集団とのタイム差は1分16秒。メイン集団、けっこうきれいに協調をしています。
ただ、ログリッチェのペースが全然落ちないし、あんなに後ろから追い上げようとメイン集団がまわってるのに、タイム差そんなに変化がありません。


残り6.5km。
タイム差1分26秒。
グリッチェ、すごい。タイム差をじりじり広げている。


残り3km。
先頭のログリッチェとメイン集団5人とのタイム差1分22秒!!
メイン集団から約40秒おくれて、6人の追走集団。
その後ろにイェーツがいて、さらにさらに後ろにナイロ・キンタナがいます。


そしてTTポジションをたもったまま、ログリッチェが残り1km地点であるフラムルージュを通過して行きます。
そして、一度も振り返ることも、勝利の喜びを持て余して片手でガッツポーズをするようなこともなく、平静にしか見えない状態のまま、どんどんペダルをまわしていきます。
残り500m、400m、300m、200m、100m……。

ようやくここで手を離して、ちょっとはにかんだような控えめな笑みをうかべ、両手をそっと左右対称にかかげます。高さはない。幅はある。
そしてゴール!

ロットNLユンボの、プリモシュ・ログリッチェがステージ優勝!!
何あの控えめなガッツポーズ。超かわいい。
勝ち慣れてないみたいに見えるよ。まったくもってそんなはずないのに。


そしてやってくるメイン集団5人。
ボーナスタイムゲットするため、ランダ以外はスプリント!
バルデが最初に駆け出しますが、それをじりじり抜いていくウラン
結局この争いを制したのはウラン!強い!
グリッチェから1分13秒遅れで、ウラン2位、フルームが3位、4位がバルデ、5位がバルギルでした。6位が、スプリントをしなかったランダで1分16秒差。
ダニエル・マーティンが1分43秒差。メインチェス、アル、コンタドール、マティアス・フランクが1分44秒差。
サイモン・イェーツは3分14秒差でした。


そして表彰式。
壇上で、スキージャンプの着地ポーズを決めるログリッチェ。(←元スキージャンプの選手)
さっきのはにかみから一転して、お茶目ポーズ!
グリッチェ楽しい!

総合。マイヨ・ジョーヌは変わらずスカイのクリス・フルーム
そして今日ボーナスタイムをとった、キャノンデール・ドラパックのリゴベルト・ウランが、27秒差で2位!
3位が、アーゼードゥーゼルのロメン・バルデで、同じく27秒差。
同じ秒差なのに、順位が違うのは、TTのコンマタイム差を反映させてのことだそうです!

ポイント賞は、なんと本日、クイックステップ・フロアーズのマルセル・キッテル、本日レース冒頭の落車の影響からか、リタイアしてしまいました……。
繰り上がって、ポイント賞はサンウェブのマイケル・マシューズです。
山岳賞は、変わらずサンウェブのワレン・バルギル。
新人賞は、オリカ・スコットのサイモン・イェーツがキープ。
現在2位のメインチェスとは、今日のステージで縮まってしまったものの、まだ2分28秒あります。

敢闘賞は、再びコンタドール


コンタドールが勝てなかったことには、残念な気持ちはありますが、まだまだ、ステージ優勝に向けて戦っている走りが見れたことが嬉しかったです。
コンタドールって、かっくいー。
それと、ロットNLユンボはエース含めてここまででもう3人リタイアしているので、ログリッチェ勝てて良かったと思いました。
あと、リアクションが楽しかった。
今後もたくさん勝って、あのジャンプポーズを勝利の際のトレードマークにしていってほしいです。

ツール・ド・フランス 2017 第15ステージ

今日は、スタートして28.5kmから1級山岳があり、ちょいと標高高めのところを走ってたら、ガクっとさがってまた1級登って下るステージです。
うまく説明できないけど、私はコースの高低表を見た瞬間、「……ピラミッド群?」って思いました。


最初10人のアタックができますが、その中に入ったサンウェブのバルギルががんがんペースをあげていき、この逃げが半ば崩壊しかけならが1級山岳を通過します。もちろんトップはバルギル。
次の3級山岳もバルギルがとり、逃げは離れたりくっついたりして、5人になりました。

そして、それを追いかける追走集団。
本日中間スプリントが欲しいサンウェブのマイケル・マシューズ、あと赤い彗星ことトニー・マルティン。トレック・セガフレードのバウク・モレマ、いつものロット・ソウダル、トーマス・デヘントとかがいる追走ですが、これが追いかけて来て、先頭に合流。
28人の先頭集団対メイン集団の構図でレースが進んでいきます。


中間スプリントはマイケル・マシューズが安定のゲット。
ちなみに2位通過はトーマス・デヘント。

そして1級山岳への登り口へと向かっていく下りの途中の、残り67km地点で、カチューシャ・アルペシンのトニー・マルティンがすうっと先頭に躍り出て、そのまま一人で前にいってしまいます。


慌てる後続。
でも誰も全然追いつけない。

タイムトライアル世界王者って、凄まじい。

逃げている選手の中で、総合順位を脅かすタイムの選手がいないのもあって、メイン集団を牽引しているスカイも積極的に追わず、タイム差的にほぼ、今日は前にいる28人の選手の中から決まりそうです。

ただ、先頭を単独で走り続けるマルティンは山岳の選手ではありません。
ので、1級山岳に入るとどんどん差が縮まっていきます。

先頭残り40km。

その頃、メイン集団では、ここまでずっと集団を引いていたスカイにかわり、アーゼードゥーゼルがいきなり集団の先頭に出て引き出しました。
ああ!フルームが遅れている!?
でもなんとかおいつくスカイ軍団。

でもそこからしばらくして、フルームが止まりました!
パンク!!

先頭をガンガンひいてる、アーゼードゥーゼルは気づいているのかいないのか、オリヴェル・ナーゼンが先頭でガンガンあげてしまっています。
スカイは、エナオがフルームをまってあげていきます。
ちょっと先にキリエンカも待ってて、フルームたちを引いていきます。

パンクきっかけでアタックしたなら「おいおいおい!!」なんですけど、すでに攻撃中に起こったトラブルなのであれば、それを待たなきゃいけない、とはならないようです。
相手の不運につけこんじゃわけじゃないからだろう、と私個人としては解釈しています。

フルームたち、チームスカイはなかなか追いつけません。キリエンカが仕事を終え、もうニエベしかない。
キンタナはアーゼードゥーゼルの集団から遅れて、後ろから追いついてきたフルームグループの後ろについていきます。
アーゼードゥーゼルまだがんがんひいています。


残り34km。
ニエベも離れた!!
フルーム自分で追いつこうとあげていく!あ。もうキンタナがいなくなっている。

アーゼードゥーゼルの先頭はヴュイエルモー!
そしたらランダが下りて来ました!
ランダがフルームを連れていきます。

33km切って、フルームはバルデやアル、コンタドールのいる集団に追いつきました。
ちょっとほっとした。


そのころ、先頭ではマルティンを追い抜いたバルギルが単独で先頭にたっていました。
バルギルがガンガンいきますが、後ろからトニー・ギャロパンが追いついて来ます。
その後ろも続々と追走の選手が迫って来ています。

ここの1級山岳は、またバルギルがとりました。
追走もどんどん追いついてきたところで、その中から下りで、トレック・セガフレードのバウク・モレマがアタック!
まだ残り30kmあるのに、飛び出していきました!!

先頭残り16km。
モレマと後ろの追走の選手達とのタイム差は43秒!
そしてモレマが本日最後の山岳である4級山岳の登りに入っていきます。

残り14km。
追走ではログリッチェがアタックをかけていきます。
ついていくバルギル。

残り13km。
モレマが4級山岳ポイントを通過!
約20秒遅れて、バルギル、ログリッチェが山岳ポイントを通過していきます。
そこに、トニー・ギャロパンとディエゴ・ウリッシも合流します。
単独モレマVS追走4人組!

残り9km時点で、タイム差は19秒です。

その頃メイン集団では、4級の登り途中で、オリカのサイモン・イェーツが単独アタックをしかけます。
間を置いてから、スカイのランダが先頭に出てペースをあげていきます。
そしてイェーツを吸収してそのままみんなで下っていきます。
今度はメインチェスがアタックしますが、これも収まります。


先頭残り7km。
モレマと追走4人のタイム差はまだ19秒から動かず。

メイン集団ではダニエル・マーティンがアタック!
みんなお見合いしてちゃんと追いかけず、このアタックが成功!
一人抜け出していきます。

残り3km。
まだモレマ単独!
後ろの4人、びみょーに、びみょーに仲がよくない!回ってはいるものの、ぎくしゃくさが完全に速度に影響が出ています。

残り2km。
タイム差10秒!

残り1km!
モレマ、まだ一人!後ろの選手からはまだモレマの姿は見えない距離!
モレマは一切振り向かずに踏み続けます。

残り300m切ってから、ようやく振り向くモレマ。それから、何度もなんども振り向くモレマ!

勝利を確信して、両手をあげ、いったんおろし、もう一度振り向く。
それから、今度はしっかりとした、ガッツポーズ!

トレック・セガフレードのバウク・モレマ、ステージ優勝!!
19秒おくれて、ウリッシ、ギャロパン、ログリッチェ、そこから4秒遅れた5位がバルギルでした。


そのころ、ダニエル・マーティンは前にいた、逃げだった選手たちに合流しました。
すると、そこにいた、ロット・ソウダルのトーマス・デヘントが先頭にたって、マーティンを引きだします!
デヘントの次は、サンウェブのゲシュケも手伝います。
垣間見える、ダニエル・マーティンの人望。

残り500m切っても、ゲシュケがマーティンに話しかけて、最後また引いてくれ、デヘントもささっと前にでて、同一集団のタイムをちょっとだけ稼ぎます。


その14秒後方から、フルームを先頭に各チームエースが戻って来ます。
でもそこに、キンタナの姿はありません。キンタナはフルームたちから、4分近く遅れてのゴールとなりました。


そんなわけで、ジャージは誰も動きませんでした!
マイヨ・ジョーヌはフルームで、マイヨ・ヴェールはキッテルで、山岳賞ジャージは今日どんどん山岳ポイントを重ねたバルギル、新人賞ジャージはサイモン・イェーツ。
そして、敢闘賞はみんな納得のバウク・モレマ!
それと、総合順位で6位だったダニエル・マーティンが、ランダを抜いて5位になりました。


モレマ、ずっとずっと後ろを振り向かずに、ただひたすら前だけを見て一人踏み続けていた姿が印象的でした。
かっこよかった。

本当は見たかった対決。

ツール・ド・フランス2017第14ステージ!
ロット・ソウダルのトーマス・デヘントが、最初からずっとずっと逃げ続けていたこのステージ!

途中からしか見られなかったのですが、フィニッシュ地点が、2015年の第13ステージ、ギリギリまでサガンとヴァンアーヴェルマートが競って、アーヴェルマートが勝ったステージとラスト30kmが同じというステージでした。

ゴールまで残り1kmを切った、きっつい登りで、アーヴェルマートやボアソンハーゲンやフィリップ・ジルベールがあがってくる中、登れるスプリンターとして名前をはせるサンウェブのマイケル・マシューズがこのステージを制しました!

サンウェブがずっとメイン集団を引いていただけに、その労力に報いる走りをしたマシューズは、さすが!という感じでした。
でも同時に、ペーター・サガンが、2年前に惜しくも2位になったこのステージで、どう出るのか、マシューズとどういう対決になったか、見たかったなあ……という気持ちが残ります。


うう。


それと、きつめの短い登りラストにあるこのステージで、なんと総合順位に変化が。

なんと、現在マイヨ・ジョーヌを着ているアルが、このゴールで遅れしまったのです。
フルームやダニエル・マーティンが先頭のマシューズと1秒差の集団でゴールする中、アルは25秒遅れます。

これで総合1位が入れ替わり、
1位がスカイのクリス・フルーム
2位がアスタナのファビオ・アルで18秒差。
3位がアーゼードゥーゼルのロメン・バルデで23秒差。
4位がキャノンデール・ドラパックのリゴベルト・ウランで、29秒差。
と、なりました。

残りの3賞ジャージは変わらずで、敢闘賞はロット・ソウダルのデヘント!!

今日残念ながら逃げ切り勝利はできなかったですが、
それでもやっぱり、逃げ屋ってかっこいいなと思いました。

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